- 英
- hepatic coma
- ラ
- coma hepaticum
- 関
- 昏睡
概念
- 重篤な肝機能障害に基づく意識障害(昏睡)。
- 肝性脳症の部分症。
分類
医学事典
- 第1度:錯乱状態、人格と行動の変化、睡眠覚醒リズムの逆転。
- 第2度:傾眠、不適当な行動、指南力障害、医師の指示には従う。
- 第3度:昏迷、よくしゃべり簡単なことは理解できる。言語不明瞭、嗜眠と興奮状態、脳波では徐波が多くみられ、三相波が出現しはじめる。
- 第4度:昏睡、脳波は徐波化が進行し、三相波が多くなる。
- 第5度:深昏睡、痛み刺激に反応せず、脳波はデルタ(δ)波が主体。
1981年 第12回犬山シンポジウム YN.B-10
昏睡度
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精神症状
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参考事項
|
Ⅰ
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・睡眠-覚醒リズムの逆転 ・多幸気分、ときに抑うつ状態 ・だらしなく、気にもとめない態度
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・retrospective にしか判定できない場合が多い
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Ⅱ
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・指南力(時・場所)障害、物を取り違える(confusion) ・異常行動(例:お金をまく、化粧品をゴミ箱に捨てるなど) ・ときに傾眠状態(普通の呼びかけで開眼し、会話ができる) ・無礼な言動があったりするが、医師の指示に従う態度をみせる
|
・興奮状態がない ・尿、便失禁がない ・羽ばたき振戦あり
|
Ⅲ
|
・しばしば興奮状態または譫妄状態を伴い、反抗的態度をみせる ・嗜眠状態(ほとんど眠っている) ・外的刺激で開眼しうるが、医師の指示に従わない、または従えない(簡単な命令には応じうる)
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・羽ばたき振戦あり(患者の協力が得られる場合) ・指南力は高度に障害
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Ⅳ
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・昏睡(完全な意識の消失) ・痛み刺激に反応する
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・刺激に対して、払いのける動作、顔をしかめる等がみられる
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Ⅴ
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・深昏睡 ・痛み刺激にもまったく反応しない
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/11 23:50:40」(JST)
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肝性脳症(かんせいのうしょう、hepatic encephalopathy)とは、肝臓の機能低下による意識障害である。別名を肝性昏睡(かんせいこんすい、Hepatic coma)とも、また門脈体循環性脳障害とも言う。肝硬変が進行した場合や劇症肝炎などの重篤な肝障害によって引き起こされる。まれに先天性尿路回路欠損を伴うことがある。
直接の原因については不明な点が多いが、肝機能低下により血液中にタンパク質の分解生成物であるアンモニアなどが増えることにより引き起こされると考えられている。しかし、血中アンモニア濃度と症状の程度は必ずしも相関しないため、原因はアンモニアのみによるものではないことが示唆されている。アンモニア以外の原因物質としてメルカプタン、スカトール、インドール、単鎖脂肪酸、芳香族アミノ酸などが考えられている。
目次
- 1 肝性脳症の段階
- 2 治療法
- 3 関連項目
- 4 参考文献
肝性脳症の段階
通常、5段階に分けられる。
- I:睡眠リズムの逆転、あるいは周囲に対する無関心など。
- II:見当識の障害や、計算、書字などの障害が見られる。羽ばたき振戦(Asterixis, flapping tremor)と呼ばれる、腕を伸ばしたり手を広げたりしたときに、粗くゆっくりとした不規則な震えが起こるのが特徴。
- III:ほとんど眠った状態になるが、外的刺激に対しては反応して目を覚ます。ときに譫妄状態になったり、割合すぐ感情的になり、パニックや癇癪を起こしながら声を荒げたりし、時には暴れだす。
- IV:完全に意識を消失するが、痛みに対しては反応する。
- V:すべての刺激に対して反応しなくなる。
治療法
内服薬や、特殊アミノ酸製剤などの注射薬で血液中のアンモニア濃度を低下させる。それとともにタンパク質摂取を制限する。また、血漿交換療法や吸着式血液浄化法が行われる。
関連項目
- 肝不全
- 門脈異常
- 門脈大静脈短絡
- 門脈体循環シャント
- アンモニア中毒
- ラクツロース(en)
参考文献
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 田中 寛,長沼 篤,土田 浩之,竝川 昌司,鏑木 大輔,森 一世,新井 理記,蘇原 直人,小島 明,丸田 栄,竹澤 二郎,柿崎 暁,高木 均,伊藤 秀明
- 肝臓 51(12), 742-750, 2010-12-25
- … に腹痛が出現し,CT検査にて腹直筋血腫が認められた.入院後に施行された中心静脈穿刺により,右大腿部にも血腫が出現した.貧血および肝不全が徐々に進行し,死亡した.症例2は74歳男性.C型肝硬変による肝性昏睡で入院となった.胸水に伴う咳嗽が続いていたが,突然右側腹部の血腫が出現した.全身状態が急速に悪化し死亡.肝硬変での筋肉内血腫は致死的であり,臨床上,示唆に富む症例と思われ報告する. …
- NAID 10027661783
- 肝性昏睡 (特集 Emergency実践ガイド) -- (疾患と対応 消化器)
- 体外循環療法により救命し得た肝性昏睡4〜5度の劇症肝炎の3小児例 (第18回 日本救急血液浄化学会 PROCEEDINGS-2007[急性血液浄化法における技術の発展,安全性の確保,適応の多様化]) -- (ワークショップ 急性肝不全に対する血液浄化法の有効性と限界)
- 人工肝補助療法を施行し救命し得た genotype IV のE型劇症肝炎の1例
- 藤山 洋一,山岸 由幸,菊池 真大,下地 顕一郎,加藤 眞三,永田 博司,齋藤 英胤,日比 紀文,三代 俊治
- 日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology 104(2), 219-225, 2007-02-05
- … 症例は40歳男性.全身倦怠感,褐色尿が出現し,肝障害を認め入院.プロトロンビン時間の著明な低下,肝性昏睡II度を認め,E型肝炎ウイルス抗体高値にてE型劇症肝炎と診断した.保存血清より中国型genotype IV型のE型肝炎ウイルスが検出された.これまで海外にて感染し帰国後劇症化したE型肝炎の報告例はない.経過より脳症発症前から積極的に人工肝補助療法を導入し救命し得たと考えられ,貴重な症例であり報告 …
- NAID 10018886635
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- 肝性脳症(肝性昏睡)引き起こす原因は? 重症ウイルス性肝炎、薬物性肝臓病、急性 脂肪肝、各種肝硬変、原発性肝臓癌及びその他の肝臓病の末期症状の合併症として肝 性脳症を引き起こします。肝性脳症(肝性昏睡)は肝硬変患者に多く見られ、約70%を ...
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- 次の文を読み、22~24の問いに答えよ。
- 30歳前後の男性。人工呼吸下に救急車で搬入された。
- 現病歴 : 公園で倒れているのを通行人に発見された。救急隊到着時、意識は混濁し、自発呼吸は微弱であった。呼気に芳香臭があり、発見現場から不凍液(エチレングリコール)の空容器と三環系抗うつ薬アミトリプチリンの空包装とが見つかった。
- 既往歴 : 不明。
- 現 症 : 体格栄養中等度。体温36.5℃。脈拍100/分、整。血圧90/60mmHg。痛み刺激を与えても開眼せず、言語反応はない。運動反応を認めない。舌根は沈下し、自発呼吸を認めない。瞳孔径は4mmで左右差を認めないが、対光反射が消失している。眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄染を認めない。心雑音を聴取しない。腹部は平坦で、腸雑音が減弱している。下腿に浮腫はなく、人工呼吸下にチアノーゼを認めない。深部反射は保たれている。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球497万、Hb14.9g/dl、Ht42%、白血球9,800、血小板35万。
- 血清生化学所見:血糖197mg/dl、総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.9g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン0.8 mg/dl、AST28単位(基準40以下)、ALT25単位(基準35以下)、LDH298単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ220単位(基準260以下)、γーGTP48単位(基準8~50)、アミラーゼ120単位(基準37~160)、CK28単位(基準10~40)、Na138 mEq/l、K3.4mEq/l、Cl101mEq/l。
- 動脈血ガス分析(人工呼吸、酸素投与下):pH7.54、PaO2 305Torr、PaCO2 24Torr、HCO3 -15mEq/l、血漿浸透圧:実測値は345mOsm/kg H2O (基準285~295)で、Na、血糖および尿素窒素の血中濃度からの計算値293mOsmL/kg H2O(基準285~295)との間に浸透圧ギャップを認める。
- 浸透圧ギャップとanion gap とが、この患者と同様の変化を示す病態はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C023]←[国試_098]→[098C025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096B042]←[国試_096]→[096B044]
[★]
- fulminant
- 英
- fulminant hepatitis
- 同
- 電撃性肝炎、急性肝萎縮症 acute liver atrophy、急性黄色肝萎縮症 acute yellow liver atrophy
- 関
- 肝炎、難病
定義
- 肝炎のうち症状発現後約8週間以内に高度の肝機能障害に基づいて肝性昏睡II度以上の脳症をきたし、プロトロンビン時間40%以下を示すものとする(第12回犬山シンポジウム(1981年8月))
- 肝炎ウイルスや薬物が原因となって、肝細胞の広範な壊死と脱落をきたす重篤な肝障害で、致命率が高い。
- 先行する慢性肝疾患が認められる場合には除外するが、B型肝炎ウイルスの無症候性キャリアの急性増悪は含める。(参考1)
- リンパ球浸潤など肝炎像が見られることは本疾患の要件で、薬物中毒、術後肝障害、急性妊娠脂肪肝など肝炎像の認められないものは除外。(参考1)
- 肝性昏睡II度以上の出現が8-24週のものは遅発性肝不全(late onset hepatic failure, LOHF)に分類される。(参考1)
- 難治性疾患克服研究事業とされている(難病#難治性疾患克服研究事業(調査研究対象:130疾患))
病因
- IMD
- ウイルス性の劇症肝炎ではB型肝炎ウイルスによるものが多く、A型肝炎ウイルスがこれに次ぐ
- 急性型 :B型 約50%、原因不明 約20%、A型 約15%、その他(薬物性、C型、E型)
- 亜急性型:成因不明 約45%、B型 約20%、薬物性 約15%、その他(A型、C型、E型)
- YN.B-34
- YN.B-34 参考1
- ウイルス性:B型肝炎ウイルス(約40%)、その他ウイルス
- 自己免疫性:自己免疫性肝炎(15%)
- 薬剤性:薬剤性肝障害(10%):PAS、ハロタン、サルファ剤
- 代謝性:急性妊娠性脂肪肝、ウイルソン病、ライ症侯群
- 虚血性:出血性ショック、心原性ショック、および敗血症性ショックの後
病型
- 急性 :急性肝炎発症後10日以内に脳症が出現
- 亜急性:急性肝炎発症後11日以降に脳症が出現 予後が悪い
検査
- 画像検査で肝萎縮が認められた場合には予後不良(SSUR.591)
血液検査
- コリンステラーゼ:低下(40%以下)
- アルブミン:低下
- AST・ALT:上昇したのち低下
- ビリルビン:上昇
- 血中アンモニア:上昇。(SSUR.591)
腹部CT
シンチグラフィ
重症度の指標
- YN.B-34
- プロトロンビン時間40%以下
- アルブミン<2.5g/dL
- 腹水、浮腫、肝性脳症
- コリンエステラーゼ:低値
- コレステロールエステル:低値 ← LCATは肝臓で合成される。
- 血中アンモニア:上昇
- ビリルビン上昇(直接ビリルビン/間接ビリルビン<0.5) ← 抱合能低下により間接ビリルビンが増加
- BUN≦6mg/dl
- 血清肝細胞増殖因子(HGF)≧1ng/ml → 肝細胞の増殖を促そうとしている。予後評価に有用
- 肝萎縮(CT, US)
症状
- 初発症状:全身倦怠感、発熱、黄疸、悪心、食欲不振。その後症状が持続。意識障害(急性型では初発することあり。亜急性型では遅発する)。(IMD)
合併症
- 脳浮腫、消化管出血、腎不全、血管内凝固症候群、全身感染症
治療
- a. 輸液管理:アミノ酸を含まないブドウ糖主体の輸液。→ 肝臓の尿素サイクルの著しい障害が見られるため分枝アミノ酸の投与は行わない
- b. 肝性脳症予防:合成二糖類(ラクツロース)、非吸収性抗菌薬PO(カナマイシン、ポリミキシンB)
- c. 合併症の治療:脳浮腫(マンニトール、グリセロール)
- d. その他:感染予防、呼吸器管理、消化管出血(予防にはH2ブロッカーが有効)に対する対応
-
- 抗ウイルス療法 ・・・ B型肝炎ウイルス
- 免疫抑制療法 ・・・・ 自己免疫性肝炎
- 肝細胞の壊死を抑制:抗凝固療法(新鮮凍結血漿、アンチトロンビン製剤、蛋白分解酵素阻害薬、副腎皮質ステロイドパルス療法 ・・・ 有効性はまだ認められていない
劇症肝炎の肝移植適応基準
- 劇症肝炎の肝移植適応基準 (第22回日本急性肝不全研究会,1996年4月) YN.B-35
- I. 脳症発現時に次の5項目のうち2項目を満たす場合は死亡と予測して肝移植の登録を行う
- 1) 年齢:45歳以上
- 2) 初発症状から脳症発現までの日数:11日以上(亜急性型) → 予後不良を示唆
- 3) プロトロンビン時間:10%以下 → 肝機能低下
- 4) 血清総ビリルビン濃度:18mg/dl以上
- 5) 直接/総ビリルビン比:0.67以下 → 抱合能低下
- II. 治療開始(脳症発現)から5日後における予後の再評価
- 下記項目について認められる項目数が2項目の場合生存と予測し肝移植登録を取り消す。0または1項目の場合死亡と予測して肝移植登録を継続する。
- 1) 脳症がI度以内に覚醒、あるいは昏睡度でII度以上の改善
- 2) プロトロンビン時間が50%以上に改善
予後
SUR.591
- 肝性昏睡II度:60%救命
- 肝性昏睡IV度~V度:10-20%救命
参考
- 1. 難治性の肝炎のうち劇症肝炎 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/242
[★]
- 英
- abnormal electroencephalogram
- 関
- 脳波
異常脳波
- 1. 速波化:β波やα波が多い状態:向精神薬服薬時、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群など
- 2. 徐波化:δ波とθ波が多い状態:意識障害や代謝障害、脳腫瘍、脳血管障害など
- 3. 左右差:左右で異なる周波数を認める状態:大脳の片方に異常がある場合は左右差を認めることがある。
- 1. 棘波 spike:70ms未満で先鋭な波形
- 2. 鋭波 sharp wave:70ms以上で先鋭な波形
-
- 抑圧-群発交代:無酸素脳症、エーテルやサイクロプロパンなどの麻酔時、バルビツレートなどの薬物中毒
- 周期性片側性てんかん様発作、周期性一側性てんかん様放電 PLED:脳血管障害、代謝性・中毒性疾患
- 両側独立性周期性一側性てんかん様放電 BIPLED:無酸素脳症、中毒性脳症、脳炎
- 三相性波:肝性昏睡
プリント
[★]
- 英
- prothrombin time、PT
- 関
- 血液凝固試験、プロトロンビン時間国際比、活性化部分トロンボプラスチン時間 APTT
概念
- an isolated abnormal prothorombin time suggests FVII deficiency (HIM.725)
- 外因系の凝固能を測定する
- F III(組織トロンボプラスチン)を加えて Ca, F I(フィブリノゲン), F II(プロトロンビン), F V, F VII, F X による凝固能をみる
検体
方法
- クエン酸を加えた血漿を検査用の試験管に入れ37℃で加温。37℃に保温した組織トロンボプラスチン・カルシウムを加え、時間の測定を開始する。試験管を傾斜・浸透させ、フィブリンが析出するまでの時間を測定する。
評価方法
- LAB.414
- 1. プロトロンビン時間:凝固時間をそのまま[s]で表現。
- 2. プロトロンビン比(PR):標準血漿のPT(秒)に対する被検血漿のPT(秒)の比。基準範囲1.00±0.15
- 3. プロトロンビン活性/プロトロンビン濃度:正常対象血漿を100%とし、硫酸バリウム血漿もしくは2mg/mlウシフィブリノゲン液で希釈系列をつくり、そのそれぞれについて凝固時間を測定し検量線を作成する。被検血漿のPT(秒)を測定し、検量線から標準血漿のどれだけの活性があるかを表現する。基準範囲80-100%
- 4. プロトロンビン時間国際比 INR:プロトロンビン時間の測定で用いられる試薬には差があるため、トロンボプラスチン試薬の国際標準品をさだめ、それに対する各試薬の感度ISIを定める。その上で、プロトロンビン比を補正する。
- INR = (プロトロンビン比 PR)ISI=(被検血漿のPT/正常血漿のPT)ISI
臨床関連
[★]
- 英
- hepatic encephalopathy
- 関
- (部分症)肝性昏睡、門脈大循環性脳症、門脈体循環性脳症
定義
病因
病態
- 種々の原疾患により肝性脳症を来す物質が蓄積、中枢神経に移行して脳症を発症する
原因物質
症状
治療
- 便秘 → ラクツロースを利用した緩下
- 脱水 → 補液
- 消化管出血 → 止血
- 感染症 → 特発性細菌性腹膜炎など
食事療法
内服薬=
国試
[★]
- 英
- metabolic encephalopathy
- 同??
- 代謝性脳疾患 metabolic brain disease
- 関
- 肝性昏睡、肺性脳症、羽ばたき振戦
- 意識障害
特徴
代表疾患
神経内科プリント
- 神経細胞の代謝障害を起こす疾患を上げればよい
- てんかん重積発作、肝性脳症、尿毒症、CO2ナルコーシス、糖尿病性昏睡、電解質異常(Na,Ca)、内分泌障害、中毒など
- 電解質異常(Na,Ca):Kは心筋収縮に影響があり得るが、意識障害に関わることはない?低カルシウム血症はテタニー、てんかんを起こしうるが、意識障害には関わりにくい?むしろ高カルシウム血症で意識障害をきたす。
IMD.237
1) ショック:心筋梗塞、大出血など
2) 薬物、毒物
3) 無酸素ないし低酸素血症
4) DIC、全身性感染症:敗血症など
5) 肝不全、腎不全、糖尿病性高血糖、重症肝炎、内分泌疾患など
6) 低血糖、ビタミンB1欠乏: Wernicke脳症
7) 脳振盪、てんかん大発作後
8) 酸塩基平衡および電解質異常
9) 栄養障害
[★]
- 英
- hepatic、hepatogenic
- 関
- 肝、肝臓
[★]
- 英
- coma
- 関
- 意識障害