- 英
- Raynaud disease
- 関
- レイノー現象
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/10 23:56:22」(JST)
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レイノー病(レイノーびょう、英: Raynaud's disease)とは、寒冷時や冷水につかったときに四肢末梢部、とくに両手指が対称的に痛み、しびれ感とともに蒼白、あるいはチアノーゼなどの虚血症状をきたす場合で、若年女子に多発する。原因は明らかでない。
目次
- 1 レイノー現象とは
- 2 原因
- 3 症状
- 4 発症時期
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
レイノー現象とは
レイノー現象とは、手や足の指先の小さな動脈の血流不足が発作的に発生し、「冷感」や「皮膚色の変化」が現れることを指す。基礎疾患が不明な場合を「レイノー病」と呼ばれる。40歳以前の若年女子に多発する傾向にある。症状がこのレイノー現象のみである場合は、緊急処置を必要とすることはない。病院では両手を冷水に一定時間浸し、サーモグラフィで体温の変化を見てレイノー現象と判断する検査がある。
原因
寒冷の刺激や精神的なストレスで四肢末梢部の小動脈に発作的に起こるけいれんが原因だが、その「けいれん発作」がなぜ生じるかについての理由は不明である。「交感神経や副交感神経中枢の異常によるもの」と推定されている。
症状
この病気の典型的な症状は、左右対称に現れる。
皮膚症状は、末梢循環障害が現れてから回復までに三段階の変化があり、
- 手指の色が蒼白になる。
- 紫色に変色する。
- 通常10~30分後に赤色になり、正常な状態へと回復する。
時には、腕から手の指先までもしくは脚から足の指先まで皮膚に浮かぶ血管が網目状になる、蒼白色になるだけや、知覚鈍麻や疼痛などの症状を示す場合もある。
発症時期
秋から冬にかけて、また、春先の冷え込んだ時に多くみられ、重症の場合、指先の潰瘍や変形を起こすこともまれにある。
参考文献
関連項目
外部リンク
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Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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Japanese Journal
- 星状神経節ブロックが奏効した難治性手指潰瘍の1症例
- 小島 康裕,白石 義人,中島 芳樹 [他],五十嵐 寛,山口 昌一,谷口 美づき,佐藤 重仁
- The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 17(4), 502-505, 2010-09-25
- 難治性の手指潰瘍と痛みに,星状神経節ブロックが奏効した症例を報告する.77歳の女性で,1カ月前から両手指のしびれと痛みが生じていた.近医で,温熱療法,牛車腎気丸,ビタミンE製剤の内服を開始したが,症状は改善しなかった.その後,血管拡張薬の点滴治療を開始されたが治療効果に乏しく,左2,3指の先端が壊死になった.当院を受診後,膠原病,血栓症,血管炎などを精査したが,確定診断には至らなかった.左側の星状 …
- NAID 10027646258
- ラット, マウスを用いた In Vivo 皮膚微小循環解析法
- 石川 智久
- 日本薬理学雑誌 132(2), 79-82, 2008-08-01
- 皮膚血管は冷却刺激に応答して収縮し,体表面からの熱放散を制限する.この反応は,交感神経の興奮を介する全身性メカニズムと,局所的に皮膚血管の収縮反応性が増大する局所性メカニズムとが相乗的に機能して引き起こされる.局所性メカニズムの存在は,摘出血管を用いたin vitro実験によって証明されてきた.我々は,ラットやマウスを使ってin vivoで皮膚血流調節を解析する実験方法を確立した.皮膚循環は,様々 …
- NAID 10024383474
- 血管病変に対する鍼灸治療の臨床的効果 (第51回全日本鍼灸学会学術大会) -- (セミナー1 基礎と臨床の対話:ここまでわかった鍼灸医学--末梢循環に対する鍼灸治療の効果)
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- レイノー病とはどんな病気か. 動脈は生活環境の変化に応じて、拡張や収縮を繰り返し ています。動脈の収縮が過剰に起こると、発作的に手足の指先の血流が減少し、冷感を 感じたり皮膚の色調に変化が生じます。これをレイノー現象といいます。そのなかで原因 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antinuclear antibody ANA, anti nuclear antibodies ANAs
- 関
- SLE、自己抗体
- 検査法:HEp-2細胞を器質に用いる。
- 頻度についてはsee REU.14
- 正常値:40倍以下(REU.13)
- 高齢者では80,160倍と言った値が見られることがある。
- 20-60歳の健常人を調べた検査で、40倍での陽性率30%、80倍は13%、160倍は3%。
- 参考1
参考
- http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/otherdata/127-P77-0361.html
[★]
- 英
- Raynaud phenomenon, Raynaud's phenomenon
- 関
- (国試)Raynaud現象、レイノー病、レイノー症状 Raynaud症状、レイノー症候群
概念
- 寒冷刺激などが誘因となり四肢末梢の発作的血流障害(小動脈の攣縮)をきたし、蒼白から始まり、チアノーゼ、および発赤という色調変化を示す末梢循環障害による現象をいう。
疫学
- 健常人の5%までに見られる(REU.44)
- 90%以上が女性、25歳以下(REU.44)
分類
- 出現頻度:強皮症(>95%)、筋炎(25%)、シェーグレン症候群(20-30%)、全身性エリテマトーデス(20-30%)、関節リウマチ(<5%)。
病因
- REU.44、皮膚病アトラス 西山 茂夫
誘因
症状
- 第一指をのぞく手の指にレイノー現象は好発する。多くの場合左右対称。足趾はまれにある。
治療
- 生活療法:寒冷をさけ保温する。禁煙。
- 薬物療法:血管拡張薬(カルシウム拮抗薬)、プロスタグランジン、交感神経遮断薬。
- カルシウム拮抗薬はニフェジピンを使うが、ジルチアゼムでも有効。ニコチン酸系薬や硝酸薬も有効。(REU.45)
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬、ACE阻害薬、シロスタゾールも有効な事がある。(REU.45)
- 手術療法:頚部の交感神経切断術。ただし一過性。(REU.45)
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of the Raynaud phenomenon - uptodate [1]
[★]
- 英
- Raynaud's syndrome, Raynaud syndrome
- 同
- Raynaud症候群
- 関
- レイノー病、レイノー現象
- 基礎疾患があってレイノー現象を示すもの:閉塞性動脈疾患(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)、神経性障害、振動病、膠原病(強皮症、全身性エリテマトーデス)など
[★]
- 英
- Raynaud's disease、vibration-induced white finger
- 関
- レイノー病、Raynaud病、白ろう病
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患