- 英
- connective tissue
- ラ
- textus connectivus
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/08 21:09:44」(JST)
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結合組織(けつごうそしき、英: connective tissue)は、伝統的な分類における組織の4種のうちの1種(他に上皮組織、筋組織、神経組織がある)。詳細に定義された分類ではなく、むしろ他組織に当てはまらない組織を集合させたことによる大きなカテゴリである。ただし、結合組織に分類される全て(あるいはほとんど)の組織は以下のような類似点を持っている。
- 構造の支持に関与する。
- 中胚葉に由来する。
- 不活性な組織である。
血液、軟骨、骨も一般的に結合組織とされるが、他の結合組織との相違から固有結合組織(connective tissue proper)には含めないことが多い。また、胚性結合組織(embryonic connective tissue)を固有結合組織に含める場合もあるが、本稿では別個の分類として扱う。
コラーゲンは動物の結合組織を構成する主要なタンパク質であり、哺乳類では全タンパク質含有量の25%を占める、最も豊富なタンパク質となっている[1]。
目次
- 1 分類
- 1.1 固有結合組織
- 1.2 特殊結合組織
- 1.3 胚性結合組織
- 2 線維の種類
- 3 結合組織の疾患
- 4 結合組織の染色
- 5 参考文献
- 6 外部リンク
分類
結合組織の古典的な分類として、固有結合組織と特殊結合組織に2分する方法が採られてきた。現在ではさらに細分化した分類が提唱されている。
固有結合組織
- 疎性結合組織 器官や上皮を保持し、コラーゲンやエラスチンを含む多様なタンパク質性の線維を有する。
- 密性結合組織 靱帯や腱を形成する。密性結合組織には強力な伸長強度を示すコラーゲン繊維(線維)が詰め込まれている。繊維の配列に基づき、交織繊維性と平行繊維性の2種に細分される。
- 脂肪組織 脂肪細胞で構成され、緩衝材、断熱材、潤滑剤、エネルギー貯蔵の役割を果たす。
- 細網組織 細網繊維のネットワークであり、リンパ器官(リンパ節、骨髄、脾臓)を支持する軟骨格を形成する。
特殊結合組織
- 血液 輸送において機能する。血液の細胞外マトリックスは血漿であり、栄養素、ホルモン、重炭酸塩の形態で二酸化炭素を溶解して輸送する。主要な細胞成分は赤血球である。
- 骨 実質的に脊椎動物の成熟個体の骨格全てを形成する。
- 軟骨 硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨に分けられる。実質的に軟骨魚綱の全ての骨格を形成する。他の多くの脊椎動物では、大部分は関節に認められ、緩衝材として機能する。軟骨の細胞外マトリックスの大部分はコラーゲンにより構成される。
胚性結合組織
胎生期に存在する、未分化な結合組織である。
線維の種類
結合組織の疾患
遺伝性及び非遺伝性の結合組織の疾患が確認されている。
- マルファン症候群 - フィブリリン(英語版) の異常による遺伝病。
- 壊血病 - ビタミンCの食事性欠乏によるコラーゲンの異常によって引き起こされる。
- エーラス・ダンロス症候群 - コラーゲンの進行性変化によって引き起こさせる遺伝病。
- ロイス・ディエツ症候群(英語版) - マルファン症候群により引き起こされる脈管の変化を伴う遺伝病。
- 弾性線維性仮性黄色腫 - 皮膚、眼、心臓血管系に影響を与える石灰化と弾性線維の崩壊を引き起こす常染色体劣性遺伝病。
- 全身性エリテマトーデス - 多くは若い女性に認められる自己免疫が関与すると考えられる慢性の多臓器性の炎症異常。
- 骨形成不全症(骨粗鬆症) - 健康かつ強固な骨を作るための良質なコラーゲンの不足による疾病。
- 進行性骨化性線維形成異常症(英語版) - 結合組織の疾病。
- 自然気胸 - 結合組織の微妙な異常が原因と考えられる肺の虚脱。
- 非上皮性悪性腫瘍 - 結合組織を起源とする悪性腫瘍。
結合組織の染色
顕微鏡観察のために用いられる結合組織染色の大部分は、線維の染め分けを目的としている。以下のどの染色法を用いても、コラーゲンを明瞭に染めることが可能である。
- ワンギーソン染色
- マッソン・トリクローム染色
- アニリン青染色(マロリー法およびKrajian法)
- アゾカルミン染色
参考文献
- ^ Mapping the Ligand-binding Sites and Disease-associated Mutations on the Most Abundant Protein in the Human, Type I Collagen. http://www.jbc.org/cgi/content/abstract/277/6/4223.
- 伊藤隆 著、阿部和厚 改訂 『組織学 改訂19版』 pp. 78-126 南山堂 2005年 ISBN 4-525-11019-8
外部リンク
- Encyclopaedia Britannica, Connective Tissue
- Overview at kumc.edu
- Connective tissue atlas at uiowa.edu
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 医学と医療の最前線 混合性結合組織病の診断と治療の進歩
- ハシブトガラスCorvus macrorhynchosの舌表面に見られる微細構造
- 利,鎌田 直樹,杉田 昭栄
- Japanese journal of ornithology 61(1), 77-83, 2012-04
- NAID 40019321214
Related Links
- 結合組織(けつごうそしき、英: connective tissue)は、伝統的な分類における組織の4 種のうちの1種(他に上皮組織、筋組織、神経組織がある)。詳細に定義された分類では なく、むしろ他組織に当てはまらない組織を集合させたことによる大きなカテゴリである。
- 2012年1月4日 ... 結合組織とは、動物の体をつくる組織の分類のひとつ。細胞と細胞のまわりにある大量 の物質からできていて、体を支えたり、体の中のさまざまな部分の形を維持したり、 すき間を埋めたり、といった多様なはたらきをする組織を、ごく大きなくくり ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ピシバニール注射用0.2KE
組成
成分・含有量:有効成分:1バイアル中
- 凍結乾燥粉末注2):0.56mg
乾燥菌体として:0.02mg(0.2KEに相当)
成分・含有量:添加物:1バイアル中
- 硫酸マグネシウム水和物:0.02mg
DL‐メチオニン:0.04mg
マルトース水和物:17.69mg
ベンジルペニシリンカリウム:540単位
リン酸二水素カリウム:含有
水酸化ナトリウム:含有
塩化ナトリウム:含有
懸濁用溶解液
- 1アンプル中:日局生理食塩液 2mL
- 注2)ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末。製造工程において、培地成分としてTodd Hewitt Broth(ウシの心臓、骨格筋、骨髄、脂肪組織、結合組織及び乳、並びにブタの心臓、膵臓及び胃由来)、牛肉(ウシの骨格筋由来)、ペプトンN粉末(ウシの乳をブタのパンクレアチン(ブタ膵臓由来酵素)で処理したもの)及びスキムミルク(ウシの乳由来)を使用している。
禁忌
- 本剤によるショックの既往歴のある患者
- ベンジルペニシリンによるショックの既往歴のある患者[本剤はベンジルペニシリンを含有している。]
効能または効果
胃癌(手術例)患者及び原発性肺癌患者における化学療法との併用による生存期間の延長
胃癌(手術例)患者及び原発性肺癌患者における化学療法との併用による生存期間の延長の場合
- 化学療法に併用し、各投与量(KE)を添付の生理食塩液で適宜懸濁溶解して、筋肉内、皮下又は皮内投与する。通常、初回0.2〜0.5KEより開始し、患者の状態を観察しつつ、連日又は隔日1回の投与で2〜3週間かけて2〜5KEまで漸増する。維持量は1回2〜5KE、週1〜2回とする。
ただし、同日内に同一患者に対し、2経路による投与は行わない。
消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少
消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少の場合
- 通常、1回5〜10KEを添付の生理食塩液で適宜懸濁溶解して、週に1〜2回漿膜腔内投与する。
ただし、同日内に同一患者に対し、2経路による投与は行わない。
他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌
他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌の場合
- 通常、1回5〜10KEを添付の生理食塩液で適宜懸濁溶解して、毎日又は数日に1回、腫瘍内又は腫瘍辺縁部に注入する。
ただし、同日内に同一患者に対し、2経路による投与は行わない。
リンパ管腫
リンパ管腫の場合
- 本剤の投与に際しては、生理食塩液で適宜懸濁溶解して、0.05〜0.1KE/mL濃度の懸濁溶解液を調製する。通常、吸引リンパ管腫液量と同量の懸濁溶解液を局所に注入する。1回総投与量2KEを上限として、年齢、症状により適宜増減する。
- 患者によって本剤に対する発熱などの感受性が異なるため、「消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少の場合」、「他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌の場合」についても少量投与から始め、患者の状態を観察しつつ漸増することが望ましい。
慎重投与
- 心疾患・腎疾患のある患者[動物による毒性実験において、大量長期投与した場合に溶連菌感染症類似の所見(心障害、腎障害、アミロイドーシス等)がみられている。]
- セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
- 間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急性腎不全
- 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、クレアチニンの上昇、尿量の減少等が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
薬効薬理
実験腫瘍に対する効果
自家誘発腫瘍に対する効果
- マウスの自然発生腫瘍8)及びメチルコラントレン誘発腫瘍9)を用いた実験で、本剤を各々腫瘍内、筋肉内に投与することにより、腫瘍増殖の抑制効果が認められた。
同系腫瘍に対する効果
- マウス10)及びラット11)の同系腫瘍を用いた実験で、本剤を腹腔内に投与し、それぞれ延命効果、腫瘍縮小効果が認められた。更にモルモット12)の同系腫瘍に本剤を腫瘍内投与し、腫瘍縮小効果が認められた。
化学療法との併用効果13)
- マウスのL1210腫瘍に対し、本剤を抗悪性腫瘍剤であるフルオロウラシルと併用することにより、化学療法単独群に比較して延命効果が認められた。
作用機序
腫瘍細胞に対する作用14)
- 本剤は腫瘍細胞に対する直接的増殖抑制作用が認められている。
生体防御反応に対する作用
- 本剤の投与により好中球、マクロファージ、リンパ球数の増加(ヒト15))、好中球(ラット16))、マクロファージ(ヒト15))、NK細胞(ヒト17))の活性化及びCTL細胞の誘導(ラット18))が認められた。更にこれら細胞の増殖、活性化に関与するIL‐1、IL‐2(マウス19))、IL‐8(ヒト20))、IL‐12(マウス21))、IFN‐γ(マウス22))、TNF‐α(ヒト20)、G‐CSF(ヒト20))、GM‐CSF(ヒト20))等のサイトカインの産生が認められることから、主に本剤の投与によって賦活された種々の宿主の生体防御反応を介して、抗腫瘍効果を発現するものと考えられている。
リンパ管腫に対する作用機序23,24)
- 本剤をリンパ管腫の局所に投与することにより炎症反応が惹起され、続いて炎症に関わるマクロファージ等の誘導や内皮細胞の透過性亢進作用を有するTNF等のサイトカインの産生が認められ、これらによりリンパ液の排出が促進され、管腔が縮小するものと考えられる(ヒト)。
有効成分に関する理化学的知見
性 状
- 白色〜類白色の凍結乾燥した吸湿性の粉末又は塊で、わずかに特異なにおいがある。生理食塩液を加えて振り混ぜるとき白濁ないしわずかに白濁する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- collagen
- 同
- 膠原
- 関
- first aid step1 2006 p.85,86,114,288,291,292,301,306,319,321,385,427
遺伝子
- COL1A1 17q22
- COL1A2 7q22.1
- COL2A1 12q13
- COL11A2 6p21.3
- これらの遺伝子の変異による結合組織疾患はdominant negative mutationである。
臨床関連
コラーゲンの種類
生合成
[★]
- 英
- serous membrane (KH), serosa (Z), serous coat
- ラ
- tunica serosa
- 関
- 外膜
[★]
- 英
- connective tissue
- 同
- 結合組織
- 関
- 外膜、結合組織、外膜組織
[★]
- 英
- dense regular connective tissue
- 関
- 結合組織
[★]
- 英
- paratenon
- 同
- 腱傍組織、パラテノン
[★]
膠原病。connective tissue disease
[★]
- 英
- subepithelial connective tissue
[★]
- 英
- loose connective tissue
[★]
- 英
- binding、bond、linkage、connection、conjugation、conjunction、union、bonding、engagement,
- bind、associate、conjugate、combine、connect、couple、engage、join、dock、ligate、conjoin
- 関
- 会合、関係、関与、関連、協同、共役、組み合わせ、結合性、結紮、結線、従事、接合、接合体、同僚、ドッキング、バインディング、複合物、付随、併用、抱合、抱合体、結びつける、約束、癒合、癒着、連関、連結、連合、連鎖、連接、連絡、団結、組合、参加、接続、一対、合併、組み合わせる、カップル、組合せ、絆
[★]
- 英
- tissue
- ラ
- textus
- 関
- 何種類かの決まった細胞が一定のパターンで集合した構造の単位のこと。
- 全体としてひとつのまとまった役割をもつ。
分類