- 英
- nephrosis
- 関
- ネフローゼ症候群
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ネフローゼ症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ネフローゼ症候群による糖尿病性腎硬化症の病理写真
|
ICD-10 |
N04 |
ICD-9 |
581.9 |
DiseasesDB |
8905 |
eMedicine |
med/1612 ped/1564 |
MeSH |
D009404 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
ネフローゼ症候群(ネフローゼしょうこうぐん、英: Nephrotic syndrome)は、高度の蛋白尿により低蛋白血症を来す腎臓疾患群の総称。
低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫(眼瞼や下肢)を主な症状とし、病理学的には糸球体基底膜の透過の亢進を一次的異常として認める。時に高脂血症(高コレステロール血症)も合併する。ネフローゼ症候群は元来病理学的な概念であり、腎炎=nephritisと異なり、炎症性の変化(炎症細胞浸潤など)がみられないものの総称として提唱された。若年層(特に幼少期では男子)に多く発症するが、30代の男女も発症例も多数報告されている。
- 原発性糸球体疾患に起因する一次性ネフローゼ症候群と続発性糸球体疾患による二次性ネフローゼ症候群に分類される。
- 一次性ネフローゼ症候群の成人の占める割合は、70~80%と多数を占めるが中高年では半数以上が慢性腎症であり、加齢に伴って割合は増加する。最初の発症から5年以内に2回以上の再発率は80%~90%と高い。
- 二次性ネフローゼ症候群の発症は年齢によって異なるが、小児では紫斑病性腎炎が多く、糖尿病性腎症やループス腎炎は成人の発症が多い。
目次
- 1 種類
- 2 症状
- 3 検査
- 4 診断基準
- 5 治療
- 6 関連項目
種類
- 原発性
- 微小変化群(または微小変化型)Minimal change nephrotic syndrom:MCNS
- 巣状糸球体硬化症Focal glomerulosclerosis:FGSまたは巣状分節状糸球体硬化症Focal segmental glomerulosclerosis:FSGS
- 膜性腎症Membranous nephropathy:MN
- 膜性増殖性糸球体腎炎Membranoproliferative glomerulonephritis:MPGN
- 続発性
- アミロイドーシス
- 膠原病
- 多発性骨髄腫
- ホジキン病
- HIV感染、HBV感染
- 糖尿病など
症状
上記の主症状以外にも、強度の全身倦怠感、皮膚の蒼白化や無気力、食欲不振、腹水・胸水等をみる。タンパクを尿中に排泄してしまう濾過障害の原因は、主に、腎臓の糸球体にあり、この部位に何らかの原因で、透過性が亢進することによって、本症を惹起すると考えられている。主に、アルブミンなどの血中タンパクが排泄されるため、血中タンパクが減少し、血漿膠質浸透圧が低下する。このため、全身に浮腫を形成する傾向が現れる。また、尿中タンパクが増大するため、尿の浸透圧が増大し、尿細管における水の再吸収が抑制され、一過性に利尿傾向となる。なお、この遺失タンパク分を肝臓が補完しようとするため、肝臓が、アルブミンの合成を開始するが、同時にLDLのようなコレステロール運搬タンパクも合成してしまうため、本症のような腎臓疾患の罹患者では、高頻度に高脂血症の状態をみることがある。長期の利尿期間を経て、腎臓の病態が改善されず、高度に腎不全の状態を呈し始める時期には、乏尿となる。
検査
- 腎生検…糸球体の顕微鏡検査による病型の確定。しばしば免疫染色を行う。
- 腎機能検査…血清尿素窒素、クレアチニン、クレアチニンクリアランス(Ccr)、シスタチンC測定。
- 尿検査…多量の蛋白尿をみる。また、脂肪・硝子・顆粒円柱も見ることがある。一日尿量も測定する。
- 血液生化学検査…血清総蛋白や血清アルブミンが低下。血中総コレステロール・中性脂肪上昇。
- 血液凝固検査…フィブリノーゲン、D-ダイマー、FDPの上昇
- 腎形態…エコーやCT,MRIで腎の形態や血流を調べる。
診断基準
- 尿蛋白1日3.5g以上。
- 血清総蛋白6g/㎗以下・血清アルブミン3g/㎗以下。
治療
- 入院、安静臥床。
- 原因治療…二次性(続発性)のものは原因疾患の治療を行う。
- 食事療法…蛋白質摂取制限および塩分制限。塩分は1日5g~7g、摂取カロリーは35kcal/kg(標準体重)/日。
- 薬物療法…副腎皮質ステロイドを投与する。ステロイド抵抗性や頻回再発型には、免疫抑制剤(ミゾリビン)を投与する(併用の場合も)。
- 症状によりステロイドパルス療法も有効とされる。
- 浮腫に対して対症的に利尿剤、尿蛋白抑制のため抗凝固薬を使用することがある。
- 高度の浮腫・肺水腫・呼吸不全や、血管内脱水による急性腎不全を呈した場合には一時的に透析療法を行うこともある。
関連項目
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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ネフローゼ症候群
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原発性
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微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
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遺伝性腎炎
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アルポート症候群 | 良性家族性血尿
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尿細管機能障害
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ファンコーニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
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続発性腎障害
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膠原病
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全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
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糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
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腎循環障害
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腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
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泌尿器疾患
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機能障害
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膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
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先天異常
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多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群
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感染症
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腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石
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膀胱結石
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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腎不全
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急性腎不全
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急性尿細管壊死
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慢性腎臓病
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常
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乏尿 | 無尿 |多尿 |頻尿 |血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
|
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
|
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
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Japanese Journal
- 症例報告 インターフェロンβ-1b長期治療中にネフローゼ症候群を合併した多発性硬化症の2例
- 子どものみかた(common disease編 第39回)ネフローゼ症候群
Related Links
- ネフローゼ症候群<腎臓と尿路の病気>。ネフローゼ症候群とはどんな病気か ネフローゼ症候群とは、尿の中に大量の蛋白質が出てしまい、それに伴って血液中の 蛋白質が減少するため、浮腫(ふしゅ)(むくみ)、血液中のコレステロールなどの脂質の 上昇等が ...
- ネフローゼ, 体がだるく、食欲が無く、口が渇き、水をかなり飲んでも尿があまり出ない。 そのうちに、まぶたが腫れぼったくなり、足にむくみが出て、靴がはけなくなります。尿を 調べるとタンパクが出ています。むくみがひどくなると、全身に及び、下肢や陰嚢なども ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hyponatremia
- 同
- 低Na血症
- 関
- ナトリウム、高ナトリウム血症、電解質異常
定義
- 血清ナトリウムが134mEq/L以下の病態。(正常の下限は135mEq/Lとされる)
- 水とナトリウムのバランスという観点で、2つに分けられる
疫学
分類
-
病型
ICU.525
- 利尿・副腎不全: 尿中Na > 20mEq
- 嘔吐・下痢 : 尿中Na < 20mEq
- 等容量性低ナトリウム血症:細胞外液は増加していないが、水の方が多くなった状態。臨床的に浮腫が無い。下表で[1]に相当
- 循環血増加性低ナトリウム血症:細胞外液にナトリウムと水が増加しており、なおかつ水の方が多い病態:下表で[3]に相当
- 腎不全 : 尿中Na > 20mEq
- 心不全・肝不全: 尿中Na < 20mEq
IMD
- [1] 細胞外液量増加:組織間質に非常に多量の水と多量のナトリウムが移動。移動する原因は血液のうっ滞、膠質浸透圧の低下など
-
- うっ血性心不全や腹水を伴う肝硬変では、圧受容器が循環血液量の減少を検出してバソプレシンを分泌する(cases.200)
- 消化管からの喪失(下痢、嘔吐、腸閉塞など)、熱傷、利尿薬の過剰投与、腎疾患、副腎不全など。
- [3] 細胞外液量正常:ナトリウムの摂取・排泄は変わらないが、水が異常に蓄積されるため? ← 最も多いらしい
- 内分泌疾患(副腎不全、抗利尿ホルモン(ADH)不適合分泌症候群(SIADH)、甲状腺機能低下症)、薬物、水中毒(心因性多飲)など。
- 高浸透圧性:高血糖、マンニトール投与など。
- 正浸透圧性:脂質異常症(高脂血症)、高蛋白血症など。
水とナトリウムのバランスによる分類
低ナトリウム血症+血漿浸透圧上昇
- QB.D-333
- 高脂血症 → (炎光光度法で測定する場合)過剰の脂質によって血漿の非液相成分が増加し血漿浸透圧が上昇するが、液相成分が減少しているため見かけ上低ナトリウム血症となる (ICU.523) → 偽性低ナトリウム血症
- 高血糖 ← 高血糖だけで低血糖になる?
- 尿毒症 → 浸透圧較差の増大による。ある種の毒性物質(エタノール、メタノール、エチレングリコール、腎不全によって蓄積した同定できない毒素)が細胞外液にあるときに増加する(ICU.517)(つまり、毒性物質が浸透圧を生み出す物質として作用するということ)。ちなみに、急性腎不全では正常であり、慢性腎不全で浸透圧較差は上昇する。
病態生理
- 体液電解質異常と輸液 改訂第3版 p.51
低ナトリウム血症のメカニズム
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障害の原因
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障害の例
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effective osmole(Na, K)の欠乏
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長期間のの下痢・嘔吐・絶食
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浸透圧利尿
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水分過剰
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口渇感の異常 (多飲)
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尿自由水排泄能力を超えた量の飲水
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心因性多飲
|
マラソン中の多量飲水
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尿希釈能の低下 (水排泄障害)
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尿細管での 自由水生成障害
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有効循環血漿量低下 (心不全、肝不全、脱水)
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極度の低栄養・偏食
|
腎障害
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不適切な抗利尿ホルモン作用
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SIADH
|
有効循環血漿量低下
|
甲状腺機能低下
|
糖質コルチコイド欠乏
|
症状
- 急性:症状が出現しやすい。意識障害を呈する
- 慢性:無症候。125mEq/L以下にならなければ顕性化しない事が多い。臨床的に問題となるのは非常に低いレベル(120mEq/L)。
- 全身 :無力感、全身倦怠感
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐
- 神経 :意識障害(傾眠、昏睡)
- 筋 :痙攣、腱反射低下、筋力低下
重症度別(YN.D137)
- 軽症:120mEq/L以上:無気力、疲労感、軽度の食思不振、頭痛
- 重症:120mEq/L以下:悪心・嘔吐、強い食思不振や頭痛、精神症状や間代性痙攣、意識障害
検査
- 血清Na・K 測定、腎機能検査、ADH、コルチゾール、アルドステロン、甲状腺ホルモンの測定、血液ガス分析など(IMD)
- 尿の浸透圧、尿Na濃度
治療
YN.D-137改変
|
脱水
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水
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Na
|
体液
|
病態生理
|
尿中Na
|
尿浸透圧
|
ADH
|
治療
|
原疾患
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[1]
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なし
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hyponatremia with hypervolemia
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大過剰
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過剰
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細胞外液量増加
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|
(>20mEq/L)
|
|
分泌される
|
・ループ利尿薬+水,Na制限 ・(不十分)サイアザイド追加 ・低Kや体腔液貯留が強い場合スピロノラクトン追加
|
末期腎不全
|
(<20mEq/L)
|
うっ血性心不全、肝硬変
|
[2]
|
あり
|
hyponatremia with hypovolemia
|
ナトリウム喪失型 ナトリウム欠乏性低ナトリウム血症
|
-
|
過少
|
細胞外液量減少
|
Na OUT →○⇒
|
↑ 80mEq/L (>20mEq/L)
|
|
|
・Naの補給+等張液輸液(生食,乳酸リンゲル) ・Na排泄率をモニターしIN>OUTを確認
|
腎性:利尿薬の過剰投与、Addison病、尿細管傷害
|
↓ 20mEq/L (<20mEq/L)
|
腎外性:消化管からの喪失(下痢、嘔吐、腸閉塞)、熱傷、
|
Na IN →○→
|
↓ 20mEq/L
|
経口摂取不能
|
[3]
|
なし
|
hyponatremia with normovolemia
|
水過剰型 希釈性低ナトリウム血症
|
過剰
|
-
|
細胞外液量正常
|
水 OUT →○→
|
→ 40mEq/L
|
ADH excess >320 mOsm/kg (>100mOsm/L)
|
分泌抑制不可能
|
・水制限 ・ループ利尿薬+生理食塩水
|
SIADHなど
|
|
水IN ⇒○→
|
↓ 20mEq/L
|
<100 mOsm/kg (<100mOsm/L)
|
分泌抑制を上回るwater intake
|
低張輸液過多、水中毒(心因性多飲)
|
[4]
|
|
|
|
|
|
偽性低Na血症
|
高浸透圧性
|
|
|
|
|
|
高血糖、マンニトール投与
|
正浸透圧性
|
脂質異常症(高脂血症)、高蛋白血症
|
対症療法
- 脱水:等張の生理食塩水
- SIADH:飲水制限
- 水とナトリウムの過剰:水とナトリウムの摂取制限、利尿薬
- 研修医当直御法度 症例帳 p.28
- 低ナトリウム血症だからといって生理食塩水を輸液すればいいわけではない。
- [1] ナトリウム過剰(それ以上に水貯留):(症状)浮腫、腹水などによる著明体重増加。(基礎疾患)心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変
- ・・・ 生理食塩水輸液××
- ・・・ 生理食塩水輸液ok
- [3] ナトリウム正常(水が過剰):水中毒、SIADH
- ・・・ 生理食塩水輸液××
合併症
- 急速な低ナトリウム血症の補正により生じうる。
- 中枢神経に細胞内脱水をきたし、橋部を中心に脱髄病変を示す。
- 症状:神経障害、意識障害、痙攣、四肢麻痺など
[★]
- 英
- rheumatoid arthritis, RA
- 同
- リウマチ様関節炎、萎縮性関節炎 atrophic arthritis
- 関
- カプラン症候群、膠原病
概要
- 原因不明のchronic multisystem disease
- 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
- 経過は多様
症候
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 朝のこわばりは1時間以上持続する(⇔変形性関節症では30分以内におさまる。関節を使わないと痛みがひどくなる)
関節外症状
- 100CASE p.76
- SOR.213改変
症候スペクトル
合併症
- YN. F-43
検査
単純X線
- 軟部組織の腫脹によるX線透過性の低下、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症)、関節辺縁のびらん、骨洞、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼・脱臼(SOR.216)(下線の症状は変形性関節症では認めない)
血液
- 赤血球:小球性低色素性貧血
- 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
- 血小板:増加
- 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
- リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
- 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値
関節液
- 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)
関節内視鏡
身体所見 (SOR.213,417)
手
手関節
- 手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
- 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
- 手根骨の尺側移動、掌側移動
- 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。
指
MP関節(MCP関節)
- 掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼
PIP関節
趾
MP関節(MTP関節)
- 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。
診断基準
|
7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される
|
備考
|
1
|
1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること
|
|
2
|
3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること
|
領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる
|
3
|
手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること
|
少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹
|
4
|
対称性関節腫脹
|
PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない
|
5
|
リウマトイド結節
|
骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節
|
6
|
リウマトイド因子が陽性
|
正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること
|
7
|
X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる
|
手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む
|
診断
治療
- 以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。
TNF阻害薬の適応
- 1. 既存の抗リウマチ薬(DMARD)通常量を3ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者。コントロール不良の目安として以下の3項目を満たす者。
- 1) 圧痛関節数6関節以上
- 2) 腫脹関節数6関節以上
- 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
- a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
- b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
- のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
- 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
- 1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
- 2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
- 3) 血中β-D-グルカン陰性
参考
- 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
- 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html
[★]
- ☆case27 関節痛
- ■症例
- 37歳 女性
- 主訴:関節痛
- 現病歴:数ヶ月、膝の痛みがだんだん強くなっていると感じていた。痛みは手や足の小関節に多く、朝歩くときに最もこわばる。痛みはジクロフェナクを飲むと和らぐ。そのほかの症状として疲労感を感じ、最近、体重が3ヶ月で4kg減っている。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒
- 既往歴:なし
- 家族歴:既婚、子供は2人
- 服薬歴:ジクロフェナク
- 職業歴:legal sevretary
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白、臨床的な貧血を認める。近位指節間関節・中手指節関節 腫脹・effusionを伴う疼痛。中足趾節関節 圧痛。それ以外は正常。
- 検査 investigation
- 血液検査
- Hb低下
- ESR上昇
- 尿素軽度上昇
- クレアチニン軽度上昇
- 正常:白血球、MCV、血小板、ナトリウム、カリウム、グルコース、アルブミン
- 尿検査
- 蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)、
- ■問題
- 本症例では診断とその根拠を考えるのは簡単なので、鑑別疾患をあげてその疾患に特徴的な症候を列挙しましょう。
- ■関節痛 DIF.283
- V Vascular
- 血友病 hemophilia 血友病性関節症(急性:疼痛、腫脹、熱感(SOR.241)
- 慢性:可動域の低下、変形、関節周囲筋萎縮(SOR.241))。家族歴
- 壊血病 scurvy 。生活環境。食事歴
- 無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
- I Inflammatory
- 感染性関節炎(細菌性関節炎(化膿性関節炎・淋菌性関節炎・結核性関節炎・嫌気性菌関節炎 )、真菌性関節炎、スピロヘータ関節炎(梅毒性関節炎・ライム関節炎)、マイコプラズマ関節炎、ウイルス性関節炎)
- N Neoplastic disorders
- 骨原性肉腫 osteogenic sarcoma
- 巨細胞腫 giant cell tumors
- D Degenerative disorders
- degenerative joint disease
- 変形性関節症 osteoarthritis
- I Intoxication
- 痛風 gout (uric acid)
- 偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate)
- ループス症候群 lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide
- gout syndrome of diuretics
- C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
- A Autoimmune indicates
- 関節リウマチ RA
- 血清病 serum sickness
- 全身性エリテマトーデス lupus erythematosus
- リウマチ熱 rheumatic fever
- ライター症候群 Reiter syndrome
- 潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis
- クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis
- 乾癬性関節炎 psoriatic arthritis
- リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
- T Trauma
- E Endcrine
- 先端肥大症 acromegaly
- 閉経 menopause
- 糖尿病 diabetes mellitus
- ■関節炎の分類
- ・炎症部位の数
- 単関節炎:痛風、偽痛風、離断性骨軟骨炎、血行性の化膿性関節炎のほとんど
- 多関節炎:リウマチ性疾患、ウイルス性疾患、白血病での関節症状、易感染性宿主における血行性の化膿性関節炎
- ■関節リウマチ
- 診断基準
- 関節症状
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 関節外症状
- 全身症状:発熱
- 皮膚症状:リウマトイド結節(肘の伸側、後頭部、手指)
- 眼症状:上胸膜炎(10日の経過で治癒)、強膜炎(予後不良)。稀に角膜穿孔
- 血液障害:(高頻度)貧血、白血球減少(Felty病。DMARDs投与中の場合は薬剤性の骨髄抑制を考慮)
- アミロイドーシス:ネフローゼや下痢を来した症例で疑う。アミロイド蛋白はAA
- 腎障害:稀。アミロイドーシスの続発症か薬剤性を考慮。
- 呼吸器症状:間質性肺炎の合併多い。下肺野に好発。通常無症状。メトトレキセートなどの使用により薬剤性の急性間質性肺炎を生じることがある。
- 心・血管障害:リンパ管炎による難治性の浮腫。
- 神経症状:環軸関節亜脱臼により項部痛や脊髄症上が出現しうる。
- 骨粗鬆症
- 腱鞘滑膜炎:手指、手関節、足関節
- ■両側性多関節炎の鑑別疾患
- OA:遠位指節間関節を冒すのが特徴的で、近位指節間関節、中手指節関節を冒しうる。
- RA:
- SLE:軽度、症状の程度が変動する非びらん性の関節炎
- gout:単関節炎からはじまる。
- 血清陰性関節炎:強直性脊椎炎、感染、ライター病:中~大関節に非対称性の関節炎。仙腸関節と遠位指節間関節にも関節炎
- 急性ウイルス性関節炎:風疹。
- ■KEY POINTS
- ・RAでは遠位指節間関節は冒されない傾向がある。
- ・RAの全身症状は関節症状に先行することがある。
- ・RAの活動性と貧血及びESRは相関している。
- ・NSAIDsは腎機能に悪影響を与えることがある。
- ■initial plan
- Dx 1. 単純X線写真
- ・亜脱臼、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症,juxta-articular osteoporosis)、関節裂隙の狭小化、関節辺縁のびらん(bony erosion)
- ・初期のRAで第5趾に骨びらんが一般的に見られる。
- ・血液検査
- ・RF、抗DNA抗体
- Tx 1. 鎮痛薬
- ・NSAIDs:鎮痛とこわばりの軽減
- 2. DMARDs(メトトレキセート、レフルノミド、金製剤、ペニシラミン)
- ・NSAIDsで症状が治まらない場合に考慮
- 3. 抗TNF抗体
- ・重症のRAで効果がある場合がある。
- ■参考文献
- SOR 標準整形外科学 第10版 医学書院
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- ☆case34 てんかん発作
- ■症例
- 23歳 アフリカ-カリブ系 女性 銀行の店員
- 主訴:てんかん発作
- 現病歴:強直間代発作を2回起こしたところを母親が目撃していた。娘の行動は次第におかしくなり、また娘は自分のことを話している声が聞こえていた(幻聴)。最近、頭痛を訴えていた。体重が減少し、脱毛があった。盗汗と主に足と手の小関節に及ぶflitting 関節痛を訴えていた。服用薬なし。タバコ1日5-10本、アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱)
- 既往歴:特記なし(medical or psychiatric history)
- 家族歴:
- 生活歴:
- ・身体診断
- 意識:眠そうだが痛みに反応。頚部硬直:なし。頭髪:薄く斑状。体温38.5℃。リンパ節:たくさんの部位で触知。
- 心拍:104/分、整。血圧:164/102 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部:異常なし。
- 神経所見:focal anormalityなし(局所性異常)。乳頭浮腫:認めず。
- ・検査
- (血液生化学)
- 上昇:erythrocyte sedimentation rate、urea、creatinine
- 低下:hemoglobin、white cell count、platelet
- 正常:mean corpuscular volume、sodium、potassium、glucose
- (腰椎穿刺)
- 上昇:leukocytes、CSF protein
- 正常:CSF glucose
- (尿検査)
- 蛋白:+++。血尿:+++。赤血球:++。赤血球円柱:あり。
- (その他)
- 胸部X線:異常なし。ECG:洞性頻脈。頭部CT:正常。CSFグラム染色:陰性(光顕レベルで細菌なし)
- ■glossary
- fall out (毛髪などが)抜ける
- night sweat 盗汗、寝汗
- tonic-clonic generalized seizure 全般性強直間代発作
- flit vi (鳥・蝶など)すいすい/ひらひら飛ぶ、飛び回る、飛翔する。(人が)軽やかに通る、行き交う。(時が)(飛ぶように)すぎる。(幻想など)去来する、よぎる、(表情が)かすめる
- drowsy adj. 眠い。眠そうな。眠気を誘う。ものうい。眠ったような
- stiffness n. 堅いこと、堅ぐるしさ、がんこさ
- delirium tremens 振戦譫妄
- hypertensive encephalopathy 高血圧性脳症
- alopecia 脱毛症
- African-Caribbean アフリカ-カリブ系
- fit n. (病気の)発作。引きつけ、痙攣。(感情の)激発、一時的興奮、気まぐれ
- chorea n. 舞踏病
- recreational drug 耽溺性があり乱用される脱法薬物
- urgent adj. (物・事が)急を要する、緊急の、背拍質(pressing)。(~を)緊急に必要とする(in)。(S is ~ (with O1) for [in] O2)(人が)(O1(人)に)O2(物・事)をしつこく求める。(人に/~するように)催促する(for/to do)。(要求などが)執拗な。
- □てんかん発作
- ・新規発生したてんかん発作の原因(ICU.805-806)
- ・薬物中毒(テオフィリンなど)
- ・薬物からの離脱(アルコールなど)
- ・感染症(髄膜炎、膿瘍など)
- ・頭部外傷
- ・虚血障害(虚血あるいはびまん性)
- ・占拠性病変(腫瘍あるいは血腫)
- ・代謝性障害(肝性脳症、尿毒症性脳症、敗血症、低血糖、低ナトリウム血症、低カルシウム血症など)
- ・合併症(ICU.805-806)
- ・全身性てんかん発作の場合:高血圧、乳酸アシドーシス、高体温、呼吸障害、誤嚥、肺水腫、横紋筋融解、自傷、不可逆性の神経学的障害(30分間以上てんかん発作が持続した場合)
- ■可能性の高い診断
- 全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus(SLE)
- ■鑑別診断のポイント
- 自己免疫疾患は多彩な症状を示す。そのため、個々の症状に着目して鑑別診断をあげるのではなく、症状や検査値の異常を総合的に見て判断する必要がある。
- ■解答
- (第1パラグラフ)SLEの病態
- 精神症状:(SLEは脳で血管炎を呈することで生じる)うつ(depression)、統合失調症様の精神病、痙攣(fits)、舞踏病(chorea)、脳梗塞/脊髄梗塞
- 脳脊髄液:白血球増多(leukopenia)、蛋白増加
- 血液:自己免疫性溶血貧血(Coombs'-positive hemolytic anemia)がありうる。白血球減少と血小板減少症は普通にみられる。
- 腎症状:ループス腎炎は普通に見られ、顕微鏡的血尿・タンパク尿、ネフローゼ、あるいは腎不全が現れるかもしれない。
- 関節症状:変形を伴わない関節痛(PIP関節(近位指節間関節)、MP関節(中手指節関節)、手関節)
- (第2パラグラフ)SLEの確定診断のための検査・治療
- ・すぐにすべきことは降圧薬、抗痙攣薬の投与
- ・確定診断のために次の検査を行っていく(もっとも、症例の提示された所見で(日本の?)SLEの診断基準を満たすけど)
- ・検疫血清検査:抗DNA抗体、C3、C4
- ・腎生検:ループス腎炎の程度を把握
- ・治療:活動性の感染がないことを確認 ← 薬物療法ではステロイドや免疫抑制薬を使うため
- ・ステロイド静脈内投与、あるいはシクロホスファミドなどの細胞毒性薬(cytotoxic agents)の投与
- ・重症、治療抵抗性だったら血漿交換を行う。
- ■鑑別診断 頭痛/精神病的様態(psychiatric features)/痙攣
- ・髄膜炎、脳炎
- ・レクリエーショナルドラッグの中毒(例えばコカイン)
- ・脳腫瘍
- ・急性のアルコール禁断症状:振戦譫妄
- ・高血圧脳症
- ■KEYPOINT
- ・SLEは特に若いアフリカ系-カリブ系に普通に一般的
- ・SLEでは主に神経症状と精神症状をを伴って現れることがある
- ・白血球低下と血小板の低下はしばしばSLEを示唆する
- □tonic-clonic seizure 強直間代発作
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- □細胞毒性薬
- 免疫抑制薬や抗腫瘍薬として用いられる。
- antimetabolites
- アザチオプリン azathioprine
- メトトレキセート methotrexate
- ミコフェノール酸 mycophenolic acid, ミコフェノール酸モフェチル mycophenolate mofetil
- レフルノミド leflunomide
- alkylating agents
- シクロホスファミド cyclophosphamide
[★]
- 英
- ascites, abdominal dropsy, hydroperitonia
- 同
- 腹腔内貯留液 intraperitoneal fluid
- 関
- 波動
概念
分類
- 血清蛋白質濃度は6.5-8.0g/dLが正常範囲
腹水の性状
比重、蛋白濃度による分類
病因
- 1. 門脈圧・静脈圧亢進
- 2. 膠質浸透圧の低下
- 3. リンパ液のうっ滞
- 4. 血管透過性の亢進
病態生理
肝硬変における腹水 HIM.1978
- 1. →内臓の血管内圧の上昇→腹水
- 2. →動脈血の減少→血管収縮機構と抗ナトリウム利尿機構の亢進→ナトリウム保持→血漿量の増加→腹水
貯留しやすい部位(QB.Q-205)
検査
- 500ml以上の貯留があれば、腹部超音波検査、腹部CT、腹部MRIで検出できる。
腹部単純X線写真
治療
HIM.1978
[★]
- 英
- secondary nephrotic syndrome
- 同
- 続発性ネフローゼ症候群
- 関
- 一次性ネフローゼ症候群
[★]
- 英
- nephrotic crisis
- 同
- ネフローゼ発症
[★]
- 関
- ネフローゼ症候群