- 日
- けいしとう
適応
- 体力が衰えた時の風邪の初期
- 比較的体力の低下した人で、頭痛・発熱・悪寒・自汗・身体疼痛などがあり、自然に汗の出やすい者を目標とする。
鑑別
- 1)麻黄湯:自然発汗なし、咳嗽、喘鳴、筋肉痛
- 2)葛根湯:体力中等度以上、頭痛、肩こり、自然発汗なし、上半身の炎症、鼻炎
- 3)香蘇散:体力中等度以下、頭痛、発熱、胃腸虚弱、抑うつ傾向
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/08 13:40:40」(JST)
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桂枝湯(けいしとう)は、漢方薬の一種。出典は傷寒論・金匱要略。
目次
- 1 適応症
- 2 組成
- 3 副作用
- 4 注意事項
- 5 関連する方剤
- 6 脚注
- 7 関連項目
適応症
- かぜの初期(体力虚弱で汗が出る者)
- 悪寒、発熱、頭痛、自然発汗
- 太陽病
組成
桂枝(去皮)[1]・芍薬・大棗・生姜・甘草
葛根湯から、葛根と麻黄を除いた基本方剤である。
副作用
次の副作用がある[2]。
- 重大な副作用 - 偽アルドステロン症、ミオパシー
- その他 - 発疹、発赤、掻痒
注意事項
高齢者は生理機能が低下し、妊産婦、小児は安全性が未確立であり、注意が必要である[2]。
次の薬剤との併用により、偽アルドステロン症、ミオパシーが出現しやすくなる[2]。
- 甘草含有製剤
- グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
関連する方剤
- 桂枝加芍薬湯 - 桂枝湯+芍薬[3]
- 小建中湯 - 桂枝加芍薬湯+膠飴
- 桂枝加竜骨牡蛎湯 - 桂枝湯+竜骨+牡蛎
脚注
- ^ 解肌発表の桂枝を使う。日本漢方では温補腎陽に優れる肉桂(桂皮)を用いることが多いが、誤りではない。李時珍『本草綱目』の(1578?)の『桂』の項に「一名肉桂。又の名桂枝」とある。註に「桂皮が丸まって指状のものを桂枝と言う」とあるので、現在中国で売られる得体の知れない「桂枝」の方が誤り。『宋板傷寒論』の方一の原注に「服し終えてすぐ熱い薄カユ一升あまりをすすって薬力を助けよ」とある。この薬の発汗作用は弱いがカユをすすればテキメン。
- ^ a b c ツムラ製品情報『ツムラ桂枝湯』
- ^ 桂枝湯の芍薬を倍量にした処方。
関連項目
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Japanese Journal
- 中江 啓晴,熊谷 由紀絵,小菅 孝明
- 日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine 62(1), 45-47, 2011-01-20
- NAID 10027417351
Related Links
- 桂枝湯とは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬 事典版)
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
テイコク桂枝湯エキス顆粒
組成
日局ケイヒ 4.0g
日局シャクヤク 4.0g
日局タイソウ 4.0g
日局ショウキョウ 1.5g
日局カンゾウ 2.0g
上記の混合生薬より製した水製乾燥エキス2.21gを含有する。
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム
効能または効果
- 体力が衰えたときの風邪の初期
- 通常成人1日3回、1回2.5gを食前に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
重大な副作用
偽アルドステロン症:
- 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
ミオパシー:
- 低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。 ← 1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
年齢
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原因
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乳児(生後3ヶ月未満)
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敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
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乳児(生後3ヶ月以降)
|
ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
|
幼児、学童期
|
溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
|
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後 :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
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実熱
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虚熱
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発病
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急速に発病
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緩徐に発病
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症状
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悪寒、高熱 顔面紅潮 苦痛あり、四肢運動多 声大きく明瞭 口渇強い 便秘 色調濃い尿
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軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白 苦痛少なく、静かに臥床 声小さい 口渇少ない 軟便、下痢 薄い色調の尿
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脈
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早く大きく、緊張
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小さく早く、緊張なし
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舌苔
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厚くて乾燥、白~黄~褐色
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薄くて白い、無苔、鏡面舌
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その他
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頭痛、関節痛、無汗~発汗
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倦怠感、眩暈感、盗汗
|
実熱
|
麻黄湯
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悪寒、発熱、頭痛、関節痛
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葛根湯
|
悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり
|
小柴胡湯
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午後からの発熱、食欲不振、口の苦み
|
柴胡桂枝湯
|
詳細孤島の症状、関節痛、腹痛
|
大柴胡湯
|
胆嚢炎、便秘
|
柴陥湯
|
詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛
|
黄芩湯
|
発熱、腹痛、下痢
|
虚熱
|
桂枝湯
|
発熱、軽度の頭痛、発汗
|
桂麻各半湯
|
発熱、発疹
|
参蘇飲
|
発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる
|
柴胡桂枝乾姜湯
|
微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗
|
竹じょ温胆湯
|
発熱、咳嗽、不眠
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補中益気湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗
|
滋陰降火湯
|
微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽
|
滋陰至宝湯
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微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態
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真武湯
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陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている
|
麻黄細辛附子湯
|
陰病、微熱、寒がる
|
[★]
- 関
- 麻黄
- 漢方処方の分類で麻黄を主薬とする処方群
- 太陽病の治療方剤として用いられる。
参考
- http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E9%BA%BB%E9%BB%84%E5%89%A4
[★]
- 関
- 麻黄剤、麻黄
- 感冒などの熱性疾患の初期に用いられる処方である。
- 特にインフルエンザ感染症初期に用いられ、エビデンスが豊富である。麻黄湯内服開始より解熱までの期間は抗インフルエンザより短いと言われている。
- 平素から丈夫で体力充実した人の熱性疾患の初期で、頭痛、発熱、悪寒、腰痛、四肢の関節痛などがあり、自然発汗のない場合に用いる。
鑑別
- 感冒において
- 発汗傾向なし。
- 腰痛・筋肉痛は伴わない
- 2)桂枝湯:鼻炎症状、発汗傾向
- 3)小青竜湯:鼻炎症状特に水様の鼻汁、喀痰。
- 心窩部振水音
[★]
- 日
- かっこんとう
- 関
- 麻黄剤
- 桂枝湯に葛根と麻黄を加えた物
鑑別
- 感冒について
- 1)麻黄湯:自然発汗なし、咳嗽、喘鳴、筋肉痛
- 2)桂枝湯:自然発汗あり、鼻閉、鼻汁
- 3)小青竜湯:自然発汗あり、胃腸虚弱、胃部振水音、鼻閉、水様鼻汁
- 4)麻黄附子細辛湯:全身の悪寒、蒼白な顔貌、熱感に乏しい、咽痛、倦怠感
- 5)真武湯:全身の悪寒、手足の冷え、倦怠感、下痢
[★]
- 関
- 麻黄剤、桂枝湯、麻黄湯
参考
- http://shoukanron.blog52.fc2.com/blog-entry-16.html
[★]
- 関
- 柴胡桂枝湯、漢方製剤
[★]
- 関
- 漢方製剤、桂枝湯
[★]
- 日
- さいこけいしとう
[★]
- 英
- cinnamon
- 関
- 桂皮