- 英
- bacteremia
- 関
- 敗血症
菌血症と敗血症の違い
- 菌血症:ある感染症の経過で血液中に菌体が存在する/ある細菌が血液中に存在するが、全身症状が殆ど認められない場合
- 敗血症:重度の全身症状を伴う(IMD.1079)/細菌の増殖が活発な場合
診断
- 血液培養
- 細菌由来の核酸をPCR法により増殖する方法
WordNet
- transient presence of bacteria (or other microorganisms) in the blood (同)bacteriemia, bacteriaemia
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/12 06:03:16」(JST)
[Wiki ja表示]
|
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
菌血症(きんけつしょう)とは、細菌が血液中に侵入しただけの状態を指す。血液中に侵入した細菌が増殖した場合は敗血症 と呼び、区別される。細菌が血液に侵入する機会は意外に多く、マラリアやウイルス性肝炎などの血液感染症をはじめ、食中毒や転んで怪我をした場合や抜歯時にも血液中に侵入する可能性が高い。なお、献血の際には供血者に多項目の問診を行い、さらに献血後の血液にスクリーニング検査を実施することにより、輸血による他者への感染を防ぐ努力が為されている。
参考文献
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
関連項目
外部リンク
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 非免疫不全者に発症して自然寛解と再燃を認めた Helicobacter cinaedi 菌血症の1例
- 田中 陽平,越川 智康,濱田 一路,渋谷 清貴,渡部 潔,小幡 篤,高橋 洋
- 日本内科学会雑誌 100(5), 1385-1387, 2011-05-10
- NAID 10029097288
- Campylobacter jejuni 腸炎の経過中に発症した一過性菌血症の1例
- 臨床講座(34)小児の新しいワクチン(肺炎球菌ワクチン・Hibワクチン)
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 46歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。
- 現病歴:3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から38.0℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:父親が膵癌のため68歳で死亡。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-1、GCS 15(E4V5M6)。身長 155cm、体重 48kg。体温 37.2℃。脈拍 112/分、整。血圧 78/40mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 94%(room air)。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 388万、Hb 11.2g/dL、Ht 36%、白血球 9,800(桿状核好中球 39%、分葉核好中球 45%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 4%、リンパ球 7%)、血小板 18万、Dダイマー 3.4μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 2.9g/dL、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、Na139mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 108mEq/L。CRP 12mg/dL、乳酸 14mg/dL(基準 5~20)。胸部エックス線写真(別冊No. 14)を別に示す。血液培養2セットからKlebsiella pneumoniaeが検出された。
- 酸素投与とともに、生理食塩液1,500mLを輸液したところ、体温 38.1℃、脈拍96/分、整。血圧 112/64mmHg、呼吸数 24/分、SpO2 97%(鼻カニューラ 3L/分酸素投与下)となった。
- この患者の状態はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C060]←[国試_114]→[114C062]
[★]
- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 35歳の女性。発熱と咳とを主訴に来院した。
- 現病歴: 2週前から発熱と咳嗽とが出現し、日ごとに悪化している。
- 既往歴: 特記すべきことはない。薬物アレルギー歴はない。
- 家族歴: 特記すべきことはない。
- 生活歴: 海外渡航歴はない。ペットは飼育していない。
- 現症 : 意識は清明。身長 150cm、体重 54kg。体温 38.7℃。呼吸数 32/分。脈拍 108/分、整。血圧 80/60mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2) 88%。舌・口腔粘膜に乾燥を認める。右下肺野背面にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝、脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見: 血液所見: 赤血球 428万、Hb 11.9g/dl、Ht 30%、白血球 11,200(桿状核+分葉核好中球78%、好酸球1%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球12%)、血小板35万。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 3.5g/dl、尿素窒素 25mg/dl、クレアチニン 0.9mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、AST 27IU/l、ALT 25IU/l、LD 250IU/l(基準176-353)。CRP 8.1mg/dl。胸部エックス線写真(別冊No.3A)と喀痰のGram染色標本(別冊No.3B)とを別に示す。
- 外来受診時の血液検査で菌血症は認められない。治療を開始し臨床症状は軽快に向かった。
- 治療を終了する目安はどれか。
- a 解熱を確認できた日
- b 解熱後2、3日
- c 解熱後7日
- d 解熱後14日
- e 解熱後28日
[正答]
※国試ナビ4※ [104F028]←[国試_104]→[104F030]
[★]
- a 検体を冷蔵保存する。
- b 検体採取の回数を増やす。
- c 抗菌薬を投与する前に採取する。
- d 異なる部位から2セット採取する。
- e 好気性ボトルより先に嫌気性ボトルに分注する。
[正答]
※国試ナビ4※ [107H011]←[国試_107]→[107H013]
[★]
- a 検体を冷蔵保存する。
- b 検体採取の回数を増やす。
- c 抗菌薬を投与する前に採取する。
- d 異なる部位から2セット採取する。
- e 好気性ボトルより先に嫌気性ボトルに分注する。
[正答]
※国試ナビ4※ [113E016]←[国試_113]→[113E018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113B016]←[国試_113]→[113B018]
[★]
[★]
- 英
- infective endocarditis, IE
- 関
- 心内膜炎、細菌性心内膜炎
概念
- 感染性心内膜炎は弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌集蔟を含む疣腫(vegetation)(注1)を形成し、菌血症、血管塞栓、心障害など多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患である。感染性心内膜炎はそれほど頻度の多い疾患ではないがいったん発症すれば、的確な診断の下、適切な治療が奏功しないと多くの合併症を引き起こし、ついには死に至る。(ガイドライン.1)
疫学
- 緑色連鎖球菌が感染性心内膜炎の原因として最多である。(YN.C-129)
- 院内発症:Streptococcus viridans > ブドウ球菌 > 腸球菌
- 院外発症:ブドウ球菌(Staphylococcus aureus > CNS ) > Streptococcus viridans
発症のメカニズム
- 非細菌性血栓性心内膜炎(nonbacterial thrombogenic endocarditis, NBTE)は次の2つの影響で生じるとされる;(1)弁膜疾患や先天性心疾患に伴う異常血流、(2)人工弁置換術語例など異物の影響。非細菌性血栓性心内膜炎の存在下で一過性の菌血症(医原性など)すると、NBTEに病原体が付着・増殖し疣腫が形成される。疣腫は僧帽弁の心房側、半月弁の心室など逆流血流がアル部位や、シャント血流や狭窄血流の異常ジェット血流が心内膜面にある所に認められる。(ガイドライン.1改変)
- ジェット血流の存在が発症に関わっているので、軽症の弁膜症の方がジェット血流を来しやすい。従って、心内膜炎も来しやすい。(QB.C-454)
リスクファクター
資料(1)より
- 人工弁置換患者:(感染性心内膜炎による?)手術例の3分の2を占める!
- 心内膜炎の既往を有する患者:再発しやすい
- 先天性心疾患:心房中隔欠損症(ASD)(二次口型)を除いてほとんどの先天性心疾患がハイリスク群となる。
- 大動脈二尖弁:0.5-1.0%に存在するとされ、また感染性心内膜炎患者の約20%程度が大動脈二尖弁
- 大動脈弁閉鎖不全症(AR)、僧帽弁閉鎖不全症(MR)、僧帽弁逸脱症(MVP)はリスクとなる
- ASはARよりリスクは小さいとされ、MSについてはハイリスクかは議論が分かれている。
- 閉塞型肥大型心筋症:ハイリスク群とのコンセンサスがある
- 中心静脈カテーテル留置患者
分類
経過
- 急性感染性心内膜炎:ブドウ球菌
- 亜急性感染性心内膜炎:緑色連鎖球菌、腸球菌、心筋
病原体を細菌に限定
宿主の要因
- native valve endocarditis:心内膜炎患者の60-80%を占める
- prosthetic valve endocarditis:Staphylococcus epidermidisが病原体であることが普通
- endocarditis in the setting of intravenous drug abuse:右心系の弁に起こりやすい
検査
臨床経過
- 菌血症が起こってから,症状の発現までの期間は短く、80%以上の例では2週間以内(ガイドライン.1)。
身体所見
- 感染性心内膜炎の身体所見JaRO → ジェーンウェー病変(Janeway斑)、ロス斑(Roth斑)、オスラー結節(Osler結節)
症状
亜急性感染性心内膜炎
- 非特異的な症状(発熱・全身倦怠感、食欲不振、体重減少、関節痛)が徐々に進展。
急性感染性心内膜炎
心臓外の合併症
- ガイドライン.1
- 頻度:27-45%
- 好発時期:発症後2週間
- 検査:CTなど
- 好発部位:中枢神経系(60-70%)、脾臓、腎臓、肺、末梢動脈、冠動脈、肝臓、腸間膜動脈
- 脾臓:脾梗塞、脾膿瘍、脾破裂
- 肺梗塞:IE全体の9-11%の頻度で見られる。右心系の疣腫(三尖弁、肺動脈弁、右室流出路)
- 腎障害
- 原因:疣贅による脳動脈の塞栓
- 頻度20-40%
- 感染性心内膜炎初発症状としての脳合併症:47%
- 種類:脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、脳動脈流、髄膜炎、脳膿瘍、てんかん発作
- 頻度:1.2-5.6%
- 症状:頭痛、知覚障害、脳神経症状
- 好発部位:中大脳動脈領域(二次分岐部)
診断
- 病歴:先天性心疾患、弁膜症の既往、抜歯・手術後の発熱の遷延
- 血液培養:起炎菌の検出
- 心エコー:疣贅
- 2. Duke criteria(HIM.792)
- ガイドライン.1より抜粋
IE 確診例
Ⅰ.臨床的基準
- 大基準2 つ,または大基準1 つと小基準3 つ,または小基準5 つ
(大基準)
-
- A.2回の血液培養で以下のいずれかが認められた場合
- B.つぎのように定義される持続性のIE に合致する血液培養陽性
- (i) 12 時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が2 回以上陽性
- (ii)3 回の血液培養すべてあるいは4 回以上の血液培養の大半が陽性(最初と最後の採血間隔が1 時間以上)
- 2.心内膜が侵されている所見でAまたはB の場合(注4)
-
- (i) 弁あるいはその支持組織の上,または逆流ジェット通路,または人工物の上にみられる解剖学的に説明のできない振動性の心臓内腫瘤
- (ii)膿瘍
- (iII) 人工弁の新たな部分的裂開
- B.新規の弁閉鎖不全(既存の雑音の悪化または変化のみでは十分でない)
(小基準)(注5)
- 1.素因:素因となる心疾患または静注薬物常用
- 2.発熱:38.0℃以上
- 3.血管現象:主要血管塞栓,敗血症性梗塞,感染性動脈瘤,頭蓋内出血,眼球結膜出血,Janeway病変
- 4.免疫学的現象:糸球体腎炎,Osler結節,Roth斑,リウマチ因子
- 5.微生物学的所見: 血液培養陽性であるが上記の大基準を満たさない場合,またはIE として矛盾のない活動性炎症の血清学的証拠
Ⅱ.病理学的基準
- 菌: 培養または組織検査により疣腫,塞栓化した疣腫,心内膿瘍において証明,あるいは病変部位における検索:組織
学的に活動性を呈する疣贅や心筋膿瘍を認める
IE 可能性
- 大基準1 つと小基準1 つ,または小基準3 つ(注6)
否定的
- 心内膜炎症状に対する別の確実な診断,または
- 心内膜炎症状が4 日以内の抗菌薬により消退,または
- 4 日以内の抗菌薬投与後の手術時または剖検時にIE の病理学所見なし
- 注1) 本ガイドラインでは菌種の名称についてはすべて英語表記とし通例に従って Streptococcus viridans 以外はイタリック体で表示した.
- 注2) Staphylococcus aureus は,改訂版では,i)に含まれるようになった.
- 注3) 本項は改訂版で追加された.
- 注4) 改訂版では,人工弁置換例,臨床的基準でIE可能性となる場合,弁輪部膿瘍などの合併症を伴うIE,については,経食道心エコー図の施行が推奨されている.
- 注5) 改訂版では,“心エコー図所見:IEに一致するが,上記の大基準を満たさない場合”,は小基準から削除されている
- 注6) 改訂版では,“IE可能性”は,このように変更されている
治療
QB.C-454
- 緑色連鎖球菌:ペニシリンG(大量投与)
- 腸球菌:ペニシリン+アミノグリコシド系抗菌薬
- 黄色ブドウ球菌:第1-2世代セフェム系抗菌薬+アミノグリコシド系抗菌薬
外科的治療
- ガイドライン.1
- 以下の病態が観察されるか予想されるときに手術適応を考慮。
- 1. うっ血性心不全
- 2. 抵抗性感染
- 3. 感染性塞栓症
うっ血性心不全
抵抗性感染
感染性塞栓症
感染性心内膜炎の手術適応
- ガイドライン.1
自己弁および人工弁心内膜炎に共通する病態
- 1. 弁機能障害による心不全の発現
- 2. 肺高血圧(左室拡張末期圧や左房圧の上昇)を伴う急性弁逆流
- 3. 真菌や高度耐性菌による感染
- 4. 弁輪膿瘍や仮性大動脈瘤形成および房室伝導障害の出現
- 5. 適切かつ十分な抗生剤投与後も7 ~ 10 日以上持続ないし再発する感染症状
- 1. 可動性のある10 ㎜以上の疣腫の増大傾向
- 2. 塞栓症発症後も可動性のある10 ㎜以上の疣腫が観察される場合
人工弁心内膜炎における病態
- 1. 弁置換後2 ヶ月以内の早期人工弁感染抗菌薬抵抗性のブドウ球菌,グラム陰性菌による感染
- 2.適切かつ充分な抗菌薬投与後も持続する菌血症で他に感染源がない場合
予防
成人における感染性心内膜炎の基礎疾患別リスク
- 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
- 生体弁、機械弁による人工弁置換術患者、弁輪リング装着例
- 感染性心内膜炎の既往を有する患者
- 複雑性チアノーゼ性先天性心疾患(単心室、完全大血管転位、ファロー四徴症)
- 体循環系と肺循環系の短絡造設術を実施した患者
- 中等度リスク群(必ずしも重篤とならないが、心内膜炎発症の可能性が高い患者)
- ほとんどの先天性心疾患:単独の心房中隔欠損症(二次孔型)を除く
- 後天性弁膜症:逆流を伴わない僧帽弁狭窄症ではリスクは低い
- 閉塞性肥大型心筋症
- 弁逆流を伴う僧帽弁逸脱
- 人工ペースメーカ、植込み型除細動器などのデバイス植込み患者
- 長期にわたる中心静脈カテーテル留置患者
ガイドライン
- 1. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_miyatake_h.pdf
- 2. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
- https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_nakatani_h.pdf
[★]
- 英
- Clostridium
- 関
- 細菌
- 例外的に酸素に耐性が有るのがC. tertium, C. histolyticum, C.innocuum, C.perfringens
クロストリジウム属
[★]
- 英
- systemic inflammatory response syndrome, SIRS
- 関
- 敗血症、菌血症
概念
症状
診断基準
- バイタルサインのうち「体温(炎症の程度を表現)とrateを表すHRとRRが含まれる」と覚えておくか。
- 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
- 2. 心拍数>90bpm
- 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
- 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ←
ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。(出典不明)
[★]
菌血症
- 関
- bacteraemic、bacteremia、bacteremic
[★]
- 英
- meningococcemia
- 同
- 髄膜炎菌性菌血症
- 関
- 髄膜炎菌 Neisseria meningitidis
[★]
- 英
- fulminant meningococcemia
[★]
- 英
- Gram-negative bacteremia
[★]
- 英
- pneumococcal bacteremia
[★]
- 英
- sis, pathy