- 日
- しんぶとう
- 関
- 水滞(全身型)
- 生薬:茯苓、芍薬、蒼朮、生姜、附子
- 易疲労(倦怠感)、めまい感、尿量減少、浮腫、下痢、全身の冷え
- 目標:少陰病期、虚証
- 身体の新陳代謝が低下して、体が冷えきったために生ずる諸症状を賦活する。
- 附子を含んでおり、体を温める作用を有する
鑑別
- 1)人参湯:体力低下、唾液分泌過多、易疲労、冷え、顔色不良、下痢
- 2)小建中湯:易疲労、小児夜尿症、腹直筋の緊張、腹痛
- 3)大建中湯:体力低下、手足・腹の冷え、腹痛、腸の蠕動亢進、鼓腸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2021/07/24 01:37:17」(JST)
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真武湯(しんぶとう)は、漢方方剤の中でも下痢症や腹痛などに処方される漢方薬。出典は『傷寒論』。
概要
漢時代の『傷寒論』という書物でも紹介される寒証・虚証に適した代表的な方剤。元来は玄武湯と呼ばれていたものの、宋の皇帝の名(趙玄朗)と重複することから真武湯と改称された。玄武は中国の神話に登場する四神の1つで、北方の守護神である。四神の神獣とは青竜、白虎、朱雀、玄武である。主薬である附子が黒色であることから、玄武湯と呼ばれるようになった[1]。
虚証、寒証、湿証などに効果がある。
すなわち体を温め、水分の循環をよくし体全体の機能を高める働きがある。また、鎮痛効果も持ち合わせる。冷え性で痩せ型の者や、虚弱体質、体力が低下し、腹痛・下痢などを起こしやすい体質に向く処方である。冷え性、めまい、下痢、消化不良、慢性腸炎、風邪などに効果がある。寒証向けの方剤ゆえ、一般に体力が充実し、のぼせがあり暑がりである人(実証・熱証)には禁忌[1]。
構成生薬
- 茯苓 5.0 - 体内に溜まった水分の排泄[1]。
- 蒼朮[2] 3.0 - 体内に溜まった水分の排泄[1]。
- 芍薬 3.0 - 鎮痛作用[1]。
- 生姜 3.0
- 附子 0.5 - 体を温めて痛みを取り去る作用[1]。
適応 [1]
- 虚弱体質
- 胃腸障害
- 胃下垂、胃アトニー、消化不良、慢性下痢
- 慢性腸炎
- 慢性腎炎
- ネフローゼ
- 疲労倦怠
- 風邪
- 腹膜炎
- 心不全による心悸亢進、心臓弁膜症
- 脳溢血
- 高血圧症
- 低血圧症
- リウマチ
- 神経症
- 老人性そう痒症[1]
副作用
- 食欲不振
- 胃の不快感
- 吐き気
- 動悸
- のぼせ
- 舌のしびれ
- 発疹
- 発赤
- かゆみ
体質によって、服用時のむかつき、食欲不振、動悸やのぼせ、舌のしびれなどがみられる。附子(ぶし)は、のぼせ傾向の人には適せず、のぼせ、しびれ感が出る場合には服用を中止する。
注意事項
- 実証・熱証には禁忌。
- 高齢者は生理機能の低下のため減量、小児は附子含有のため注意[3]。
- 妊産婦は附子の副作用が出現しやすく投与を控える[3]。
- 附子を含む他の方剤との飲みあわせには、注意が必要。
- 1ヵ月以上服用しても症状がよくならない場合は医師に相談。
- 食前もしくは食間に服用。
脚注
- ^ a b c d e f g h 役に立つ薬の情報~専門薬学「真武湯の効能:冷え、下痢、腹痛、めまい、風邪」
- ^ 本来であれば白朮を用いるところで、メーカーによって白朮と蒼朮が異なるが、蒼朮を用いるのは日本独自の古方派に由来するものである。
- ^ a b ツムラ製品情報『ツムラ真武湯』
関連項目
- 小青竜湯・大青竜湯 - 朱雀湯 - 白虎湯
- 薬の煎じ方
外部リンク
|
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- 1. 卵巣の低分化型漿液性腺癌のマネージメントmanagement of low grade serous carcinomas of the ovary [show details]
…to this report, serous carcinomas were most widely graded using a three-tier system; either the Shimizu-Silverberg system, or the system of the International Federation of Gynecology and Obstetrics (FIGO)…
Japanese Journal
- 臨床ノート 浮腫,歩行不能,経口摂取不能で入院し,急性期治療後に真武湯で歩行可能になった1例
- 臨床報告 真武湯と防已黄耆湯の併用投与は蛋白尿の少ない慢性腎臓病に進行抑制効果がある(第2報)
Related Links
- 真武湯(シンブトウ)についての情報を掲載しています。 医療関係者の皆さま 株主・投資家の皆さま 入社をご希望の皆さま 文字サイズ 標準 拡大 English 中文 製品情報 製品情報 製品情報トップへ 医療用漢方製剤 製品番号で探す 50音 ...
- 真武湯(しんぶとう)は、下痢症や腹痛などに処方される漢方薬で、『傷寒論』という古い医学書に収載されている漢方処方です。別名を「玄武湯(げんぶとう)」とも呼び、体力・抵抗力がともに落ち、代謝機能が低下したタイプの方に適した薬です。
- 真武湯の服用方法 ツムラ真武湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。 種類・症状・病名別で漢方薬を解説しています ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
JPS真武湯エキス顆粒〔調剤用〕
組成
*
含量:
*本剤7.5g中
日局 ブクリョウ 5.0g
日局 シャクヤク 3.0g
日局 ソウジュツ 3.0g
日局 ショウキョウ 1.0g
日局 ブシ末 1.0g
* 上記の混合生薬より抽出した日局真武湯エキス2.6gを含有する。
*
添加物:
*ステアリン酸Mg、ショ糖脂肪酸エステル、乳糖水和物
効能または効果
*
* *新陳代謝が沈衰しているものの次の諸症
* *諸種の熱病、内臓下垂症、胃腸弛緩症、慢性腸炎、慢性腎炎、じんましん、湿疹、脳出血、脊髄疾患による運動および知覚麻痺
*
* *通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年令、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
*
* *体力の充実している患者
* *〔副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。〕
* *暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者
* *〔心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等があらわれるおそれがある。〕
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。 ← 1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
年齢
|
原因
|
乳児(生後3ヶ月未満)
|
敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
|
乳児(生後3ヶ月以降)
|
ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
|
幼児、学童期
|
溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
|
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後 :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
|
実熱
|
虚熱
|
発病
|
急速に発病
|
緩徐に発病
|
症状
|
悪寒、高熱 顔面紅潮 苦痛あり、四肢運動多 声大きく明瞭 口渇強い 便秘 色調濃い尿
|
軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白 苦痛少なく、静かに臥床 声小さい 口渇少ない 軟便、下痢 薄い色調の尿
|
脈
|
早く大きく、緊張
|
小さく早く、緊張なし
|
舌苔
|
厚くて乾燥、白~黄~褐色
|
薄くて白い、無苔、鏡面舌
|
その他
|
頭痛、関節痛、無汗~発汗
|
倦怠感、眩暈感、盗汗
|
実熱
|
麻黄湯
|
悪寒、発熱、頭痛、関節痛
|
葛根湯
|
悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり
|
小柴胡湯
|
午後からの発熱、食欲不振、口の苦み
|
柴胡桂枝湯
|
詳細孤島の症状、関節痛、腹痛
|
大柴胡湯
|
胆嚢炎、便秘
|
柴陥湯
|
詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛
|
黄芩湯
|
発熱、腹痛、下痢
|
虚熱
|
桂枝湯
|
発熱、軽度の頭痛、発汗
|
桂麻各半湯
|
発熱、発疹
|
参蘇飲
|
発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる
|
柴胡桂枝乾姜湯
|
微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗
|
竹じょ温胆湯
|
発熱、咳嗽、不眠
|
補中益気湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗
|
滋陰降火湯
|
微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽
|
滋陰至宝湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態
|
真武湯
|
陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている
|
麻黄細辛附子湯
|
陰病、微熱、寒がる
|
[★]
- 英
- edema
- 関
- 水腫、angioedema、全身性浮腫
分類
- 低アルブミン血症はfast edema と覚えておく
浮腫の原因
- IMD.518
-
- 内分泌性浮腫
- 栄養失調性浮腫・栄養障害性浮腫
- 薬剤性浮腫
- 起立性浮腫
- 特発性浮腫
- 内科診断リファレンス p.4
浮腫を来す疾患
- IMD.519改変
-
- 内科外科マニュアルp.212
- 蜂窩織炎
- 深部静脈血栓症
- 表在静脈瘤(慢性静脈還流不全)
- うっ血性心不全
- ネフローゼ症候群
- 肝硬変
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
- 薬剤:CCB,ピオグリタゾン,NSAIDs,女性ホルモン,甘草
- 特発性浮腫:女性,夕方増悪する下腿の浮腫:NaCl,炭水化物制限
- 月経前症候群:黄体期に出現し,月経発来と共に消退:当帰芍薬散,加味逍遥散
肝性浮腫と腎性浮腫
- 肝性浮腫は下肢に、腎性浮腫では眼瞼に浮腫が初発する?(出典不明)
-
- 越婢加朮湯
- 五苓散
-
-
- 当帰芍薬散
- 真武湯
-
- 防已黄耆湯
- 八味地黄丸
参考
[★]
- 同
- 水毒
- 関
- 水
- 水に偏在をきたした病態
- 診断基準として水滞スコアが提案されている。
- 水滞の病型には、全身型(全身の浮腫、下痢、めまい感、尿量減少、夜間頻尿)、皮膚・関節型(顔面浮腫、関節腫脹、身体の一部の腫脹、朝のこわばり)、胸内型(水様の喀痰、胸水、動悸、胸内苦悶感)、心下型(胃部振水音、悪心・嘔吐、下痢、グル音の亢進)がある。
治療方剤
水滞・全身型
水滞・皮膚関節型
水滞・胸内型
[★]
- 日
- はちみじおうがん
- 関
- 八味丸
- 和漢診療学 第2版.293
生薬
病態
- 太陰病期、虚証。腎虚 (医学辞書)
- 太陰病期・水滞型、虚証(和漢診療学 第2版.293)
目標
- 八味地黄丸
- 中年以降特に高齢者に頻用され、腰部及び下肢の脱力感・冷え・しびれ等があり、排尿の異常(特に夜間の頻尿)を訴える場合に用いる
- 1)上腹部に比べて下腹部が軟弱無力の場合
- 2)多尿、頻尿、乏尿、排尿痛等を伴う場合
- 3)疲労倦怠感、腰痛、口渇等を伴う場合
適応
- 慢性腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧、浮腫、更年期障害、老人性湿疹、高齢者のかすみ目、五十肩、肩こり
- 疲労、倦怠感激しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧(和漢診療学 第2版.293)
鑑別
慎重投与
- 1. 体力の充実している患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
- 2. 暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者[心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等があらわれることがある。]
- 3. 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等があらわれることがある。]
- 4. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
注意
高齢者
妊婦、産婦、授乳婦
- 妊娠または妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい
[★]
- 桂枝加朮附湯:関節痛、神経痛
- 八味地黄丸:疲労、倦怠感に著しく、利尿減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感と熱感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧
- 牛車腎気丸:疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
- 大防風湯:関節が腫れて痛み、麻痺、強直して屈伸しがたいもの:関節リウマチ、慢性関節炎、痛風
- 真武湯
- 麻黄附子細辛湯
[★]
- 関
- 漢方製剤。真武湯