- 英
- scrub typhus、tsutsugamushi fever、trombiculiasis、trombiculosis, tsutsugamushi disease
- 同
- 恙虫病、草原熱、(国試)つつが虫病、ツツガ虫病
- 関
- ツツガムシ、節足動物
[show details]
ツツガムシ病 : 約 147,000 件
ツツガ虫病 : 約 39,400 件
つつが虫病 : 約 36,500 件
つつがムシ病 : 約 147,000 件
つつがむし病 : 約 3,740 件
恙虫病 : 約 18,900 件
概念
疫学
- 世界ではアジアを中心として広く分布
- 北海道を除く全国で発生。毎年300-400例報告。
- 季節性
- 北陸、東北地方:春、秋
- 本州の関東以西、四国、九州:秋~冬
病原体
感染経路
潜伏期
症状
- 頭痛、発熱(弛張熱)、悪寒、戦慄
- 皮疹:麻疹、薬疹様の淡い不整形の紅斑が全身に広がる。手掌部紅斑はない
- リンパ節腫脹
- 所属リンパ節腫脹:ほぼ全例でみられる
- 全身リンパ節腫脹:半数例でみられる。
- (重症例)肺炎様症状、脳炎、播種性血管内凝固などをきたす。
三大徴候
刺咬部位
- 刺咬部位の写真
[show details]
検査
- 血小板低下
- 白血球:減少(好酸球が消失)
- AST、ALT:上昇
- LDH:上昇
- 尿検査:血尿、蛋白尿
- 免疫血清学的検査:抗ツツガムシ病リケッチア抗体の検出
- PCR法:末梢血よりリケッチアDNAの証明
鑑別疾患
- 日本紅斑熱:手掌部紅斑はツツガムシ病では見られないが、日本紅斑熱ではみられる。キノロン系薬は日本紅斑熱では有効であるが、ツツガムシ病では無効である。
- ウイルス性熱疾患(麻疹、風疹など)、薬疹
治療
- テトラサイクリン系薬
- ×ペニシリン系、セフェム系、アミドグリコシド系、キノロン系は無効。
参考
- 1. ツツガムシ病 - FORTH|厚生労働省検疫所
- http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/page_i/i04-12.html
- 2. ツツガムシ病 - 国立感染症研究所 感染症情報センター IDSC Infectious Disease Surveillance Center
- http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_13/k02_13.html
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/12/16 11:20:03」(JST)
[Wiki ja表示]
ツツガムシ病 |
分類及び外部参照情報 |
ツツガムシリケッチア
|
ICD-10 |
A75.3 |
ICD-9 |
081.2 |
DiseasesDB |
31715 |
eMedicine |
derm/841 ped/2710 |
MeSH |
D012612 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
ツツガムシ病(つつがむし・びょう)は、ツツガムシリケッチア(Orientia tsutsugamushi)の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつであり、野ネズミなどに寄生するダニの一群であるツツガムシが媒介する。「新型」と「古典型」のふたつの型のツツガムシ病に分類される。日本紅斑熱と症状が酷似している。ツツガムシ病はオーストラリア、アジアにも広く存在する。刺された覚えのない発病者も多く、症状の初期はインフルエンザ様を示す事もあり、医師がリケッチア感染症を疑い早期に確定診断することが重要になる。別名、薮チフスとも呼ばれるが、病原菌は腸チフスやパラチフスを含むサルモネラ属ではなく、発疹チフスを含むリケッチア科に含まれる。
目次
- 1 名前の由来
- 2 分類
- 2.1 古典型ツツガムシ病
- 2.2 新型ツツガムシ病
- 3 媒介者
- 4 臨床所見
- 4.1 血清型
- 4.2 症状
- 4.3 検査
- 4.4 診断
- 4.5 予防
- 4.6 治療
- 5 歴史
- 6 関連法規
- 7 関連項目
- 8 脚注
- 9 外部リンク
名前の由来[編集]
|
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手紙などで、相手の安否などを確認する為の常套句として使われる『つつがなくお過ごしでしょうか…』の『つつがなく』とは、ツツガムシに刺されずお元気でしょうかという意味から来ているとする説が広く信じられているが、これは誤りである。
もともと「恙」(つつが)は病気や災難という意味であり、そうでない状態として「つつがない」という慣用句ができた。これと別に正体不明の虫さされのあとに発症する原因不明の致死的な病気があり、それは「恙虫」(つつがむし)という妖怪に刺されて発症すると信じられていた。これをツツガムシ病と呼んだ訳だが、後に微細なダニの一種に媒介される感染症であることが判明し、そこからこのダニをツツガムシと命名したものである。
分類[編集]
古典型ツツガムシ病[編集]
ツツガムシ病は、古くは山形県・秋田県・新潟県などの地域で夏季に河川敷(信濃川・阿賀野川・最上川等)で感染する風土病で、死に至る病として恐れられていた。これは、リケッチアを持つアカツツガムシ(Leptotrombidium akamusi)というダニに吸着されて発症する。春~夏に多い。大河津分水路建設工事において多数の作業従事者が古典的ツツガムシ病に倒れている。
新型ツツガムシ病[編集]
第二次世界大戦の後は古典型はほとんど見られなくなり、かわってタテツツガムシ(L.scutellare)やフトゲツツガムシ(L.pallidum)というダニが媒介して発症するものが出現した。北海道を除く全国で発生が見られる。古典型とは異なり、秋~初冬に発生が見られる。2つの型で発生時期が違うのは、それぞれのダニの活動時期の違いによる。
媒介者[編集]
アカツツガムシ(Leptotrombidium akamusi)、タテツツガムシ(L.scutellare)、フトゲツツガムシ(L.pallidum)などがあり、それぞれのダニの0.1~3%が菌を持っている(有毒ダニ)。ツツガムシは土壌昆虫の卵などを捕食する捕食性のダニであるが、卵から孵化した直後の第1期の幼生である幼虫のみが、生涯で1度だけネズミなどの温血動物の皮膚に吸着し、組織液や崩壊組織などを摂取する(血液は吸わない)。吸着を受けたネズミやヒトなどの動物はこの吸着時にリケッチアに感染する。吸着時間は1~2日で、ダニから動物への菌の移行にはおよそ6時間以上が必要である。菌はダニからダニへと経卵感染により受け継がれ、菌を持たないダニ(無毒ダニ)が感染動物に吸着しても菌を獲得できず、有毒ダニにならない。
臨床所見[編集]
血清型[編集]
ツツガムシリケッチアには血清型が存在し、Kato、Karp、Gilliamの3種類は標準型とよばれ、その他にもKuroki、kawasakiなど新しい型も報告されている。
- Kato型は、東北地方に分布するアカツツガムシが媒介する。古典型ツツガムシである。
- Karp型・Gilliam型は、概ね東北から九州北部までに分布する。フトゲツツガムシが媒介する。新型ツツガムシである。
- Kuroki、kawasaki型は、九州に多く関東にも分布する。タテツツガムシが媒介する。新型ツツガムシである。
症状[編集]
ツツガムシに刺されてから5-14日の潜伏期ののち、39度以上の高熱とともに発症し、2日目ころから体幹部を中心とした全身に、2-5mmの大きさの紅斑・丘疹状の発疹が出現し、5日目ころに消退する。低ナトリウム血症[1]、筋肉痛、目の充血が見られることもある。 皮膚には特徴的なダニの刺し口が見られる。刺し口は発赤と軽度の腫脹を呈し、水泡から潰瘍化して痂皮(かさぶた)を形成する。発熱・発疹・刺し口は主要3兆候とよばれ90%程度の患者にみられる。倦怠感、頭痛、刺し口近くのリンパ節あるいは全身のリンパ節の腫脹も多く見られる症状である。重症例では、播種性血管内凝固症候群や、多臓器不全で死亡することもある。
検査[編集]
- 一般検査ではCRP強陽性、肝酵素の上昇がほとんどの例に見られる。通常の細菌感染と比較して白血球の上昇が少ないのも特徴といえる。
- 血清型を血液検査で調べる。間接蛍光抗体法(IFA)または間接免疫ペルオキシダーゼ(IPA)という方法を使って測定が可能である。Kato型・Karp型・Gilliam型は保険適応だが、Kuroki型・kawasaki型は保険が効かず研究機関等でしか行えない。
診断[編集]
- 診断のポイントは、刺し口(esher)とツツガムシに対する血清抗体の測定である。ただし、刺し口は腹部・背部に多く発見しにくい。検査所見は日本紅斑熱のものと類似するため、鑑別が必要。
予防[編集]
予防ワクチンは無いため、ダニに刺されないことが唯一の予防法である。以下に例を書く。
- 汚染地域に発生時期に入らない。
- 長袖・長ズボン・長靴・手袋を着用し、肌の露出を減らす。
- 皮膚の露出部位には、ダニ忌避剤を外用する。
- 脱いだ上着やタオルは、不要意に地面や草の上に置かない。
- 草の上に座ったり、寝転んだりしない。
- 帰宅後は入浴し、脱いだ衣類はすぐに洗濯する。
- 誤ったダニの駆除方法として、「アルコールや除光液を塗る」、「ライター、マッチの火を近づける」などの方法が言われているが効果はない。症状の原因となる唾液を傷口周辺に広げることになる。[2]
治療[編集]
治療にはテトラサイクリン系の抗菌薬が第一選択。その他、クロラムフェニコールも使用される。早期に十分量・必要期間服用しないと悪化するケースがある。リケッチアの生物学的特性のため(細胞壁がペプチドグリカンをもたない)、ペニシリンをはじめとするβ-ラクタム系抗生物質は無効である。
歴史[編集]
新潟県[編集]
南魚沼地方では、江戸時代から発病が見られていたが、18世紀から19世紀にかけて発生する地域が拡大した。ツツガムシは専ら赤虫と呼ばれ、赤虫に刺されて発病することが知られていたため赤虫除けの加持祈祷が盛んに行われた。赤虫大明神を祀る石柱、石塔も現代まで伝わる。中越地方では信濃川流域を中心に島虫と呼ばれ、島虫神祠が今も残る。1906年には、愛知医学専門学校の林直助が黒津村(現長岡市黒津町)の願敬寺に研究所を置き、ツツガムシが、野ねずみの耳に寄生することを発見した[3]。1912年の発生期(7月-9月)には、浦佐村にツツガムシ病の研究所が開設され、新潟医学専門学校(新潟大学の前身)、東京医科大学のスタッフが風土病対策として研究に携わった。昭和初期までには各集落ごとに赤虫医者と呼ばれる者がおり、民間療法として、刺し口を見つけてツツガムシを針で掘り出す、切り取るなどの処置をしていたという[4]。
関連法規[編集]
感染症法の4類感染症に指定されている。
関連項目[編集]
- 感染症
- 伝染病
- リケッチア
- 皮膚科学
- 発熱と発疹を起こす病気の一覧
- 日本紅斑熱
- 新潟大学におけるツツガムシ病原菌の人体接種問題
脚注[編集]
- ^ 静岡県浜松市における過去7年間のつつが虫病 -低ナトリウム血症に関する検討も含めて-感染症学雑誌 Vol. 82 (2008) No. 4 P 335-340
- ^ ダニによるかみ傷 メルクマニュアル家庭版
- ^ 『ふるさと長岡のあゆみ』長岡市、1986年、187-188頁
- ^ 藤倉朋良『図解にいがた歴史散歩<南魚沼>』p184 新潟日報事業社出版部
外部リンク[編集]
- 感染症の話-2002年第13週号 ツツガムシ病-(国立感染症研究所)
- つつが虫病 日本感染症学会、感染症シリーズ映画製作委員会
- メルクマニュアル家庭版
日本の感染症法における感染症 |
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一類感染症 |
エボラ出血熱 - クリミア・コンゴ出血熱 - 痘そう - 南米出血熱 - ペスト - マールブルグ病 - ラッサ熱
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二類感染症 |
急性灰白髄炎 - 結核 - ジフテリア - 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る) - 鳥インフルエンザ(H5N1) - 腸チフス - パラチフス
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三類感染症 |
コレラ - 細菌性赤痢 - 腸管出血性大腸菌感染症
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四類感染症 |
E型肝炎 - ウエストナイル熱 - A型肝炎 - エキノコックス症 - 黄熱 - オウム病 - オムスク出血熱 - 回帰熱 - キャサヌル森林病 - Q熱 - 狂犬病 - コクシジオイデス症 - サル痘 - 腎症候性出血熱 - 西部ウマ脳炎 - ダニ媒介脳炎 - 炭疽 - チクングニア熱 - つつが虫病 - デング熱 - 東部ウマ脳炎 - 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く) - ニパウイルス感染症 - 日本紅斑熱 - 日本脳炎 - ハンタウイルス - Bウイルス病 - 鼻疽 - ブルセラ症 - ベネズエラウマ脳炎 - ヘンドラウイルス感染症 - 発しんチフス - ボツリヌス症 - マラリア - 野兎病 - ライム病 - リッサウイルス感染症 - リフトバレー熱 - 類鼻疽 - レジオネラ症 - レプトスピラ症 - ロッキー山紅斑熱 - 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)
|
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五類感染症 |
アメーバ赤痢 - ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) - 急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く) - クリプトスポリジウム症 - クロイツフェルト・ヤコブ病 - 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 - 後天性免疫不全症候群 - ジアルジア症 - 先天性風しん症候群 - 梅毒 - 破傷風 - バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - バンコマイシン耐性腸球菌感染症 - 風しん - 麻しん - 侵襲性インフルエンザ菌感染症 - 侵襲性髄膜炎菌感染症 - 侵襲性肺炎球菌感染症 - RSウイルス感染症 - 咽頭結膜熱 - A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 - 感染性胃腸炎 - 水痘 - 手足口病 - 伝染性紅斑 - 突発性発しん - 百日咳 - ヘルパンギーナ - 流行性耳下腺炎 - インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く) - 急性出血性結膜炎 - 流行性角結膜炎 - 性器クラミジア感染症 - 性器ヘルペスウイルス感染症 - 尖圭コンジローマ - 淋菌感染症 - クラミジア肺炎(オウム病を除く) - 細菌性髄膜炎 - マイコプラズマ肺炎 - 無菌性髄膜炎 - ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - 薬剤耐性アシネトバクター感染症 - 薬剤耐性緑膿菌感染症
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ヘドロ除去で大発生しそうな「ツツガムシ病」とは何か (3.11から1カ月 「大震災」曙光の荒野--未だ人災の余震は止まず)
- 河川環境の復元と感染症 : ツツガムシ病や住血吸虫症は再燃(再流行)するか
- 中村 磐男,大江 敏江
- 聖学院大学論叢 23(1), 103-120, 2010-10-20
- Diseases such as tsutsugamushi disease and schistosomiasis infected rivers and river areas of Japan in the past. Schistosomiasis was eradicated in Japan by 1980, mainly through river improvement and t …
- NAID 110007721902
- 滝澤 秀典,山口 文平,長谷 衣佐乃,田坂 登司博,石井 芳樹
- 日本呼吸器学会雑誌 = The journal of the Japanese Respiratory Society 48(9), 706-710, 2010-09-10
- NAID 10027677671
Related Links
- ツツガムシ病(つつがむし・びょう)は、ツツガムシリケッチア(orientia tsutsugamushi)の 感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつであり、野ネズミなどに寄生する ダニの一群であるツツガムシが媒介する。「新型」と「古典型」のふたつの型の ...
- ツツガムシ病はOrientia tsutsugamushi を起因菌とするリケッチア症であり、ダニの 一種ツツガムシによって媒介される。患者は、汚染地域の草むらなどで、有毒ダニの 幼虫に吸着され感染する。発生はダニの幼虫の活動時期と密接に関係するため、季節 により ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 40歳の男性。小学校教諭。 5日間続く発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。2週前に林間学校から帰ってきた。林間学校では野外活動を引率した。帰宅して9日後から発熱と倦怠感とを訴え、自宅近くの診療所でセフェム系抗菌薬の投与を受けていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍92/分、整。呼吸数24/分。血圧122/76mmHg。右前腕に皮疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球396万、Hb 12.0g/dl、Ht 38%、網赤血球1.2%、白血球7,800(桿状核好中球12%、分葉核好中球51%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球28%)、血小板8.1万。血液生化学所見:尿素窒素 18mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 364IU/l、ALT 451IU/l、LD 736IU/l(基準176-353)。CRP 8.3mg/dl。皮疹の写真(別冊No.19)を別に示す。
- 病原体として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D046]←[国試_105]→[105D048]
[★]
- 我が国の最近の下記の感染症患者報告数で最も多いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096G023]←[国試_096]→[096G025]
[★]
[★]
- 関
- 細菌
[★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。 ← 1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
年齢
|
原因
|
乳児(生後3ヶ月未満)
|
敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
|
乳児(生後3ヶ月以降)
|
ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
|
幼児、学童期
|
溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
|
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後 :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
|
実熱
|
虚熱
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発病
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急速に発病
|
緩徐に発病
|
症状
|
悪寒、高熱 顔面紅潮 苦痛あり、四肢運動多 声大きく明瞭 口渇強い 便秘 色調濃い尿
|
軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白 苦痛少なく、静かに臥床 声小さい 口渇少ない 軟便、下痢 薄い色調の尿
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脈
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早く大きく、緊張
|
小さく早く、緊張なし
|
舌苔
|
厚くて乾燥、白~黄~褐色
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薄くて白い、無苔、鏡面舌
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その他
|
頭痛、関節痛、無汗~発汗
|
倦怠感、眩暈感、盗汗
|
実熱
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麻黄湯
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悪寒、発熱、頭痛、関節痛
|
葛根湯
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悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり
|
小柴胡湯
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午後からの発熱、食欲不振、口の苦み
|
柴胡桂枝湯
|
詳細孤島の症状、関節痛、腹痛
|
大柴胡湯
|
胆嚢炎、便秘
|
柴陥湯
|
詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛
|
黄芩湯
|
発熱、腹痛、下痢
|
虚熱
|
桂枝湯
|
発熱、軽度の頭痛、発汗
|
桂麻各半湯
|
発熱、発疹
|
参蘇飲
|
発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる
|
柴胡桂枝乾姜湯
|
微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗
|
竹じょ温胆湯
|
発熱、咳嗽、不眠
|
補中益気湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗
|
滋陰降火湯
|
微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽
|
滋陰至宝湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態
|
真武湯
|
陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている
|
麻黄細辛附子湯
|
陰病、微熱、寒がる
|
[★]
- 英
- lymph node swelling
- 関
- リンパ節、リンパ節症、リンパ節炎、リンパ節生検
- also see IMD. 395
定義
- 直径1cm以上。肘窩では0.5cm以上、鼡径部では1.5cm以上
- 3cm以上は悪性腫瘍を疑う
- 耳介前部リンパ節、上腕内側上顆リンパ節など、通常触知しない場所にある場合は小さくても有意な腫脹とする
分類
原因
腫脹の分布
- 頭頚部:55%
- 鼡径:14%
- 腋窩:5%
- 鎖骨上:1%
体表から触知できるリンパ節
- see 診察手技みえ p.62,125 BAT.238,392,475,483 N.68(頭頚部)
- 頭頚部
- 鎖骨上窩
- 腋窩
- 肘部(上腕骨内側上窩)
- 鼡径部・大腿部
- 膝窩
頭頚部 N.68,69
- 頚静脈二腹筋リンパ節(下顎角直下のリンパ節)(N.69):化膿性扁桃炎
- 耳介前リンパ節:流行性角結膜炎
- 顎下リンパ節:口腔内・歯肉の炎症、舌癌
- 後頚三角のリンパ節:甲状腺癌、咽頭癌などの転移、伝染性単核球症、悪性リンパ腫
- 鎖骨上窩リンパ節:消化器癌の転移
全身リンパ節腫脹の原因
IRE.376改変
-
-
全身リンパ節腫脹の鑑別診断
- DIF
全身のリンパ節腫脹について
- 参考2
- 強皮症とクリプトコッカスは国試的にも全身リンパ節腫脹はしない!らしい。
解答形式 正答b,c
a 強皮症
b 伝染性単核球症
c トキソプラズマ症
d クリプトコッカス症
e 糖尿病
参考
- 1. [charged] Evaluation of peripheral lymphadenopathy in adults - uptodate [1]
- 2. 血液内科 - 順天堂大学
- http://www.juntendo-hematology.org/stu6_01.html
[★]
- 英
- Arthropoda, arthropod, arthropods
- 関
- アルボウイルス
概念
- 参考1
節足動物(せっそくどうぶつ)とは、動物界最大の分類群で、昆虫類、甲殻類、クモ類、ムカデ類など、硬い殻(外骨格)と関節を持つグループ。陸・海・空・土中・寄生などあらゆる場所に進出し、現生種は約110万種と名前を持つ全動物種の85%以上を占める。ただし未記載の動物種もいまだ多く、最近の研究では海産の線形動物だけで1億種以上いると推定されている。
- 医学大辞典 医学書院
分類
- 参考1
節足動物による傷病
参考
[★]
- 関
- リンパ節腫脹
全身リンパ節腫脹
- IRE.376改変
- 全身のリンパ節で免疫反応が起こるために生じる。
- 細胞内寄生する病原体で多い傾向。スピロヘータ感染症も全身の免疫反応が起こる。
[★]
- 英
- tsutsugamushi disease rickettsia
- ラ
- Rickettsia tsutsugamushi
- 関
- ツツガムシ病
[★]
- 英
- tsutsugamushi、trombiculid mite、red bug, chiggers
- ラ
- Trombiculidae
- 同
- ケダニ。恙虫
- 関
- 節足動物、アカツツガムシ属、ツツガムシ類。ツツガムシ病
参考
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
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- 英
- gum
- 関
- 歯肉、歯ぐき、ゴム質、目やに