- scald
- 英
- staphylococcal scalded-skin syndrome, staphylococcal scalded skin syndrome, SSSS(4S)
- 同
- リッター病 Ritter disease Ritter's disease、ブドウ球菌性皮膚剥脱症候群、新生児剥脱性皮膚炎 dermatitis exfoliativa neonatorum DEN
- 関
- 黄色ブドウ球菌 Staphylococcus aureus
病原体
疫学
病因
症状
身体所見
国試
WordNet
- a burn cause by hot liquid or steam
- burn with a hot liquid or steam; "She scalded her hands when she turned on the faucet and hot water came out"
- heat to the boiling point; "scald the milk"
- treat with boiling water; "scald tomatoes so that they can be peeled"
- the act of burning with steam or hot water
PrepTutorEJDIC
- 〈熱湯・湯気(ゆげ)が〉…‘を'やげどさせる / ‘を'煮沸[消毒]する / 〈ミルクなど〉‘を'沸点近くまで煮たたせる(熱する) / (熱湯・湯気での)やけど
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/08/31 17:58:35」(JST)
[Wiki ja表示]
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(ぶどうきゅうきんせいねっしょうようひふしょうこうぐん, Staphylococcal Scalded Skin Syndrome:SSSS )とは、傷口に黄色ブドウ球菌が進入し、それが生み出す毒素が皮膚全体を侵し、広範な熱傷様の表皮の剥離を起こす危険な疾患である。
症状
- 風邪症状が出て36~38度の微熱が発生し目鼻口の周りに発赤現れる。
- 1~2日中に赤部位が糜爛(びらん)し黄色い瘡蓋(かさぶた)が付着する。
- 眼脂がみられ、口の周りの痂皮に放射状亀裂が出るのが特徴。
- 頚部、肘窩、腋窩、そけい部に猩紅熱様の紅斑が出現し、接触痛を伴うため身体に触れられることを嫌がるようになる。半数弱の患者の紅斑部位をこすると、表皮がずるりと容易に剥離する(ニコルスキー現象)。ニコルスキー現象は年少者ほど著明で、軽症では認められない。
- 生後1ヵ月以内の新生児が発症したときにはリッター新生児剥脱性皮膚炎と呼ばれ、重症となる。
- 約10日後に全身の紅斑は消失し、頚部より手足に向かって皮膚がむけはじめ(こぬか様落屑)、3~4週で治癒する。
- 経過中に脱水、食欲不振など全身症状もみられる。
- まれに成人にも起こるが、何れも免疫低下症例に発症し肺炎や敗血症などを併発し、極めて重篤な状態となり予後不良である。
要因
- 咽頭や鼻腔などに感染した黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥離性毒素(ET)が血流を介して全身の皮膚に達し、広範な熱傷様の表皮の剥離を起こす。
- 黄色ブドウ球菌は伝染性膿痂疹(とびひ)の原因菌の一つであるが、皮膚局所に感染した黄色ブドウ球菌が産生するETにより、
- その部に水疱が生じるものが伝染性膿痂疹である。遠隔部位(咽頭、鼻腔など)に感染・増殖した黄色ブドウ球菌の産生するETが循環系を通して全身に送られ、表皮剥脱をきたすのがSSSSであり、伝染性膿痂疹のほうが軽症である。ウイルス性上気道炎が引き金になることが多い。
治療法
- 年齢が幼いほど予後が良い。成人型での致死率は30~40パーセントと高い。原則として入院、全身管理、輸液を行う。
- 抗生物質の全身投与:抗生物質の感受性を知るため初期に原因菌の培養を眼脂、皮膚、咽頭などから行い、黄色ブドウ球菌に感受性のある薬剤を点滴静注する。有名なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA、後述)が起因菌の場合には注意が必要。
- 熱傷処置と同様の局所処置を行う。
- 解熱したらシャワー、入浴などで皮膚を清潔にする。
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 超低出生体重児のブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 : 原因メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の分子性状解析とマルチプレックスPCRとリアルタイムPCRによる迅速診断
- 史 達,ISHII Shiro,SATO Takashi,YAMAZAKI Hajime,MATSUNAGA Masamichi,HIGUCHI Wataru,TAKANO Tomomi,YABE Shizuka,TANAKA Kenichi,YAMAMOTO Tatsuo
- Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society 53(2), 211-217, 2011-04-01
- NAID 10029557800
- ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS) : 5年間26例についての起因菌に関する臨床的検討
- 佐藤 英里,中澤 武司,松葉 祥一,大熊 慶湖,八木 伸江,千見寺 貴子,木下 綾子,鎌野 マヤ,木村 有太子,種田 研一,高森 建二
- 日本小児皮膚科学会雑誌 = Journal of pediatric dermatology 29(1), 25-29, 2010-05-31
- NAID 10026418453
Related Links
- ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(ぶどうきゅうきんせいねっしょうようひふしょうこうぐん, Staphylococcal Scalded Skin Syndrome:SSSS )とは、傷口に黄色ブドウ球菌が 進入し、細菌であるブドウ球菌が生み出す毒素が皮膚全体を侵し、広範な熱傷様の 表皮 ...
- ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群<皮膚の病気>。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群とは どんな病気か のどや鼻の粘膜などに黄色ブドウ球菌が感染して増え、その菌からの 毒素(表皮剥脱毒素(ひょうひはくだつどくそ))が血流に入って全身の皮膚に達し、全身 が ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 53歳の男性。発熱と全身の皮疹とを主訴に来院した。脳腫瘍術後に出現したてんかんに対し1か月前からカルバマゼピン内服を開始した。2日前から顔面と頸部とに紅斑が出現し、全身に拡大した。発熱もみられたため受診した。体温38.5℃。頸部リンパ節腫脹を認める。全身に紅斑を認める。口腔粘膜に異常を認めない。血液所見:赤血球420万、Hb 13.5g/dl、Ht 41%、白血球12,300(好中球59%、好酸球15%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球11%、異型リンパ球7%)、血小板13万。血液生化学所見:AST 88IU/l、ALT 91IU/l、LD 425IU/l(基準176~353)。CRP3.3mg/dl。胸腹部の写真(別冊No.5)を別に示す。なお、初診時に比べ、週後の再診時には抗ヒトヘルペスウイルス6 IgG抗体価の有意な上昇を認める。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A024]←[国試_107]→[107A026]
[★]
- 3歳の女児。発熱と全身の皮疹を主訴に祖母に連れられて来院した。2日前から38℃台の発熱と顔面の紅斑が出現し、紅斑は昨日から全身に拡大したという。薬剤内服歴はない。体温 38.1℃。脈拍 132/分、整。血圧 96/58mmHg。呼吸数 30/分。SpO2 98%(room air)。口囲と鼻周囲の紅斑とともに鱗屑、黄色痂皮を認める。びまん性紅斑は頸部、腋窩、腹部および鼠径部に高度である。患児は接触痛を訴え、元気がなく不機嫌である。頸部の紅斑には小水疱と小膿疱を伴う。眼粘膜と口腔粘膜とに異常を認めない。血液所見:赤血球 434万、Hb 12.1g/dL、Ht 35%、白血球 12,300、血小板 33万。免疫血清学所見:CRP 0.8mg/dL、ASO 230単位(基準 250以下)。顔面から胸部にかけての写真(別冊No. 7)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D023]←[国試_114]→[114D025]
[★]
- 生後3か月の乳児。昨日から左肩に紅斑が出現し、本日、全身に拡大傾向を認めたため来院した。顔面と胸部との写真を以下に示す。
- 正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A005]←[国試_101]→[101A007]
[★]
- 14歳の男子。発熱と顔面の皮疹とを主訴に来院した。乳児期から顔面と四肢屈曲部とに痺みのある皮疹を繰り返し、小学校に入学するころから体幹に乾燥肌を伴うようになった。来院の3日前から38℃台の発熱があり、顔面全体に多数の小水疱とびらんとを認める。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A031]←[国試_102]→[102A033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F011]←[国試_101]→[101F013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D076]←[国試_099]→[099D078]
[★]
[★]
- 英
- Kawasaki disease, Kawasaki's disease
- 同
- Kawasaki病。皮膚粘膜リンパ節症候群, 粘膜皮膚リンパ節症候群, mucocutaneous lymph node syndrome, mucocutaneous lymphnode syndrome, MCLS, 急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群, acute febrile MCLS,(小児)急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群, acute febrile mucocutaneous lymphnode syndrome
- HIM.2130
概念
- 乳児~幼児(0-4歳、0歳半~1歳が最多)に後発する熱性疾患(全身性の心血管炎)
- 原因不明の急性熱性発疹性疾患。リンパ節腫脹と粘膜病変が特徴(SPE.370)
検査
[show details]
診断基準
- 参考1より引用
- 本症は、主として4歳以下の乳幼児に好発する原因不明の疾患で、その症候は以下の主要症状と参考条項とに分けられる。
A 主要症状
- 1.5日以上続く発熱(ただし、治療により5日未満で解熱した場合も含む)
- 2.両側眼球結膜の充血
- 3.口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
- 4.不定形発疹
- 5.四肢末端の変化:
- (急性期)手足の硬性浮腫、掌蹠ないしは指趾先端の紅斑
- (回復期)指先からの膜様落屑
- 6つの主要症状のうち5つ以上の症状を伴うものを本症とする。
- ただし、上記6主要症状のうち、4つの症状しか認められなくても、経過中に断層心エコー法もしくは、
- 心血管造影法で、冠動脈瘤(いわゆる拡大を含む)が確認され、他の疾患が除外されれば本症とする。
B参考条項
- 以下の症候および所見は、本症の臨床上、留意すべきものである。
- 1. 心血管:聴診所見(心雑音、奔馬調律、微弱心音)、心電図の変化(PR・QTの延長、異常Q波、低電位差、ST-Tの変化、不整脈)、胸部X線所見(心陰影拡大)、断層心エコー図所見(心膜液貯留、*冠動脈瘤)、狭心症状、末梢動脈瘤(腋窩など)
- 2. 消化器:下痢、嘔吐、腹痛、胆嚢腫大、麻痺性イレウス、軽度の黄疸、血清トランスアミナーゼ値上昇
- 3. 血液:核左方移動を伴う白血球増多、血小板増多、赤沈値の促進、CRP陽性、低アルブミン血症、α2グロブリンの増加、軽度の貧血
- 4. 尿:蛋白尿、沈査の白血球増多
- 5. 皮膚:BCG接種部位の発赤・痂皮形成、小膿疱、爪の横溝
- 6. 呼吸器:咳嗽、鼻汁、肺野の異常陰影
- 7. 関節:疼痛、腫脹
- 8. 神経:髄液の単核球増多、けいれん、意識障害、顔面神経麻痺、四肢麻痺
備考
- 1. 主要症状Aの5は、回復期所見が重要視される。
- 2. 急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹は他の主要症状に比べて発現頻度が低い(約65%)
- 3. 本症の性比は、1.3~1.5:1で男児に多く、年齢分布は4歳以下が80~85%を占め、致命率は0.1%前後である。
- 4. 再発例は2~3%に、同胞例は1~2%にみられる。
- 5. 主要症状を満たさなくても、他の疾患が否定され、本症が疑われる容疑例が約10%存在する。この中には冠動脈瘤(いわゆる拡大を含む)が確認される例がある。
鑑別診断
- IMD
参考
- 診断の手引き、治療ガイドラインなど
- http://www.kawasaki-disease.org/tebiki/index.html
uptodate
- 1. [charged] 川崎病:臨床的特徴および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 川崎病:初期治療および予後 - uptodate [2]
- 3. [charged] 川崎病:疫学および病因 - uptodate [3]
- 4. [charged] 不完全(非定型)川崎病 - uptodate [4]
- 5. [charged] 川崎病:合併症 - uptodate [5]
- 6. [charged] 難治性川崎病の治療 - uptodate [6]
- 7. [charged] 川崎病の心血管後遺症 - uptodate [7]
国試
[★]
- 英
- erythroderma
- 同
- 剥脱性皮膚炎 exfoliative dermatitis
定義
- (1)全身(体表の80%以上)の持続性の炎症性発赤(潮紅)し、健常部皮膚を殆ど残さず、(2)粃糠様・落葉状の落屑が持続する病態
原因
起こしやすい疾患 (2009 CBT QB2 p.116)
- (%)は紅皮症に占める割合
起こしうる疾患 (NDE.122)
[★]
- 英
- blister, bulla
- 関
- 小水疱、弛緩性水疱、緊満性水疱、水疱症、発疹
- 表皮内・表皮下に滲出液を入れた空隙を生じた状態
- 直径5mm以上
水疱を生じる疾患
[★]
- 同
- 黄色ブドウ球菌
- 関
- ブドウ球菌
- first aid step1 2006 p.138
細菌学
毒素
感染症
転移性合併症
細菌学的同定法
毒原性因子
- α毒素
- コアグラーゼ:プロトロンビンに結合して、複合体のままトロンビン活性をを発揮させ、フィブリノゲンをフィブリンに変換する作用がある。
- スタフィロキナーゼ:プラスミノゲンと複合体を作り、プラスミン活性を発現させ、フィブリンを分解する
- プロテインA:IgGのFc部分に親和性を持ち抗体によるオプソニゼーションを阻害
- ロイコシジン:白血球を死滅させる
[★]
- 関
- 発疹
SPE.63
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- burn, burn injury, thermal injury, scald
- 同
- やけど、火傷?
- 関
- 5の法則、9の法則、皮膚。ショック
概念
分類
- 損傷深度により分類する
- 第1度:表皮内 (表皮熱傷:紅斑、2-3日で治癒)
- 第2度:真皮内 (真皮浅層熱傷:疼痛、水疱形成、水疱底赤色、1-2週間で治癒。真皮深層熱傷:知覚鈍麻、水疱形成△、水疱底白色、3-4週間で治癒。)
- 第3度:皮膚全層(皮下熱傷:壊死。白~褐色。知覚無し。一ヶ月以上)
- 第4度:炭化
重症度
- 10-15%を超えた場合、重症熱傷として全身管理が必要になる。
Artの基準
病態
検査
合併症
治療
- 気道熱傷の場合には気管挿管。
- 気管支痙攣がある場合には気管拡張薬が有用。副腎皮質コルチコイドは感染リスクを上げるために使用すべきでない。(参考1)
- 初期治療における輸液量の決定法:Evans法、Brook法、Baxter法など
-
- 4ml x 熱傷面積 (%) x 体重 (kg) = 補液量 (ml/day)
- 最初の8時間で1/2を、次の16時間で1/2を輸液する
参考
- 1. [charged] Emergency care of moderate and severe thermal burns in adults - uptodate [8]
-
- 初期治療には輸液が大切。だけど、入れ過ぎも問題だからちゃんと計算して輸液しろ。なにが問題って、血圧上昇、腹部、四肢、眼窩のcompartment syndromeが起こる。
- 最初は晶質液をいれる。高Cl性アシドーシスのリスクがあるから乳酸リンゲルがよい。
- 治療の初期段階で膠質液や高張生食を使うかどうかについては議論中。膠質液(アルブミン、デキストラン)は非常に高いし、生命予後を改善しないから推奨されない。
- 2. 「血液製剤の使用指針」(改定版) 平成17年9月
- http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/5tekisei3b.html
- http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/5tekisei3b01.html
- 血漿の不適切な使用の一つに「DICを伴わない熱傷の治療」がある。DICに至るような熱傷ならば使って良いと考えられる。
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- dermatosis、dermopathy
- 関
- 皮膚疾患、皮膚障害、皮膚病
-dermatosis
[★]
- 英
- grape、grapevine
- ラ
- Vitis vinifera
- 関
- ブドウ属、ブドウ科