- 英
- allergic bronchopulmonary aspergillosis, ABPA
- 関
- アレルギー
- 左上肺野の浸潤影、気管支拡張像
- 肉芽腫の形成、好酸球の浸潤
参考
- 1. [charged] アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 - uptodate [1]
国試
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Allergic bronchopulmonary aspergillosis |
分類及び外部参照情報 |
ICD-9 |
518.6 |
OMIM |
103920 |
MedlinePlus |
000070 |
eMedicine |
radio/55 |
MeSH |
D001229 |
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(アレルギーせいきかんしはいアスペルギルスしょう、英: allergic bronchopulmonary aspergillosis、ABPA)は、アスペルギルス属のカビが原因で気管支炎などのアレルギー症状が引き起こされる病気。アレルギー性気管支肺真菌症(allergic bronchopulmonary mycosis、ABPM)の一種。呼吸器専門医師以外には、まだあまり知られていないため、他の病気と誤診されることもある。
目次
- 1 概要
- 2 症状
- 3 診断
- 4 治療
- 5 疫学
- 6 感染経路
- 7 支援活動
- 8 参考文献
- 9 注釈、出典
- 10 関連項目
- 11 外部リンク
概要
ABPAはアスペルギルス属Aspergillusのカビ、とりわけA. fumigatus (Aspergillus fumigatus) が原因で起こる。A. nigerやA. flavusが原因となることもある[1]。気管支喘息や嚢胞性線維症の患者は感染すると発症しやすい。このカビは生活常在菌の一つなので、その胞子はいたるところに存在する。例えば健康な人の唾液の中にも存在する。
喫煙等による肺粘膜の損傷部分に入り込み、アレルギー症状を引き起こすとされ、気管支炎、肺炎、気管支喘息などの症状が長期にわたって続く。重篤化すると気管支に痰がつまり、血中酸素飽和度が下がることで、全身症状(めまい・下痢・倦怠感など)にもつながっていく。
呼吸器専門医師以外には、まだあまり知られておらず、一般の診療所などではただの風邪や喘息、PIE症候群と誤診されることもある。診断基準も確立していない。一般的には胸部X線やCTの画像診断、血中のIgE濃度のチェック、好酸球増加症 (eosinophilia) の診断、喀痰培養 (sputum culture) (痰中の細菌の培養)をしてグラム染色をして診断することが多い。生体組織診断が必要となる場合もある。対症療法ではあるが、副腎皮質ホルモンや抗真菌薬の投与が効果がある。
症状
ABPAの患者の症状は、ぜいぜいと息をする (Wheeze) 、咳が出る、呼吸困難、運動能力の低下 (exercise intolerance) などであり、気管支喘息との区別がつきにくい。また、痰が出やすくなり、血痰や喀血を伴う咳が出やすく、周期的に発熱あるいは熱っぽくなることから、気管支拡張症とも間違われやすい。嚢胞性線維症と間違われることもある。これらの症状とABPAの違いは、ABPAでは好酸球の増加 (eosinophilia) が起こりやすく、また、抗生物質で症状が改善されやすいことである。
診断
血液検査:
- 全血中の好酸球が常時10%以上あり、血漿中のIgEが1000ng/mlを超えた場合、ABPAである可能性が高い。
胸部X線:
- 肺に靄や組織の崩れが見られる。
- 気管支の壁の模様が不明瞭となる。
- 末梢部に影が見られる。
- 中央部を中心に気管支拡張症の症状が見られる。
アスペルギルス症検査:
- 血清アスペルギルス沈降抗体の陽性率が80%である[1]。
- アスペルギルス属の菌に対するIgE RAST検査 (RAST test) で基準値を上回る率は60%である[1]。
- Aspergillus fumigatusで皮膚プリックテスト (Skin prick test) をした時に陽性反応を示す。
- 喀痰培養でアスペルギルス属の菌が見つかる確率は80%である[1]。
治療
根本的な治療方法はなく、重篤化しないような症状管理が主な治療となる。以下は菌に対する免疫反応を抑制し、気管支の状態をよくするための対症療法である。
- 免疫反応を押さえるためには、副腎皮質ホルモンを飲み薬として摂取するのが良い:症状が出ているときにはプレドニゾロン (prednisolone) かプレドニゾン (prednisone) を多めに(目安として1日あたり30~45ミリグラム)摂取する。症状が抑えられているときには少なめに(目安として1日あたり5~10ミリグラム)摂取する。
- 気管支につまった粘液を吸引で除去する。
- 抗真菌剤であるイトラコナゾール (itraconazole) をステロイドと併用すると症状が改善することもある。
- 胸部X線撮影、肺機能テスト (spirometry) 、血漿中のIgE量のチェックを定期的に行うのが望ましい。
- 症状に先立って血中の抗体量が変化するので、減少すれば改善、増加すれば症状の予兆となる。
- イトラコナゾールに代わる新規抗真菌剤であるミカファンギン (Micafungin) で症状が改善することもある[1]。
アスペルギルス症に関する非営利のサイトAspergillus WebsiteのTreatment SectionでABPAの詳しい情報を得ることができる。
疫学
ABPAがどのくらい流行しているかを統計的に調べるのは難しい。それは、ABPAの診断法が確立されておらず、ABPAであっても正しく診断されていないケースが多いためである。先述したように、その他の気管支肺症、とりわけ気管支喘息や嚢胞性線維症と誤診されていることが多い。推定では、喘息症状を持つ患者の0.5~2%ぐらいがABPA、1~15%ぐらいが嚢胞性線維症と考えられている[2]。
感染経路
理由はまだよく分かっていないが、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の患者は過敏症 (hypersensitivity response) になる傾向があり、アトピー性皮膚炎を伴いIgEが増えるI型 (type I hypersensitivity) と、IgGが増えるIII型 (type III hypersensitivity) の2つの徴候を示す。IgEがアスペルギルス属の菌に対する抗原として働くと、肥満細胞の脱顆粒化 (degranulation) が起こって気管支収縮 (bronchoconstriction) となり、さらに毛細血管の透過性 (Vascular permeability) が増える。それにIII型の抗体反応が合わさって、肥満細胞は気道の粘膜に残り続けるため、組織が壊死を起こし、好中球が浸透しやすくなる。2型のTh2細胞がインターロイキン4 (interleukin 4) 、5 (interleukin 5) 、8 (interleukin 8) を放出し、それに引き寄せられた好中球が重要な役割を果たしていると考えられる。
体内での振る舞いがある程度分かっているのにも関わらず、アスペルギルス菌が気道にどのようにして侵入してくるのかはよく分かっていない。免疫細胞から放出されたプロテアーゼと菌から放出された毒素により、気管の表面が傷むことで気管支拡張症となり、そこから侵入するという考えが有力である。治療をせずに放置すると進行性の間質性肺炎となり、結核に似たX線画像所見となる。この説によると、肺浮腫 (Bronchospasm) により気道中の粘液が増え、それが気道の末端を塞ぎ、気管支拡張症になるということになる。
支援活動
イギリスのウェブサイトAspergillus WebsiteのPatients Websiteでは子供の患者の親に対する支援活動を行っており、Aspergillus Supportでも活発な患者の支援活動を行っている。
参考文献
- (英語版)Kumar, Parveen (1998). Clinical Medicine. Philadelphia: W.B. Saunders. ISBN 0702020192.
- (英語版)Longmore, Murray (2004). Oxford Handbook of Clinical Medicine. Oxford Oxfordshire: Oxford University Press. ISBN 0198525583.
- (英語版)Greenberger PA, Patterson R (1988). “Allergic bronchopulmonary aspergillosis and the evaluation of the patient with asthma”. J. Allergy Clin. Immunol. 81 (4): 646-50. PMID 3356845.
- (英語版)V.P.Kurup, B.Banerjee, P.A.Greenberger, J.N.Fink. Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis: Challenges in Diagnosis. From Medscape General Medicine. full text
注釈、出典
- ^ a b c d e 小川賢二ら 慢性型肺アスペルギルス症の臨床的検討および エラスターゼ阻害物質の検討、Jpn. J. Med. Mycol. Vol. 47, 171-178, 2006
- ^ Stevens DA, Moss RB, Kurup VP, et al (October 2003). “Allergic bronchopulmonary aspergillosis in cystic fibrosis--state of the art: Cystic Fibrosis Foundation Consensus Conference”. Clin. Infect. Dis. 37 Suppl 3: S225–64. PMID 12975753. http://www.journals.uchicago.edu/cgi-bin/resolve?CID31034.
関連項目
- スエヒロタケ:まれにヒトに感染し、本症と類似した疾患を引き起こすことがある。
外部リンク
- (英語版)Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis - GP Notebook
- (英語版)Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis - The Merck Manuals Online Medical Library
- (英語版)Medpix. ABPA radiology pictures
- (英語版)The Aspergillus Website Treatment Section.
- (英語版)Aspergillus - Aspergillus Website (Diagnosis, Treatment, Cases, Images, Educational video)
- (英語版)Aspergillus Patients Support - Aspergillus Patients (Questions & Answers, Support Group)
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Japanese Journal
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を合併した肺アスペルギローマの1例
- 楠本 壮二郎,田中 明彦,大田 進,杉山 智英,白井 崇生,山岡 利光,奥田 健太郎,廣瀬 敬,大西 司,足立 満
- 日本呼吸器学会雑誌 = The journal of the Japanese Respiratory Society 49(5), 377-382, 2011-05-10
- NAID 10029088201
- P2-17-2 イトラコナゾール(ITCZ)が急性期に著効したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の2例(P2-17 好酸球性肺炎2,ポスターセッション,第23回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 長崎 忠雄,新実 彰男,松本 久子,伊藤 功朗,小熊 毅,中治 仁志,井上 英樹,岩田 敏之,田尻 智子,三嶋 理晃
- アレルギー 60(3・4), 497, 2011-04-10
- NAID 110008594674
- P1-15-1 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)において,発症年齢による臨床的な違いはあるのか(P1-15 好酸球性肺炎1,ポスターセッション,第23回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 谷本 英則,谷口 正実,竹内 保雄,三井 千尋,武市 清香,福冨 友馬,関谷 潔史,押方 智也子,粒来 崇博,釣木澤 尚実,齋藤 明美,中澤 卓也,大友 守,前田 裕二,森 晶夫,長谷川 眞紀,秋山 一男
- アレルギー 60(3・4), 463, 2011-04-10
- NAID 110008594537
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- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(アレルギーせいきかんしはいアスペルギルス しょう、英: allergic bronchopulmonary aspergillosis、ABPA)は、アスペルギルス属 のカビが原因で気管支炎などのアレルギー症状が引き起こされる病気。アレルギー性 ...
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症。どんな病気か・原因は何か 1952年に ヒンソンらによって、血液および痰のなかに白血球のひとつである好酸球(こうさんきゅう) が増加していることと、胸部X線写真で肺に浸潤(しんじゅん)陰影を認める肺好酸球 goo ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 52歳の男性。持続する喘鳴、手足のしびれ感および発熱を主訴に来院した。 2年前から喘鳴が出現し、気管支喘息と診断され自宅近くの診療所で治療を継続している。 3か月前から四肢のしびれ感が出現した。四肢のしびれ感が増強するとともに2週前から発熱を繰り返すようになったため紹介入院となった。喫煙歴はない。ペットは飼育していない。粉塵吸入歴はない。体温 38.6 ℃。脈拍 112/分、整。血圧140/90 mmHg。呼吸数 24/分。四肢末に軽度の表在・深部感覚の低下を認める。尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、ケトン体 (-)、潜血 (-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 488万、 Hb 14.1 g/dl、Ht 42%、白血球 17,600(桿状核好中球 2%、分葉核好中球 53%、好酸球 30%、好塩基球 1%、単球 1%、リンパ球 13% )、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 6.7 g/dl、アルブミン 3.9 g/dl、クレアチニン0.7 mg/dl、Na 139 mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 101 mEq/l。免疫血清学所見: CRP 12 mg/dl、 β-D-グルカン 3.3 pg/ml(基準 10以下 )、抗好中球細胞質抗体 PR3-ANCA 10 EU/ml未満 (基準 10未満 )、 MPO-ANCA 90 EU/ml(基準 20未満 )、 IgE 2,180 IU/ml(基準250未満 )。動脈血ガス分析 (鼻カニューラ 3 l/分酸素投与下 ): pH 7.37、PaCO2 45-Torr、PaO2 65 Torr、HCO3 25 mEq/l。胸部エックス線写真 (別冊 No.12A)と肺野条件の胸部単純 CT(別冊 No.12B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I043]←[国試_108]→[108I045]
[★]
- 47歳の女性。歩行困難を主訴に来院した。最近、全身倦怠感、発熱、下肢のしびれ感および下肢遠位部の筋力低下による歩行困難が出現した。約2年前から気管支喘息の治療を受けている。意識は清明。身長160cm、体重52kg。体温37.2℃。呼吸数22/分。脈拍84/分、整。血圧126/78mmHg。呼吸音に軽度の喘鳴を聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。赤沈48mm/1時。血液所見:白血球 12,000(桿状核好中球3%、分葉核好中球38%、好酸球30%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球26%)、血小板 22万。血液生化学所見:空腹時血糖 98mg/dl、総蛋白 6.7g/dl、アルブミン 4.5g/df、尿素窒素 10mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、尿酸 4.8mg/dl、総コレステロール 210mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、AST 28IU/l、ALT 25IU/l、LD 186IU/l(基準176-353)、ALP210 IU/l(基準115-359)、Na 142mEq/l、K 4.0mEq/l、Cl 98mEq/l、免疫学所見: CRP 1.2mg/dl、IgE 1,200IU/ml(基準120以下)。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A051]←[国試_104]→[104A053]
[★]
- 36歳の女性. 2日前から出現した呼吸困難と茶褐色の喀痰とを主訴に来院した。半年前から時々喘鳴を伴う呼吸困難と咳嗽とが発作性に出現し、自宅近くの診療所で気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド吸入薬とを処方されていた。意識は清明。体温37.0℃。脈拍96/分、整。血圧114/68mmHg。全肺野にwheezesを聴取する。赤沈30mm/1時間。血液所見: 赤血球 390万、Hb 11.2g/dl、Ht 37%、白血球 11,000(桿状核好中球3%、分葉核好中球41%、好酸球28%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球25%)、血小板 32万。血液生化学所見に異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No.10A)と経気管支肺生検組織のH-E染色標本(別冊No.10B)とを別に示す。
- この病態に関与する免疫グロブリンはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E052]←[国試_104]→[104E054]
[★]
- 36歳の女性。2週前からの微熱と下肢のしびれ感とを主訴に来院した。1年前から喘鳴を伴う呼吸困難発作が出現し、気管支喘息で近医に通院加療中であった。尿蛋白(-)。血液所見:赤血球423万、白血球12,300(分葉核好中球42%、好酸球34%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球18%)、血小板26万。IgE410IU/ml(基準50~300)。MPO-ANCA陽性。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A053]←[国試_101]→[101A055]
[★]
- 42歳の女性。臭いがわかりにくいことを主訴に来院した。半年前から臭いがわかりにくくなり、また両側の鼻閉も出現してきたため受診した。左鼻腔内視鏡写真(別冊No. 7A)と副鼻腔CT(別冊No. 7B)とを別に示す。
- この患者で注意すべき合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E046]←[国試_110]→[110E048]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109A003]←[国試_109]→[109A005]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D001]←[国試_102]→[102D003]
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- 末梢血で好酸球増多を呈することが最も少ないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I024]←[国試_110]→[110I026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106I030]←[国試_106]→[106I032]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H018]←[国試_096]→[096H020]
[★]
- 同
- 免疫グロブリンE immunoglobulin E IgE、γE、gamma E
- 関
- 免疫グロブリン、I型アレルギー。高IgE血症、低IgE血症
- IgM、IgD、IgG、IgA
- レアギン、皮膚感作抗体、同種細胞親和性抗体
IgE産生の調節
IgEの性質
|
IgE
|
IgG1
|
H鎖のIgドメイン数
|
5
|
4
|
分子量(kDa)
|
188
|
146
|
炭化水素の比率(%)
|
12
|
2-3
|
血液(血清)中の半減期(days)
|
2.5
|
21
|
- IgEは組織移行性が高い。FcεRIの結合部位はN末端から2,3番目のC領域である。
IgEが異常値を呈する病態 OLM.390 LAB.853
- 肺塞栓、心筋梗塞、脳梗塞(CBT QB vol3 p.320)
高値
[★]
- ラ
- Aspergillus
- 同
- Aspergillus属
- 同
- コウジカビ
- 関
- アスペルギルス症
- ラクトフェノール・コトン青による染色で
生物的特徴
- 真菌
- 腐生性の不完全菌に属する糸状菌
- 有隔性菌糸を持つ(branching septate hyphae)
- 土壌や朽ちた植物に存在。空気中に浮遊胞子として存在。アスペルギルスの分生子は暖かく湿った場所で多く作られる → 空調器のエアフィルターや加湿器などで増殖
- 日和見病原体。基礎疾患(好中球減少や免疫不全症)を有する患者に感染
感染経路
- A. fumigatusの胞子は2-3.5umで、気管支に達し肺を冒す
アスペルギルス属
感染症
- 肺アスペルギローマ:結核・気管支拡張症などで生じた空洞・嚢胞で分生子が生長・増殖し、大きな菌糸塊を形成 菌球形成
- 侵襲性アスペルギルス症:好中球機能不全などの患者に発生し、より急性でより重症やしやすい。肺・消化管障害、心内膜炎、脳・骨膿瘍、全身播種
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症:喘息様発作、末梢血好中球増加、中枢性気管支拡張
[★]
- 英
- bronchopulmonary aspergillosis
- 関
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
[★]
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 allergic bronchopulmonary aspergillosis
[★]
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 ABPA
[★]
- 英
- allergy
- 同
- アレルギー反応 allergic reaction
- 関
- 過敏症 hypersensitivity
クームス分類
クームス分類
診療ガイドライン
- http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/index.html
検査
[★]
- 英
- lung
- 関
- 肺区域、肺野、呼吸器の上皮の移行
- 図:M.78 N.204(肺のリンパ系),197(肺区域)
解剖
- 重量:右:500g, 左:400g
- 葉:右3葉、左2葉
- 右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉
発生
- L.247
- 肺の上皮、喉頭、気管、および気管支の内面を覆う上皮 → 内胚葉
- 気管および肺の軟骨性要素と筋要素、結合組織 → 中胚葉(臓側中胚葉)
- NGY.283
- 妊娠16週頃:気管、気管支が分岐し腺状構造をなす(腺状期)
- 妊娠16-24週頃:管状構造を形成し、毛細血管が上皮に接触する。(管状期)
機能
肺の構造
- SSUR.323
臨床関連
胸部X線解剖
- 右第1弓:上大静脈
- 右第2弓:右心房
- 左第1弓:大動脈弓
- 左第2弓:肺動脈幹
- 左第3弓:左心房(左心耳)
- 左第4弓:左心室
シルエットサイン
- 右第2弓:(陽性)[上葉]内側中葉区(S5)、[下葉]内側肺底区(S7)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)???? → 陰性だったら背面の区域、つまりS6,S10と考えて良いのではないだろうか?
- 左第4弓:(陽性)[上葉]上舌区(S4)、下舌区(S5)、[下葉]前内側肺底区(S7+8)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)??? → 同様にS6,S10と考えて良いのでは?
肺のリンパ節
- 左肺は心臓があるために、右とは異なる形状・肺区域を有する。
- S1とS2はまとめてS1+2と呼ばれる
- S7とS8はまとめてS7+8あるいはS8と呼ばれる ← 心臓が左胸腔に全内側に突出しているからと考える
臨床関連
- 分葉異常:奇静脈の走行異常による右上葉の奇静脈葉が最も多い(QB.I-295)
[★]
- 英
- trachea (Z), tracheal tube
- ラ
- trachea
- 関
- 気管支、気管支の分岐、肺
解剖
- 長さ12cm、直径2cm (HIS.298)。
- C6椎体-T5椎体 / C6椎体の下部より始まりT4-T5椎体で左右の気管支に分かれる。)
- 喉頭の輪状軟骨の直下から始まり主気管支が分岐するところに終わる。 (HIS.298)
粘膜
- a. 杯細胞 goblet cell 30% 粘液物質の分泌 ムチンmucin
- b. 線毛細胞 ciliated cell 30% 核は基底部に存在 線毛と微絨毛
- c. 基底細胞 basal cell 30% 丈の低い細胞、未分化細胞
- d. その他 刷子細胞、漿液細胞、DNES細胞 など
- 2. 粘膜固有層 疎性結合組織 膠原線維、弾性線維、気管腺(混合腺)
- 3. 粘膜下組織 密生結合組織
- 4. 外膜 気管軟骨 馬蹄形(C字軟骨)後方に開いている。10-12個
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- bronchus / bronchi(pl.) (Z)
- ラ
- bronchus principalis
- 同
- 主気管支 main bronchus、一次気管支 primary bronchus
- 関
- 気管、気管支の分岐、肺区域、区域気管支
-
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- aspergillosis
- 関
- アスペルギルス属