- 5歳の女児。3週前から両頬部に紅斑が出現し、2週前から全身倦怠感も出現してきたため来院した。身長125cm、体重24.5kg。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧120/68mmHg。顔面の紅斑の写真と肘頭の皮疹の写真とを以下に示す。
- 眼球結膜と眼瞼結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力低下が認められ、ベッド上では仰臥位から直接立ち上がれない。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
- この症例で予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G052]←[国試_101]→[101G054]
★リンクテーブル★
[★]
- 49歳の女性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。3年前からRaynaud現象を認め、手指の腫脹に気付いていた。1年前から階段昇降時に息切れを感じ、疲れやすくなった。意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧110/74mmHg。手指硬化を認める。胸骨左縁第4肋間に収縮期逆流性雑音を認める。両下肺野にfine cracklesを聴取する。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。下腿浮腫を認める。血液所見:赤沈63mm/1時間、Hb12.5g/dl、白血球8.600。血清生化学所見:尿酸6.7mg/dl、AST22IU/l、ALT12IU/l、LDH347IU/l(基準176~353)、ALP178IU/l(基準260以下)。CRP1.4mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.46、PaO2 54.0Torr、PaCO2 36.2Torr。心電図では右軸偏位、II、III、aVFに肺性Pを認める。胸部エックス線写真では両下肺野に間質影を認める。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G053]←[国試_101]→[101G055]
[★]
- 17歳の男子。全身倦怠感を主訴に来院した。身長168cm、体重54kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧110/70mmHg。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球380万、Hb11.2g/dl、白血球5,600、血小板18万。血清生化学所見:AST120IU/l、ALT265IU/l、LDH420IU/l(基準176~353)、Cu30μg/dl(基準68~128)、セルロプラスミン5.1mg/dl(基準21~37)。免疫学所見:CRP0.1mg/dl、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。尿中Cu排泄量500μg/日(基準100以下)。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G051]←[国試_101]→[101G053]
[★]
- 多発性筋炎 polymyositis PM
- 皮膚筋炎 dermatomyositis DM
- 関
- 膠原病
概念
疫学
症状
- 初発症状は皮疹、発熱、全身倦怠感、筋力低下などが多い。
筋症状(amyopathic dermatomyositisを除く)
- 四肢近位筋群、頚部筋、咽頭部(嚥下障害、発声障害につながる)などの対称性筋力低下。筋痛。筋萎縮。
皮膚症状(多発性筋炎を除く)
臓器障害
検査
- 血清筋原性酵素(CK):増加
- 筋電図:筋病変を示唆
- 自己抗体検査
- 抗Jo-1抗体:感度低いが、特異度は高い PMの方がDMより陽性率が高い
- 抗核抗体:40-50%の症例でみられる(IMD)
診断
鑑別診断
- 参考2
- 感染による筋炎、薬剤誘発性ミオパチー、内分泌異常に基づくミオパチー、筋ジストロフィーその他の先天性筋疾患
合併症
- 多発性筋炎/皮膚筋炎の発症前後に悪性腫瘍を合併しうる
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/293
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/067z_s.pdf
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