- 英
- nitroglycerin NTG, glycerol trinitrate, GTN
- ラ
- nitroglycerinum
- 商
- ニトロダーム、バソレーター、ミオコール、ジドレン、ニトロペン、ミニトロテープ、ミリステープ、ミリスロール、メディトランステープ
- 関
- 血管拡張剤
薬理作用
- 血管平滑筋への直接作用により、特に冠血管を拡張し心筋への酸素供給を増加し、また末梢血管を拡張して前負荷および後負荷を低下させ、心仕事量を軽減する。
- 還流静脈血量が減少するので、拡張期の心室血液量は減少(decreased right and left ventricular filling)
- [低用量]特に静脈を拡張させる → 前負荷の軽減。血管抵抗は不変なので前負荷が減少した分、心拍出量が低下する。動脈の拡張は冠状動脈、顔面の血管、髄膜の細血管でおこる。後者2者は副作用(顔面の紅潮、頭痛)を来す機序と関係。(PHD.414)
- [高用量]全身の細動脈と細静脈を拡張させる。これにより低血圧となり頻脈をおこす。けど、心不全の患者の場合はこれは起こらない(後負荷↓→十分なCO→交感神経緊張↓)。(PHD.414)
適応
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ニトログリセリン |
|
|
|
IUPAC名
1,2,3-trinitroxypropane[要出典]
|
別称
三硝酸グリセリン
トリニトログリセリン
硝酸1,3-ジニトロオキシプロパン-2-イル
三硝酸プロパン-1,2,3-トリイル
1,2,3-トリニトロキシプロパン
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
55-63-0 |
PubChem |
4510 |
ChemSpider |
4354 |
UNII |
G59M7S0WS3 |
EINECS |
200-240-8 |
国連番号 |
0143, 0144, 1204, 3064, 3319 |
DrugBank |
DB00727 |
KEGG |
D00515 |
MeSH |
Nitroglycerin |
ChEBI |
CHEBI:28787 |
ChEMBL |
CHEMBL730 |
ATC分類 |
C01DA02,C05AE01 |
バイルシュタイン |
1802063 |
Gmelin参照 |
165859 |
- o:n(:o)OCC(COn(:o):o)On(:o):o
C(C(CO[N+](=O)[O-])O[N+](=O)[O-])O[N+](=O)[O-]
|
- InChI=1S/C3H5N3O9/c7-4(8)13-1-3(15-6(11)12)2-14-5(9)10/h3H,1-2H2
Key: SNIOPGDIGTZGOP-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C3H5N3O9/c7-4(8)13-1-3(15-6(11)12)2-14-5(9)10/h3H,1-2H2
Key: SNIOPGDIGTZGOP-UHFFFAOYAR
|
特性 |
化学式 |
C3N3H5O9 |
モル質量 |
227.0865 g mol−1 |
精密質量 |
227.002578773 g mol−1 |
外観 |
無色液体 |
密度 |
1.6 g cm−3 (at 15 °C) |
融点 |
14 °C, 287 K, 57 °F
|
沸点 |
50-60 °C, 323-333 K, 122-140 °F (分解)
|
log POW |
2.154 |
構造 |
配位構造 |
四面体形 C1, C2, C3
平面三角形 N7, N8, N9 |
分子の形 |
四面体形 C1, C2, C3
平面 N7, N8, N9 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
-370 kJ mol-1 |
標準燃焼熱 ΔcHo |
-1.529 MJ mol-1 |
薬理学 |
生物学的利用能 |
< 1 % |
投与経路 |
静脈、経口、舌下、局所、経皮 |
代謝 |
肝臓 |
消失半減期 |
3 min |
法的状況 |
Pharmacist Only (S3)(AU)
|
胎児危険度分類 |
C(US) |
爆発性 |
衝撃感度 |
高い |
摩擦感度 |
高い |
爆速 |
7700 m s−1 |
RE係数 |
1.50 |
危険性 |
EU分類 |
E T+ N |
EU Index |
603-034-00-X |
Rフレーズ |
R3 R26/27/28 R33 R51/53 |
Sフレーズ |
S1/2 S33 S35 S36/37 S45 S61 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ニトログリセリン(英: nitroglycerin)とは、示性式 C3H5(ONO2)3 と表される有機化合物。爆薬の一種であり、狭心症治療薬としても用いられる。
グリセリン分子の3つのヒドロキシル基を、硝酸と反応させてエステル化させたものだが、これ自身は狭義のニトロ化合物ではなく、硝酸エステルである。また、ペンスリットやニトロセルロースなどの中でも「ニトロ」と言われたら一般的にはニトログリセリン、またはこれを含有する狭心症剤を指す。 甘苦味がする無色油状液体。ニトロセルロース(強綿薬)と混ぜる事でゲル化(膠状)しダブルベース火薬になる。綿などに染みこませて火をつけると激しく燃焼するが爆発しない。しかし、電熱ヒーターのような熱した物体の上に滴下したり、金槌などで叩けば激しく爆発する。 わずかな振動で爆発することもあるため、取り扱いがきわめて難しく、日本においては原体のまま工場から出荷されることはない。
目次
- 1 医薬品
- 2 爆発性
- 3 歴史
- 4 製造法
- 5 物語に登場するニトログリセリン
- 6 その他の事柄等
- 6.1 結晶化に関するデマ
- 6.2 亜酸化窒素との混同について
- 7 関連項目
医薬品[編集]
血管拡張作用があるので狭心症の薬になる。これはニトログリセリン製造工場に勤務していた狭心症を患う従業員が、自宅では発作が起こるのに工場では起こらないことから発見されたという。体内で加水分解されて生じる硝酸が、さらに還元されて一酸化窒素 (NO) になり、それがグアニル酸シクラーゼを活性化し cGMP の産生を増やす結果、細胞内のカルシウム濃度が低下するため血管平滑筋が弛緩し、血管拡張を起こさせることが判明している。
上記の発見の過程と、一般にはニトロと聞いて爆薬を思い浮かべる人が多いため誤解があるが、現在医薬品として用いられている物は硝酸イソソルビドなどのニトロ基を持つ硝酸系の薬品が主であり、ニトログリセリンを使用する場合であっても添加剤を加えて爆発しないように加工されている。そのため、医薬品のニトロをいくら集めても爆薬にはならないし、医薬品が爆発事故を起こすことはあり得ない。しかしそれらを加工して爆薬を作ることは可能であり、アメリカなどでは医薬品のニトロも爆薬、兵器として敵対国への輸出を禁止している。
爆発性[編集]
加熱や摩擦によって爆発するため、爆薬としてダイナマイトの原料になる。ニトログリセリンは低速爆轟を起こしやすいため、衝撃感度が高く小さな衝撃でも爆発しやすい。そのため、アセトン、水などと混ぜて感度を下げるか、ニトロゲル化して取り扱う。
一般的に原液のまま取り扱われるようなことはなく、正しく取り扱っていれば爆発するようなことは起きない。昔は取り扱い方法が確立していなかったため、さまざまな爆発事故が発生していた。実際の爆発事故は製造上の欠陥か取り扱い上の問題がほとんどである。
8 °Cで凍結し、14 °Cで溶けるが、一部が凍結すると感度が高くなり危険であるため、自然な気温で凍結したり溶けたりしないように保管時の温度管理は必須である。朝鮮戦争中、冬の韓国の寒冷地でダブルベース火薬が感度が上がり、小銃弾が爆発したという事故の原因になっている。
溶かす場合には絶対に直接火にかけてはいけない。湯煎するなどして間接的に加熱しないと、火に直接当たっている部分の温度が高くなって微少気泡が発生するとそこからホットスポットが発生して爆発する。そのため、気泡が入らないように瓶の縁に空気を残さない、かき混ぜない、振らない、などの取り扱い上の注意が必要である。これらの問題は膠化(こうか)してしまえば無くなるが、膠化する作業中に微少気泡が入ると同じように爆発するので加工には注意が必要である。
ただし、膠化した物でも、凍結と解凍を繰り返すと液体のニトログリセリンが染み出して大変に危険である。そのため、ダイナマイトなどに加工された状態であっても凍結は避けなければならない。
歴史[編集]
1846年にイタリアの化学者、アスカニオ・ソブレロ(英語版、イタリア語版) が初めて合成に成功した。出来上がった新物質を調べようと自分の舌全体でなめてみたところ、こめかみがずきずきしたという記録があるが、これは彼自身の毛細血管が拡張されたためである。爆発力がすさまじく、一滴を加熱しただけでガラスのビーカーが割れて吹き飛ぶほどの威力があり、ソブレロは危険すぎて爆薬としては不向きであると判断した。しかしその後、アルフレッド・ノーベルらの工夫により実用化された。
ニトログリセリンの原料となるグリセリンは油脂の加水分解によって得られるが、第一次世界大戦中には爆薬として大量の需要が生じたため、発酵による大量生産法を各国が探索した。中央同盟国側ではドイツのカール・ノイベルグらによって糖を酵母によってエタノール発酵させる際に亜硫酸ナトリウムを加えるとグリセリンが生じることが、連合国側ではアメリカで培養液をアルカリ性にすると同様にグリセリンが生じることが見出され、大量に生産されるようになった。
製造法[編集]
グリセリンを硝酸と硫酸の混酸で硝酸エステル化するとニトログリセリンになる。市販の濃硝酸:濃硫酸=1:3(体積比)の混酸を冷やし、そこに無水グリセリンを注ぐ。薄黄色の油状沈殿になって生じる。この沈殿を冷水と重曹の水溶液で洗う。
物語に登場するニトログリセリン[編集]
ニトログリセリンの容易に爆発する性質は、様々な物語で取り上げられている。とりわけ有名なのが、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督のサスペンス映画『恐怖の報酬』(1953年)である。この作品では、油田火災を爆風で消火するため、ニトログリセリンをごくごく普通のトラックで運ぶことになった男たちの恐怖が描かれている。
その他の事柄等[編集]
結晶化に関するデマ[編集]
「かつて世界中の学者がニトログリセリンの結晶化に挑んだが失敗した。だが嵐に巻き込まれたイギリス貨物船のニトログリセリンが不思議なことに結晶化し爆発事故を免れた。それ以来世界中のニトログリセリンが17 °Cで結晶化するようになった」という都市伝説が巷間でまことしやかに語られているが、全くのデマである。前述のとおり、ニトログリセリンは8 °Cで凍結し、14 °Cで溶ける。
おそらくニトログリセリンではなく、17.8 °Cが融点のグリセリン結晶の論文に関する逸話が、誤解され都市伝説化したものと思われる。因みにグリセリンの本来の逸話にもオカルト的な要素はない。
「グリセリン#結晶化に纏わる都市伝説」を参照
亜酸化窒素との混同について[編集]
ドラッグレース用競技車やチューニングカーで使用されるナイトラス・オキサイド・システムのことをしばしば「ニトロ」と呼称するため、ニトログリセリンを使用していると誤解している例が見受けられるが、正確にはナイトラス・オキサイド・システムは亜酸化窒素(N2O)を使用している。また、正式な略称も「ナイトロ(ス)」である。そもそも加熱や衝撃で爆発する恐れのあるニトログリセリンを使用すると非常に危険である。
亜酸化窒素はニトログリセリンと同じ窒素化合物ではあるが、化学的特性は全く異なるもので、爆発性も無い。体積比にして21 % の酸素含有量である空気に対し、33 % である N2O を利用し、吸気量に限界のある内燃機関で、より多くのガソリンを燃焼させるために用いられている。
関連項目[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、ニトログリセリンに関連するカテゴリがあります。 |
- グリセリン
- 小林誠 (医学者)
- フィリピン航空434便爆破事件 - 使用された薬品がニトログリセリンである
- 恐怖の報酬
- 恐怖の報酬 (1977年の映画) - 上記のリメイク
- りぜるまいん - 登場キャラクターのりぜるが流す涙の成分がニトログリセリン
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P1-12-20 当科におけるニトログリセリンによるrapid tocolysis(RT)の検討(Group19 妊娠・分娩・産褥の生理・病理2 早産・IUGR,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 手島 映子,田口 彰則,鎌田 英男,川田 龍太郎,市田 宏司,梅澤 幸一,松本 泰弘,司馬 正浩,笹森 幸文,木戸 浩一郎,梁 栄治,綾部 琢哉
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 521, 2011-02-01
- NAID 110008508989
- 薬物治療 冠動脈疾患治療薬 血管拡張薬・硝酸薬 (冠動脈疾患(上)診断と治療の進歩) -- (冠動脈疾患における治療学の進歩)
- 血管性間歇性跛行肢に対する経皮的ニトログリセリン投与の効果
- 瑞慶覧 努,佐藤 成,後藤 均,橋本 宗敬,赤松 大二朗,菅原 宏文,清水 拓也,三浦 禎司,芹澤 玄,濱田 庸,力丸 裕人,里見 進
- 脈管学 : 日本脈管学会機関誌 : the journal of Japanese College of Angiology 50(4), 443-448, 2010-08-25
- NAID 10027742787
Related Links
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- ニトログリセリンとは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり 110番:薬事典版)
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
販売名
組成
==
==== *バソレーター注1mgは、1アンプル2mL中にニトログリセリン1mgを含有する製剤である。
==
- 添加物====
- エタノール9mg、プロピレングリコール19mg、塩化ナトリウム12mgを含有する。
禁忌
- 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者[「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照]
効能または効果
- 手術時の低血圧維持
- 手術時の異常高血圧の救急処置
- 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
- 不安定狭心症
- 本剤は、注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液、乳酸リンゲル液等で希釈し、ニトログリセリンとして0.005〜0.05%(1mL当たり50〜500μg)溶液を点滴静注する。
本剤は、通常1分間に体重1kg当たりニトログリセリンとして効能・効果ごとに下記に基づき投与する。
手術時の低血圧維持
- 1〜5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
手術時の異常高血圧の救急処置
- 0.5〜5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
- 0.05〜0.1μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的とする血行動態を得るまで血圧、左心室充満圧等の循環動態をモニターしながら5〜15分ごとに0.1〜0.2μg/kg/分ずつ増量し、最適点滴速度で維持する。
不安定狭心症
- 0.1〜0.2μg/kg/分の投与量で投与を開始し、発作の経過及び血圧をモニターしながら約5分ごとに0.1〜0.2μg/kg/分ずつ増量し、1〜2μg/kg/分で維持する。効果がみられない場合は20〜40μg/kgの静注を1時間ごとに併用する。なお、静注する場合は1〜3分かけて緩徐に投与する。
慎重投与
- 新生児及び乳幼児[「小児等への投与」の項参照]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- メトヘモグロビン血症の患者[メトヘモグロビン血症をさらに悪化させるおそれがある。]
- 頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
- 著しく血圧の低い患者[血圧低下をさらに悪化させるおそれがあるので、必要ならばドパミン塩酸塩等の昇圧剤を併用すること。]
- 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
重大な副作用
急激な血圧低下、心拍出量低下等
- 急激な血圧低下、心拍出量低下、心拍数増加、投与終了後の遷延性血圧低下、リバウンド現象等があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には投与を中止すること。また、速やかに血圧を回復させたい場合には、ドパミン塩酸塩等の昇圧剤を投与すること。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- Glyceryl trinitrate又は1,2,3-Propanetriol trinitrate
分子式
分子量
性状
- ニトログリセリンは、常温では無色澄明の粘稠性液体で、味は甘く灼熱感がある。
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 95歳の男性。呼吸困難のため搬入された。
- 現病歴 咳嗽が続くため2か月前に自宅近くの診療所を受診した。胸部エックス線写真にて肺野に異常陰影を認めたため、近くの病院を紹介され、精査の結果、肺腺癌、肺内転移、骨転移および心膜転移と診療された。患者本人や家族と相談の結果、積極的治療は行わない方針となり、診療所の医師が主治医となって自宅で療養していた。昨日から呼吸困難が出現し、今朝になって増強したため、主治医に相談した上で、救急車を要請した。
- 既往歴 7年前に心筋梗塞。
- 生活歴 息子夫婦、孫2人との5人暮らし。喫煙は20本/日を20歳から50年間継続した後、禁煙している。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識は清明。身長160cm、体重52kg。体温37.5℃。呼吸数32/分、努力様。脈拍120/分、整。血圧72/40mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)88%。頚静脈の怒張を認める。心音に異常を認めない。両側肺底部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側下腿に浮腫を認める。
- 検査所見 血液所見:赤血球 385万、Hb 11.0g/dl、Ht 36%、白血球 9,500、血小板 22万。血液生化学所見:血糖 86mg/dl、総蛋白 5.4g/dl、アルブミン 2.6g/dl、尿素窒素 24mg/dl、クレアチニン 1.1mg/dl、AST 24IU/l、ALT 40IU/l、LD 322IU/l(基準176-353)、ALP 158IU/l(基準115-359)、Na 142mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 101mEq/l。CRP 1.2mg/dl。胸部エックス線写真では原発巣の増大、心陰影の拡大および胸水の貯留を認める。心電図では洞性頻脈と低電位とを認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [105C030]←[国試_105]→[105C032]
[★]
- 次の文を読み、44、45の問いに答えよ。
- 74歳の女性。持続する前胸部痛のため来院した。
- 現病歴:本日午前7時45分、朝食の準備中に突然、咽頭部に放散する前胸部全体の痛みと冷汗とを自覚した。意識消失、呼吸性の痛みの変動および胸部の圧痛はなかったという。ソファに横になっていたが症状が持続するため、家族に連れられて自家用車で午前8時15分に来院した。症状を聞いた看護師が重篤な状態と判断し、直ちに救急室に搬入した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:特記すべきことはない。
- 家族歴:父親が80歳時に脳出血で死亡。母親が84歳時に胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 158cm、体重 56kg。体温 36.5℃。脈拍 92/分、整。血圧 120/80mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直ちに施行した心電図(別冊No. 5)を別に示す。▲112B005▲
- 検査所見(午前8時25分の採血):血液所見:赤血球 416万、Hb 12.6g/dL、Ht 36%、白血球 9,800、血小板 20万、Dダイマー 0.7μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:AST 26U/L、ALT 30U/L、LD 254U/L(基準 176~353)、CK 118U/L(基準 30~140)、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 1.6mg/dL、血糖 98mg/dL、心筋トロポニンT陰性。胸部エックス線写真で異常を認めない。
- 緊急処置の準備中、突然、うめき声とともに意識消失した。呼吸は停止しており脈を触れない。胸骨圧迫とバッグバルブマスクによる換気を開始した。このときのモニター心電図(別冊No. 6)を別に示す。
- この患者に直ちに行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112B044]←[国試_112]→[112B046]
[★]
- 次の文を読み、66-68の問いに答えよ。
- 73歳の男性。腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴 1週間便が出ていない。2日前に腹痛を自覚したが我慢していた。昨日から尿が出ていない。今朝、家族に伴われて受診した。
- 既往歴 60歳から高血圧症で内服治療中。昨年の人間ドックで便潜血反応陽性のため、精査が必要といわれたが、受診しなかった。
- 現症 意識レベルはJCS I-1。身長160cm、体重60kg。体温38.5℃。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧72/42mmHg。表情は苦悶様で、腹部全体に痛みを訴えている。心音に異常を認めない。腹部は膨隆し、板状硬であり、反跳痛を認める。腸雑音を聴取しない。皮膚は暖かい。
- 検査所見 血液所見:赤血球 350万、Hb 9.0g/dl、Ht27%、白血球 15,000(好中球83%、好酸球1%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球13%)、血小板 5.2万。血液生化学所見:血糖90mg/dl、HbA1c5.0%(基準4.3-5.8)、総蛋白6.0g/dl、アルブミン4.0g/dl、尿素窒素30mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、尿酸5.0mg/dL、Na 145mEq/l、K 4.0mEq/l、Cl 100mEq/l。免疫学所見: CRP 10.0mg/dl、CEA 20 ng/ml(基準5以下)。
- 急性腹症と診断して、開腹手術が予定された。
- 術前にまず行う治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E065]←[国試_105]→[105E067]
[★]
- 66歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。3か月前から早歩きの際に呼吸困難を自覚するようになった。症状は急に始まり、そのまま歩行を続けることはできないが、立ち止まって安静にすると約3分で改善する。冷汗や眼前暗黒感、呼吸性の痛みの増強はないという。症状の頻度や程度は変わらなかったが、心配した家族に付き添われて受診した。体温 36.6℃。脈拍 68/分、整。血圧 132/82mmHg。呼吸数 14/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めなかった。心電図をとって検査室から早足で外来に戻ってきたところ、いつもと同じ症状が出現してきたという訴えがあった。直ちに外来診察室でバイタルサインを確認し、心電図の再検査を行った。心拍数 98/分。血圧 172/92mmHg。SpO2 99%(room air)。症状は、いつもと同じ強さで出現から約2分続いている。本日受診時の心電図(別冊No. 25A)と診察室での発作時の心電図(別冊No. 25B)とを別に示す。
- まず行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D049]←[国試_112]→[112D051]
[★]
- 次の文を読み、25~27の問いに答えよ。
- 55歳の男性。激しい胸痛のため救急車で搬入された。
- 現病歴:1週前から階段を昇るときに前胸部痛を自覚したが安静にて消失するため放置していた。今朝から激しい前胸部痛が出現し持続している。
- 既往歴:48歳から高脂血症で加療中である。
- 現症:意識は清明。顔面は苦悶様である。体温36.6℃。呼吸数25/分。脈拍64/分、整。血圧144/96mmHg。貧血と黄疸とを認めない。皮膚は冷汗をかき湿潤である。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:尿所見:比重1.018、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球520万、Hb16.7g/dl、Ht50%、白血球10,400、血小板26万。血清生化学所見:尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.1mg/dl、AST55単位、ALT20単位、LDH350単位(基準176~353)、CK680単位(基準10~40)、Na144mEq/l、K4.2mEq/l、Cl106mEq/l。心電図を以下に示す。
- 心エコー検査中に意識が低下した。そのときの心電図を以下別に示す。行う処置はどれか
[正答]
※国試ナビ4※ [100C025]←[国試_100]→[100C027]
[★]
- 60歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。3週前から乾性咳嗽が、2週前から血痰が出現した。昨日から38℃台の発熱と呼吸困難とを生じたため受診した。意識は清明。身長 150cm、体重 48kg。体温 37.4℃。脈拍 92/分、整。血圧 124/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 90%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。心尖部にⅡ/Ⅵの汎(全)収縮期雑音を聴取する。右胸部と右背部とにfine cracklesを聴取する。尿所見:比重 1.011、蛋白1+、潜血2+。血液所見:赤血球 280万、Hb 8.2g/dL、Ht 28%、白血球 13,600(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 81%、好酸球 1%、単球 3%、リンパ球 5%)、血小板 36万。血液生化学所見:アルブミン 3.3g/dL、AST 50IU/L、ALT 30IU/L、LD 710IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL。免疫血清学所見:CRP 16mg/dL、抗核抗体 160倍(基準 20以下)、MPO-ANCA 300EU/mL(基準 20未満)。胸部CT(別冊No. 29)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I075]←[国試_109]→[109I077]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 18歳の男子。昨夜から喘鳴を伴う呼吸困難があり、今朝から意識混濁が出現したため救急車で搬入された。
- 現症 : 意識JCS20。体温37.6℃。呼吸数30/分。脈拍140/分、整。血圧130/92mmHg。努力性胸式呼吸で呼気の延長が著明である。口唇と爪床とにチアノーゼを認める。貧血と黄疸とはない。肺野は呼気時に喘鳴がある。心音は肺動脈領域でⅡ音の亢進が認められる。腹部は平坦、軟で圧痛はない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球518万、Hb16.3g/dl、Ht49%、白血球13,600、血小板33万。血清生化学所見:血糖138mg/dl、総蛋白7.5g/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST〈GOT〉35単位(基準40以下)、ALT〈GPT〉31単位(基準35以下)、LDH183単位(基準176~353)、CK70単位(基準10~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.00、PaO2 37Torr、PaCO2 67Torr、HCO3- 17mEq/l、BE -7.7mEq/。胸部エックス線写真で心拡大はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F037]←[国試_096]→[096F039]
[★]
- 40歳の男性。乏尿と呼吸困難とを主訴に救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。冷汗と下腿浮腫とを認める。 III音と IV音とを聴取する。両側の胸部に coarse cracklesを聴取する。脈拍 108/分、整。血圧 72/50 mmHg。呼吸数 28/分。血液生化学所見:クレアチニン 1.8 mg/dl、Na 134 mEq/l、K 3.8 mEq/l、 Cl 100 mEq/l、脳性ナトリウム利尿ぺプチド〈BNP〉840 pg/ml(基準 18.4以下)。動脈血ガス分析 ( room air): pH 7.32、PaCO2 30 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3 15 mEq/l。心エコー図 (傍胸骨左縁長軸像 )(別冊 No.15A、B)を別に示す。
- まず投与すべき治療薬で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A040]←[国試_108]→[108A042]
[★]
- 38歳の男性。失神を主訴に来院した。2日前、自動車運転中に意識を失い、交通事故を起こした。6か月前にも自宅で意識消失発作があった。父と兄とが突然死している。意識は清明。身長170cm、体重64kg。体温36.4℃ 。脈拍72/分、整。血圧 116/80mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。12誘導心電図を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A019]←[国試_103]→[103A021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109E053]←[国試_109]→[109E055]
[★]
- 25歳の男性。突発的に起こる胸痛、頻脈およぴめまいを繰り返し、動揺性高血圧もあるため紹介され内科に入院した。心筋逸脱酵素などの血液検査、心電図検査、心エコー検査およびトレッドミル検査を受けたが異常はなかった。褐色細胞腫、カルチノイド、低血糖、甲状腺疾患等について検査を受けたが異常は見い出されなかった。
- この患者に対する適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F021]←[国試_096]→[096F023]
[★]
- 72歳の男性。動悸を主訴に来院した。 10年前から高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないため受診しなかった。 2日前から感冒症状があった。 6時間前から動悸を自覚し、改善しないため受診した。呼吸困難やめまいはないという。脈拍144/分、整。血圧120/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。心電図(別冊No. 29)を別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A057]←[国試_106]→[106A059]
[★]
- 56歳の男性。30分前からの胸部圧迫感を主訴に来院した。モニター心電図とパルスオキシメーターを装着し仰臥位で診療を始めた直後に意識を消失し、いびきをかきはじめ不規則な呼吸となった。頚動脈拍動は触知せず、心電図上の心拍数は36/分である。パルスオキシメーターはエラーを表示している。
- 処置としてまず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104F020]←[国試_104]→[104F022]
[★]
- 54歳の女性。2週前からの動悸を主訴に来院した。半年前から労作時の息切れを自覚している。意識は清明。身長162cm、体重50kg。脈拍108/分、不整。血圧102/72mmHg。心尖部でI音の亢進と拡張期雑音とを聴取する。右肋骨弓下に肝を2cm触知する。下腿に浮腫を認めない。心電図と心エコー図とを以下に示す。
- 治療薬はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G020]←[国試_101]→[101G022]
[★]
- 39歳の男性。急激な意識低下のため搬入された。3か月前から頭痛を自覚していた。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。意識レベルはJCS II-30。不穏がみられ、右瞳孔の直接射光反射はやや遅い。呼吸数10/分。脈拍48/分、整。血圧172/108mmHg。頭部造影MRIのT1強調像(別冊No.18)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A039]←[国試_104]→[104A041]
[★]
- 22歳の男性。耳鼻科で中耳炎と診断され、処方された抗菌薬を服用した。30分後に顔面の腫脹感と全身の掻痒感とを自覚した。自力で来院したが、顔面の紅潮と腫脹、口唇部の腫脹および嗄声が認められ、胸内苦悶を訴えたのち嘔吐した。体温35.8℃。呼吸数24/分。脈拍110/分、整。血圧78/40mmHg。マスクでの酸素投与と静脈路確保とを行った。まず投与すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F001]←[国試_095]→[095F003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107E053]←[国試_107]→[107E055]
[★]
- 26歳の女性。会議中にめまいと動悸とを自覚して救急外来を受診した。
- 意識は清明、呼吸数24/分。脈拍は微弱。血圧90/68mmHg。心電図を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A017]←[国試_098]→[098A019]
[★]
- 65歳の男。頭痛と右片麻痺とのため搬入された。10年前に高血圧、5年前に心房細動を指摘されており、ワルファリン服用中である。頭部CTで左被殻出血と診断された。投与すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G054]←[国試_102]→[102G056]
[★]
- 62歳の男性。労作性狭心症がある。冠動脈造影について担当医から説明を受けている最中に緊張の余り気持ちが悪くなった。顔面は蒼白となって意識を失い、椅子から床へ崩れ落ちた。心拍数28/分、整。血圧96/50mmHg。下肢挙上では心拍数は増加しない。心電図所見は洞性徐脈である。
- 適切な治療薬はどれか。
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- acute heart failure
- 関
- 心不全、慢性心不全
概念
治療
薬物療法
- モルヒネ:鎮静・除痛
- フロセミド:前負荷軽減、フォレスター分類II,IV
- ジゴキシン:配糖強心薬、フォレスター分類IV
- ドパミン:強心薬、フォレスター分類IV
- ドブタミン:強心薬、フォレスター分類IV
- ノルエピネフリン:強心薬、フォレスター分類IV
- ミルリノン:強心薬。ホスホジエステラーゼIII阻害薬。強心作用と血管拡張作用。フォレスター分類IV。
- オルプリノン:強心薬。ホスホジエステラーゼIII阻害薬。強心作用と血管拡張作用。フォレスター分類IV。
- コルホルシンダロパート:強心薬。アデニル酸シクラーゼ亢進作用。強心作用と血管拡張作用。フォレスター分類IV。
- ニトログリセリン:血管拡張薬。前負荷軽減。静脈系血管拡張。フォレスター分類II
- 硝酸イソソルビド:血管拡張薬。前負荷軽減。静脈系血管拡張。フォレスター分類II
- ニトロプルシド:血管拡張薬。前負荷軽減。静脈系血管拡張。フォレスター分類II
- カルペリチド:。心房性ナトリウム利尿ペプチド。前負荷、後負荷軽減。 禁忌:重篤な低血圧、心原性ショック、急性右室梗塞症例、脱水症
使い分け
- 肺うっ血:カルペリチド、フロセミド
- 難治性心不全:カルペリチド+カテコラミン
- 肺うっ血+収縮期血圧90 mmHg以上:PDE阻害薬、アデニル酸シクラーゼ賦活薬。血圧下がればドブタミン、ドパミン。血圧安定後、肺うっ血あればニトログリセリン。尿量少なければ利尿薬。
- 肺うっ血+収縮期血圧90 mmHg未満:ドパミン、ノルエピネフリン。駄目ならIABP,PCPS
- 肺うっ血+収縮期血圧70 mmHg未満:ドパミン+ノルエピネフリン。ドブタミン+ノルエピネフリン。駄目ならIABP,PCPS
治療目標
- 呼吸困難の軽減
- 状態の改善
- 心拍数の減少
- 尿量>0.5ml/Kg/min
- 収縮機血圧の維持と改善
- 適正な灌流に回復
参考
- 1. 急性心不全治療ガイドライン(2006年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_maruyama_h.pdf
[★]
- 英
- clinical scenario, CS
- 関
- 急性心不全
CS1
|
SBP>140mmHg
|
・急激に発症する ・主病態はびまん性肺水腫 ・全身性浮腫は軽度:体液量が正常または低下している場合もある ・急性の充満圧の上昇 ・左室駆出率は保持されていることが多い ・病態生理としては血管性
|
・NPPVおよび硝酸薬 ・容量過負荷がある場合を除いて、利尿薬の適応はほとんどない
|
CS2
|
SBP100~140mmHg
|
・徐々に発症し体重増加を伴う ・主病態は全身性浮腫 ・肺水腫は軽度 ・慢性の充満圧、静脈圧や肺動脈圧の上昇 ・その他の臓器障害:腎機能障害や肝機能障害、貧血、低アルブミン血症
|
・NPPVおよび硝酸薬 ・慢性の全身性体液貯留が認められる場合に利尿薬を使用
|
CS3
|
SBP<100mmHg
|
・急激あるいは徐々に発症する ・主病態は低灌流 ・全身浮腫や肺水腫は軽度 ・充満圧の上昇 ・以下の2つの病態がある ①低灌流または心原性ショックを認める場合 ②低灌流または心原性ショックがない場合
|
・体液貯留所見がなければ容量負荷を試みる ・強心薬 ・改善が認められなければ肺動脈カテーテル ・血圧<100mmHgおよび低灌流が持続している場合には血管収縮薬
|
CS4
|
急性冠症候群
|
・急性心不全の症状および徴候 ・急性冠症候群の診断 ・心臓トロポニンの単独の上昇だけではCS4に分類しない
|
・NPPV ・硝酸薬 ・心臓カテーテル検査 ・ガイドラインが推奨するACSの管理:アスピリン、ヘパリン、再灌流療法 ・大動脈内バルーンパンピング
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CS5
|
右心不全
|
・急激または緩徐な発症 ・肺水腫はない ・右室機能不全 ・全身性の静脈うっ血所見
|
・容量負荷を避ける ・SBP>90mmHgおよび慢性の全身性体液貯留が認められる場合に利尿薬を使用 ・SBP<90mmHgの場合は強心薬 ・SBP>100mmHgに改善しない場合は血管収縮薬
|
NPPV
硝酸薬
[★]
- 英
- isosorbide dinitrate, ISDN
- 関
- 硝酸イソソルビド、、ニトログリセリン
- 硝酸イソソルビド(しょうさんイソソルビド)は狭心症の治療薬として用いられる硝酸エステル製剤である。一般名として、ヒドロキシ基の1つが硝酸エステルとなっている誘導体を含む製剤である一硝酸イソソルビド(英 Isosorbide mononitrate, ISMN)と2つとも硝酸エステル化されている二硝酸イソソルビド(英 Isosorbide dinitrate, ISDN)があり、単に一般名で硝酸イソソルビドといった場合は後者(ビス硝酸エステル)を指す。
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%9D%E9%85%B8%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%89
構造
作用機序
薬理作用
動態
適応
注意
禁忌
副作用
相互作用
[★]
- 英
- esophageal pressure, esophageal intraluminal pressure
- 関
- 胸腔内圧、LES圧、食道内圧測定
- 食道内圧↑:蛋白食、ガストリン、メコリール、コーヒー、ストレスなど
- 食道内圧↓:脂肪食、加齢、Ca拮抗薬、β受容体作動薬、ニトログリセリン、アトロピン、セクレチン、ニコチン、テオフィリン、アドレナリン、Heller手術後、グルカゴン
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- serine, Ser, S
- 同
- 2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオン酸 2-amino-3-hydroxypropionic acid
- 関
- アミノ酸
- 極性。無電荷。
- ヒドロキシル基(hydroxyl group)を有する。
- アラニンの側鎖にヒドロキシル基が付いた形をしている。
- 側鎖:
-CH2-OH
- Kinaseの標的となり、リン酸イオンが結合する。
-CH2-O-H2PO3
[★]
- 同
- グリセロール
- 関
- 下剤,浣腸剤
[★]
- 英
- log
- 関
- 記録、対数