一硝酸イソソルビド
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/18 22:02:51」(JST)
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硝酸イソソルビド(しょうさんイソソルビド)は狭心症の治療薬として用いられる硝酸エステル製剤である。一般名として、ヒドロキシ基の1つが硝酸エステルとなっている誘導体を含む製剤である一硝酸イソソルビドと2つとも硝酸エステル化されている二硝酸イソソルビドがあり、単に一般名で硝酸イソソルビドといった場合は後者(ビス硝酸エステル)を指す。
前者、後者ともに勃起不全治療薬のクエン酸シルデナフィル(商品名バイアグラ)、塩酸バルデナフィル(商品名レビトラ)との併用は、過度の血圧降下となることがあり禁忌である。
一硝酸イソソルビド
一硝酸イソソルビド
|
IUPAC命名法による物質名 |
8-nitrooxy-2,6-dioxabicyclo[3.3.0]octan-4-ol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
?
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
>95% |
血漿タンパク結合 |
<5% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
5時間 |
排泄 |
Renal: 93% |
識別 |
CAS番号 |
16051-77-7 |
ATCコード |
C01DA14 |
PubChem |
CID 27661 |
DrugBank |
APRD00528 |
KEGG |
D00630 |
化学的データ |
化学式 |
C6H9NO6 |
分子量 |
191.139 g/mol |
一硝酸イソソルビド(いちしょうさんイソソルビド、英: isosorbide mononitrate, ISMN)はイソソルビドのヒドロキシ基の1つが硝酸エステルとなっている誘導体。 代表的な製剤名(いわゆる先発医薬品)はアイトロール錠(トーアエイヨー製造販売・アステラス販売)である。その他各種の後発医薬品も利用でき、日本国内では次に示す商品名で販売されている。
- アイスラール錠、アイロクール錠、イソニトール錠、イソモニット錠、ソプレロール錠、タイシロール錠
肝初回通過効果 (first pass effect) による化学的修飾を受けにくく、生体内利用率が100%に近い。生体内利用率 (bioavailability)、薬物動態 (pharmacokinetics) に優れていることから、欧米市場ではマーケットシェアを伸ばしてきた。
重大な副作用は肝機能障害、黄疸などである。
二硝酸イソソルビド
二硝酸イソソルビド
|
IUPAC命名法による物質名 |
1,4:3,6-dianhydro-2,5-di-O-nitro-D-glucitol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
10–90%, average 25% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
1時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS番号 |
87-33-2 |
ATCコード |
C01DA08 D03AX08 |
PubChem |
CID 3780 |
DrugBank |
APRD00455 |
別名 |
(3R,3aS,6S,6aS)-hexahydrofuro[3,2-b]furan-3,6-diyl dinitrate |
化学的データ |
化学式 |
C6H8N2O8 |
分子量 |
236.136 g/mol |
SMILES
- [O-][N+](=O)O[C@H]1CO[C@@H]2[C@H](O[N+]([O-])=O)CO[C@H]12
|
二硝酸イソソルビド(にしょうさんイソソルビド、英: isosorbide dinitrate, ISDN)は、イソソルビドのヒドロキシ基が2つとも硝酸エステルとなっている誘導体。 代表的な製剤名(いわゆる先発医薬品)はニトロール錠・カプセル・注・スプレー(エーザイ販売)、フランドル錠・テープ(トーアエイヨー製造販売・アステラス販売)である。 各種の後発医薬品も利用でき、日本国内では次に示す商品名で販売されている。
- アパティアテープ、アンタップR、イソコロナールRカプセル、イソピット、L-オーネスゲン錠、カリアント錠、カリアントTPカプセル、コンスピット錠、サークレス注、サワドールL錠、サワドールテープS、ジアセラL錠、硝酸イソソルビド錠(ツルハラ) 、 硝酸イソソルビドテープ「EMEC」 、ニトラステープ、ニトロバイド錠、ニトロフィックス、ニトロール錠、ニトロールRカプセル、ニトロール注、ニトロールスプレー、フランドル、フランドルテープS、ヘルピニン-Rカプセル、リファタックL錠、リファタックテープS
経口剤としては初回通過効果を受けるため、徐放化や貼付剤として開発され、臨床の場で用いられている。
関連項目
- ニトログリセリン
- イソソルビド
- 製品情報 ニトロール錠5mg(エーザイ)
UpToDate Contents
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Related Links
- 沢井製薬株式会社のアイロクール錠20(循環器官用剤)、一般名一硝酸イソソルビド( Isosorbide mononitrate) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アイロクール錠10
組成
- アイロクール錠10:1錠中に一硝酸イソソルビド10mgを含有する。
添加物として、結晶セルロース、ステアリン酸Mg、乳糖、バレイショデンプンを含有する。
禁忌
- 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者〔血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 閉塞隅角緑内障の患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕
- 頭部外傷又は脳出血のある患者〔頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。〕
- 高度な貧血のある患者〔血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。〕
- 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者〔本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある(「相互作用」の項参照)。〕
効能または効果
- 本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
- 通常、成人には一硝酸イソソルビドとして1回20mg1日2回を経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分な場合には1回40mg1日2回まで増量できる。
ただし、労作狭心症又は労作兼安静狭心症で発作回数及び運動耐容能の面で重症と判断された場合には1回40mg1日2回を経口投与できる。
慎重投与
- 低血圧の患者〔血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。〕
- 原発性肺高血圧症の患者〔心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。〕
- 肥大型閉塞性心筋症の患者〔心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 肝障害のある患者〔副作用が発現しやすくなる。(「副作用」の項参照)〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- (頻度不明)
- 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- グアニル酸シクラーゼの活性化によるcGMPの増加を介して血管弛緩作用を示す。
- 静脈還流量の減少による前負荷の減少及び冠血流量増加作用に基づく心筋酸素供給量の増加により抗狭心症作用を示す。
- 経口投与で肝臓における初回通過効果を受ける割合が低いことから、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に比べて生物学的利用率が高く、血漿中濃度推移の個人間のバラツキも少ない。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 一硝酸イソソルビド(Isosorbide Mononitrate)
化学名
- 1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol 5-nitrate
分子式
分子量
融点
性状
- 一硝酸イソソルビドは白色〜黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。水、メタノール、エタノール(95)、アセトン、酢酸(100)又は酢酸エチルに溶けやすく、トルエンに溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- isosorbide mononitrate
- 商
- アイトロール、一硝酸イソソルビド (2020/5/9)
- アイトロール、アイロクール、イソニトール、ソプレロール、タイシロール
- 関
- 二硝酸イソソルビド=硝酸イソソルビド。硝酸薬
分子式
[★]
- 英
- kuru, cool
- 関
- 海綿状変性脳症