ニコランジル
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ニコランタ錠5
組成
- ニコランタ錠5は、1錠中に日局ニコランジル5mgを含有する。
添加物として、カルメロースCa、ステアリン酸Mg、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、D-マンニトールを含有する。
禁忌
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 狭心症
- ニコランジルとして、通常、成人1日量15mg(本剤3錠)を3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 重篤な肝障害のある患者〔本剤投与中に肝機能検査値異常があらわれることがある。〕
- 緑内障の患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍:口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ニコランジルの冠血管拡張作用及びスパズム抑制作用は、硝酸薬同様の遊離NOによる血管弛緩作用に加えてK+透過性亢進に基づく細胞膜過分極によりCa2+の細胞内への流入を抑制することによるものと考えられている。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- N-[2-(Nitrooxy)ethyl]pyridine-3-carboxamide
分子式
分子量
融点
性状
- ニコランジルは白色の結晶である。メタノール、エタノール(99.5)、酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- nicorandil
- 商
- シグマート、 シルビノール、ニコランジス、ニコランタ、ニコランマート
- 関
- 抗狭心症薬
構造
作用機序
- ATP感受性Kチャネルを開き、K+が細胞膜外に流出し過分極、そしてCaチャネルが閉じて(収縮できなくなる)弛緩する。
- ニコランジルの摘出血管弛緩作用がATP感受性Kチャネル阻害剤あるいはグアニル酸シクラーゼ阻害剤で抑制されること28)、イヌ急性心不全モデルにおけるニコランジルの大動脈血流量増加作用などの心血行動態改善作用がATP感受性Kチャネル阻害剤で抑制されること29)、及びニコランジルが摘出血管のcGMP含量を増加させること30)から、本薬の血管拡張作用にはATP感受性Kチャネル開口作用とcGMP産生増加作用が関与する。 (シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg)
薬理作用
-
- 心収縮力↓→酸素の消費量↓
- 血管弛緩→末梢血管抵抗↓→心の前後負荷↓ (特に硝酸薬は静脈を弛緩させるので前負荷を軽減させる)
- 血管弛緩→スパズムを抑制する
動態
適応
- シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
- 不安定狭心症
- 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
注意
禁忌
- シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
- 1. 重篤な肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄機能が障害されるため、本剤は高い血中濃度で推移する可能性がある。]
- 2. 重篤な脳機能障害のある患者[本剤により過度の血圧低下が生じた場合、脳機能障害に悪影響を及ぼす可能性がある。]
- 3. 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[本剤により血圧低下が生じ、これらの症状を悪化させる可能性がある。]
- 4. Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、血圧低下、心拍出量減少が強くあらわれる可能性がある。]
- 5. 右室梗塞のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心原性ショックを招来する可能性がある。]
- 6. 脱水症状のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心拍出量もさらに減少するため、心原性ショックを起こす可能性がある。]
- 7. 神経循環無力症のある患者[神経的要因により生じる病態であるため、効果は不定である。]
- 8. 閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 9. 本剤又は硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 10. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
副作用
相互作用
参考
- シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2171406D1021_1_13/2171406D1021_1_13?view=body