硝酸イソソルビド
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/08 13:04:40」(JST)
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硝酸イソソルビド(しょうさんイソソルビド)は狭心症の治療薬として用いられる硝酸エステル製剤である。一般名として、ヒドロキシ基の1つが硝酸エステルとなっている誘導体を含む製剤である一硝酸イソソルビドと2つとも硝酸エステル化されている二硝酸イソソルビドがあり、単に一般名で硝酸イソソルビドといった場合は後者(ビス硝酸エステル)を指す。
前者、後者ともに勃起不全治療薬のクエン酸シルデナフィル(商品名バイアグラ)、塩酸バルデナフィル(商品名レビトラ)との併用は、過度の血圧降下となることがあり禁忌である。
一硝酸イソソルビド
一硝酸イソソルビド
|
IUPAC命名法による物質名 |
8-nitrooxy-2,6-dioxabicyclo[3.3.0]octan-4-ol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
?
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
>95% |
血漿タンパク結合 |
<5% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
5時間 |
排泄 |
Renal: 93% |
識別 |
CAS番号 |
16051-77-7 |
ATCコード |
C01DA14 |
PubChem |
CID 27661 |
DrugBank |
APRD00528 |
KEGG |
D00630 |
化学的データ |
化学式 |
C6H9NO6 |
分子量 |
191.139 g/mol |
一硝酸イソソルビド(いちしょうさんイソソルビド、英: isosorbide mononitrate, ISMN)はイソソルビドのヒドロキシ基の1つが硝酸エステルとなっている誘導体。 代表的な製剤名(いわゆる先発医薬品)はアイトロール錠(トーアエイヨー製造販売・アステラス販売)である。その他各種の後発医薬品も利用でき、日本国内では次に示す商品名で販売されている。
- アイスラール錠、アイロクール錠、イソニトール錠、イソモニット錠、ソプレロール錠、タイシロール錠
肝初回通過効果 (first pass effect) による化学的修飾を受けにくく、生体内利用率が100%に近い。生体内利用率 (bioavailability)、薬物動態 (pharmacokinetics) に優れていることから、欧米市場ではマーケットシェアを伸ばしてきた。
重大な副作用は肝機能障害、黄疸などである。
二硝酸イソソルビド
二硝酸イソソルビド
|
IUPAC命名法による物質名 |
1,4:3,6-dianhydro-2,5-di-O-nitro-D-glucitol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
10–90%, average 25% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
1時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS番号 |
87-33-2 |
ATCコード |
C01DA08 D03AX08 |
PubChem |
CID 3780 |
DrugBank |
APRD00455 |
別名 |
(3R,3aS,6S,6aS)-hexahydrofuro[3,2-b]furan-3,6-diyl dinitrate |
化学的データ |
化学式 |
C6H8N2O8 |
分子量 |
236.136 g/mol |
SMILES
- [O-][N+](=O)O[C@H]1CO[C@@H]2[C@H](O[N+]([O-])=O)CO[C@H]12
|
二硝酸イソソルビド(にしょうさんイソソルビド、英: isosorbide dinitrate, ISDN)は、イソソルビドのヒドロキシ基が2つとも硝酸エステルとなっている誘導体。 代表的な製剤名(いわゆる先発医薬品)はニトロール錠・カプセル・注・スプレー(エーザイ販売)、フランドル錠・テープ(トーアエイヨー製造販売・アステラス販売)である。 各種の後発医薬品も利用でき、日本国内では次に示す商品名で販売されている。
- アパティアテープ、アンタップR、イソコロナールRカプセル、イソピット、L-オーネスゲン錠、カリアント錠、カリアントTPカプセル、コンスピット錠、サークレス注、サワドールL錠、サワドールテープS、ジアセラL錠、硝酸イソソルビド錠(ツルハラ) 、 硝酸イソソルビドテープ「EMEC」 、ニトラステープ、ニトロバイド錠、ニトロフィックス、ニトロール錠、ニトロールRカプセル、ニトロール注、ニトロールスプレー、フランドル、フランドルテープS、ヘルピニン-Rカプセル、リファタックL錠、リファタックテープS
経口剤としては初回通過効果を受けるため、徐放化や貼付剤として開発され、臨床の場で用いられている。
関連項目
- ニトログリセリン
- イソソルビド
- 製品情報 ニトロール錠5mg(エーザイ)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
リファタックテープ40mg
禁忌
- 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者〔血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 閉塞隅角緑内障の患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕
- 頭部外傷又は脳出血のある患者〔頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。〕
- 高度な貧血のある患者〔血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。〕
- 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者〔本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。〕(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患
- 本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
- 通常、成人に対し、1回1枚(硝酸イソソルビドとして40mg)を胸部、上腹部又は背部のいずれかに貼付する。貼付後24時間又は48時間ごとに貼りかえる。
なお、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 低血圧の患者〔血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。〕
- 原発性肺高血圧症の患者〔心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。〕
- 肥大型閉塞性心筋症の患者〔心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 肝障害のある患者〔高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量するなどして使用すること。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
薬効薬理
- 硝酸イソソルビドは、冠血管拡張による冠血流量増加作用(心筋酸素供給の増加)とともに、末梢容量血管拡張による心臓の充満圧低下(前負荷の軽減)作用、冠動脈トーヌス低下による狭窄部抵抗減少作用及び冠動脈スパズム解除作用等(心筋酸素需要の減少)を有し、心機能を改善する。本剤は、貼付後24時間以上にわたり持続的に安定した作用を有する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 硝酸イソソルビド(isosorbide dinitrate)
化学名
- 1,4:3,6‐dianhydro‐D‐glucitol dinitrate
分子式
分子量
性状
- 硝酸イソソルビドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。
N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- isosorbide dinitrate
- 同
- 二硝酸イソソルビド
- 商
- 硝酸イソソルビド、硝酸イソソルビドテープ、ニトラステープ、イソコロナールR、イソピットテープ、カリアントSR、ニトロールR、ニトロールスプレー、ニトロール、フランドルテープ、フランドル (2020/5/9)
- L-オーネスゲン、アパティア、アンタップ、イソコロナール、イソピット、カリアントSR、サークレス、サワドール、ジアセラL、ニトラス、ニトロール、フランドル、リファタック、一硝酸イソソルビド、硝酸イソソルビド
- 関
- 一硝酸イソソルビド、血管拡張剤。硝酸薬
分子式
薬効薬理
- 硝酸イソソルビドはニトログリセリン同様、構造中より一酸化窒素(NO)を放出し、細胞内cGMP量を増加させることで血管平滑筋を弛緩させる。その結果、心臓に対する前後負荷が軽減され、うっ血性心不全の血行動態が改善される。また、比較的太い冠動脈と共に側副血行路も拡張するため、冠血流量は増大する。静脈血管に選択性が高いが、血圧は下降する。効果発現はニトログリセリンより遅く、持続は長い。
適応
フランドルテープ
- 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患
- 狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
禁忌
フランドルテープ
- 血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。
- 血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。
- 5. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 6. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者
- 本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2171011G1123_1_04/2171011G1123_1_04?view=body
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2171700S1095_1_03/2171700S1095_1_03?view=body