- 関
- 胸骨、心肺蘇生
- 両側乳頭(第4肋間隙)を結ぶ線上で身体の正中線上(乳頭間線のすぐ下、胸骨の下半分)
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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心肺蘇生法(しんぱいそせいほう、cardiopulmonary resuscitation, CPR)は、呼吸が止まり、心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するために行う循環の補助方法である。心臓マッサージ[1]を主に行い、熟練者は呼吸の補助方法である人工呼吸も行う。
心肺蘇生法(以下CPRと略)は、特殊な器具や医薬品を用いずに行う一次救命処置(Basic Life Support, BLS)と、BLSのみでは心拍が再開しない場合に、救急車内や病院などで救急救命士や医師が気管挿入や高濃度酸素、薬剤投与も用いて行う二次救命処置(Advanced Life Support, ALS)の範囲がある。またBLSの範囲でも救急車内や病院などで行うCPRと、市民救助者が救急車が来るまでの間に行うCPRは異なる。訓練を受けていない市民救助者と訓練をうけている市民救助者でも一部異なる。ここでは市民救助者によるBLSの範囲のCPRについて解説する。
目次
- 1 CPRの意義
- 2 胸骨圧迫
- 3 日本における成人へのCPRの実施例
- 4 ガイドライン2015での変更点
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
CPRの意義
CPRとは脳への酸素供給維持である。脳自体には酸素を蓄える能力がなく、呼吸が止まってから4~6分で低酸素による不可逆的な状態に陥る。そのため一刻も早く脳に酸素を送る必要がある。
人間の脳は2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度であるが、4分では50%、5分では25%程度となる(カーラーの救命曲線参照)。したがって、救急隊到着までの数分間(5~6分)に、「現場に居合わせた人」(「バイスタンダー」「市民救助者」と呼ぶ)によるCPRが行われるかどうかが救命率に大きく関わる。
胸骨圧迫
胸骨圧迫(きょうこつあっぱく)とは、一般に心臓マッサージと云われるものである。
心肺蘇生法の中心を成す対処法で、心停止した人の胸の心臓のあたりを両手で圧迫して血液の循環を促す。 胸骨の下半分、胸の真ん中に手の付け根を置き両手を重ねて、圧迫する。肘を真っ直ぐ伸ばし、100〜120回/分の速さで継続出来る範囲で強く、圧迫を繰り返す。ガイドラインでは「胸が約5cm沈むように圧迫するが、6cmを超えないようにする」とあるが、その場で測れる訳ではないので、継続出来る範囲で「強く」で良い。押したらしっかりと胸を元に戻す。訓練を受けていない救助者はAED、または救急隊到着までハンズオンリーCPR[2]、つまり胸骨圧迫だけを続ける。
極力ほかの人を巻き込む。秒単位で12345と数えてもらう等でもよい。5秒の間に8回以上なら100回/分以上を満たしている(後述)。数えることに応じてもらえれば、胸骨圧迫を代わってもらえる可能性が高い。疲れてきたらまわりの人に1分間だけでも代わってもらう。「強く早く」を維持するためにも交代は必要である。胸骨圧迫を中断する時間を最小限にする。 心肺蘇生の国際ガイドライン(2010年改訂)では、心肺蘇生法の中で胸骨圧迫の迅速な開始と、中断の最小化がもっとも重要視されるようになった。
なお「心臓マッサージ」は外科医師が胸を切開し手で直接心臓を揉むという方法であって、胸骨圧迫は心臓マッサージではないという意見もあるが誤解である。胸を切開して行う心肺蘇生法は開胸心(臓)マッサージ、開胸CPRといい、二次救命処置(Advanced Life Support; ALS)に含まれるが、それに対して開胸せずに行う心臓マッサージを閉胸心マッサージということがある。その閉胸心マッサージの中で、医師や看護師、救急隊員以外の一般市民が救急車が来るまでの間に行う一次救命処置(Basic Life Support; BLS)として推奨されている心臓マッサージが、この胸骨圧迫である。
日本における成人へのCPRの実施例
以下に意識・呼吸ともに無い場合のCPRを行う手順の概略をJRC ガイドライン2015に沿って記す。 CPRは厳密にはAEDを含まないが、実際には不可分であるため、ここではAEDも含めたBLSの範囲で手順を説明する。各手順の詳細は一次救命処置(BLS)を参照されたい。
1. 安全を確認
- 二次災害を防ぐため、まず周囲の安全を確認する。
2. 意識の確認
- 意識の有無を確認する(両手で両肩を叩きながら、相手の耳元で「大丈夫ですか!?」と呼びかける。また、証明書類などから名前がわかっている場合には、「○○さん、大丈夫ですか!?」と呼びかけると、より効果的である。
3. 応援を呼ぶ
- 119番に通報。訓練を受けていない人は、その場で自分で携帯から119番通報をすれば、何を確認してどうすればよいかのアドバイスが得られる。そのアドバイスの中にAEDの手配、及び以下のCPRのやり方が含まれる。
極力まわりの人を巻き込む。例えばAEDを取りに行ってもらう、119番通報した際に電話を切らずに指示を仰ぐ(電話口で通信指令員に相談する)。
4. 呼吸の確認
- 見た範囲で規則的で正常な呼吸をしているか。呼吸していれば回復体位。判別不能、不自然な呼吸、または10秒以内に確認できなければ「呼吸無し」として扱う。不自然な呼吸、例えばしゃくりあげるようなゆっくりとした不規則な呼吸は「死戦期呼吸」といい、心停止(心室細動)直後数分の間に約半数の人に起きる。これを「呼吸有り」と安心してしまうと大切な救命のチャンスを逃してしまう。呼吸の確認に迷ったらすぐに胸骨圧迫をする。
5. 心臓マッサージ(胸骨圧迫)(Circulation, C)
- 前述。
6. 気道確保(A:Airway)
- 訓練を受けていない市民救助者は行わなくてよい。
- 訓練を受け、自信のある市民救助者の場合は、仰向けに寝かせた状態で片方の手で額を押さえ、もう片方の人差し指と中指で顎を上に持ち上げる(頭部後屈顎先挙上法)ことにより行う。口の中に異物があれば除去する。
7. 人工呼吸(B:Breathing)
- 訓練を受けていない市民救助者は行わなくてよい。
- 訓練を受け、自信のある市民救助者の場合は、鼻を押さえ胸部がふくらむよう息を約1秒吹き込む。この際、感染病防止の観点から専用のポケットマスク等を患者の口に取り付ける[4]。人工呼吸を行う間隔は胸骨圧迫30回毎に2回が目安。ただしこのための胸骨圧迫の中断は10秒以内とする。
8. AEDによる除細動(D:Defibrillation)
- AEDが到着したら使用する。体が濡れていれば拭き取る。それ以外の手順はAEDの音声ガイダンスに従えば良い。公共の場に配備されているAEDは一般の人でも使えるように操作を自動化しており、電気ショックが必要であるかどうかもAEDが心電図を解析し自動的に判断する。
なお、アメリカ心臓協会(AHA)のTVコマーシャル では、一般市民向けにもっと簡略化して「まず救急へ通報、次に胸の真ん中を強く早く押す」、だけを強調している。そして「早く」、つまり胸骨圧迫のテンポについては、ディスコ映画の「サタデー・ナイト・フィーバー」の名曲「ステイン・アライヴ」を推奨している。この曲のテンポは1分間に103回で、思い出しながら押すと約113回/分であったということから採用された。「強く」の程度については触れていない。とっさの場合には深さの検証など出来ないし、CPRの講習で4~5cm(旧ガイドライン)といっても初心者はおおむねそれより弱い。従って「強く」だけ意識してもらえれば良いということである。
ハンズオンリーCPR、すなわち胸骨圧迫だけでも良いとするのは、人工呼吸への抵抗感からCPRを躊躇する人が多いので、胸骨圧迫だけで良いならCPRの実施率が上がる点、さらに、目の前で倒れた人の場合は、倒れて10分以内の救急車が来るまでの時間なら、人工呼吸をためらい胸骨圧迫を中断するより、絶え間ない胸骨圧迫の方が救命率が高いか、変わらないことがあげられる。心臓マヒなどで目の前で倒れた人以外は、完璧なCPRを行っても救命率は低い。
ガイドライン2015での変更点
ポイントは胸骨圧迫を極力早く行うこととその中断を最小にすることである。またすべての救助者が訓練の有無に関わらずCPRを実施することが可能なように手順を分かりやすくしたことである。また119番側では連絡をしてきた者に胸骨圧迫のみのCPRを指導するべきであるとした[5]。手順の主な変更は次の通り。
- 胸骨圧迫の深さが「4~5cm程度」、「少なくとも5cm以上」を経て「5cm以上で6cmを超えない」に。(小児や乳児の場合は胸の厚みの1/3)
- 胸骨圧迫のテンポが「100回/分程度」、「少なくとも100回/分以上」を経て「100回~120回/分」に。
- 胸骨圧迫は『押したらしっかりと胸を元に戻す』が強調された。圧迫と圧迫との間で力を入れたり、もたれかかったりしない。止まってしまった心臓の代わりに血液を循環させるイメージを持ち、適切な圧迫と圧の解除する。
- 胸骨圧迫の中断が10秒を超えないようにすることが強調された。AEDの電極パッドを貼る際も胸骨圧迫を継続する事が望ましいので、心肺蘇生はなるべく複数人で助け合って行うように。
- 呼吸が異常と感じた場合は心停止状態とみなして、ためらわず胸骨圧迫するように改訂された。傷病者を発見したら正常な呼吸かどうか、意識があるかの確認をするが、この時不自然と感じたり、心停止かどうか迷った場合にはすぐにCPR(心肺蘇生法)を開始する。
- 脈の確認はガイドライン2005から不要。医療従事者でも正確ではなくかつ時間を要する。市民救助者には心理的抵抗感も大きい。
- 胸骨圧迫の位置は「胸の真ん中」。「両乳首の真ん中」より即座に判りやすく[6]、判断が容易であるので圧迫開始が早くなる。衣服の上からで良い。
- 人工呼吸の訓練を受けており、それを行う意思がある救助者は、全ての成人心停止傷病者に対して胸骨圧迫と人工呼吸を実施することを提案している。
脚注
- ^ 通常「心臓マッサージ」といわれるものは、正確には「胸骨圧迫」。
- ^ ハンズオンリーCPRに関するAHA勧告声明を参照
- ^ フェースシールドの紹介
- ^ AEDの中にはたいていは透明ビニールシートでできたフェイスシールドが入っている。ただしこれは直接口を付けることへの心理的抵抗を減らす目的のものであって、吐瀉物などをブロックする効果は無いか、または十分ではない。
- ^ JRC(日本蘇生協議会)には日本赤十字社や消防庁も加わっている。
- ^ 乳頭と乳頭を結んだ線上というのは信頼性に欠けるとする。「胸の真ん中」は誤差が少ない。
関連項目
- 一次救命処置
- バイスタンダー
- 国際ガイドライン
- 善きサマリア人の法(Good Samaritan law)
- 日本蘇生協議会(JRC)
外部リンク
メッセージビデオ
- アメリカ心臓協会メッセージビデオ・AHA Hands-Only CPR video(YouTube)
- 日本:PUSHプロジェク・メッセージビデオ
広報サイト
- 日本救急医学会・市民のための心肺蘇生
- 日本医師会・救急蘇生法
- 日本心臓財団・AEDを知っていますか
- AEDを用いた胸骨圧迫だけの心肺蘇生法 心臓病センター榊原病院外科部長兼救急部長 津島義正
- JRC蘇生ガイドライン2015 - 一般社団法人 日本蘇生協議会
その他、BLSのガイドライン等については一次救命処置の外部リンクを参照
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関連項目 |
日本の救助隊 - 赤十字社 - 国境なき医師団 - 世界の医療団 - 救世軍 - スター・オブ・ライフ - 九州新幹線 (鹿児島ルート)
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Japanese Journal
- 救急活動事例研究(第22回)胸骨圧迫は客観的評価を取り入れて訓練する必要がある
- 救急活動事例研究(第21回)消防職員は胸骨圧迫を4分間続けて交代するべきである
- CPR assist(日本光電社製)を用いた心カテ室における胸骨圧迫の評価
- 北海道臨床工学技士会会誌 = Journal of Hokkaido Society for Clinical Engineering Technology (28), 85-87, 2018-09-30
- NAID 40021748799
Related Links
- 胸骨圧迫(きょうこつあっぱく)とは、一般に心臓マッサージと云われるものである。 [編集] 概要. 心肺蘇生法の中心を成す対処法で、心停止した人の胸の心臓のあたりを両手で 圧迫して血液の循環を促すことである。 胸骨の下半分、胸の真ん中に手の付け根を ...
- 訓練をうけていない救助者はAED、または救急隊到着までハンズオンリーCPR、つまり 胸骨圧迫だけを続ける。 ... ハンズオンリーCPR、つまり胸骨圧迫だけでも良いとするの は、人工呼吸への抵抗感からCPRを躊躇する人が多いので、胸骨圧迫だけで良い ...
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- 61歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。
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- その後の経過:患者が検査に行くために診察室のドアを開けたところ、突然その場で倒れてしまった。駆け寄って患者の肩をたたいてみたが反応がないため、そばにいた看護師に応援を呼ぶことと隣の処置室の除細動器と救急カートとを持ってくることを依頼した。気道を確保し、呼吸と頸動脈の脈拍とを確認したが、呼吸はなく脈拍は触知できない。
- 次に行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111F030]←[国試_111]→[111G001]
[★]
- 75歳の男性。重症肺炎で入院中である。
- 現病歴: 2週前に肺炎と低酸素血症のため搬入された。救急室で気管挿管を施行され、集中治療室に入院となった。
- 既往歴: 53歳から糖尿病で内服加療中。 60歳から高血圧症で内服加療中。
- 生活歴:長男夫婦と同居。妻が5年前に脳梗塞のため死亡。
- 家族歴 :父親が糖尿病。
- 入院後、人工呼吸器管理が長期にわたったため、本日気管切開術を行い、引き続き人工呼吸器管理を行った。 1時間後にアラームが鳴ったため駆けつけると、人工呼吸器のモニターで気道内圧が上昇しており、患者の頸静脈は怒張していた。
- 直ちに気管内を吸引したところ、少量の白色痰が認められた。 10分後、血圧が78/42 mmHgに低下した。左前胸部で呼吸音を聴取しない。
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[正答]
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[★]
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- 現病歴:山菜採りに行き、右前腕を虫に刺され痛みを感じたが、そのままにして昼食をとった。食後、約30分してから両眼瞼が開きにくくなり、息苦しさを自覚するようになったため、友人に連れられて来院した。
- 既往歴:5歳で気管支喘息。
- 生活歴:山菜採りが趣味で、虫に刺されることが多い。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識レベルはJCSII-10。体温37.5℃。脈拍100/分、整。血圧80/50mmHg。呼吸数20/分。SpO2 85%(room air)。呼びかけると息苦しさを訴えせき込む。心音に異常を認めない。頸部と胸部とにwheezesを聴取する。頸静脈の怒張を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹に膨疹を多数認める。顔面の写真(別冊No.9)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E060]←[国試_107]→[107E062]
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- 72歳の男性。2日前に急性心筋梗塞のため入院し、緊急の経皮的冠動脈インターベンションを受けた。術後の経過は良好であり、今朝は食事を全量摂取した。午前中に冠動脈疾患集中治療室(CCU)から一般病棟に移る予定であった。主治医の回診時、脈拍92/分、整、血圧128/72mmHg、SpO2 98%(room air)であった。主治医と会話中に患者が突然胸部不快感を訴え、その直後に意識を消失した。呼びかけに反応がなく、頸動脈の拍動を触知しない。この時のモニター心電図(別冊No.27)を別に示す。
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[正答]
※国試ナビ4※ [107I075]←[国試_107]→[107I077]
[★]
- 64歳の男性。心停止のため救急車で搬入された。職場で突然倒れたため、同僚が救急車を要請した。救急隊到着時に隊員により心停止が確認され、心肺蘇生が開始された。現場で救急隊員によりAEDを用いて電気ショックが実施された。胸骨圧迫ならびにバッグバルブマスクを用いた人工呼吸、さらに2分おきに電気ショックを実施しながら、病院に到着した。搬入時、救急隊のストレッチャーから処置台に移動し、胸骨圧迫を継続した。
- 次に優先して行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F056]←[国試_113]→[113F058]
[★]
- 人が倒れているとの通報で救急隊が出動した。救急隊の報告では、患者は60歳代の男性で、目立った外傷はなく、救急隊の到着時には既に心肺停止状態であった。救急救命士がバッグバルブマスクによる換気と胸骨圧迫とを行いながら搬入した。救急外来で気管挿管を行った。腹部が膨満していたため胃管を挿入したが、末梢静脈路を確保できなかった。心電図上心静止状態のため、アドレナリン投与が必要と考えられた。
- アドレナリン投与の経路として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104C019]←[国試_104]→[104C021]
[★]
- 出生直後の新生児。妊娠36週までの妊婦健康診査では児の発育は順調であったが、妊娠37週2日に母親に下腹部痛と性器出血が出現し、胎児心拍数陣痛図で遅発一過性徐脈を繰り返し認めたため緊急帝王切開で出生した。心拍数60/分。出生時から自発呼吸がなく、全身にチアノーゼを認める。刺激をしても反応がなく、全身がだらりとしている。娩出後30秒の時点で自発呼吸を認めない。外表奇形を認めない。
- この時点で開始する処置として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D037]←[国試_112]→[112D039]
[★]
- 56歳の男性。30分前からの胸部圧迫感を主訴に来院した。モニター心電図とパルスオキシメーターを装着し仰臥位で診療を始めた直後に意識を消失し、いびきをかきはじめ不規則な呼吸となった。頚動脈拍動は触知せず、心電図上の心拍数は36/分である。パルスオキシメーターはエラーを表示している。
- 処置としてまず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104F020]←[国試_104]→[104F022]
[★]
- 70歳の男性。意識障害のため搬入された。冬の寒い日に長時間の停電があり、自宅で発見された時には意識はなく暖房は消えて室内は冷えきっていたという。救急搬送時から救急車内の暖房や保温シートなど表面加温が開始された。搬入時、意識レベルはJCSⅢ-300。腋窩温32.0℃。脈拍60/分、整。血圧92/52mmHg。呼吸数10/分。SpO2 88%(リザーバー付マスク10l/分酸素投与下)。全身の皮膚は冷たく、発汗はない。
- まず行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I074]←[国試_107]→[107I076]
[★]
- 4か月の乳児。RSウイルス感染症による呼吸障害のため入院している。呼吸・心拍モニターのアラームが鳴ったため研修医、指導医および看護師で患児を診察に行ったところ全身にチアノーゼを認めた。気道確保をして呼吸を確認したが、自発呼吸を認めない。心電図モニターでは心静止である。末梢静脈路は確保されており、心肺蘇生の備品は病室に準備されている。
- 直ちに行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113B032]←[国試_113]→[113B034]
[★]
- 日齢0の新生児。在胎39週5日、経腟分娩で出生した。啼泣が弱く、保温および口腔内の羊水の吸引と皮膚への刺激を行った。出生後30秒の時点で自発呼吸を認めず、心拍数 110/分であった。
- まず行うべき対応はどれか。
- a 気管挿管
- b 胸骨圧迫
- c 生理食塩液の静脈内投与
- d アドレナリンの静脈内投与
- e バッグバルブマスクによる人工呼吸
[正答]
※国試ナビ4※ [114E026]←[国試_114]→[114E028]
[★]
- 日本蘇生協議会ガイドライン 2010に基づいて、自動体外式除細動器〈AED〉によるショック実施後に直ちに行うべきことはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108F007]←[国試_108]→[108F009]
[★]
- a 胸骨圧迫の深さは胸の厚さの約1/2である。
- b 胸骨圧迫は60~80回/分の速さで行う。
- c 死戦期呼吸を認めたら蘇生行為を開始する。
- d 2人の救助者で行う場合の胸骨圧迫と人工呼吸の比は30:2である。
- e 脈拍の触知は大腿動脈で行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C002]←[国試_114]→[114C004]
[★]
- 外来待合室で心肺停止となった成人に対して、研修医2人が胸骨圧迫とバッグバルブマスク人工呼吸により効果的な心肺蘇生法を行っている。2分間の人工呼吸の回数に最も近いのはどれか。
- a 10回
- b 20回
- c 30回
- d 40回
- e 50回
[正答]
※国試ナビ4※ [107C012]←[国試_107]→[107C014]
[★]
- 英
- basic life support BLS
- 関
- ALS
手順
- 2-1. あれば経過観察
- 2-2. 呼吸がないが、脈拍はあるか?
- 2-2-1. あれば人工呼吸
- 2-2-2. なければ3. CPR
- 3. 呼吸がなければ、心肺蘇生(胸骨圧迫+人工呼吸)を行う ・・・ 1人の場合は胸骨圧迫:人工呼吸=30:2 2人の場合は胸骨圧迫:人工呼吸=15:2
乳児の脈触知について
- 頚部の皮下組織が厚く、頚が短いことから総頚動脈を触知しづらい。このため、上腕動脈で脈を触知するようにする。
[★]
- 英
- sternum
発生学
臨床関連
- 胸骨下部で拍動性の膨隆を触れた場合は大動脈瘤、あるいは右心不全に伴う肝拍動などを考慮。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- compression、compress、squeeze
- 関
- 圧縮、圧迫症、加圧、湿布、圧搾
- 同
- compression