ニコランジル
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/06/26 20:44:59」(JST)
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シグマートとは中外製薬株式会社より発売されている冠血管拡張薬の商品名であり、狭心症、心筋梗塞、その他虚血性心疾患に用いられる。
一般名ニコランジル (Nicorandil) を含む製剤である。
関連項目
外部リンク
- 中外製薬株式会社
- 医薬品医療機器情報提供ホームページ
- 薬のしおり by くすりの適正使用協議会
- 薬物療法センター新薬ホームページ by くすりの適正使用協議会
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 循環器治療 この薬をつかう理由(16)ハイブリで開け シグマート
Related Links
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- 中外製薬株式会社のシグマート錠5mg(循環器官用剤)、一般名ニコランジル( Nicorandil) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
シグマート錠2.5mg
組成
販売名
成分(1錠中):有効成分・含有量
成分(1錠中):添加物
- カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、D-マンニトール
効能または効果
- ニコランジルとして、通常、成人1日量15mgを3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 重篤な肝障害のある患者[本剤投与中に肝機能検査値異常があらわれることがある。]
- 緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
肝機能障害、黄疸
頻度不明
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少
頻度不明
- 血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍
頻度不明
- 口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
冠血管拡張作用
- イヌ・ランゲンドルフ標本において正常灌流圧時には比較的細い冠動脈を拡張するが、低灌流圧による虚血時にはむしろ太い冠動脈血管を拡張した。また、無麻酔犬に静注すると血流量に依存しないで、太い冠動脈を用量依存的に拡張させた6,7)。
冠血流量に対する作用
- ニコランジルを、麻酔開胸犬に静注あるいは十二指腸内投与すると冠血流量の増加とその持続が用量依存的に認められた。同様の成績は覚醒犬、イヌ心肺標本、イヌ・ランゲンドルフ標本においても得られた7‐11)。
- 左冠動脈狭窄及び左室収縮異常がない狭心症患者6例にシグマート錠をニコランジルとして5mg単回投与し、心拍数120/分まで増加の右心房ペーシング実施及び非実施下において冠静脈洞血流量を測定(持続熱希釈法)したところ、冠血流量はいずれの心拍数下でも有意な増加(118?120%)を示した12)。
冠血管攣縮緩解作用
- ニコランジルは、イヌ冠動脈の部分狭窄による周期的な冠血流量の減少及び心電図のST上昇を抑制し、さらにミニブタの冠動脈内にメサコリンあるいはノルアドレナリンを投与して生じる冠血管の攣縮を抑制した13,14)。
心・血行動態に対する作用
- ニコランジルを麻酔開胸犬に静注すると、用量依存的に血圧を低下させるが、その程度は軽微であり、冠血管抵抗を有意に低下させる用量において、心拍数、心筋収縮力、心筋酸素消費量、房室伝導時間に影響を及ぼさなかった8,9,15)。
- 左冠動脈狭窄及び左室収縮異常がない狭心症患者6例にシグマート錠をニコランジルとして5mg単回投与したところ、大動脈圧、Pressure Rate Productは有意な変化を示さなかった12)。
作用機序
- 冠血管拡張作用では、亜硝酸薬と同様に冠血管平滑筋のグアニル酸サイクラーゼ活性化によるcyclic‐GMP産生量の増大が考えられている(in vitro)。これに加えて、冠血流増加作用及び冠血管攣縮抑制作用では膜部位の過分極などが検討されている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- N‐[2‐(Nitrooxy)ethyl]pyridine‐3‐carboxamide
分子式
分子量
性 状
- 白色の結晶である。
メタノール、エタノール(99.5)、酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- nicorandil
- 商
- シグマート、 シルビノール、ニコランジス、ニコランタ、ニコランマート
- 関
- 抗狭心症薬
構造
作用機序
- ATP感受性Kチャネルを開き、K+が細胞膜外に流出し過分極、そしてCaチャネルが閉じて(収縮できなくなる)弛緩する。
- ニコランジルの摘出血管弛緩作用がATP感受性Kチャネル阻害剤あるいはグアニル酸シクラーゼ阻害剤で抑制されること28)、イヌ急性心不全モデルにおけるニコランジルの大動脈血流量増加作用などの心血行動態改善作用がATP感受性Kチャネル阻害剤で抑制されること29)、及びニコランジルが摘出血管のcGMP含量を増加させること30)から、本薬の血管拡張作用にはATP感受性Kチャネル開口作用とcGMP産生増加作用が関与する。 (シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg)
薬理作用
-
- 心収縮力↓→酸素の消費量↓
- 血管弛緩→末梢血管抵抗↓→心の前後負荷↓ (特に硝酸薬は静脈を弛緩させるので前負荷を軽減させる)
- 血管弛緩→スパズムを抑制する
動態
適応
- シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
- 不安定狭心症
- 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
注意
禁忌
- シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
- 1. 重篤な肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄機能が障害されるため、本剤は高い血中濃度で推移する可能性がある。]
- 2. 重篤な脳機能障害のある患者[本剤により過度の血圧低下が生じた場合、脳機能障害に悪影響を及ぼす可能性がある。]
- 3. 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[本剤により血圧低下が生じ、これらの症状を悪化させる可能性がある。]
- 4. Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、血圧低下、心拍出量減少が強くあらわれる可能性がある。]
- 5. 右室梗塞のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心原性ショックを招来する可能性がある。]
- 6. 脱水症状のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心拍出量もさらに減少するため、心原性ショックを起こす可能性がある。]
- 7. 神経循環無力症のある患者[神経的要因により生じる病態であるため、効果は不定である。]
- 8. 閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 9. 本剤又は硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 10. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
副作用
相互作用
参考
- シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2171406D1021_1_13/2171406D1021_1_13?view=body