- 英
- Bernard-Soulier syndrome, BSS
- 同
- Bernard-Soulier症候群
- 関
- 血小板、出血性疾患
概念
- 血液検査結果はGlanzmann's thrombastheniaに似る → 出血性疾患
病因
- これらは血小板上で複合体を形成し、コラーゲンに結合したフォンウイルブランド因子と結合する。これらが失われることで(特に流れの速い血管部位で)血小板の凝集が起こらなくなる。これにより出血時間が延長する。
疫学
病変形成&病理
症状
- 出血傾向は生後より出現
- 皮膚・粘膜下出血、鼻出血、歯肉出血、性器出血、血尿、消化管出血
検査
- 末梢血血小板:巨大血小板の出現(直径15-20μm)
- 出血時間:延長
- 骨髄巨核球数:正常。
- 血小板数:正常ないし減少。
- 血小板機能検査
- リストセチン凝集、トロンビン凝集:欠如or低下
- ADP凝集:正常
- コラーゲン凝集:正常
診断
治療
- 特異的な治療法はなし。
- 新鮮血小板輸血が最も確実な止血法。
予後
予防
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/09 09:40:10」(JST)
[Wiki ja表示]
Bernard-Soulier 症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
D69.1 |
ICD-9 |
287.1 |
OMIM |
231200 |
DiseasesDB |
1356 |
eMedicine |
ped/230 |
MeSH |
D001606 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
ベルナール・スリエ症候群(ベルナール・ソリエ・しょうこうぐん、英:Bernard–Soulier syndrome )とは、常染色体劣性遺伝の先天性止血異常症である[1]。von Willebrand因子受容体である血小板表面のGPIb/IX 複合体の先天性欠損がその本質である。
目次
- 1 発症機序
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 治療
- 5 名称の由来
- 6 参照・引用
発症機序
GPIb/IX 欠損はvon Willebrand 因子(von Willebrand factor; vWF)による血小板機能欠損・一次止血機能の欠損を意味する[2]。またシグナル伝達もなされないため、血小板の成熟障害もきたすため、巨大血小板性血小板減少症もみられる。
疫学
100万人に一人程度の発症頻度であり、稀な疾患である。GPIbα/GPIbβ、GPIX のいずれかの遺伝子の異常がホモ接合した場合にのみ発症するので、ヘテロ保因者はそれ以上存在する。ヘテロ保因者は通常の検査異常も、症状もみられない。
他の先天性巨大血小板症と比べると最も頻度が高い。
症状
重篤な出血傾向を来す。
治療
抜本的な治療はなく、出血のコントロールが必要であれば、血小板輸血を行なう(他者の正常受容体をもつ血小板を補う)。
名称の由来
この疾患群を報告したフランス人医師のジャン・ベルナール と ジャン・ピエール・スリエに由来する。[3][4]
参照・引用
- ^ 國島ほか, 日本血栓止血学会誌 16: 179-186, 2005
- ^ 國島 伸治, 日本内科学会雑誌 98: 1593-1598, 2009
- ^ synd/2075 - Who Named It?
- ^ Bernard J, Soulier JP (December 1948). “[Sur une nouvelle variété de dystrophie thrombocytaire hémorragipare congénitale]” (French). Semaine des hôpitaux de Paris 24 (Spec. No.): 3217–23. PMID 18116504.
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 中塚 厚史,小嶋 由子,成川 純之助,栗田 浩,倉科 憲治
- 有病者歯科医療 = Journal of Japanese Society of Dentistry for Medically Compromised Patient 11(3), 173-177, 2002-12-31
- NAID 10012587344
Related Links
- ... 異常症であり、かつてベルナール及びスリエによって記録されたものであり、そこからベルナールスリエ症候群(べるなーるすりえしょうこうぐん)と呼ばれるようになりました。出血が長引くことと巨大血小板を随伴させた ...
- ベルナール・スリエ症候群(ベルナール・ソリエ・しょうこうぐん、英:Bernard–Soulier syndrome )とは、常染色体劣性遺伝の先天性止血異常症である [1]。von Willebrand因子 受容体である血小板表面のGPIb/IX 複合体の先天性欠損がその ...
- ベルナール・スリエ症候群(ベルナール・ソリエ・しょうこうぐん、英:Bernard–Soulier syndrome )とは、常染色体劣性遺伝の先天性止血異常症である [1]。von Willebrand因子 受容体である血小板表面のGPIb/IX 複合体の先天性欠損がその ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- platelet (Z), blood platelet (Z), PLT
- 同
- 栓球 thrombocyte
- 関
- 血小板血栓。血小板数 platelet count PLC
- GOO. 1468(血小板凝集 platelet aggregation)
- 半減期:1週間(異常値の出るメカニズム第2版)。4日 (SP.505)。
- 寿命:10日
- 体積:5-10 fl
- 直径:2-5μm。
- 無核。
基準値
- 15万 - 40万 /μl (2007前期解剖学授業プリント, SP.505)
- 15万 - 35万 /μl (2007前期生理学授業プリント, PT.233)
新生児
- 出典不明
産生組織
- トロンボポエチンにより巨核球の細胞質がちぎれて血流に放出される (SP.505)
貯蔵組織
組織学
- P-セレクチンを膜上に持つ
- フィブリノーゲン、フィブロネクチン、第V因子、第VIII因子、platelet factor 4、PDGF、TGF-α (BPT.89)
- ADP、ATP、Ca2+、ヒスタミン、セロトニン、エピネフリン (BPT.89)
機能 (SAN.236-237)
1.一次止血
- TXA2,セロトニンは血管収縮作用
- ADP, TXA2,セロトニンは血小板凝集
- 血小板のGpIIb/GpIIIa複合体がフィブリノゲンと結合し編み目を形成
2.血液凝固の促進
3.毛細血管機能の維持
- 毛細血管内皮細胞に融合し血管内皮を補強している → 血小板減少により点状出血を来すことになる。
膜タンパク
血小板減少による症状
- 5-10万 :症状なし-やや止血しにくい程度
- 2-3万 :下肢に点状出血 (→皮下出血)
- 1万以下 :粘膜出血→臓器出血の危険あり
検査
- 抗凝固剤としてEDTAを用いた場合、EDTA依存性偽血小板減少をきたすことがある。
臨床関連
数の異常
機能の異常
[★]
- 英
- von Willebrand factor (BPT), vWF, VWF
- 同
- フォンビルブラント因子、フォンウィルブランド因子、von Willebrand因子、vW因子?
- 関
- 血液凝固因子
概念
構造
- ジスルフィド結合によりマルチマーを形成しており、分子量は500~20,000kDa以上に分布している。
産生組織
存在部位
- 血漿中にあり循環。血漿、血小板、α顆粒、内皮下組織などに存在(SAN.236)
半減期
機能
- 血管内皮細胞が脱落しその下の細胞外マトリクスが露出されると、血漿中のフォンウィルブランド因子が細胞マトリックスに結合し、これを足場に血小板のGpIb/GpIX複合体を介して血小板が結合する
臨床関連
vWFのレセプター異常
[★]
- 英
- platelet adhesiveness, platelet adhesion
- 関
- 血小板粘着性、血小板粘着、血小板粘着能検査
[★]
- 同
- GPIX
- 関
- GpIb, GpIX, GpV
臨床関連
[★]
- 同
- GPIb
- 関
- GpIb, GpIX, GpV
臨床関連
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
人名
生理的な音の感受性を考慮した音の強さの単位
- 英
- bel
- 関
- デシベル
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- (人名)Bernard, Claude, (薬品名)ベラプロスト
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候