ベルナール・スリエ症候群
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Bernard-Soulier 症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
D69.1 |
ICD-9 |
287.1 |
OMIM |
231200 |
DiseasesDB |
1356 |
eMedicine |
ped/230 |
MeSH |
D001606 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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ベルナール・スリエ症候群(ベルナール・ソリエ・しょうこうぐん、英:Bernard–Soulier syndrome )とは、常染色体劣性遺伝の先天性止血異常症である[1]。von Willebrand因子受容体である血小板表面のGPIb/IX 複合体の先天性欠損がその本質である。
目次
- 1 発症機序
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 治療
- 5 名称の由来
- 6 参照・引用
|
発症機序 [編集]
GPIb/IX 欠損はvon Willebrand 因子(von Willebrand factor; vWF)による血小板機能欠損・一次止血機能の欠損を意味する[2]。またシグナル伝達もなされないため、血小板の成熟障害もきたすため、巨大血小板性血小板減少症もみられる。
疫学 [編集]
100万人に一人程度の発症頻度であり、稀な疾患である。GPIbα/GPIbβ、GPIX のいずれかの遺伝子の異常がホモ接合した場合にのみ発症するので、ヘテロ保因者はそれ以上存在する。ヘテロ保因者は通常の検査異常も、症状もみられない。
他の先天性巨大血小板症と比べると最も頻度が高い。
症状 [編集]
重篤な出血傾向を来す。
治療 [編集]
抜本的な治療はなく、出血のコントロールが必要であれば、血小板輸血を行なう(他者の正常受容体をもつ血小板を補う)。
名称の由来 [編集]
この疾患群を報告したフランス人医師のジャン・ベルナール と ジャン・ピエール・スリエに由来する。[3][4]
参照・引用 [編集]
- ^ 國島ほか, 日本血栓止血学会誌 16: 179-186, 2005
- ^ 國島 伸治, 日本内科学会雑誌 98: 1593-1598, 2009
- ^ synd/2075 - Who Named It?
- ^ Bernard J, Soulier JP (December 1948). “[Sur une nouvelle variété de dystrophie thrombocytaire hémorragipare congénitale]” (French). Semaine des hôpitaux de Paris 24 (Spec. No.): 3217–23. PMID 18116504.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 中塚 厚史,小嶋 由子,成川 純之助,栗田 浩,倉科 憲治
- 有病者歯科医療 = Journal of Japanese Society of Dentistry for Medically Compromised Patient 11(3), 173-177, 2002-12-31
- NAID 10012587344
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★リンクテーブル★
[★]
- 一次止血異常
- 血小板減少
- 産生機構の異常
- 巨核球低形成
- 先天性
- ファンコーニ貧血
- 先天性造血障害
- メイ・ヘグリン異常
- 後天性
- 再生不良性貧血
- 無巨核芽球性血小板減少症
- 急性白血病
- 骨髄癌腫症
- 放射線障害
- 抗癌薬投与
- 無効造血
- 巨赤芽球性貧血
- 骨髄異形成症候群
- 血小板寿命の短縮(後天性)
- 免疫学的機序
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 膠原病の合併症
- 薬剤アレルギー
- 血栓性血小板減少性紫斑病
- その他
- 人工弁
- 人工血管
- 分布異常
- 脾腫(後天性)
- 希釈
- 大量赤血球輸血
- 血小板機能異常
- 先天性
- 血小板無力症
- ベルナール・スーリエ症候群
- 放出異常
- その他
- フォンウィルブランド病
- 二次止血異常
- 血液凝固異常
- 凝固因子産生の異常
- 先天性
- 血友病
- その他の先天性凝固因子異常症
- 凝固因子消費の亢進(後天性)
- 播種性血管内凝固(DIC)
- 後天性凝固因子インヒビター
- 後天性血友病
- フォンウィルブランド病
- 線溶の亢進
- 先天性
- α2プラスミンインヒビター欠乏症
- プラスミノゲンアクティベーターインヒビター欠乏症
- 後天性
- 一次線溶亢進
- 急性骨髄球性白血病によるDIC
- 動脈瘤によるDIC
- 血管の異常
- 先天性
- 遺伝性出血性毛細血管拡張症:オスラー・ウェバー・ランデュ病
- エーラス・ダンロス症候群 Ehlers-Danlos syndrome, EDS
- 後天性
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
[★]
ベルナール・スーリエ症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
人名
生理的な音の感受性を考慮した音の強さの単位
- 英
- bel
- 関
- デシベル
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- (人名)Bernard, Claude, (薬品名)ベラプロスト
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候