- 英
- Stevens-Johnson syndrome, SJS
- 同
- スティーヴンス-ジョンソン症候群 Stevens-Johnson症候群 スティーヴンス・ジョンソン症候群 スチーブンス・ジョンソン症候群、皮膚粘膜眼症候群、粘膜・皮膚・眼症候群
- 関
- 多形滲出性紅斑(多形紅斑)、中毒性表皮壊死症(TEN)
概念
- 多形紅斑 + 粘膜(口腔粘膜、外陰部、鼻粘膜、肛門周囲)・眼(眼球、眼瞼結膜)の病変(びらん、水疱、出血性水疱) + 全身症状(発熱、全身倦怠、関節痛、筋痛、胸痛、胃腸障害)
- 中毒性表皮壊死症(TEN)に進展しうる。
スティーブンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症
- スティーブンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症は独立した概念か、あるいは重症度の違いによる区分かについては統一見解がない、と思う。(文献ではぼかして書いてあるためにいまいちわかりにくい)
- 資料1では重症度の違いによるという立場に基づき以下のように定義している。
- スティーブンス・ジョンソン症候群:体表面積の10%以下の表皮が剥脱する。90%以上の患者で2箇所以上の粘膜(眼、口腔、会陰)に病変を有する。
- 中毒性表皮壊死症:体表面積の30%以上の表皮が剥脱する。粘膜は全例で冒される。
- SJS/TEN overlap syndrome:体表面積の10~30%の表皮が剥脱する。
症状
[show details]
[show details]
- 皮疹:四肢伸側~顔面~体幹。浮腫が強い多形紅斑。水疱や出血を伴う。
- 粘膜症状:(口腔粘膜、外陰部、鼻粘膜、肛門周囲):びらん、水疱、出血性水疱
- 眼症状:(眼球、眼瞼結膜):びらん、水疱、出血性水疱
- 全身症状:発熱、全身倦怠、関節痛、筋痛、胸痛、胃腸障害
- 重症:上気道粘膜・消化管粘膜
検査
- 参考2(中毒性表皮壊死症の場合)
- 貧血所見(赤血球・Hb減少?)
- リンパ球:減少
- 好酸球:正常。増多はまれ
- 好中球:減少(1/3の患者で見られ、予後不良と関連がある)
- 血清アミノトランスフェラーぜ:(値は2-3倍を示す。1/2の患者で見られる。肝炎は10%の患者で見られる)
原因
- 感染症:ウイルス、マイコプラズマ、溶血性レンサ球菌などの細菌、真菌などの感染
参考
- 1. [charged] スティーブンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死融解症:管理、予後、および長期の後遺症 - uptodate [1]
- 2. [charged] スティーブンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死融解症:臨床症状、病因;および診断 - uptodate [2]
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/09 12:09:42」(JST)
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スティーブンス・ジョンソン症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
L51.1 |
ICD-9 |
695.13 |
OMIM |
608579 |
DiseasesDB |
4450 |
MedlinePlus |
000851 |
eMedicine |
emerg/555 derm/405 |
MeSH |
D013262 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
多形性紅斑大(Erythema multiforme major)(スティーブンス・ジョンソン症候群患者)
多形性紅斑大(Erythema multiforme major)(スティーブンス・ジョンソン症候群)
スティーブンス・ジョンソン症候群(スティーブンス・ジョンソンしょうこうぐん、Stevens-Johnson syndrome、SJS)は皮膚や粘膜の過敏症であり、多型紅斑との鑑別を要する。皮膚粘膜眼症候群(ひふねんまくがんしょうこうぐん)ともいう。死亡例もある。
アメリカの2人の小児科医師、アルバート・メイソン・スティーブンスとフランク・チャンブリス・ジョンソンが存在を確認、1922年にAmerican Journal of Diseases of Childrenに共同で発表した論文により知られるようになった。症例名は二人の名にちなむ。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 脚注
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
原因
原因はウイルスの感染、抗癲癇薬やアロプリノールなどの一部の薬剤の副作用、トリクロロエチレンなどの化学物質、悪性腫瘍、または原因不明な場合がある。
副作用の場合はペニシリン系・セフェム系の抗生物質セフジニルやゾニサミド、カルバマゼピン、フェノバルビタールといった抗てんかん薬または非ステロイド性抗炎症薬、その他原因となる薬物は1100種類以上あるという。
症状
初期症状は発熱、咽頭痛などで、風邪に似る。進行すると紅斑、水疱、びらんが皮膚や粘膜の大部分の部位に広く現われることに加え、高熱や悪心を伴う。また、皮膚や粘膜だけではなく目にも症状が現れ、失明することもあり、治癒後も目に後遺症が残りうる。
症状・症候のみではSJSとEM Majorとの鑑別は難しいが、皮膚生検すると、表皮細胞が壊死・融解しており、多形紅斑との鑑別が可能である[1]。経過中にヒトへルペスウイルス6(HHV-6)やサイトメガロウイルスが再活性化する。致死率は患部が体表の10%未満の場合なら5%。
脚注
- ^ 第18回日本薬剤疫学会学術総会 教育公演 重症薬疹(SJS/TEN/DIHS)の現状と問題点 Dr.飯島正文
関連項目
- 中毒性表皮壊死症
- 薬剤性過敏症症候群
- 川畠成道 - 風邪薬の副作用でスティーブンス・ジョンソン症候群を発症し視覚障害を負ったバイオリニスト
外部リンク
- SJS患者会
- スティーブンス・ジョンソン症候群中毒性表皮壊死症 - 推定原因医薬品、予防と対策
- 重症多形滲出性紅斑 難病情報センター
- スティーブンス・ジョンソン症候群 十文字学園女子大学
- 身近な薬の落とし穴 警告!「市販薬」の意外な副作用 NHKテレビ「クローズアップ現代」第3275回 2012年11月19日放送分
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 重篤副作用発現の遺伝子マーカー (特集 個別化薬物療法 : 始まっている臨床応用)
- スティーブンス・ジョンソン症候群患者の苦痛緩和を目的とした看護介入の検証
- 中途失明した女性が女性性の主体となることの可能性と困難 : スティーブンス・ジョンソン症候群患者へのインタビュー調査から
- P1-515 スティーブンス・ジョンソン症候群から進展した中毒性表皮壊死症における眼病変にシクロスポリン点眼液を併用した1例(一般演題 ポスター発表,薬物療法(その他),医療薬学の創る未来 科学と臨床の融合)
- 八木 貴彦,本田 悦子,森 英樹,井上 勝,加藤 睦子,四宮 一昭,千堂 年昭,家守 元男,北村 佳久
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 19, 378, 2009-09-15
- NAID 110007485151
Related Links
- スティーブンス・ジョンソン症候群( - しょうこうぐん、Stevens-Johnson syndrome、SJS )は皮膚や粘膜の過敏症である多型紅斑の一種。皮膚粘膜眼症候群(ひふねんまくがん しょうこうぐん)ともいう。生命に危険が及ぶ。スティーブンスとジョンソンによって発表 ...
- 様々な医薬品の副作用により、患者に皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン 症候群[SJS])などの重い皮膚障害が出た症例の報告が ... スティーブンス・ジョンソン 症候群は、まず発熱や赤い斑点が現れ、重症化すると全身に水ぶくれやただれができる 。
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、28~29の問いに答えよ。
- 28歳の女性。全身の皮疹と発熱のため搬入された。
- 現病歴 : 4日前から頭痛と咽頭痛とがあり、感冒薬を内服した。3日前から発熱が持続し、眼球結膜の充血、口腔内びらん、顔面、体幹および四肢の皮疹が出現した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現 症 : 意識は清明。身長158cm、体重49kg。体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧104 /72mmHg。全身に紅色皮疹を認める。顔面の写真と大腿部の写真とを以下に示す。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球380万、Hb 10.8 g/dl、Ht 32%、白血球 9,400、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.8 g/dl、尿素窒素 5.5 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、AST 104 IU/l、ALT 283 IU/l、LD 487 IU/l(基準176~353)、Na 129 mEq/l、K 3.8 mEq/l、Cl 94 mEq/l。CRP 15.8mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C028]←[国試_103]→[103C030]
[★]
- 次の文を読み、28~29の問いに答えよ。
- 28歳の女性。全身の皮疹と発熱のため搬入された。
- 現病歴 : 4日前から頭痛と咽頭痛とがあり、感冒薬を内服した。3日前から発熱が持続し、眼球結膜の充血、口腔内びらん、顔面、体幹および四肢の皮疹が出現した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現 症 : 意識は清明。身長158cm、体重49kg。体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧104 /72mmHg。全身に紅色皮疹を認める。顔面の写真と大腿部の写真とを以下に示す。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球380万、Hb 10.8 g/dl、Ht 32%、白血球 9,400、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.8 g/dl、尿素窒素 5.5 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、AST 104 IU/l、ALT 283 IU/l、LD 487 IU/l(基準176~353)、Na 129 mEq/l、K 3.8 mEq/l、Cl 94 mEq/l。CRP 15.8mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C027]←[国試_103]→[103C029]
[★]
- 英
- acyclovir, ACV
- 同
- アシクログアノシン acycloguanosine
- 商
- アイラックス、アクチオス、アクチダス、アシクリル、アシクロビン、アシビル、アシロミン、アストリック、エアーナース、グロスパール、クロベート、ゾビクロビル、ゾビラックス、ナタジール、ビクロックス、ビゾクロス、ビルヘキサル、ビルレクス、ファルラックス、ベルクスロン
- 関
- 抗ウイルス薬、ウイルス
- グアノシンの誘導体で、糖の2'と3'を欠き、非環状となっている。
作用機序
- アシクロビルはHSVやVZVがコードするチミジンキナーゼによりアシクロビル一リン酸となる。次に宿主由来のチミジンキナーゼによりアシクロビル二リン酸、アシクロビル三リン酸となる。ウイルスDNAポリメラーゼによりアシクロビル三リン酸が取り込まれると、3'-OHを欠くためにDNA合成反応が停止する。これによりウイルスの増殖を抑制する。
- 宿主細胞のチミジンキナーゼはACVを一リン酸化できないので、非感染細胞ではDNA合成阻害は起こらない。
適応
- 単純ヘルペスウイルス感染症
- 水痘・帯状疱疹ウイルス感染症
- 予防のためには投与は適応外である。
- サイトメガロウイルスには無効である
注意
副作用
[★]
- 英
- blister, bulla
- 関
- 小水疱、弛緩性水疱、緊満性水疱、水疱症、発疹
- 表皮内・表皮下に滲出液を入れた空隙を生じた状態
- 直径5mm以上
水疱を生じる疾患
[★]
- 英
- erythema exsudativum multiforme, erythema multiforme exudativum, EEM
- 同
- 多形紅斑 erythema multiforme EM
- 関
- スティーブンス・ジョンソン症候群 Stevens-Johnson syndrome SJS
[show details]
特徴
- やや隆起する10mm大ほどの特徴的な環状浮腫性紅斑が手背や関節部伸側などに、左右対称性に多発
疫学
原因
参考
- http://www.healthopedia.com/pictures/erythema-multiforme.html
- http://www.skinsite.com/info_erythema_multiforme.htm
[★]
- 英
- acute generalized exanthematous pustulosis、AGEP
- 関
- 薬疹。急性全身性発疹性膿疱症。スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群
参考
- http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/03/dl/s0325-10f_0002.pdf
[★]
- 英
- severe erythema exudativum multiforme
- 関
- 難病。中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群、薬剤性過敏症症候群
参考
- 1. 重症多形滲出性紅斑(急性期)(公費対象) - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/273
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候