- 36歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。夏季に作業のため穀物貯蔵タンク内に入ったところ、間もなく意識を消失して倒れた。作業前に普段と変わったところはなく、所持品に不審なものもなかった。救急隊接触時、全身にチアノーゼを認め、SpO2 88%であった。来院時の意識レベルはJCS Ⅲ-300。体温 37.2℃。心拍数 108/分、整。血圧 132/90mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。皮膚は湿潤しており、血管拡張は認めない。血液所見:赤血球 530万、Hb 16.0g/dL、白血球 6,000。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、AST 30U/L、ALT 32U/L、CK 22U/L(基準 30~140)、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、Na 142mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 102mEq/L。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
- 最も考えられる病態はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D046]←[国試_111]→[111D048]
★リンクテーブル★
[★]
- 78歳の男性。腹痛のため救急車で搬入された。1年前から便秘傾向であったが特に医療機関を受診していなかった。最近になって便秘がひどくなり、昨晩、就寝前に下剤を服用した。今朝、排便時に突然、強い腹痛が生じたため救急車を要請した。意識は清明。身長 172cm、体重 64kg。体温 38.4℃。心拍数 120/分、整。血圧 160/92mmHg。呼吸数 28/分。表情は苦悶様で屈曲側臥位である。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は板状硬で強い圧痛を認める。表在リンパ節を触知しない。血液所見:赤血球 320万、Hb 10.7g/dL、Ht 30%、白血球 15,300、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 3.4g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 50U/L、ALT 62U/L、LD 330U/L(基準 176~353)、ALP 270U/L(基準 115~359)、γ-GTP 63U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 140U/L(基準 37~160)、CK 110U/L(基準 30~140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、尿酸 6.0mg/dL、血糖 130mg/dL、HbA1c 5.0%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 178mg/dL、トリグリセリド 190mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L。CRP 11mg/dL。腹部CT(別冊No. 22)を別に示す。
- 適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D047]←[国試_111]→[111D049]
[★]
- 83歳の女性。全身の衰弱のため、心配した介護施設の職員に伴われて来院した。2か月前から介助がないと立ち上がれなくなった。1か月前からさらに活気がなくなり、1週間前から食事量も減少してきた。脳梗塞後遺症の左不全片麻痺、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症および便秘のため、アスピリン、カルシウム拮抗薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、活性型ビタミンD、酸化マグネシウム及びプロトンポンプ阻害薬を内服している。意識レベルはJCSⅠ-2。血圧 126/62mmHg。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 302万、Hb 9.7g/dL、Ht 30%、白血球 5,700、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.3g/dL、AST 11U/L、ALT 16U/L、CK 97U/L(基準 30~140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 2.8mg/dL、LDLコレステロール 120mg/dL、Na 134mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 100mEq/L、Ca 12.5mg/dL、P 3.1mg/dL、Mg 2.5mg/dL(基準 1.8~2.5)。
- この患者の衰弱の原因として最も考えられる薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D045]←[国試_111]→[111D047]
[★]