- 英
- valacyclovir、valaciclovir
- 化
- 塩酸バラシクロビル, valaciclovir hydrochloride
- 商
- バルトレックス
- 関
- 抗ウイルス薬
適応
- 単純疱疹、帯状疱疹、性器ヘルペスの再発抑制、(水痘)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/09 12:25:33」(JST)
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バラシクロビル
|
IUPAC命名法による物質名 |
(S)-2-[(2-amino-6-oxo-3,9-dihydropurin-9-yl)methoxy]
ethyl-2-amino-3-methyl-butanoate |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B3 (豪州), B (米国) |
法的規制 |
S4 (豪州), POM (英国), ℞-only (米国) |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
55% |
血漿タンパク結合 |
13–18% |
代謝 |
肝臓(アシクロビルに転換) |
半減期 |
<30分(バラシクロビル)
2.5-3.6時間(アシクロビル) |
排泄 |
腎臓 40–50%(アシクロビル)
糞便 47%(アシクロビル) |
識別 |
CAS登録番号 |
124832-27-5 |
ATCコード |
J05AB11 |
PubChem |
CID 60773 |
DrugBank |
APRD00697 |
化学的データ |
化学式 |
C13H20N6O4 |
分子量 |
324.336 g/mol |
バラシクロビル (Valaciclovir) は、ヘルペスウイルス感染症治療薬のひとつ。塩酸塩の塩酸バラシクロビルがグラクソ・スミスクライン社から商品名バルトレックス®として販売されている。
薬理[編集]
バラシクロビルはアシクロビル(商品名ゾビラックス等)のプロドラッグである。
バラシクロビルはバリンとアシクロビルがエステル結合されておりエステラーゼによって抗ウイルス作用を持つアシクロビルに変換される。
バリンとの結合によって体内への吸収率が高まることにより、経口アシクロビルより生体利用率が高くなっている。
効能[編集]
1型および2型単純ヘルペスおよび水痘・帯状疱疹ウイルスに対して活性を有する。 口唇ヘルペスや性器ヘルペスに代表される単純疱疹、あるいは帯状疱疹の発症時の他、再発を繰り返す性器ヘルペス患者に対して、症状の再発をあらかじめ抑制するための投与法の他、水痘に対しても承認されている。
関連項目[編集]
抗DNAウイルス薬(ATCコード:J05、S01AD、D06BB) |
|
Baltimore I |
ヘルペスウイルス
|
DNA合成
阻害剤
|
TK活性型
|
プリン誘導体
|
グアニン(アシクロビル#/バラシクロビル、ガンシクロビル/バルガンシクロビル、ペンシクロビル/ファムシクロビル)
アデニン(ビダラビン、シタラビン)
|
|
ピリミジン誘導体
|
ウリジン(イドクスウリジン、トリフルリジン、エドクスウジン)
チミン(ブリブジン)
|
|
|
TK不活性型
|
ホスカルネット
|
|
|
その他
|
ドコサノール · 初期タンパク質(ホミビルセン) · トロマンタジン
|
|
|
HPV/MC
|
イミキモド/レシキモド · ポドフィロトキシン
|
|
ワクシニア
|
会合阻害: リファンピシン
|
|
ポックスウイルス
|
メチサゾン
|
|
|
B型肝炎 (VII) |
ヌクレオシド誘導体/NARTI: エンテカビル · ラミブジン · テルビブジン · クレブジン
ヌクレオシド誘導体/NtRTI: アデホビル · テノホビル
|
|
Multiple/general |
核酸阻害剤
|
シドホビル
|
|
インターフェロン
|
インターフェロンα-2b · ペグインターフェロンα-2a
|
|
複合/不明
|
リバビリン#/タリバビン†
|
|
ErbB2/PI3K経路
|
NOV-205§ · NOV-002†
|
|
|
#WHO-EM. ‡市場から撤退。治験: †第III相。§第II相以下 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 能谷 紘子/高村 悦子/三宮 瞳/田尻 晶子/木全 奈都子/篠崎 和美/堀 貞夫
- 東京女子医科大学雑誌 82(E1), E244-E248, 2012-01-31
- … 0.1%シクロスポリン点眼薬、ステロイド点眼薬を使用中に眼瞼ヘルペスが発症し、バラシクロビル内服、ビダラビン軟膏が処方され皮疹は改善したが角膜混濁が悪化したため来院した。 …
- NAID 110008767985
- 突発性難聴症例に対するバラシクロビル追加投与の効果について
- 牧野 寛之,佐野 肇,上條 貴裕,岡本 牧人
- Otology Japan 20(5), 717-720, 2010-12-25
- NAID 10027852180
Related Links
- バルトレックスとは?バラシクロビルの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- ファイザー株式会社がご提供するエスタブリッシュ医薬品に関する情報ページです。医療関係者の方に 抗ウィルス化学療法剤 バラシクロビル「ファイザー」(一般名 バラシクロビル塩酸塩)がご提供する付加価値をご紹介します。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
バルトレックス顆粒50%
組成
成分・含量
- 1g中にバラシクロビル塩酸塩556mg(バラシクロビルとして500mg)
添加物
- 結晶セルロース(粒)、ポビドン、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、軽質無水ケイ酸
禁忌
- 本剤の成分あるいはアシクロビルに対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
単純疱疹
帯状疱疹
性器ヘルペスの再発抑制
水痘
- 性器ヘルペスの再発抑制に対する本剤の投与により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められている(「臨床成績」の項参照)。ただし、本剤投与中もセックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドームの使用等が推奨される。
単純疱疹
- 通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
帯状疱疹
- 通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
性器ヘルペスの再発抑制
- 通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
水痘
- 通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。小児には体重1kgあたりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。ただし、1回最高用量は1000mgとする。
- 免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制に本剤を使用している際に再発が認められた場合には、1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法・用量)から1回500mg1日2回投与(単純疱疹の治療に対する用法・用量)に変更すること。治癒後は必要に応じ1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法・用量)の再開を考慮すること。また、再発抑制に対して本剤を投与しているにもかかわらず頻回に再発を繰り返すような患者に対しては、症状に応じて1回250mg1日2回又は1回1000mg1日1回投与に変更することを考慮すること(「臨床成績」の項参照)。
- 腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するなど注意すること。なお、本剤の投与量及び投与間隔の目安は下記のとおりである。また、血液透析を受けている患者に対しては、患者の腎機能、体重又は臨床症状に応じ、クレアチニンクリアランス10mL/min未満の目安よりさらに減量(250mgを24時間毎等)することを考慮すること。また、血液透析日には透析後に投与すること。なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与量、投与間隔調節の目安は確立していない。
(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「高齢者への投与」、「過量投与」及び「薬物動態」の項参照)
単純疱疹
クレアチニンクリアランス(mL/min):≧50
クレアチニンクリアランス(mL/min):30〜49
クレアチニンクリアランス(mL/min):10〜29
クレアチニンクリアランス(mL/min):<10
帯状疱疹
水痘(成人)
クレアチニンクリアランス(mL/min):≧50
クレアチニンクリアランス(mL/min):30〜49
クレアチニンクリアランス(mL/min):10〜29
クレアチニンクリアランス(mL/min):<10
性器ヘルペスの再発抑制
クレアチニンクリアランス(mL/min):≧50
- 500mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎
クレアチニンクリアランス(mL/min):30〜49
- 500mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎
クレアチニンクリアランス(mL/min):10〜29
- 250mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎
クレアチニンクリアランス(mL/min):<10
- 250mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎
- 肝障害のある患者でもバラシクロビルは十分にアシクロビルに変換される(「薬物動態」の項参照)。なお、肝障害のある患者での臨床使用経験は限られている。
慎重投与
- 腎障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照]
- 高齢者[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照]
重大な副作用
次のような症状がまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血管浮腫等)
(いずれも頻度不明注1))
汎血球減少(0.02%)、無顆粒球症(0.06%)、血小板減少(0.05%)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明注1))
急性腎不全
(0.03%)
精神神経症状
(0.24%)
- 意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(いずれも頻度不明注1))
呼吸抑制、無呼吸
(いずれも頻度不明注1))
間質性肺炎
(頻度不明注1))
肝炎(頻度不明注1))、肝機能障害(0.03%)、黄疸(頻度不明注1))
急性膵炎(頻度不明注1))
薬効薬理
- 本剤はアシクロビルのプロドラッグであり、投与後速やかにアシクロビルに変換されて抗ウイルス作用を発現する。
抗ウイルス作用
単純ヘルペスウイルスに対する作用
- バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、単純ヘルペスウイルス1型及び2型のin vitroにおける増殖を抑制し、IC50はそれぞれ0.01〜1.25μg/mL及び0.01〜3.20μg/mLであった23),24)。また、単純ヘルペスウイルス1型を鼻面に接種したマウスに、バラシクロビル1mg/mLを飲水に溶解し4日間投与すると、皮膚の病巣の悪化が抑制された。
水痘・帯状疱疹ウイルスに対する作用
- バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、水痘・帯状疱疹ウイルスのin vitroにおける増殖を抑制し、IC50は0.17〜7.76μg/mLであった25)〜27)。また、サル水痘ウイルスを気道に接種したサルにバラシクロビル200及び400mg/kg/日を1日3回に分割し連続10日間経口投与したところ、皮疹の発現が抑制され、血中ウイルス価が減少した。
作用機序26),28)〜32)
- バラシクロビルは投与後、速やかにアシクロビルに変換される。
アシクロビルは、単純ヘルペスウイルスあるいは水痘・帯状疱疹ウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)となる。ACV-TPは正常基質であるdGTPと競合してウイルスDNAポリメラーゼによりウイルスDNAの3'末端に取り込まれると、ウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する。
アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- バラシクロビル塩酸塩(Valaciclovir Hydrochloride)
化学名
- 2-[(2-Amino-1,6-dihydro-6-oxo-9H-purin-9-yl)methoxy]ethyl L-valinate monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 8歳の男児。頭部の脱毛と疼痛とを主訴に来院した。2か月前から頭皮に痒みとともに脱毛斑が出現した。市販の副腎皮質ステロイド外用薬を塗布していたところ、2週間前から次第に発赤し、膿疱や痂皮を伴い疼痛も出現してきたため受診した。ネコを飼育している。痂皮を剥がすと少量の排膿があり圧痛を伴う。病変部に残存する毛は容易に抜毛される。後頸部に径2cmのリンパ節を2個触知し圧痛を認める。後頭部の写真(別冊No. 16A)と抜毛の苛性カリ(KOH)直接鏡検標本(別冊No. 16B)とを別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D032]←[国試_112]→[112D034]
[★]
- 80歳の男性。右胸部の疼痛を伴う皮疹を主訴に来院した。2日前から症状を自覚していた。昨日から次第に悪化し、今朝衣服に浸出液が付着していることに気付いたため受診した。右胸部の写真(別冊No. 18)を別に示す。
- 適切な治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A043]←[国試_111]→[111A045]
[★]
- 英
- cytomegalovirus infection
- 同
- CMV感染症
- 関
- サイトメガロウイルス、巨細胞封入体症。日和見病原体、不顕性感染
概念
- ヘルペスウイルス科ベータヘルペスウイルス亜科に属するサイトメガロウイルスによる感染症である。
- 宿主の状態により臨床像が異なる。
- 一般に弱毒で、健康な成人に感染しても発症することはまずない。
- ほとんどの成人(80~90%)が罹患しているが、不顕性のまま経過し、持続感染/潜伏感染している。
- 感染によりCMV-IgG抗体を有することになる。
- 既感染者の尿、唾液、精液、血液、乳汁にサイトメガロウイルスが分離されるため、体液や粘膜を介した接触、尿や唾液を介した接触感染、母乳を介した感染が起こりうる。
- 初感染の場合、細胞免疫が低下した者で再活性化した場合に症状を呈する(免疫抑制薬投与、AIDS患者)。
- 乳児幼児の初感染、妊婦の初感染、易感染性宿主の再活性化
- 胎児が感染した場合は、黄疸、肝脾腫、出血、小頭症、網膜炎、知能障害などが、移植患者などでは肺炎が起こりやすい。
- 妊婦の初感染により、胎内感染による流産や先天性奇形をきたしうる。
臨床型
先天性サイトメガロウイルス感染症
- 先天性巨細胞封入体症
- 妊婦がサイトメガロウイルスの初感染、再感染、あるいは再活性化により経胎盤的に胎児に感染する。妊婦が初感染の場合には重症となる。
- 症状:低出生体重、黄疸、出血斑、肝脾腫、小頭症、脳内石灰化/脳室周囲石灰化、肝機能異常、血小板減少、難聴、脈絡網膜炎、DIC、知的障害
- 出生時には無症状~一部の症状のみ呈する場合がある。
新生児・乳児・幼児の初感染
- 産道での感染、母乳を介した感染、尿や唾液を介した水平感染が主である。
- 正常な妊娠で出生した場合、母体からの移行抗体によりほとんどが不顕性感染かあるいは軽症で経過する。
- 早産児や低出生体重児の場合、母体からの移行抗体が不十分であるため重症化することが多い。結果として肝炎、肺炎、単核球症を生じうる。よって、このような児に対しては接触予防策を徹底すべきであり、またCMV既感者からの授乳や輸血は回避する必要がある。
成人の初感染
- サイトメガロウイルスに未感染の者が、思春期以降に唾液、精液、血液などを介して初感染を受けた場合には、伝染性単核症様の症状を呈することが多い。
- 発熱、肝機能異常、頚部リンパ節腫脹、肝脾腫などが主な症状であり、EBウイルスの初感染との鑑別が困難である。
- ただし、EBウイルスの場合と違って、滲出性扁桃炎を起こすことは少ない。
- 伝染性単核症様の症状が出たとしても1-2週間で軽快する。
臓器移植による感染
- 臓器移植において、CMV-IgGパターンとしては、ドナー陽性・レシピエント陰性、ドナー陽性・レシピエント陽性の場合が考えられる。
- 前者の場合、ドナーの臓器内に潜伏しているサイトメガロウイルスにより初感染を受けることになる。
- 後者の場合、ドナーからの臓器に拒絶反応を起こさないようにレシピエントは免疫抑制薬により細胞免疫が徹底的に抑制されるが、そのためレシピエントに潜伏していたサイトメガロウイルスが再活性化して発症することがある。
骨髄移植による感染
- 骨髄移植において、CMV-IgGパターンとして、ドナー陰性、レシピエント陽性のパターンで、サイトメガロウイルスが再活性化した場合に重篤化する。
- 免疫を担当する細胞はもっぱらドナー由来の細胞となるが、サイトメガロウイルスは初感染となるため、その他のパターンより重篤化しやすい。
症状
- 脳 :脳炎
- 肺 :間質性肺炎
- 肝臓:ウイルス性肝炎の病態となる
- 網膜:網膜炎。サイトメガロウイルス網膜症
- 消化管:腸炎(潰瘍、びらん)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編より
症候
|
頻度(%)
|
出血斑
|
54
|
胎児発育不全
|
47
|
肝腫
|
47
|
脾腫
|
44
|
脳石灰化
|
43
|
出生時の黄疸
|
36
|
小頭症
|
40
|
聴覚障害
|
41
|
溶血性貧血
|
13
|
脈絡網膜炎
|
11
|
痙攣
|
8
|
肺炎
|
11
|
肝機能障害
|
30
|
死亡
|
8
|
疾患
|
新生児
|
乳児
|
臓器移植
|
骨髄移植
|
AIDS
|
発熱/肝障害
|
++
|
++
|
++
|
+
|
+
|
消化器感染症
|
+
|
+
|
+
|
+
|
+
|
網膜炎
|
|
|
+
|
+
|
++
|
間質性肺炎
|
+
|
+
|
+
|
++
|
|
骨髄抑制
|
|
|
|
++
|
+
|
脳炎・脳障害
|
+
|
|
|
|
+
|
PTLDリスク
|
|
|
+
|
+
|
|
検査
- 血液像:異型リンパ球増加、単核球の増加
- CMV-IgM:初感染、既感染者の再活性化で陽性となる
- CMV-IgG:既感染者で陽性となる
診断
先天性CMV感染症
- 3. 抗原血症
- 4. DNAの検出
- 5. mRNAの検出
CMV感染症
- 1. NASBA法(nucleic acid sequence based amplification法):mRNA検出。mRNAの検出はウイルスの活動性を反映
- 2. antigenemia法:ウイルス抗原(方法:C7HRP 、C10C11)
- 白血球を単離してCMV抗原に対するモノクローナル抗体で染色し、陽性細胞を計測する。陽性細胞の数で判定する。
- 3. PCR法:DNA検出
- 4. 直接的なウイルス分離
- 5. ウイルス特異的IgM 抗体の検出
治療
予防
- pre‐emptive therapy
- 造血幹細胞移植:ホスカルネット(ガンシクロビルの骨髄抑制)
- 腎移植 :ガンシクロビル(ホスカルネットによる腎障害)
参考文献
[★]
- 英
- genital herpes, genital herpes simplex
- ラ
- herpes genitalis
- 同
- 陰部疱疹、陰部ヘルペス
- 関
- 単純ヘルペス、単純ヘルペスウイルス
[show details]
病原体
- HSV-2が原因であることが多い。HSV-1が原因であることもある。
- 日本女性の初感染はHSV-1(やや多い)、HSV-2。再感染はほとんどがHSV-2。(出典不明)
疫学
潜伏期
症候
- 感染部位:(男性)陰茎。(女性)陰唇、陰裂。尿道にも起こりうる。
- NDE. 425
- 初感染型と再発型がある
- (初感染)発熱、倦怠感、髄膜炎(HSV-2)、腎不全 ← 初感染では重症化しやすい
- 鼡径リンパ節の有痛性腫大
- 感染部位(外陰部):小水疱→ 小潰瘍 → 疼痛
検査
- 水疱、海洋底から検体を採取してツァンク法による塗沫標本を作成し、ライト染色、ギムザ染色により多核巨細胞を証明する。
治療
経過
後遺症
予後
- 再発がありうる。再発は1年以内に発症し、1-4ヶ月以内が多い。再発の頻度は個人差が多いが4-7回/年である。
鑑別
[★]
バラシクロビル。塩酸バラシクロビル
[★]
バラシクロビル valacyclovir
[★]
バラシクロビル。valaciclovir hydrochloride
[★]
- 英
- rose
- 関
- 上昇、バラ色、バラ科、バラ属、上がる、バラ目
[★]
- 英
- cyclo
- 関
- 環状、サイクロ
[★]
- 英
- building
- 関
- 建物