テルビナフィン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/25 23:38:04」(JST)
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塩酸テルビナフィン |
テルビナフィン |
IUPAC名 |
(E)-N-(6,6-Dimethyl-2-hepten-4-ynyl)-N-methyl-1-naphthalenemethylamine hydrochloride |
分子式 |
C21H25N•HCl |
分子量 |
327.89 |
CAS登録番号 |
[CAS-91161-71-6] |
形状 |
白色または微黄色結晶 |
融点 |
203–208 °C |
テルビナフィン塩酸塩(terbinafine hydrochloride)は、抗真菌薬として用いられる有機化合物の一種。分子式は C21H25N•HCl 。においは無い。酢酸、メタノールに溶けやすくジエチルエーテルに溶けにくい。
歴史
スイスのサンド(現ノバルティス)によって開発された。
日本国内では1993年7月にアリルアミン系抗真菌薬としてはじめてラミシールという商品名でクリーム剤が承認され、1997年7月には錠剤が承認された。さらに2004年には一般用医薬品として第一三共ヘルスケア(当時の三共)から「ラミシールAT」として発売され、大ヒットした。しかし、2007年1月からは製造元のノバルティスファーマに商標を返還、ノバルティスのOTC部門日本進出における旗頭となった。また、同年には小林製薬が「タムシール」(販売終了済)、ロート製薬の「メンソレータムエクシブ」などに同成分を配合、2008年からは大正製薬が「ダマリングランデ」を発売している。
適応
皮膚糸状菌、カンジダ属、スポロトリックス属、ホンセカエア属による皮膚真菌症(スポロトリコーシスや爪白癬など)に用いられる。
但し錠剤は、外用抗真菌剤で治療が困難な場合にのみ経口投与する。投与中に肝障害(肝不全・肝炎・黄疸など)や血液障害(汎血球減少・無顆粒球症など)が現れ死亡に至った例もあることから、投与前と投与中には肝機能検査や血液検査が必要とされる。
用量・用法
外用薬は、1日1回患部に塗布する。
錠剤は、通常1日 125mg を初期用量として、1日1回 食後に経口投与する。年齢や症状に応じて適宜減量する。
種類
- 錠剤:125mg
- クリーム:1%
- スプレー:1%
- 外用液:1%
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 特集 水虫薬 新製品の上市で活気づく市場--久光製薬『ブテナロックV』/ノバルティス ファーマ『ラミシールプラス』/第一三共ヘルスケア『ウィンダム』/武田薬品工業『スコルバEX』/ロート製薬『エクシブ』
- 治療 テルビナフィン製剤の爪白癬治療における爪中薬物濃度および臨床効果に関する検討
- 特集 激しいシェア争いが続く水虫薬マーケット 『ラミシールAT』発売二年でトップシェア奪取
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラミシールクリーム1%
組成
*成分・含量
- 1g中テルビナフィン塩酸塩(日局)10mgを含有する。
添加物
- セタノール、ステアリルアルコール、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ベンジルアルコール、水酸化ナトリウム
禁忌
(次の患者には使用しないこと)
効能または効果
白癬
皮膚カンジダ症
癜風
薬効薬理
- テルビナフィン塩酸塩は真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの蓄積並びにエルゴステロール含量の低下をもたらし抗真菌作用を示す。10,11)皮膚糸状菌に対しては低濃度で細胞膜構造を破壊し、殺真菌的に作用する。11,12)また、C.albicansに対しては低濃度から部分的発育阻止効果を示し、高濃度では直接的細胞膜障害作用により抗真菌活性をあらわす。13)
抗真菌作用(in vitro)
- テルビナフィン塩酸塩は広い抗真菌スペクトルをもち、皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して優れた抗真菌活性が認められている。14〜16)
- テルビナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(T.rubrum、T.mentagrophytes)に対して0.001〜0.01μg/mLの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。17)また、T.mentagrophytes発芽分生子に対し低濃度で明らかな殺真菌作用を示す。15)
- テルビナフィン塩酸塩はC.albicansに対して0.098μg/mL以上の濃度で酵母形から菌糸形への変換を阻止し18)、1μg/mL以上の濃度では酵母形増殖に対し静真菌作用を示す。13)
実験的白癬に対する作用
- モルモットのT.mentagrophytes感染に対しテルビナフィン塩酸塩1%外用剤1日1回塗布により、治療開始4日目には明らかな症状の改善がみられ、2週間後には優れた真菌学的治療効果が認められている。19)また、テルビナフィン塩酸塩1%外用剤をT.mentagrophytes接種1〜3日前に局所に単回塗布した場合、感染後14日間経過する期間を通して発症は全くみられなかったことから、薬効の持続性が示された。これはテルビナフィン塩酸塩の良好な皮膚貯留性に基づくものと考えられる。20)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- テルビナフィン塩酸塩 (Terbinafine Hydrochloride)
*化学名
- (2E)-N,6,6-Trimethyl-N-(naphthalen-1-ylmethyl)hept-2-en-4-yn-1-amine monohydrochloride
分子式
分子量
*性状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくい。
1.0gを水1000mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。
融点:約205℃(分解)
分配係数
★リンクテーブル★
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商品
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商品
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- 英
- terbinafine
- 化
- テルビナフィン塩酸塩 塩酸テルビナフィン terbinafine hydrochloride
- 商
- ケルガー、テビーナ、テビナシール、テルビー、テルビナール、テルフィナビン、テルミシール、ネドリール、ビラス、ラミシール、ラミテクト、リプノール
- 関
- 寄生性皮ふ疾患用剤
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- 英
- seal
- 関
- 封鎖、封着、塞ぐ、密封