- 英
- aspergillosis
- 関
- アスペルギルス属
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/24 20:09:02」(JST)
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Aspergillosis |
間質性肺炎患者における浸潤性肺アスペルギルス症を示す病理組織像。 剖検材料。グロコット・メテナミン銀染色。
|
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
B44 |
ICD-9 |
117.3 |
MedlinePlus |
001326 |
eMedicine |
med/174 |
Patient UK |
アスペルギルス症 |
MeSH |
D001228 |
アスペルギルス症 (英: aspergillosis) とはアスペルギルス属の真菌を原因とする種々の真菌症疾病の総称で胞子の吸入と体内での増殖が原因の日和見感染症。アスペルギルス属の胞子は環境中に広く存在することから、ほとんどのヒトが毎日吸入しており、免疫に障害のあるヒトや家畜ではアスペルギルス症に進行する事がある。一般的な原因菌はアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)であるが、 A.flavus やA. nigerでも発生することがある。発症には、原因菌により生産されるマイコトキシンの一種のグリオトキシンが関与していると考えられる[1]。
原因菌は病院内では観葉植物(鉢内の堆肥や土)、生花やドライフラワーの表面、花瓶の水、エアコンまたはヒーターの吹出し口、浮遊粉塵などから高頻度で検出される。特に、病院改築や改装の際、院内の空気中に増加することが報告されているが、この事は医療関係者の間でも周知されていない現状があるため、免疫力が落ちている者への予防が大切である。
目次
- 1 ヒト臨床所見
- 2 家畜
- 3 画像
- 4 脚注
- 5 出典
- 6 外部リンク
ヒト臨床所見
最も一般的な型はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症、アスペルギルス腫、侵襲性アスペルギルス症である。免疫力が低下している際に起こりやすいことから症状の進行は速く、全身に感染するため症状は多岐に渡る。治療が遅れた場合の致死性は高い。
- 呼吸器系への感染では、血性痰、喘息、肺炎、副鼻腔炎など。
- 血管内に進入した場合、口蓋または歯肉の潰瘍化、血栓や出血性壊死など。
- 皮膚感染は手術創に発生することが殆どで、急速な組織壊死を起こす。
- 中枢神経系感染は脳膿瘍を呈し、全身播種性感染の部分症である。副鼻腔からの直接感染は少ない。
診断
画像検査、組織病理検査(生検)、検体の染色および培養等による。
治療
アスペルギルス症の疑いがある場合には、確定診断を待たず適応菌種が広い抗真菌薬を投与する。病変部位が局所的な場合には、外科手術が行われる場合がある。
家畜
ウシに於いても、アスペルギルス症を発症することがある。
詳細は「牛アスペルギルス症」を参照
画像
脚注
- ^ 亀井克彦、落合恵理「住宅環境に生息する病原性カビ, 特にマイコトキシン産生カビによる真菌症について」、『マイコトキシン』第58巻第1号、日本マイコトキシン学会、2008年1月31日、 47-51頁、 doi:10.2520/myco.58.47、 NAID 10021920382。
出典
- アスペルギルス症 メルクマニュアル家庭版
- アスペルギルス感染症 (PDF) 北海道大学病院
外部リンク
- USGS National Wildlife Health Center
- Aspergillus - Aspergillus website
- Aspergillosis at DoctorFungus.org
- News article in The Guardian
- 同種骨髄移植後の急性骨髄性白血病患者に合併したアフラトキシン産生Aspergillus flavus による全身性真菌症
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Japanese Journal
- 澤井 尚樹,渡辺 太志,小森 正博
- 耳鼻咽喉科臨床 104(5), 335-339, 2011-05-01
- We report a case of sphenoid sinus aspergillosis with concomitant multiple brain abscesses. A 41-year-old man seen for headache, high fever, and diplopia was found in magnetic resonance imaging (MRI) …
- NAID 10027972602
- P2-17-2 イトラコナゾール(ITCZ)が急性期に著効したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の2例(P2-17 好酸球性肺炎2,ポスターセッション,第23回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 長崎 忠雄,新実 彰男,松本 久子,伊藤 功朗,小熊 毅,中治 仁志,井上 英樹,岩田 敏之,田尻 智子,三嶋 理晃
- アレルギー 60(3・4), 497, 2011-04-10
- NAID 110008594674
Related Links
- アスペルギルス症は、過去に肺の病気によって形成された肺の空洞など、体内の空洞 のある部分を侵します。外耳道や副鼻腔に感染症が生じることもあります。副鼻腔や肺 では菌糸や血のかたまり、白血球などが絡まって、「アスペルギローマ」と呼ばれる球状 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 65歳の男性。 1か月前からの右手背の潰瘍を伴う結節を主訴に来院した。自宅で熱帯魚を飼育している。右手背に、中央に潰瘍を伴う直径 1 cmの結節を認める。表在リンパ節は触知しない。発熱はない。胸部 CTで肺野に異常を認めない。潰瘍の滲出液の PCR検査で結核菌は陰性。 Sabouraud寒天培地での培養検査は陰性。滲出液の Ziehl-Neelsen染色標本 (別冊 No. 11)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I042]←[国試_108]→[108I044]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110H038]←[国試_110]→[110I002]
[★]
- 英
- fungus, (pl.)fungi
- 同
- かび、菌類 Mycota
- 関
- 微生物学、真菌症、抗真菌薬
細菌、真菌、藻類、原虫
- いずれも単細胞生物
- 細菌は核を持たないが、それ以外は核を持つ
- 細胞壁の多糖:細菌はペプチドグリカンなど。真菌はβグルカン、キチン。藻類はセルロース。原虫は細胞壁を持たない
- 栄養獲得様式:藻類は光合成独立栄養生性。
大きさ
細胞膜
細胞壁
線維状多糖
- 細胞壁の骨格となる
- キチンとβ-グルカンからなる。
- 特殊な多糖にキトサンがある
- グルコースのホモ重合体
- β(1→3)結合、β(1→6)結合
- 酵母では細胞壁成分にβ-1,3-グルカンが多い
糖タンパク質
形態による分類
- Coccidioides immitis
- Histoplasma capsulatum
- Sporothrix schenckii
- Candida albicans
培養と感染組織における形態
菌糸の構造
- 接合菌などの下等真菌にのみ見られる
菌糸の機能
-
生殖方式による分類
有性生殖と無性生殖
-
有性胞子形成
無性胞子形成
培養
種類
真菌の染色法(SMB.358)
- 細胞壁の多糖を染色:コットンブルー(cotton blue)、グラム染色(全ての真菌はグラム陽性)
- 真菌細胞壁多糖を特異的に染色:PAS染色、Grocottメテナミン銀染色、ファンギフローラY
参考
病原体としての真菌
[★]
- 英
- chronic granulomatous disease, CGD
- 同
- ベレンデス-ブリッジ-グッド症候群 Berendes-Bridge-Good syndrome
- 関
- 原発性免疫不全症候群
概念
- X連鎖劣性遺伝によるものが多くを占め、好中球の殺菌能低下、幼少期からの細菌と真菌の反復感染、および肉芽腫形成を特徴とする原発性免疫不全症の一疾患である。
- 病原体をアレルゲンと見なせば、発症メカニズムはIV型アレルギーによるものと考えてよい?
疫学
- an incidence of 1 in 200,00 indicuduals (HIM.380)
遺伝形式
- 伴性遺伝:most often CGD is inherited as an X-linked recessive trait (HIM.380).
- 常染色体劣性遺伝:30% of patients inherit the disease in an autosomal recessive pattern (HIM.380).
病因
- 膜蛋白質シトクロムb 558の重鎖(β鎖:p91)、軽鎖(α鎖:p22)、細胞質因子p47、p67の欠損や機能異常
病態
- 食細胞(好中球・マクロファージ)に貪食された細菌を殺菌する活性酸素産生系の障害
気炎菌の特徴
- カタラーゼ陽性・過酸化水素非産生菌の感染:Salmonella typhimurium, Pseudomonas aeruginosa, Klebsiella pneumoniae, Staphylococcus aureus, Proteus mirabilis, Escherichia coli, Srratia marcescens
- ⇔カタラーゼ陰性・過酸化水素産生菌:Streptococcus pneumoniae, S. pyogenes, S.fecalis
症状
- 乳児早期から始まる全身諸臓器の反復性・難治性の感染症 (PED.1151)
- 皮膚化膿疹・膿瘍、細菌・真菌性肺炎、化膿性リンパ節炎。肝脾膿瘍・肛門周囲膿瘍
- 特徴的な症状:肉芽腫形成による尿路や消化管の通過障害
検査
- 好中球数:正常
- 白血球数:増多
- NBT色素還元能試験:陰性
治療
- 感染症:抗菌薬の静脈内投与
- 真菌以外の感染症の治療・予防:ST合剤
- インターフェロンγ:感染症の発生抑制 → アスペルギルス症を抑制できたことにより予後が改善
- 肉芽腫による通過障害:副腎皮質ステロイド薬
- 骨髄移植:造血幹細胞移植により根治療が可能
- 遺伝子治療
予後
- 平均16歳 (PED.1152)
- 深在性アスペルギルス症は致命的 → IFN-γの投与による感染症予防により予後が改善されつつある
USMLE
参考
- 1. 慢性肉芽腫症に対する造血幹細胞移植ガイドライン
- http://pidj.rcai.riken.jp/medical_guideline091221.html
===uptodate
- 1. [charged] 慢性肉芽腫性疾患:病因、臨床症状、および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 慢性肉芽腫性疾患:治療および予後 - uptodate [2]
OMIM
- 1. GRANULOMATOUS DISEASE, CHRONIC, X-LINKED; CGD
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/306400
- 2. GRANULOMATOUS DISEASE, CHRONIC, AUTOSOMAL RECESSIVE, CYTOCHROME b-POSITIVE, TYPE I
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/233700
- 3. GRANULOMATOUS DISEASE, CHRONIC, AUTOSOMAL RECESSIVE, CYTOCHROME b-POSITIVE, TYPE II
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/233710
- 4. GRANULOMATOUS DISEASE, CHRONIC, AUTOSOMAL RECESSIVE, CYTOCHROME b-POSITIVE, TYPE III
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/613960
- 5. GRANULOMATOUS DISEASE, CHRONIC, AUTOSOMAL RECESSIVE, CYTOCHROME b-NEGATIVE GeneTests
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/233690
- 6. GRANULOMATOUS DISEASE, CHRONIC, AUTOSOMAL DOMINANT TYPE
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/138990
国試
[★]
- 英
- mycosis, mycotic disease
- 同
- 真菌感染症 fungal infection、真菌感染
- 関
- 真菌、抗真菌薬
-
-
代表的な真菌症 CBT QB vol2 p.193
[★]
- ラ
- Aspergillus
- 同
- Aspergillus属
- 同
- コウジカビ
- 関
- アスペルギルス症
- ラクトフェノール・コトン青による染色で
生物的特徴
- 真菌
- 腐生性の不完全菌に属する糸状菌
- 有隔性菌糸を持つ(branching septate hyphae)
- 土壌や朽ちた植物に存在。空気中に浮遊胞子として存在。アスペルギルスの分生子は暖かく湿った場所で多く作られる → 空調器のエアフィルターや加湿器などで増殖
- 日和見病原体。基礎疾患(好中球減少や免疫不全症)を有する患者に感染
感染経路
- A. fumigatusの胞子は2-3.5umで、気管支に達し肺を冒す
アスペルギルス属
感染症
- 肺アスペルギローマ:結核・気管支拡張症などで生じた空洞・嚢胞で分生子が生長・増殖し、大きな菌糸塊を形成 菌球形成
- 侵襲性アスペルギルス症:好中球機能不全などの患者に発生し、より急性でより重症やしやすい。肺・消化管障害、心内膜炎、脳・骨膿瘍、全身播種
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症:喘息様発作、末梢血好中球増加、中枢性気管支拡張
[★]
- 関
- 空洞形成、空洞
空洞性肺病変の鑑別
- IRE.527
- 肺化膿症で実質の破壊が進展し膿が貯留して肺膿瘍を形成する。この場合にも空洞性肺病変を生じうる。
[★]
- 英
- pulmonary aspergillosis
- 関
- アスペルギルス症、アスペルギルス
国試
[★]
- 英
- bronchopulmonary aspergillosis
- 関
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
[★]
- 英
- chronic cavatary pulmonary aspergillosis, CCPA
[★]
- 英
- sis, pathy