- 英
- ergotamine
- ラ
- ergotaminum
- 化
- 酒石酸エルゴタミン ergotamine tartrate
- 商
- パンエルゴット、ヒポラール、クリアミン、ジヒデルゴット。Cafatine, Cafergot
- 関
- バッカクアルカロイド
WordNet
- an alkaloid derived from ergot that is less toxic than ergot; causes constriction of blood vessels and is used to treat migraine
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エルゴタミン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(6aR,9R)-N-((2R,5S,10aS,10bS)- 5-benzyl-10b-hydroxy-2-methyl- 3,6-dioxooctahydro-2H-oxazolo[3,2-a] pyrrolo[2,1-c]pyrazin-2-yl) -7-methyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg] quinoline-9-carboxamide
|
臨床データ |
商品名 |
Ergomar |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: Prescription Only (S4)
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
静脈注射: 100%[1]
筋肉: 47%[2]
経口: <1% [3](カフェインとの同時投与によって増強[1]) |
代謝 |
肝臓[2] |
半減期 |
2時間[2] |
排泄 |
90% 胆管[2] |
識別 |
CAS番号 |
113-15-5 |
ATCコード |
N02CA02 |
PubChem |
CID: 8223 |
IUPHAR/BPS |
149 |
DrugBank |
DB00696 |
ChemSpider |
7930 |
UNII |
PR834Q503T |
KEGG |
D07906 |
ChEBI |
CHEBI:64318 |
ChEMBL |
CHEMBL442 |
化学的データ |
化学式 |
C33H35N5O5 |
分子量 |
581.66 g/mol |
SMILES
-
O=C3N1CCC[C@H]1[C@]2(O)O[C@](C(=O)N2[C@H]3Cc4ccccc4)(NC(=O)[C@@H]8/C=C7/c5cccc6c5c(cn6)C[C@H]7N(C)C8)C
|
InChI
-
InChI=1S/C33H35N5O5/c1-32(35-29(39)21-15-23-22-10-6-11-24-28(22)20(17-34-24)16-25(23)36(2)18-21)31(41)38-26(14-19-8-4-3-5-9-19)30(40)37-13-7-12-27(37)33(38,42)43-32/h3-6,8-11,15,17,21,25-27,34,42H,7,12-14,16,18H2,1-2H3,(H,35,39)/t21-,25-,26+,27+,32-,33+/m1/s1
-
Key:XCGSFFUVFURLIX-VFGNJEKYSA-N
|
エルゴタミン(ergotamine)は、エルゴペプチンの一種であり、アルカロイドの麦角ファミリーに属する。構造的ならびに生物化学的にエルゴリンと近縁関係にある。いくつかの神経伝達物質と構造的類似性があり、血管収縮薬(英語版)としての生理活性を有する。
エルゴタミンは(時にはカフェインとの組み合わせで)急性偏頭痛の治療薬として使用されている。麦角菌の医学的利用は16世紀に分娩を誘導するために始まったが、用量の不確実さから利用は推奨されなかった。エルゴタミンは分娩後出血を抑えるために使用されている。エルゴタミンは、1918年にSandoz製薬のアルトゥール・ストール(英語版)によって麦角菌から初めて単離され、1921年にGynergenとして販売された[4]。
麻薬及び向精神薬取締法により麻薬向精神薬原料に指定されている[5]。
目次
- 1 作用機序
- 2 生合成
- 3 薬物使用
- 4 副作用
- 5 効能・効果
- 6 脚注
- 7 関連項目
作用機序
エルゴタミンの作用機序は複雑である[6]。セロトニン、ドーパミン、アドレナリンといった神経伝達物質と構造的類似性があり、ゆえにいくつかの受容体に結合できアゴニストとして働く。抗偏頭痛作用は、5-HT1B受容体(英語版)を介した頭蓋内脳実質外血管の収縮や5-HT1D受容体(英語版)による三叉神経の神経伝達の阻害による。エルゴタミンはまた、ドーパミンおよびノルアドレナリン受容体に対する作用を有する。一部の副作用はD2受容体(英語版)および5-HT1A受容体(英語版)に対する作用で引き起こされる[7]。
生合成
エルゴタミンは二次代謝産物(天然物)であり、麦角菌Claviceps purpurea(英語版)およびバッカクキン科の近縁の菌によって生産される主要なアルカロイドである[8]。これらの菌における生合成はアミノ酸のL-トリプトファンおよびジメチルアリル二リン酸を必要とする。これらの前駆体化合物は、麦角アルカロイド生合成の最初の段階、すなわちL-トリプトファンのプレニル化を触媒するジメチルアリルトリプトファン (DMAT) シンターゼの基質となる。メチルトランスフェラーゼおよびオキシゲナーゼが関与するさらなる反応によってエルゴリンおよびリゼルグ酸が得られる。リゼルグ酸 (LA) は、LAをL-アラニン、L-プロリン、L-フェニルアラニンに共有結合させる、非リボソームペプチド合成酵素・リゼルギルペプチドシンテターゼの基質である。酵素によって触媒される、あるいは自発的な環化、酸素化/酸化、異性化が先行し、エルゴタミンの生成が起こる[9]。
薬物使用
エルゴタミンは末梢部の血管収縮と共に末梢上皮の損傷を引き起こす。高用量のエルゴタミンは、血管の鬱血、血栓症、壊疽へと繋がる。エルゴタミンは子宮の収縮性を増強でき、子宮出血を減少させるために分娩後ただちに治療に時には使用される。
エルゴタミンは偏頭痛に対して処方され続けている。
禁忌には、動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎、冠動脈疾患、肝疾患、妊娠、痒み、レイノー病、腎疾患がある[10]。
エルゴタミンはLSDの前駆体でもある。
副作用
エルゴタミンはトリプタン(片頭痛の特効薬)の作用よりもかなり重篤な副作用と関連している。これらの副作用は、トリプタンと比較した時の弱い効果と共に、エルゴタミンが偏頭痛の治療に稀にしか使用されないことの原因である。副作用には、主な副作用は、食欲不振28件(6.2%),吐気15件(3.3%),胃部・腹部不快感11件(2.4%),嘔吐7件(1.5%)等の消化器系及びふらつき9件(2.0%),ねむけ6件(1.3%)等の精神神経系である[11]。
効能・効果
血管性頭痛、片頭痛、緊張性頭痛
脚注
- ^ a b Sanders SW, Haering N, Mosberg H, Jaeger H (1983). “Pharmacokinetics of ergotamine in healthy volunteers following oral and rectal dosing”. Eur. J. Clin. Pharmacol. 30: 331–334. doi:10.1007/BF00541538. PMID 3732370.
- ^ a b c d Tfelt-Hansen P, Johnson ES (1993). “Ergotamine”. In Olesen J, Tfelt-Hansen P, Welch KM, editors. The headaches. New York: Raven Press. pp. 313–322.
- ^ Ibraheem JJ, Paalzow L, Tfelt-Hansen P (1983). “Low bioavailability of ergotamine tartrate after oral and rectal administration in migraine sufferers”. Br. J. Clin. Pharmacol. 16: 695–699. PMC 1428366. PMID 6419759. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=1428366.
- ^ AJ Giannini, AE Slaby. Drugs of Abuse. Oradell, NJ, Medical Economics Books, 1989.
- ^ 麻薬及び向精神薬取締法施行規則 昭和二十八年三月三十一日 政令第五十七号 第一条 三
- ^ Walkembach J, Brüss M, Urban BW, Barann M (October 2005). “Interactions of metoclopramide and ergotamine with human 5-HT3A receptors and human 5-HT reuptake carriers”. Br. J. Pharmacol. 146 (4): 543–52. doi:10.1038/sj.bjp.0706351. PMC 1751187. PMID 16041395. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=1751187.
- ^ Tfelt-Hansen P, Saxena PR, Dahlof C, Pascual J, Lainez M, Henry P, Diener H, Schoenen J, Ferrari MD, Goadsby PJ (2000). “Ergotamine in the acute treatment of migraine: a review and European consensus”. Brain 123: 9–18. doi:10.1093/brain/123.1.9. PMID 10611116.
- ^ Akul Mehta (2011年12月30日). “Pharmacognosy of Ergot (Argot or St. Anthony’s Fire)”. PharmaXChange.info. 2012年7月4日閲覧。
- ^ Schardl CL, Panaccione DG, Tudzynski P (2006). “Ergot alkaloids--biology and molecular biology”. Alkaloids Chem. Biol.. The Alkaloids: Chemistry and Biology 63: 45–86. doi:10.1016/S1099-4831(06)63002-2. ISBN 978-0-12-469563-4. PMID 17133714.
- ^ AJ Giannini. Biological Foundations of Clinical Psychiatry. Oradell, NJ. Medical Economics Puclishing Co., 1986.
- ^ “クリアミン配合錠”. 2015年9月8日閲覧。
関連項目
- カフェルゴット(英語版) - エルゴタミンとカフェインからなる偏頭痛治療薬
- ジヒドロエルゴタミン - 半合成偏頭痛治療薬
- 麦角中毒
- エルゴメトリン(英語版)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 身体感覚の気づきの回復過程にて前兆を認めるようになった難治性片頭痛の一症例
- 蓮尾 英明,神原 憲治,山下 直人,本多 啓介,楠 裕明,福永 幹彦,中井 吉英
- バイオフィードバック研究 36(1), 63-68, 2009-04-25
- … ストレスプロファイル(Psychophysiological Stress Profile,以下PSPと略す)を施行した.その結果,ストレス負荷を契機に,指尖容積脈波の過剰な反応,負荷後の症状再現を認めた.それにより,自覚症状と客観的な生理指標評価との乖離への気づき,心身相関の理解が得られた.それに伴い,疲労感を感じるなど身体感覚の気づきが深まり,発作前に前兆を認めるようになった.前兆の段階でのエルゴタミン製剤が著効し,頭痛の頻度は激減した. …
- NAID 110007227167
- P2-333 分娩時のマレイン酸メチルエルゴタミン使用の有無における検討(Group148 妊娠・分娩・産褥8,一般演題,第59回日本産科婦人科学会学術講演会)
Related Links
- 古くから片頭痛の治療薬として使われてきたエルゴタミン製剤は、現在ではトリプタン系薬剤を服用できない片頭痛患者さんなどに限定的に使用されています。
- エルゴタミン・カフェインとは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
- パンエルゴット錠1mgは、1錠中にジヒドロエルゴタミンメシル酸塩1mgを含有する。
- 添加物として乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含有する。
禁忌
- 末梢血管障害、閉塞性血管障害、狭心症、冠動脈硬化症、コントロール不十分な高血圧症、ショック、側頭動脈炎のある患者[本剤の血管収縮作用により、悪化するおそれがある。]
- 重篤な肝機能障害のある患者[本剤の代謝が遅延するおそれがある。]
- 敗血症の患者[本剤の血管収縮作用に対する感受性が増大するおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 授乳婦 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 本剤の成分又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者
- 心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- HIVプロテアーゼ阻害剤 (リトナビル、ネルフィナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビル、ダルナビル)、エファビレンツ、デラビルジン、マクロライド系抗生物質 (エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン、ミデカマイシン、ロキシスロマイシン)、アゾール系抗真菌薬 (イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール)、5-HT1B/1D受容体作動薬 (スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)、麦角アルカロイド (エルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン)を投与中の患者 (「相互作用」の項参照)
効能または効果
起立性低血圧
- ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩として、通常成人1回1mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 家族性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、眼筋麻痺性片頭痛あるいは網膜片頭痛の患者には投与しないこと。
慎重投与
- 肝又は腎機能障害のある患者[本剤の代謝又は排泄が遅延することがある。]
重大な副作用
線維症
(頻度不明)
- 長期連用により、胸膜、後腹膜又は心臓弁の線維症があらわれたとの報告がある。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 (Dihydroergotamine Mesilate)
化学名:
- (5'S ,10R )-5'-Benzyl-12'-hydroxy-2'-methyl-9,10-dihydro-ergotaman-3',6',18-trione monomethanesulfonate
化学構造式:
分子式:
分子量:
性状:
- 本品は白色〜帯黄白色又は灰白色〜帯赤白色の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、メタノール又はクロロホルムにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は光によって徐々に着色する。
融点:
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、60-62の問いに答えよ。
- 38歳の女性。強い息苦しさのため搬入された。
- 現病歴 3か月前から歩行時に両下肢の疲労感を自覚していたが、休息にて改善していた。2か月前から家事をする際に、両上肢の疲労感を感じ、特にフライパンを持つのに苦労するようになった。これらの症状は朝に比して夕方に強い傾向があった。1か月前からは両側の眼瞼下垂を自覚するようになった。1週前から風邪気味であったが、昨日から動くと息苦しいと訴えていた。今朝、息苦しさが強くなったため救急車を要請した。
- 既往歴 25歳時に急性虫垂炎で手術。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識レベルはJCS II-20。身長156cm.体重51kg。体温37.8℃。呼吸数32/分。脈拍104/分、整。血圧174/66mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)93%。両側の眼瞼下垂を認める。眼球運動はほぼ正常であるが、複視がある。四肢筋力は全体に軽度低下(4/5)している。腱反射は正常。感覚系に異常を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 463万、Hb 13.2g/dl、Ht 40%、白血球 9,800(分葉核好中球55%、好酸球6%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球33%)、血小板28万。血液生化学所見:血糖 85mg/dl、HbA1c 5.2%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 4.5g/dl、尿素窒素 11mg/dl、クレアチニン 0.4mg/dl、尿酸7.2mg/dl、総コレステロール 183mg/dl、トリグリセリド 120mg/dl、総ビリルビン 0.5mg/dl、直接ビリルビン0.3 mg/dl、AST 12IU/l、ALT 7IU/l、LD 183IU/l(基準176-353)、ALP288IU/l(基準115-359)、Na 141mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 102mEq/l。CRP 9.8mg/dl、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.32、PaCO2 59Torr、PaO2 74Torr、HCO3- 29mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E060]←[国試_105]→[105E062]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I013]←[国試_103]→[103I015]
[★]
- 日
- へんずつう
- 英
- migraine
- ラ
- hemicrania
- 同
- 片頭痛型血管性頭痛 vascular headache of migraine type
- 関
- 頭痛、機能性頭痛。片頭痛治療薬
[show details]
片頭痛 : 約 1,400,000 件
偏頭痛 : 約 4,050,000 件
概念
- 機能性頭痛の一種であり、拍動性頭痛が特徴的で、前兆(閃輝暗点)を伴うことがある。頭痛の持続時間は72時間以上持続することはない。片側性であることが多く、日常生活に支障をきたす中等度~重度の頭痛である。
- 家族歴がありうる → 緊張型頭痛に家族歴があることは少ない
- 日常生活が妨げられ、悪心、嘔吐、光過敏を伴う頭痛 (感度81%, 特異度75%)(めざせ外来診療の達人 第3版 p.6)
疫学
- 頻度:8.4 ← 何に対しての頻度なのか不明。
- 頭痛に対して片頭痛が占める割合は16% (Goadsby PJ:Diagnosis and management of migraine, BMJ 312:1279, 1996)
- 男女比=1:3.6
- 家族歴がある場合があり、遺伝性が示唆される。片親が片頭痛の場合、50%。
誘因
- 月経、肩こり、ストレス、睡眠不足、過眠、光、騒音など
- HBN.219
- 身体精神的因子(疲労・ストレス、およびその解放後、激しい運動、性交、睡眠不足、睡眠過多、空腹など) → ストレスが最も多い
- 食事因子(チラミンや亜硫酸塩などを含むチョコレート、コーヒー、紅茶、熟成チーズ、乳製品、香辛料、グルタミン酸ナトリウム、ナッツ、ホットドック、ソーセージ、柑橘類、海藻、飲酒など)
- 薬剤(経口避妊薬、エストロゲン療法およびその離脱、硝酸薬や降圧薬などの血管拡張薬など)
- 環境因子(入浴・冷暖房による温度差、騒音、炎天、飛行機の離着陸時の気温差、騒音、臭気など)、アレルギー性因子(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、気管支喘息)
症状
- 周期性 月経と関連
- 頻度 数回/年~1回/週。平均月2回
- 持続時間 4-72時間
- 偏在性 60%が一側
- 部位 前頭部・側頭部の一側
- 頭痛の正常 拍動性(ないことも)
- 頭痛の程度 中程度~重度
随伴症状
増悪因子
治療
- 関
- 片頭痛治療薬
- 薬物療法:これらの薬剤は妊娠時には禁忌となるものが多い。
予防
- カルシウム拮抗薬 → 妊婦には禁忌
- β遮断薬 → 妊婦にも使用可能
- 抗うつ薬
- uptodate.4
- βブロッカー、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、及びARB
- RCTによる研究結果より、βブロッカー、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、及びARBが片頭痛の予防に有効であることが示されており、このうちβブロッカーが片頭痛の予防に有効であるという最も強いエビデンスがある。一方、チアジド系利尿薬が有効であるという臨床研究のデータはない。
- 一般的に降圧治療は頭痛の予防に有効であるようである。これはβブロッカー、ACE阻害薬、ARB、チアジド系利尿薬という4種類の降圧薬を対象とした95のRCT(頭痛の有病率を含む)のメタアナリシスで示されている。
ガイドライン
- http://www.jhsnet.org/guideline.html
参考
uptodate
- 1. [charged] 頭痛、片頭痛、および脳卒中 - uptodate [1]
- 2. [charged] 成人における片頭痛の病態生理、臨床症状、および診断 - uptodate [2]
- 3. [charged] 成人における片頭痛の急性期治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 成人における片頭痛の予防的治療 - uptodate [4]
- 5. [charged] 小児における片頭痛の病態生理、臨床的特徴、および診断 - uptodate [5]
- 6. [charged] 小児における片頭痛の分類 - uptodate [6]
- 7. [charged] 小児における片頭痛の管理 - uptodate [7]
- 8. [charged] 脳底型片頭痛 - uptodate [8]
- 9. [charged] 慢性片頭痛 - uptodate [9]
- 10. [charged] エストロゲン関連片頭痛 - uptodate [10]
国試
[★]
- 英
- serotonin syndrome
- 関
- セロトニン、セロトニン受容体
概念
- 抗うつ薬(特に SSRI と呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬。≒セロトニン受容体作動薬)などのセロトニン系の薬物を服用中に出現する副作用
- 精神症状(不安、混乱する、いらいらする、興奮する、動き回るなど)
- 錐体外路症状(手足が勝手に動く、震える、体が固くなるなど)
- 自律神経症状(汗をかく、発熱、下痢、脈が速くなるなど)
- 服薬開始数時間以内に症状が表れることが多い
- 服薬を中止すれば24時間以内に症状は消失
- 「不安」、「混乱する」、「いらいらする」に加えて以下の症状がみられる場合に医療機関受診を推奨している(参考1)
- 「興奮する」、「動き回る」、「手足が勝手に動く」、「眼が勝手に動く」、「震える」、「体が固くなる」、「汗をかく」、「発熱」、「下痢」、「脈が速くなる」
原因となりうる薬剤
トリプトファン、アンフェタミン、コカイン、MDMA、LSD、レボドパ、カルビドパ、トラマドール、ペンタゾシン、メペリジン、SSRI、SNRI、TCA、MAO阻害薬、リネゾリド、5-HT3阻害薬(オンダンセトロン、グラニセトロン)、メトクロプラミド(プリンペラン)、バルプロ酸、カルバマゼピン、シブトラミン(やせ薬)、シクロベンザプリン(中枢性筋弛緩)デキストロメルファン、(メジコン)、ブスピロン(5-HT1A阻害薬、抗不安薬)、トリプタン製剤、エルゴタミン、フェンタニル、リチウム
診断基準
- QJM. 2003 Sep;96(9):635-42
Hunter criteria
感度84%, 特異度97%
参考
- http://www.pmda.go.jp/files/000144659.pdf
[★]
- 英
- cluster headache
- 同
- ヒスタミン頭痛 histamine cephalalgia、ホートン頭痛 Horton's headache
- 関
- 群発性頭痛、頭痛、周期性片頭痛様神経痛、ホートン頭痛、ハリス片頭痛
診断基準
- 参考1.より
- A B~Dをみたす発作が5回以上ある
- B 未治療で一側性の重度~極めて重度の頭痛が、眼窩(がんか)部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に、15~180分間持続する
- C 頭痛と同側に少なくとも以下の1項目を伴う
- 1 結膜充血または流涙(あるいはその両方)
- 2 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
- 3 眼瞼浮腫(がんけんふしゅ)
- 4 前頭部および顔面の発汗
- 5 縮瞳(しゅくどう)または眼瞼下垂(がんけんかすい)(あるいはその両方)
- 6 落ち着きがない、あるいは興奮した様子
- D 発作頻度は1回/2日~8回/日である
- E その他の疾患によらない
治療
- 急性期治療のmodality:酸素投与、トリプタン、オクトレオチド、リドカイン、エルゴタミン (uptodate.2)
- トリプタン製剤:強い血管収縮作用を有する。(禁忌)狭心症、動脈閉塞性疾患、前立腺肥大症
参考
- 1. 慢性頭痛 日本頭痛学会編/一般・GL(06年)/ガイドライン 群発頭痛はどのように診断するのですか
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0025/3/0025_G0000155_0041.html
uptodate
- 1. [charged] 群発頭痛:疫学、臨床的特徴、および診断 - uptodate [11]
- 2. [charged] 群発頭痛:急性および予防的治療 - uptodate [12]
[★]
エルゴタミン、カフェイン、イソプロピルアンチピリン
クリアミン配合錠A1.0
有効成分
添加物
クリアミン配合錠S0.5
有効成分
添加物
[★]
エルゴタミン、酒石酸エルゴタミン
[★]
- 英
- dihydroergotamine、
- 化
- メシル酸ジヒドロエルゴタミン dihydroergotamine mesilate
- 商
- パンエルゴット、ヒポラール、ジヒデルゴット、レスタール
[★]
- 英
- ergotamine tartrate
- 関
- エルゴタミン
[★]
ジヒドロエルゴタミン