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モノアミン酸化酵素阻害薬(-さんかこうそそがいやく、英:Monoamine oxidase inhibitor:MAOI)は、モノアミン酸化酵素の働きを阻害することによって、モノアミン神経伝達物質として総称される脳内のドーパミンやセロトニンのような物質を分解されないようにする薬剤の総称である。MAO阻害薬とも呼ばれる。抗うつ薬や抗パーキンソン病薬として用いられる。日本では、過去に抗うつ薬にも使われたが、現在では抗パーキンソン病薬として使われる。国外では抗うつ薬としても使われる。
副作用として、最終的に体内でドーパミンとなる食品中のチラミンとの相互作用によって、致命的な高血圧や重い肝障害が生じる。そのため、食事の管理が徹底される必要がある。また、薬物間の相互作用も同様であり、ドーパミンの放出を促進する薬物には注意が必要である。さらにセロトニンの再取り込みを阻害する多くの抗うつ薬もセロトニン症候群を起こしうる。
モノアミン酸化酵素には、AとBがあり、古典的な抗うつ薬としてのセレギリンはBを阻害するMAO-B阻害剤である。近年、この危険性を改良した可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)という、可逆性MAO-A阻害剤が開発され、モクロベミド(英語版)が海外で販売されているが、それでもなお危険である。しかし、天然に由来するRIMAであるハルミンは、アヤワスカという幻覚剤の形で南米の原住民に伝統的に用いられてきた。
1950年代には、抗結核薬のイプロニアジド(英語版)を投与された患者に、軽い高揚が見られることに気付かれていた[1]。クラインは、1956年にロックランド州立病院の入院中のうつ病患者や、統合失調症の患者にイプロニアジドを試し、特にうつ病に有効であることを発見し、1957年に論文にて発表した[1]。イプロニアジドの肝臓障害の副作用が強かったため、モノアミン酸化酵素阻害薬の抗うつ薬としてトラニルシプロミン(英語版)や、イソカルボキサジド(英語版)が開発された[1]。
MAOIは、日本では1960年代後半からあまり用いられなくなり、理由としては食品との相互作用や、肝障害、また安易に三環系抗うつ薬と併用されて相互作用による副作用が多発したことが挙げられる[1]。
近年では、可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)という、可逆性MAO-A阻害薬が開発された。モクロベミド(英語版)であり、欧州でオーロリックス、カナダでマネリックスの名で販売されている。
主な薬理作用は脳内のモノアミン酸化酵素の働きを阻害するものである。本来、脳内のモノアミン酸化酵素はドーパミンやセロトニンを分解するが、その働きを強力に阻害する。そのことで、脳内にドーパミンなどの物質が蓄積され、濃度があがる。結果的に脳内のモノアミン神経伝達物質の量を増やす。
これにより、パーキンソン病の症状や抑うつ状態が改善されるとされる。
モノアミン酸化酵素には、AとBがあり、古典的な抗うつ薬としてのセレギリンはBを阻害するMAO-B阻害薬である。
近年、可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)という、可逆性MAO-A阻害薬は、MAO-B阻害薬に比べ、致命的な副作用について改善されてるが、それでもなお危険である。しかし、天然に由来するRIMAであるハルミンは、アヤワスカという幻覚剤の形で南米の原住民に伝統的に用いられてきた。
また、MAO-A阻害薬とMAO-B阻害薬の併用は危険である。
非選択的MAOIのサフラジン(英語版)が、以前にサフラの商品名で販売されていた。
可逆と非可逆とは、前者が薬剤の血中濃度の低下と共に阻害作用が減弱するのに対し、後者はその後にも一定の時間にわたって阻害作用が持続する。
セレギリンはパーキンソン病の治療においては、L-ドーパなどがあまり効かず、良い効果が得られない場合に追加して用いられる[2]。
セレギリンは、日本ではかつて抗うつ薬デプレニルの商品名で販売されていた。
可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)では副作用が緩和されているものの、依然としてチラミンの大量摂取には気をつけねばならない。
併用に関して十分に注意を払わなければならないものがいくつかある。
MAOIはその他の抗うつ薬と同様に、障害の経過を変えないので、断薬によって患者を治療前の状態に戻すことができる[4]。
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感度84%, 特異度97%
[★] モノアミンオキシダーゼ monoamine oxidase
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