- 関
- ドンペリドン
- 商品名
- 錠剤:5mg錠, 10mg錠。
- 鎮吐薬として成人は1日3回用いる。
- ドパミン製剤に対する制吐に対しては1回5-10mgを1日3回用いる。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/02 02:02:56」(JST)
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ドンペリドン
|
IUPAC命名法による物質名 |
5-chloro-1-(1-[3-(2-oxo-2,3-dihydro-1H-benzo[d]imidazol-1-yl)propyl]piperidin-4-yl)-1H-benzo[d]imidazol-2(3H)-one |
臨床データ |
法的規制 |
|
投与方法 |
経口、経直腸 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
高 |
血漿タンパク結合 |
91–93% |
代謝 |
肝臓、腸 (初回通過効果) |
半減期 |
7時間 |
排泄 |
乳汁、腎臓 |
識別 |
CAS番号 |
57808-66-9 |
ATCコード |
A03FA03 |
PubChem |
CID 3151 |
DrugBank |
APRD00418 |
ChemSpider |
3039 |
KEGG |
D01745 |
化学的データ |
化学式 |
C22H24ClN5O2 |
分子量 |
425.911 g/mol |
SMILES
- Clc1ccc2c(c1)[nH]c(=O)n2C1CCN(CCCn2c(=O)[nH]c3ccccc23)CC1
|
ドンペリドン(英: Domperidone)は、ドーパミン受容体拮抗薬の一つで、制吐薬、消化管機能改善薬として利用されている。
商品名としてはナウゼリン®(協和発酵キリン)などがある。
目次
- 1 作用機構
- 2 副作用
- 3 効能・効果
- 4 用法・用量
- 5 関連項目
- 6 参考文献
作用機構
ドーパミンD2受容体が活性化すると吐き気や嘔吐が起こる。またアセチルコリンの遊離が減少するため、胃運動が低下する。
ドンペリドンはこのD2受容体への拮抗作用により吐き気を抑え、上部消化管の運動機能を調整(促進)する。
D2受容体は延髄のCTZ(化学受容器引き金帯)や上部消化管に存在するが、ドンペリドンは血液脳関門を通過しにくく、中枢へはほとんど移行しないため、CTZのD2受容体への作用は弱く、主に上部消化管のD2受容体に作用する。そのため、作用機構がよく似たメトクロプラミド(中枢に移行する)に比べて副作用が起きにくく、安全性が高い。
副作用
D2受容体の刺激によりプロラクチンの分泌が抑制されるが、ドンペリドンはそのD2受容体を遮断するため、プロラクチンの分泌が促進され、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常などの副作用が現れることがある。
その他、下痢、便秘、腹痛などの消化器系の症状や、錐体外路症状、肝機能異常、めまい、眠気が現れることがある。
また、海外で重篤な心室性不整脈・心臓病死が起きたことから、長期使用者、高齢者、心疾患のある患者には注意が必要と思われる。また、QT延長が知られている薬剤との併用、強力なCYP3A4阻害薬との併用も薦められない。
効能・効果
下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)
成人:慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群、抗悪性腫瘍剤またはレボドパ製剤投与時
小児:周期性嘔吐症、上気道感染症、○抗悪性腫瘍剤投与時
用法・用量
成人:1回10mgを1日3回食前に経口投与する。ただし、レボドパ製剤投与時にはドンペリドンとして1回5~10mgを1日3回食前に経口投与する。
小児:1日1.0~2.0mg/kgを1日3回食前に分けて経口投与する。1日投与量はドンペリドンとして30mgを越えないこと。6才以上の場合はドンペリドンとして1日最高用量は1.0mg/kgを限度とすること。
関連項目
参考文献
- 渡辺稔 編著 『薬学テキストシリーズ 薬理学 ─基礎から薬物治療学へ─』、朝倉書店、pp.253-258 (2008)
- 関顕ほか 編 『治療薬マニュアル 2006』、医学書院、pp.677-678 (2006)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ナウゼリン錠5
組成
有効成分
添加物
- 日局カルナウバロウ、日局軽質無水ケイ酸、日局酸化チタン、日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、日局バレイショデンプン、
日局ヒプロメロース(置換度タイプ:2910)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、日局マクロゴール6000
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある。]
- プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す。]
効能または効果
- 下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)
成人:
- ○慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群
○抗悪性腫瘍剤またはレボドパ製剤投与時
成人:
- 通常、ドンペリドンとして1回10mgを1日3回食前に経口投与する。ただし、レボドパ製剤投与時にはドンペリドンとして1回5〜10mgを1日3回食前に経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。
- 下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)
小児:
小児:
- 通常、ドンペリドンとして1日1.0〜2.0mg/kgを1日3回食前に分けて経口投与する。
なお、年令、体重、症状により適宜増減する。
ただし、1日投与量はドンペリドンとして30mgを超えないこと。
また、6才以上の場合はドンペリドンとして1日最高用量は1.0mg/kgを限度とすること。
慎重投与
- 小児[「小児等への投与」の項参照]
- 肝障害又は腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、発赤、呼吸困難、顔面浮腫、口唇浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 後屈頸、眼球側方発作、上肢の伸展、振戦、筋硬直等の錐体外路症状(0.03%)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
- 意識障害、痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 上部消化管並びにCTZに作用し、抗ドパミン作用により薬効を発現する。なお、生化学的実験等により血液-脳関門を通過しにくいことが確かめられている。
消化管運動に及ぼす作用
胃運動促進作用11)
- 収縮頻度やトーヌスに影響を及ぼさず、胃の律動的な収縮力を長時間(約2時間)増大する。(イヌ)
胃・十二指腸協調運動促進作用12)
- 胃の自動運動を増大させると同時に、胃前庭部-十二指腸協調運動を著明に促進する。(モルモット摘出胃)
胃排出能の正常化作用13)14)
- 各種上部消化管疾患患者を対象とした試験で、胃排出能遅延例(胃潰瘍症例を含む)に対しては促進的に、逆に亢進例に対しては抑制的に作用し、障害されている胃排出能を正常化することが認められている。
下部食道括約部圧(LESP)の上昇作用15)16)
- 本剤のLESP上昇作用はガストリンやコリン作動性薬剤に比べて長時間持続する。(イヌ、ヒト)
選択的な制吐作用17)〜19)
- 第4脳室底に位置するCTZ(化学受容器引き金帯)の刺激を介して誘発される各種薬物(アポモルフィン、レボドパ、モルヒネ等)による嘔吐を低用量で抑制する(イヌ)。なお、条件回避反応等の中枢神経系に対する作用のED50と制吐作用のED50との間には極めて大きな分離が認められ、選択的な制吐作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 白色〜微黄色の結晶性の粉末又は粉末である(においはなく、わずかに苦味を呈する)。
溶解性
- 酢酸(100)に溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、2-プロパノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
分配係数
- logP′OCT=3.20
〔測定法:フラスコシェイキング法、n-オクタノール/pH7.4緩衝溶液〕
★リンクテーブル★
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商品
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エルゴタミン系薬
アセトアミノフェン
NSAIDs
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予防薬
カルシウム拮抗薬
三環系抗うつ薬
β遮断薬
抗てんかん薬
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- 英
- domperidone
- 商
- アースレナン、ジャックマール、ドンペリン、ナウゼリン、ナシロビン、ノーゼア、ハドドリン、フォリメジン、ペリゼリン、ペロリック、ミオナゼリン、モンロビア
- 関
- ドーパミン受容体。その他の消化器官用薬
構造
薬理作用
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- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3