- 英
- coronary artery bypass grafting, CABG
- coronary artery bypass CAB, coronary artery bypass graft surgery, coronary artery bypass surgery
- 同
- A-Cバイパス術 A-C bypass grafting、ACバイパス術 AC bypass grafting
- 大動脈冠状動脈バイパス術 coronary aortic bypass graft aortocoronary bypass grafting ACBG
- 関
- 冠動脈バイパス、冠動脈バイパス手術、冠状動脈バイパス術、冠状動脈バイパス手術
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- 冠血行再建術
- 冠状動脈の閉塞、狭窄に対して行われる外科的血行再建術。
適応
- 冠状動脈に75%以上の狭窄がある場合 → この狭窄で運動すると心筋虚血に陥る
- 左冠状動脈主幹部(LMT)に50%以上の狭窄が認められる
- 責任冠状動脈に心筋虚血が認められる。
YN.C-78
- 異型狭心症はCABGの対象ではない
- DM合併例の多枝病変ではPCIよりもCABGが推奨される。
標準循環器
- 1. 左冠状動脈主幹部病変例
- 2. 心筋虚血のある3枝病変例
- 3. CCSCのclass III及びIVの狭心症で前下行枝近位部病変を伴った1枝または2枝病変例
- 4. 内科治療抵抗性の不安定狭心症例
- 5. 内科治療抵抗性の心原性ショックを伴った急性心筋梗塞例
- 6. PTCA後の急性冠閉塞により心原性ショックとなった例
ガイドライン1.より引用
- 冠動脈造影上75%以上の狭窄があり、その灌流域の心筋虚血に対し手術効果が大きく、手術の危険性が少ない場合はよい適応となる。
-
- 1. 冠動脈造影による狭窄度、形態評価
- 2. 心筋虚血の証明:方法として負荷心電図、負荷心筋シンチ、負荷心エコー図、症状などがある。
-
- 大きな左前下行枝の近位部病変、PTCAの困難な病変形態の場合。PTCA不成功例
- 左前下行枝近位部病変を含む場合。左前下行枝近位部病変がPTCA困難な病変形態の場合。(特に慢性閉塞性病変)危険にさらされた側副血行路の場合。
ガイドライン
- 1. 冠動脈疾患におけるインターベンション治療の適応ガイドライン(冠動脈バイパス術の適応を含む)―待機的インターベンション―
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2000_fujiwara_h.pdf
- 2. 虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_kitamura_h.pdf
PrepTutorEJDIC
- Civil Aeronautics Board民間航空委員会
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/23 22:27:46」(JST)
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冠動脈大動脈バイパス移植術(かんどうみゃくだいどうみゃくバイパスいしょくじゅつ)は、虚血性心疾患に対し行われる手術的治療法である。
英名のcoronary artery bypass graft(またはgrafting)を略し、CABGとも呼ばれる。
目次
- 1 概要
- 2 グラフトに用いられる血管
- 3 術式
- 3.1 人工心肺装置を使用する方法
- 3.2 人工心肺装置を使用しない方法
- 3.3 意見が分かれる項目
- 4 施術後の死亡率について
- 5 外部リンク
概要[編集]
虚血性心疾患は、心臓の筋肉(心筋)への酸素供給量が低下し、需要量を下回ることによって起こる。心筋への酸素供給量が低下する原因の一つに冠動脈の狭窄、閉塞による血流量の低下が挙げられる。冠動脈大動脈バイパス移植術は狭窄した冠動脈の遠位側に大動脈(または内胸動脈)から血管をつなぎ、狭窄部をバイパスすることで血流量の回復をはかる手術である。
グラフトに用いられる血管[編集]
静脈を使う場合(静脈グラフト)と動脈を使う場合(動脈グラフト)に大別される。静脈グラフトは古くから用いられていたが、長期間追跡調査したところグラフトが詰まってしまう可能性が動脈グラフトより高いことが分かった。動脈グラフトはグラフトの攣縮(れんしゅく)による血流の低下が問題とされてきたが、カルシウム拮抗薬など血管拡張薬の進歩により治療成績は改善してきている。
- 大伏在静脈
- 内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈
- 内胸動脈にグラフトをつなぐ(延長する)場合もある。
術式[編集]
虚血性心疾患の治療方法としてはカテーテルを用いた経皮的冠動脈形成術(PCI)もあり、こちらは血管内手術と呼ばれ、いわゆる一般に考えられるような「皮膚を切開する手術」の必要がなく侵襲が低い(患者の体力的負担が軽い)。しかし、PCIが不可能な(もしくは危険で出来ない)病変があり治療に限界がある。 治療の流れとしてはまず血管造影を行い、PCIが可能な病変であればPCIを行い、不可能なものはCABGへと移行していくことになる。 手術は日本においては基本的に全身麻酔下で行われる。施設によっては硬膜外麻酔で行うところもあるが日本では一般的ではない(国情によって異なる)。手術の手順としては、開胸、バイパスに使う血管(グラフトと呼ぶ)の採取、グラフトの冠動脈への縫合、グラフトの大動脈への縫合、止血、閉創となる。このうちグラフトに用いられる血管と、グラフトの冠動脈への縫合に関しては何通りかの方法があるため後述する。
人工心肺装置を使用する方法[編集]
人工心肺による体外循環を使用し心臓を停止させて縫合を行う黎明期から施されている術式。
人工心肺装置を使用しない方法[編集]
近年スタビライザーという器具が開発され、常に動いている心臓に太さ数ミリメートルの血管を縫いつけるのは非常に困難であった施術が用意になり、縫合する部位のみ動きを止めることで心臓が動いている状態のまま手術することが可能となり、この術式を選択する医師も増えてきている。なおこの方法はオフポンプCABG(OPCAB=オプキャブ)と呼ばれている。
- OPCABの利点・欠点
人工心肺を使用しないことで人工心肺使用時のリスクを回避できることである。また、動脈硬化がひどく人工心肺を使用できないような場合でも手術が行える。欠点としては心臓の動きを抑えることで心臓の働きが低下してしまうため、心臓の機能に余裕がない場合手術が行えないことや手術操作中に一時的に冠動脈の血流が減少し不整脈が生じる可能性があること、術者の技量が要求されることなどである。
意見が分かれる項目[編集]
CABGに関して、現時点で明確に定まっていない事柄に関して解説する。現在根拠となるデータを集めるべく各国で研究、調査が行われており、標準的な治療方法が確立するまでは時間を要する。
- 人工心肺の必要が無いことから悪影響が少ない(低侵襲)手術方法として期待されたOPCABであったが、確実性に疑問を持たれていることも事実である。人工心肺を使用した方が手術の合併症が少ない、グラフトの開存性が勝っているなど、優れた結果が出ているという報告もある。
施術後の死亡率について[編集]
日本胸部外科学会がまとめた報告書によれば、年間の手術実施回数が15件未満の医療機関の死亡率は3.8%となっており、一方で49件以上の病院の死亡率は1.6%となっている。
外部リンク[編集]
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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- 1. 冠動脈バイパス術後の合併症予防のための内科的治療 medical therapy to prevent complications after coronary artery bypass graft surgery
- 2. 冠動脈バイパス術後の長期転帰 long term outcome after coronary artery bypass graft surgery
- 3. ST上昇型心筋梗塞後の冠動脈バイパス術 coronary artery bypass graft surgery after acute st elevation myocardial infarction
- 4. 冠動脈バイパス術の心臓以外の早期合併症 early noncardiac complications of coronary artery bypass graft surgery
- 5. 低侵襲冠動脈バイパス術:定義および技術的な問題 minimally invasive coronary artery bypass graft surgery definitions and technical issues
Japanese Journal
- 巻頭カラー 目でみる循環器CPC 急性心筋梗塞後重症心不全に対する冠動脈バイパス術+僧帽弁形成術後に心肺停止となった1例
- 脳血管障害合併例に対する開心術 (特集 合併症を有する胸部外科手術) -- (心臓血管領域)
- ランジオロール単独投与およびオルプリノンとの併用が心拍動下冠動脈バイパス術中の循環動態に及ぼす影響
- 2. 日本の冠動脈外科は世界標準を超えているか?(<特集>日本の心臓・大血管外科レベルは欧米を超えているか?)
Related Links
- 狭くなったり閉塞している冠動脈の先に別の血管(グラフトと呼ばれます)をつなげ、血液 がその道(バイパス)を通り、これによって血流の少ない部位により多くの血液を流して あげるのがこの手術の原理です。それにより心筋の血流不足(酸素不足)による狭心症 ...
- 冠動脈大動脈バイパス移植術. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 冠動脈大動脈バイパス移植術(かんどうみゃくだいどうみゃくバイパス いしょくじゅつ)は、虚血性心疾患に対し行われる手術的治療法である。 英名の coronary ...
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[★]
- 63歳の男性。前胸部痛を主訴に来院した。1か月前から、1週間に1回程度の頻度で200m程度の歩行時に前胸部痛が出現するようになった。今朝から、軽労作で2分程度の発作を繰り返すようになったため心配になって受診した。高血圧症と糖尿病の既往があり治療中であった。身長 164cm、体重 80kg。体温 36.8℃。脈拍72/分、整。血圧 166/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 472万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%、白血球 7,800、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、AST 32IU/L、ALT 34IU/L、LD 210IU/L(基準 176~353)、CK 122IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 23mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、空腹時血糖 130mg/dL、HbA1c 7.2%(基準4.6~6.2)、トリグリセリド 190mg/dL、HDLコレステロール 25mg/dL、LDLコレステロール 148mg/dL、Na 136mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 100mEq/L、トロポニンT陰性。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図を施行するため検査室に移動したところ、胸部症状が出現した。その時の心電図(別冊No. 2A)を別に示す。直ちに硝酸薬の舌下投与を行い、2分程度で症状は改善した。改めて施行された心電図(別冊No. 2B)を別に示す。急性冠動脈症候群の診断で緊急入院となり、冠動脈造影を施行された。冠動脈造影像(別冊No. 2C、D)を別に示す。
- この患者への対応として適切なのはどれか。
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- 58歳の男性。胸痛を主訴に来院した。1週前、プールで水泳中に締め付けられるような胸痛を初めて自覚した。痛みは数分で消失した。昨日の夕食後に同様の強い症状が出現し、約1時間で改善したためそのまま入眠した。今朝になって心配した家族に連れられて受診した。喫煙は20本/日を38年間。糖尿病にて食事指導と運動指導とを受けている。意識は清明。身長 160cm、体重 59kg。体温 36.3℃。脈拍 96/分、整。血圧 150/84mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜に異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 430万、Hb 14.0g/dL、Ht 36%、白血球 6,200、血小板 22万。血液生化学所見:心筋トロポニンT 陽性、CK 239IU/L(基準 30~140)、CK-MB 23IU/L(基準 20以下)。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図(別冊No. 31A)と冠動脈造影像(別冊No. 31B、C)とを別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I078]←[国試_109]→[109I080]
[★]
- 82歳の男性。呼吸困難のため搬入された。10年前に心筋梗塞を発症し、5年前に冠動脈バイパス術を受け、現在はアンジオテンシン変換酵素阻害薬とアスピリンとを服用中である。4泊5日の温泉旅行に行き3日前に帰ってきた。2日前からは身の回りのことで息切れを感じるようになり、昨晩、就寝後約2時間で突然呼吸困難、喘鳴および咳嗽が出現したため、救急車を要請した。意識は清明。脈拍112/分、不整。血圧142/88mmHg。呼吸数24/分。SpO2 95%(マスク4l/分酸素投与下)。頸静脈怒張を認める。III音を聴取し、全肺野に水泡音を聴取する。下腿に浮腫を認める。心電図で心房細動を認め心拍数は130/分である。前回検査時の心電図は洞調律で心拍数は64/分で、調律と心拍数の所見以外は変化はない。来院時の胸部エックス線写真(別冊No.5)を別に示す。
- 治療として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107C020]←[国試_107]→[107C022]
[★]
- 62歳の女性。胸部違和感を主訴に来院した。脂質異常症と高血糖とを定期健康診断で指摘されていたが、仕事が忙しくそのままにしていた。本日、買い物の帰りに駅の階段を昇った時に胸部違和感を自覚した。30分ほど椅子に座って休息したが症状が改善しないため受診した。最近1か月の間に労作時の胸部違和感が頻回にあった。脈拍84/分、整。血圧124/78mmHg。SpO2 98%(room air)。同日、緊急で冠動脈造影が実施された。左冠動脈造影像(別冊No.12)を別に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D030]←[国試_107]→[107D032]
[★]
- 66歳の男性。胸痛発作を主訴に来院した。
- 2か月前から労作時に3~5分間続く胸痛発作が出現し、安静により寛解した。2週前から胸痛発作の回数が増加し、軽労作でも出現するようになった。
- 脈拍92/分、整。血圧134/88mmHg。頚静脈の怒張はない。胸部に心拡大はなく、ラ音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。
- 血液所見:赤血球430万、Hb13.4g/dl、白血球6,900。
- 発作時の心電図と左冠動脈造影写真とを以下に示す。
- 適切な治療はどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096A019]←[国試_096]→[096A021]
[★]
- 70歳の男性。持続する前胸部痛を主訴に来院した。同症状は昨夜から出現し、冷汗を伴うようになった。体温37.0℃。呼吸数22/分。脈拍96/分、整。血圧80/56mmHg。肺野にcoarse crackles(水泡音)を聴取する。緊急で行った左冠動脈造影写真
と拡張期と収縮期との左室造影写真とを以下に示す。適切な治療法はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097A019]←[国試_097]→[097A021]
[★]
- 55歳の男性。胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。3か月前から、時々、めまいと前胸部痛とを自覚していた。意識は清明。身長166cm、体重66kg。脈拍88/分、整。血圧102/28mmHg。胸骨左縁第4肋間に拡張期雑音を聴取する。呼吸音に異常はない。肝・脾は触知しない。大動脈造影と冠動脈造影とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A019]←[国試_101]→[101A021]
[★]
- 78歳の男性。全身麻酔で冠動脈バイパス術を受けた。手術終了後、未覚醒の状態で、人工呼吸管理下にある。心拍数92/分、整。血圧132/72mmHg。動脈血ガス分析(100%酸素投与下) : pH7.30、 PaCO2 53Torr、 PaO2 270Torr、 HCO3- 22mEq/L。術前と術後の胸部エックス線写真(別冊No. 5A、 B)を別に示す。
- 術後の病態として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E044]←[国試_106]→[106E046]
[★]
- 78歳の男性。冠動脈バイパス術直後で手術室に入室中である。未覚醒で人工呼吸中である。脈拍 88/分、整。血圧 120/80mmHg。動脈血ガス分析(吸入酸素濃度 100%):pH 7.30、PaCO2 50Torr、PaO2 200Torr、HCO3- 24mEq/L。術前と全身麻酔下手術の終了直後の胸部エックス線写真(別冊No. 7A、B)を別に示す。
- 処置として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G055]←[国試_109]→[109G057]
[★]
- 64歳の男性。1か月前から、駅の階段昇降時に胸部圧迫感を自覚するようになり来院した。
- 20年前から高脂血症と糖尿病との治療を受けている。身体所見に特記する異常を認めない。負荷タリウム心筋シンチグラムと冠動脈造影写真とを以下に示す。
- 治療で適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A020]←[国試_098]→[098A022]
[★]
- 冠動脈バイパス術後の造影3D-CT(別冊No. 1)を別に示す。矢印のグラフトが吻合されているのはどれか。
- a 左冠動脈主幹部
- b 左冠動脈前下行枝
- c 左冠動脈対角枝
- d 左冠動脈回旋枝
- e 右冠動脈後下行枝
[正答]
※国試ナビ4※ [113F014]←[国試_113]→[113F016]
[★]
- a 若年者に多い。
- b 糖尿病の合併は少ない。
- c 心筋梗塞後にも発生する。
- d 有痛性より予後が良好である。
- e 冠動脈バイパス術の適応基準は有痛性と同様である。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D016]←[国試_109]→[109D018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104I029]←[国試_104]→[104I031]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106E002]←[国試_106]→[106E004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D006]←[国試_102]→[102D008]
[★]
- 英
- variant form of angina, variant form of angina pectoris, variant angina pectoris, VAP
- 同
- プリンツメタル型狭心症 Prinzmetal angina Prinzmetal's variant angina Prinzmetal's angina
- 関
- 狭心症
定義
- 安静時の狭心発作に可逆性一過性のST上昇を伴う狭心症
- 冠攣縮性狭心症のうち発作時の心電図でST上昇を伴うもの(YN.C-68)
特徴
- 発作は安静時、とくに夜間から早朝にかけての睡眠中に出現し(早朝睡眠中)、大体決まった時刻に起こる。
- 心電図上、ST上昇がみられる ← 労作時狭心症では発作中のSTは低下するのじゃが。
疫学
- HIM.1531
- 一般的には不安定狭心症患者より若く、リスクファクターは少ない。
成因
- may involve increased sympathetic activity in combination with endothelial dysfunction.
- 心外膜の冠動脈における巣状攣縮 focal spasm of an epicardial coronary artery (HIM.1531)
病態
- 冠攣縮:粥状班は冠動脈の完全閉塞をきたさないが、多くの患者で冠動脈の近位部に少なくとも一ヵ所見いだされる。この粥状班から1cmのところで攣縮が起こる。大抵、右冠動脈でfocal spasmがおこるのが一般的である。1本の動脈に単発or多発することもあるし、多枝同時におこるこももある。(HIM.1531)
症候
- HIM.1531
検査
- 心電図
- exercise testing:ST segmentの評価ができないため有用ではない。
- 冠動脈造影検査 coronary angiohraphy:(diagnostic hallmark)一過性の冠攣縮
診断
- 臨床診断はST上昇、安静時狭心痛で行う(HUM.1531)
- エルゴノビン、アセチルコリン、あるいはその他の血管収縮薬の服用、または過呼吸は冠攣縮を誘発するの使われ、またこれらで診断をつけることができるfocal coronary stenosisがはっきりと示される。(HUM.1531)
治療
- nitrates, calcium blocker がメインである。舌下錠は発作に対して、長期作用薬 long-acting nitrate は発作の再発予防に有用。calcium channel blockerは冠攣縮の予防に非常に有用でできるだけ多く処方すべき。
- β blockerは禁忌である → 冠攣縮を誘発するおそれ。β2Rをblockするから???
参考
- http://en.wikipedia.org/wiki/Prinzmetal's_angina
ガイドライン
- 1. 冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ogawah_h.pdf
[★]
- 英
- coronary artery bypass grafting、CABG
- 関
- 冠動脈バイパス術、冠動脈バイパス手術、冠動脈バイパス
[★]
[★]
冠動脈バイパス術、coronary aortic bypass graft
[★]
- 同
- CABG, 冠動脈バイパス術
[★]
- 英
- off-pump coronary artery bypassm off pump CABG off-pump coronary-artery bypass surgery
- 同
- オフポンプ冠動脈バイパス術
- 関
- 冠動脈バイパス術
[★]
off-pump coronary artery bypass
[★]
- 同
- 冠状動脈
[★]
- 英
- bypass surgery、bypass graft surgery
- 関
- 短絡術、バイパス移植術、バイパス形成術、バイパス手術
[★]
- 英
- surgery
- 関
- 外科、外科学、手術、外科術、外科手術
[★]
- 英
- artery (Z)
- ラ
- arteria
- 関
- 静脈
[★]
- 英
- bypass、bypass
- 関
- 迂回