- 遠山○男、48歳の男性。急性骨髄性白血病と診断され、現在、寛解導入化学療法中である。昨日の血液検査では白血球1,760、血小板2.6万であった。本日午前10時ころ、心窩部痛とともに大量の吐血があり血圧が低下した。救急部と消化器内科とから医師が呼ばれ、緊急の救命処置がとられた。緊急内視鏡検査で胃潰瘍からの動脈性の出血を認め、内視鏡的に止血を試みたが、充分な止血が得られなかった。緊急に輸血が必要と考え、A医師によってO型Rh(+)赤血球濃厚液6バッグが輸血部にオーダーされた。15分後、交叉試験済みの血液6バッグが病棟に届けられ、4バッグがすぐに輸血され、2バッグは病棟の冷蔵庫に保管された。この病棟では、血液保管用冷蔵庫は4つの部分に分けられ血液型ごとに分けて保管することになっていた。患者の血圧がさらに下がったため、A医師の指示で輸血が追加されることになった。冷蔵庫から輸血バッグが看護師によってベッドサイドに運ばれ、B医師によって輸液ルートにつながれた。約10分後、A医師が輸血されている輸血バッグはO型Rh(+)であるものの「遠藤△子」と記されていることに気付いて、直ちに輸血を止めた。
- この事故において最も重大な過誤はどれか。
- a. 余分の血液バッグを病棟で保存した。
- b. 冷蔵庫の内部を血液型ごとに分けた。
- c. 冷蔵庫から持ち出す際に名前を確認しなかった。
- d. 輸血を指示した医師と実際につないだ医師が異なった。
- e. 輸血バッグを輸液ルートにつなぐ際に名前を確認しなかった。
[正答]
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[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 65歳の男性。両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した。
- 現病歴 : 3か月前からリンパ節腫脹が出現し、次第に増大してきた。この間、発熱や体重減少は認めていない。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長166cm、体重62kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧116/66mmHg。皮膚は正常。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。両側頸部と鼠径部とに、直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知する。可動性を認めるが圧痛はない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 524万、Hb 15.2g/dl、Ht 47%、白血球 5,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球 56%、単球10%、好酸球 4%、好塩基球 3%、リンパ球 25%)、血小板 34万。血清生化学所見:総蛋白 7.3g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl、総コレステロール 217mg/dl、AST 50単位、ALT 28単位、LDH 530単位(基準176~353)、可溶性IL-2受容体 2,280U/ml(基準220~530)。免疫学所見:CRP 5.4mg/dl、ツベルクリン反応陰性。
[正答]
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[★]
- 2歳の男児。4時間前に紙巻きタバコを約1cm誤飲したため来院した。症状はない。
- 最も適切な対応はどれか。
- a. 胃洗浄を行う。
- b. 水を飲ませる。
- c. 牛乳を飲ませる。
- d. 緩下薬を投与する。
- e. 無処置で観察する。
[正答]
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