- 英
- neurotransmitter (SP)
- 同
- ニューロトランスミッター、化学的伝達物質 化学伝達物質 chemical transmitter、伝達物質 transmitter
概念
作用の方向で分類
- アセチルコリン
- グルタミン酸
- GABA
- グリシン
部位で分類
物質群別
アミノ酸 (SPC.76-78)
ペプチド (SPC.79)
WordNet
- set used to broadcast radio or tv signals (同)sender
PrepTutorEJDIC
- 送る(伝える)人(物) / (テレビ・ラジオの)送信機 / (電話の)送話器,(電報の)送信器
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/21 12:09:17」(JST)
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神経伝達物質(しんけいでんたつぶっしつ、英: Neurotransmitter)は、シナプスで情報伝達を介在する物質である。シナプス前細胞に神経伝達物質の合成系があり、シナプス後細胞に神経伝達物質の受容体がある。神経伝達物質は放出後に不活性化する。シナプス後細胞に影響する亜鉛イオンや一酸化窒素は広義の神経伝達物質である。ホルモンも細胞間伝達物質で開口放出し受容体に結合する。神経伝達物質は局所的に作用し、ホルモンは循環器系等を通じ大局的に作用する。アゴニストとアンタゴニストも同様の作用をする。
目次
- 1 機序
- 2 分類
- 3 主な神経伝達物質
- 3.1 アミノ酸
- 3.2 アセチルコリン
- 3.3 モノアミン類
- 3.4 ポリペプチド類(神経ペプチド類)
- 3.5 その他
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
機序[編集]
神経細胞の構造図en:Dendrites=樹状突起、en:Rough ER (en:Nissl body)=粗面小胞体(ニッスル小体)、en:Polyribosomes=ポリリボソーム、en:Ribosomes=リボソーム、en:Golgi apparatus=ゴルジ体、en:Nucleus=細胞核、en:Nucleolus=核小体、en:Membrane=膜、en:Microtubule=微小管、en:Mitochondrion=ミトコンドリア、en:Smooth ER=滑面小胞体、en:Synapse (Axodendritic)=シナプス(軸索樹状突起)en:Synapse=シナプス、en:Microtubule en:Neurofibrils=微小管ニューロフィラメント、en:Neurotransmitter= 神経伝達物質、en:Receptor=受容体、en:Synaptic vesicles=シナプス小胞、en:Synaptic cleft=シナプス間隙、en:Axon terminal=軸索末端、en:Node of Ranvier =ランヴィエの絞輪、en:Myelin Sheath(en:Schwann cell)=ミエリン鞘(シュワン細胞)、en:Axon hillock=軸索小丘、en:Nucleus (en:Schwann cell)=細胞核(シュワン細胞)、en:Microfilament=マイクロフィラメント、en:Axon=軸索
|
放出前[編集]
神経伝達物質はシナプス前細胞の細胞体で合成され、細胞輸送によって運ばれてくるないしは細胞外から吸収され、前シナプス終末にあるシナプス小胞に貯蔵される。前シナプス終末に活動電位が到達すると神経伝達物質はシナプス間隙に放出される。
放出後[編集]
神経伝達物質はシナプス間隙に放出されると、拡散によって広がり、後シナプス細胞の細胞膜上にある受容体と結びついて活性化される。受容体がイオンチャネル型の場合そのイオンチャネルが開き、受容体が代謝型であればその後いくつかのステップを経てイオンチャネルを開かせ、後シナプス細胞に脱分極ないし過分極を生じさせる。放出後は速やかに酵素によって不活性化されるか、または前シナプス終末に再吸収され、一部は再びシナプス小胞に貯蔵され再利用される(元のシナプス小胞に戻るのではなく別のシナプス小胞に充填される)。
分類[編集]
神経伝達物質は大きく分類すると以下の3つになる。
- アミノ酸(グルタミン酸、γ-アミノ酪酸、アスパラギン酸、グリシンなど)
- ペプチド類(バソプレシン、ソマトスタチン、ニューロテンシンなど)
- モノアミン類(ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドパミン、セロトニン)とアセチルコリン
その他一酸化窒素、一酸化炭素などの気体分子も神経伝達物質様の作用を示す。
主な神経伝達物質[編集]
アミノ酸[編集]
-
-
- アスパラギン酸
- グルタミン酸 (Glu)
- γ-アミノ酪酸 (GABA)
- グリシン (Gly)
- タウリン[1]
アセチルコリン[編集]
-
-
モノアミン類[編集]
モノアミン類は次より合成。
- フェニルアラニン、チロシンより合成(合成経路でカテコールアミンを経由)
-
- ドパミン (DA)
- オクトパミン
- チラミン
- フェニルエタノールアミン
- トリプトファンより合成
-
- セロトニン (5-hydroxytryptamine, 5-HT)
- メラトニン (Mel) (セロトニンより導かれるが、モノアミンではない)
- ヒスチジンより合成
-
ポリペプチド類(神経ペプチド類)[編集]
ペプチドホルモンと共通するものが含まれる。
-
-
- ボンベジン
- ガストリン放出ペプチド (GRP)
- ニューロテンシン
- ガラニン
- カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)
- ガストリン類
-
- Neurohypophyseal類
-
- バソプレッシン
- オキシトシン
- ニューロフィジンI
- ニューロフィジンII
- 神経ペプチドY
-
- 神経ペプチドY (NY)
- 膵ペプチド (PP)
- ペプチドYY (PYY)
- オピオイド
-
- 副腎皮質刺激ホルモン
- ベータリポトロピン
- ダイノルフィン
- エンドルフィン
- エンケファリン
- ロイモルフィン
- セクレチン類
-
- セクレチン
- モチリン
- グルカゴン
- 血管作動性腸管ペプチド (VIP)
- 成長ホルモン放出因子 (GRF)
- ソマトスタチン
-
- タキキニン類
-
- ニューロキニンA
- ニューロキニンB
- ニューロペプチドA
- ガンマニューロペプチド
- P物質
その他[編集]
-
-
- 一酸化窒素 (NO)
- 一酸化炭素 (CO)
- アグマチン
- アナンダミド
- ジメチルトリプタミン
- アデノシン
- アデノシン三リン酸 (ATP)
-
脚注[編集]
- ^ Elマウス脳内タウリンとアスパラギン酸の痙攣発作発現機構への関与に関する研究
関連項目[編集]
- 脳 - 神経
- 神経細胞 - シナプス - 受容体
- ホルモン
- サイトカイン
- ケモカイン
- 化学伝達物質
外部リンク[編集]
- FM1-43 - 脳科学辞典 シナプス顆粒の放出を可視化する色素であるFM1-43についての解説。
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Japanese Journal
- 性機能障害 (特集 向精神薬の副作用と対策 Update)
- 月経からみた女性のストレス疾患(シンポジウム:女性のライフステージと心身症,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
- 甲村 弘子
- 心身医学 54(7), 658-665, 2014-07-01
- … のQOLを低下させている.器質的異常を認めない機能性(原発性)の月経困難症と,器質的疾患によって起こる器質性(続発性)月経困難症の2種に分類され,後者の代表は子宮内膜症である.月経周期の変動に伴って症状の現れる疾患は月経前症候群である.本症の症状は身体症状から精神症状まで多岐にわたる.その症状の発現には性ステロイドホルモンと中枢神経系の神経伝達物質(セロトニン系,GABA系)との関係が注目されている. …
- NAID 110009823340
- 神経伝達物質グルタミン酸のシナプス小胞再充填速度の実測
- アセチルコリン概論 (特集 アセチルコリンと神経疾患 : 100年目の現在地)
Related Links
- -神経伝達物物質- 神経伝達物質とニューロン 神経細胞のニューロン間で信号(刺激)をやりとりするために必要な物質は、神経伝達物質と呼ばれています。 50種類以上の神経伝達物質が確認されていますが、その働きが比較的 ...
- ノルアドレナリンなど神経伝達物質の作用から不足、過剰になるとどうなるかをわかりやすく説明 ... タバコ、お酒はドーパミンを増やします。ドーパミンはドーパミンレセプター(受容体)にくっついて情報として次の神経系 ...
- 2ページ目は神経伝達物質 の流れにスポットを当てて説明します。 神経伝達物質の 一連の流れは大きく次の4つのプロセスに分けられます ① 神経伝達物質の合成 ② 神経伝達物質の放出 ③ 神経伝達物質→電気へ変換 ④ その後 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- ☆case14 複視
- ■glossary
- diplopia n. 複視
- 筋力低下、筋無力、筋脱力 muscle weakness, muscular weakness
- sunken
- vt. sinkのpp.
- adj.
- 沈没した、沈んだ、水中の
- 沈下した、一段低いところにある
- 落ち込んだ、くぼんだ
- 3,4-ジアミノピリジン 3,4-diaminopyridine 3,4-DAP K+チャネル阻害薬;ランバート・イートン筋無力症治療
- ■症例
- 43-year-old woman
- cheif complaint: diplopia
- present history: diplopia and holding her head up ; more marked in the evenings, for the last 3 months. difficulty of chewing. voice has become quieter. weight loss (3kg / 6months). non-smoker. drinks about 15 units/week. no regular medication.
- past history: no significant previous medical illnesses.
- family history: lives with her husband and three children.
- ・診察 examination
- looks well.
- organ systems: normal; cardiovascular, respiratory, and abdominal systems.
- muscle power; grossly normal. decrease after testing a movement repetitively.
- motor function: normal; tone, coordination, reflexes and sensation.
- bilateral ptosis. exacerbated by prolonged upward gaze
- eye: normal; pupillary reflexes, eye movements, and funduscopy
- ■答え
- diagnosis: myathenia gravis
- differential diagnoses:
- CASES
- 上位and/or下位運動ニューロン motor neurone disease 運動ニューロン疾患:線維束性攣縮。進行例では筋力低下
- 筋 muscular dystrophy 筋ジストロフィー:ある種の筋肉が選択的に筋力低下する。家族歴がある。
- 筋 dystrophia myotonica 強直性筋ジストロフィー:咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋の筋萎縮、四肢遠位端の筋萎縮。顔貌が特徴的(前頭部脱毛、無表情、窪んだ頬)。家族歴ある。筋電図が診断に有用(急降下爆撃音)。
- 筋 polymyositis 多発筋炎:普通は皮疹と関節痛が出現。CKが上昇。筋生検が診断に有用
- 筋 myopathy ミオパチー:甲状腺中毒性ミオパチー、甲状腺機能低下症によるミオパチー、クッシング症候群によるミオパチー、アルコール性のミオパチー
- 神経筋接合部? non-metastatic associations of malignancy (paraneoplastic syndrome(傍腫瘍性症候群 = 腫瘍随伴症候群)のこと):胸腺腫の症例の10%に重症筋無力症がみられる。ランバート・イートン筋無力症症候群は小細胞癌と関連がある。
- HIM.2674
- Treatment with penicillamine (used for scleroderma or rheumatoid arthritis) may result in true autoimmune MG, but the weakness is usually mild, and recovery occurs within weeks or months after discontinuing its use.
- 重症筋無力症の誘発:ペニシラミン(強皮症や関節リウマチの治療に用いられる)。
- mildだし、薬剤の中断で改善する。
- Aminoglycoside antibiotics or procainamide can cause exacerbation of weakness in myasthenic patients; very large doses can cause neuromuscular weakness in normal individuals.
- 重症筋無力症の悪化:アミドグリコシド系抗菌薬、プロカインアミド
- MGの患者の筋脱力が悪化する。
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- aminoethylsulfonic acid
- 同
- 2-アミノエタンスルホン酸 2-aminoethane sulfonic acid、タウリン taurine
- 関
- [[]]
テンプレート:Infobox 有機化合物
概念
- タウリン(Taurine)は生体内で重要な働きを示す含硫アミンの一種
- H2N-CH2-CH2-SO3H
- 分子量125.15
- ネコはタウリンを合成する酵素を持っていないため、ネコにとっての重要な栄養素といえる。このためキャットフードにはタウリンの含有量を明記したものが多い。ネコではタウリンの欠乏により拡張型心筋症が生じる。ただし、ヒト、トリ、ネズミなどは体内で合成できる。ヒトの生体内ではアミノ酸のシステインから合成される。
- 有機合成化学ではシスタミンの酸化、システアミンの酸化のほか、ブロモエタンスルホン酸とアンモニアなどから誘導される。構造式は、NH2CH2CH2SO2OH。分子量125.15。IUPAC名は2-アミノエタンスルホン酸。無色の結晶であり、約300℃で分解する。水溶性だが有機溶媒には溶けない。CAS登録番号は107-35-7。
タウリンの代謝
タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つ酸であることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。
[★]
- 英
- psychiatric disorder
- 関
- 向精神薬
精神状態と神経伝達物質 (BEHAVIORAL SCIENCE 4TH EDITION, p.32)
[★]
- 英
- vasoactive intestinal polypeptide VIP, vasoactive intestinal peptide
- 同
- 血管作用性小腸ペプチド
- 関
- 神経伝達物質
[show details]
血管作動性腸管ポリペプチド : 63 件
血管作動性腸ペプチド : 51 件
血管作動性腸管由来ポリペプチド : 30 件
血管作用性小腸ペプチド : 約 46 件
血管作用性腸ポリペプチド : 17 件
血管作用性腸管ペプチド : 21 件
血管作用性腸管ポリペプチド : 20 件
血管活性腸管ペプチド : 24 件
血管活性腸管ポリペプチド : 13 件
血管賦活腸管ペプチド : 8 件
まとめ
- 腸管の拡張や迷走神経の刺激により胃から大腸に分布するVIP細胞から分泌され、小腸と大腸の蠕動運動を促進し、消化管による水とイオンの排出を促進する。また、胃酸分泌を抑制する。
概念
- グルカゴン・VIP:膵臓
- セクレチン:十二指腸粘膜
- VIPと関連蛋白:enteric nerve, 自律神経、中枢神経
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
作用
- 平滑筋弛緩作用、血管拡張作用、腸液分泌刺激作用
- 末梢血管、冠血管、肺動脈拡張 (SPC.345)
- 気管支平滑筋拡張 (SPC.345)
- 消化管平滑筋弛緩 (SPC.345)
- インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンなど分泌促進
- 重炭酸を含む膵液の分泌促進
- ガストリンの分泌抑制
- ↑ intestinal water and electrolyte secretion
- ↑ relaxation of intestinal smooth muscle and sphincters
分泌の調整
- ↑ by distension and vagal stimulation
- ↓ by adrenergic input
分子機構
生合成
臨床関連
- VIPoma vasoavtive intestinal polypeptidescreting tumor
- VIPを産生する非α非β膵島細胞腫瘍
- WDHA症候群(水様下痢低カリウム血症無胃酸症候群)
[★]
- 英
- serotonin, 5-HT, 5-hydroxytryptamine
- 関
- 神経伝達物質、セロトニン受容体、セロトニン作動性ニューロン、5-ヒドロキシインドール酢酸 5-HIAA
生合成
トリプトファン → 5-ヒドロキシトリプトファン
トリプトファン5-モノオキシゲナーゼ
OH
/\ /\/
-OOC-CH(NH3+)-CH2----|○| → -OOC-CH(NH3+)-CH2----| ○|
|| | | || | |
\ / \/ \ / \/
NH NH
+ +
テトラヒドロビオプテリン ジヒドロビオプテリン
+
O2
5-ヒドロキシトリプトファン → セロトニン
芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ
OH
/\ /\/
-OOC-CH(NH3+)-CH2----|○ | → H2N-CH2-CH2----| ○|
|| | | || | |
\ / \/ \ /\/
NH NH
薬理学
セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
[★]
- 英
- neurotransmitter uptake inhibitor
- 関
- 神経伝達物質取り込み阻害薬
[★]
- 英
- neurotransmitter uptake inhibitor
- 関
- 神経伝達物質取り込み阻害剤
[★]
- 英
- uptake inhibitor of neurotransmitter
- 関
- トランスポーター作用薬
[★]
- 英
- neurotransmitter release
- 関
- 神経伝達物質放出
[★]
- 英
- amino acid neurotransmitter
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 英
- transmission, transfer
- 関
- 伝導
[★]
- 英
- substance、material、matter
- 関
- 実体、問題、問題になる、材料、重要なこと、事項、サブスタンス
[★]
- 英
- transmitter
- 関
- 化学的伝達物質、化学伝達物質
[★]
- 英
- 関
-neurotransmission