直腸肛門周囲膿瘍
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 12.乳児痔瘻(肛門周囲膿瘍)と漢方治療(一般演題,第15回日本小児外科漢方研究会)
- 田中 彩,土岐 彰,小池 能宣,鈴木 淳一,タナカ 早恵,内藤 美智子,堀田 紗代,中山 智理,真田 裕,大橋 佑介
- 日本小児外科学会雑誌 47(2), 295, 2011-04-20
- NAID 110008607816
- 11.乳幼児肛門周囲膿瘍に対する十全大補湯の使用経験(一般演題,第15回日本小児外科漢方研究会)
Related Links
- 肛門周囲膿瘍. <症状> 突然、肛門が腫れて激しい痛みを起こします。膿で下着が 汚れると「便がもれた」と勘違いする人もいます。重症になると高熱、全身倦怠をおこし ます。体力の無い方で、すぐに処置をおこなわないと敗血症をおこすことさえあります。 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 72歳の女性。下腹部痛と血便のため救急外来を受診した。本日就寝前に急激な下腹部痛と下痢が出現した。数回の下痢に続いて鮮紅色の血便が出現したため受診した。20年前から糖尿病と高血圧症で自宅近くの診療所に通院している。意識は清明。体温 37.2℃。脈拍 96/分、整。血圧 142/92mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。腹部は平坦で、左下腹部に自発痛と圧痛を認める。筋性防御を認めない。血液所見:赤血球 380万、Hb 11.4g/dL、Ht 39%、白血球 11,200(桿状核好中球 4%、分葉核好中球 55%、好酸球 2%、単球 7%、リンパ球 32%)、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 24U/L、ALT 27U/L、LD 267U/L(基準 176~353)、アミラーゼ 60U/L(基準 37~160)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 6.6mg/dL、血糖 138mg/dL、HbA1c 6.9%(基準 4.6~6.2)、Na 141mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 99mEq/L。CRP 2.1mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.41、PaCO2 36Torr、PaO2 90Torr、HCO3- 24mEq/L。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C029]←[国試_113]→[113C031]
[★]
- 18歳の女子。肛門部痛を主訴に来院した。6か月前から37℃前後の発熱が時折出現するようになり近医を受診したが原因不明であった。2週前から口内炎、肘関節痛および肛門部痛が出現し、体重も2kg減少した。来院時、体温37.6℃。右下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知する。肛門周囲に瘻孔と腫脹とが存在し、圧迫で排膿を認める。血液所見:赤沈48mm/1時間、赤血球310万、Hb 9.1g/dl、白血球9,800、血小板51万。CRP6.8mg/dl(基準0.3以下)。
- 診断確定に有用な検査はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095G024]←[国試_095]→[095G026]
[★]
- 58歳の男性。3日前から肛門部違和感と肛門部痛とが出現し、昨夜から肛門部痛が増強してきたので来院した。5年前から時々排便時に出血を認めていたが放置していた。
- 身長162cm、体重54kg。脈拍84/分、整。血圧128/78mmHg。
- 血液所見:赤血球450万、Ht38%、白血球9,800。
- 肛門部の写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
D
- 内痔核の痔核嵌頓で肛門脱も伴っている。
- 痔核の脱肛のみであれば、疼痛は伴わないと思われるが、嵌頓することにより疼痛をきたしている。
※国試ナビ4※ [096D026]←[国試_096]→[096D028]
[★]
- 17歳の女子。排便時の肛門部痛と出血とを主訴に来院した。中学生の頃から便秘がちであり、日頃から硬便であった。今朝3日ぶりの排便時に肛門部に強い疼痛を自覚し、排便後肛門を拭いた紙に鮮血が付着した。身長 157cm、体重 54kg。体温 36.2℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/68mmHg。呼吸数 20/分。腹部は平坦、軟 で、圧痛を認めない。肛門周囲に異常を認めない。直腸指診で痛みを訴えるが腫瘤は触知しない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A030]←[国試_110]→[110A032]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B031]←[国試_095]→[095B033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D012]←[国試_102]→[102D014]
[★]
- 肛門部の写真(別冊No. 3)を別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I008]←[国試_106]→[106I010]
[★]
- a. 結核性が多い。
- b. 乳児期に好発する。
- c. 自然治癒はまれである。
- d. 真菌感染が原因である。
- e. おむつかぶれから発生する。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F031]←[国試_101]→[101F033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I008]←[国試_107]→[107I010]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104I030]←[国試_104]→[104I032]
[★]
- 英
- Crohn disease activity index, CDAI, Crohn's disease activity index, Crohn's Disease Activity Index
- 関
- クローン病、IOIBDスコア、クローン病活動度分類
#
|
評価内容
|
ウェイト(倍数)
|
*1.
|
過去1週間の軟便または下痢の回数
|
×5
|
*2.
|
過去1週間の腹痛 (腹痛の状態を毎日評価し、7日分を合計する) 0=なし、1=軽度、2=中等度、3=高度
|
×5
|
*3.
|
過去1週間の主観的な一般状態 (一般状態を毎日評価し7日分を合計する) 0=良好、1=軽度不良、2=不良、3=重症、4=激症
|
×7
|
*4.
|
患者が現在持っている下記項目の数 1) 関節炎/関節痛 2) 虹彩炎/ブドウ膜炎 3) 結節性紅斑/壊死性膿皮症/アフタ性口内炎 4) 裂肛、痔瘻または肛門周囲膿瘍 5) その他の瘻孔 6) 過去1週間100°F(37.8℃)以上の発熱
|
×20
|
*5.
|
下痢に対してlomoti(Lopemin)またはオピアトの服用 0=なし、1=あり
|
×30
|
*6.
|
腹部腫瘤 0=なし、2=疑い、5=確実にあり
|
×10
|
*7.
|
ヘマトクリット: 男(47-Ht) 女(42-Ht)
|
×6
|
*8.
|
体重:標準体重;100x(1-体重/標準体重)
|
×1
|
*CDAI 150以下:非活動期 450以上:非常に重症
|
[★]
- 英
- anus disease
- SSUR.566
概念
- 3大肛門疾患に痔瘻、裂肛、肛門周囲膿瘍・痔瘻がある。
肛門疾患
- 発生頻度は4.4%でその1/3が病院受診している。手術例で比較すると男性の方が女性より多い。40-60歳でピークとなり、20歳以下ではマレである。(ガイドライン 外来診療2012 p.429)
- 年齢・性差なくみられ、平均年齢は40歳である。後方正中線上が7割で、前方正中線上が1-2割である。前方正中線上のものは女性で多い。(ガイドライン 外来診療2012 p.429)
[★]
直腸肛門周囲膿瘍。肛門周囲膿瘍
[★]
- 英
- periproctal abscess
- 同
- 直腸周囲膿瘍 perirectal abscess、(国試)肛門周囲膿瘍 perianal abscess
- 関
- 痔瘻
- 乳児の肛門周囲膿瘍は肛門管の解剖学的特徴に加え、乳児の便性や腸管局所免疫の未熟性により発症しやすいとされており、1歳前後で自然治癒し予後良好である。
概念
- (構造上、糞便がしやすく)肛門陰窩より侵入した細菌が肛門腺に炎症を起こし、さらにこの炎症が肛門腺の隣接組織に波及し、ついには膿瘍をきたした病態。
分類
部位
- 好発部位は皮下、粘膜下、括約筋内、坐骨直腸窩。骨盤直腸窩は少ない
治療
- 内科的治療は無効であり、切開、排膿、瘻管除去が原則。
- 小児の場合は自然軽快する。
国試
[★]
- 英
- anus (Z)
臨床関連
- クローン病、潰瘍性大腸炎、放射線照射性直腸炎、薬剤性大腸炎、アメーバ赤痢、直腸粘膜脱症候群、急性出血性直腸潰瘍
-
- 直腸癌
- 肛門癌
- 組織型別(悪性黒色腫、カルチノイド、基底細胞癌、類基底細胞癌、Paget病、Bowen病)
肛門疾患の好発部位
- 内痔核:3時、7時、11時
- 痔瘻:6時 肛門中心線より後方に外瘻孔のある場合、6時の位置の肛門陰窩が原発口となる
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- abscess
- 組織、臓器に起こった化膿性炎(化膿)により好中球などの滲出物が蓄積した状態 (医学大辞典)
- 腔が形成されており、そこに滲出物がたまる。
[★]
- 英
- surrounding、circumferential、ambient、peri、around, circumference
- 関
- 環境、外周、約、外界