出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/04 23:40:55」(JST)
ラテックスアレルギー (英: Latex allergy, 独: Latexallergie) は、医療用手袋などに使われている天然ゴムの成分によってアレルギー反応を起こす病態である。メロンや桃、栗などの果物に含まれる成分と交叉反応を起こすことがあり、フルーツアレルギーを合併するため、ラテックス・フルーツ症候群と呼ばれることがある。
天然ゴムの原料となるゴムの木は、そのほとんどがパラゴムノキという種類であり、東南アジア地域に集中して栽培されている。ラテックスは、成長したゴムの木の幹に傷をつけそこから得られた白い樹液であり、多くの蛋白質が含まれている。ゴム手袋など最終製品にもこの蛋白質が残留しておりアレルギー反応を起こすものと考えられる。主要アレルゲンは、Hevea brasiliensis proteins(b1~b10) まで同定されている。 また、ゴム製造における加硫促進剤として利用されるチウラム(テトラメチルチウラムジスルフィド)が、日本人では5~7%の人がアレルゲンの陽性率を示す[1]。バナナ・クリ・キウイのアレルギーとの交叉反応も知られる。
患者はラテックス製の手袋を使用する医師・看護師をはじめとした医療従事者に多いが、その手袋を使用した外科手術を受けたことにより一般患者が発症する例もある。また、二分脊椎症の患者にも多い(産後、早期に手術する際にラテックス手袋に対し感作されるため 。また、排尿障害のためラテックス製の持続導尿カテーテルを留置することが多いため)。
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免疫反応の主体 | IgE | IgM, IgG | 免疫複合体 | Th1細胞 | Th2細胞 | Tc細胞 | IgG |
抗原 | 水溶性抗原 | 細胞や マトリックスに 結合している抗原 |
水溶性抗原 | 水溶性抗原 | 水溶性抗原 | 細胞関連の抗原 | 細胞表面レセプター |
エフェクター機構 | 肥満細胞の活性化 | 補体 (CDC)|NK細胞、好中球 (ADCC) | 補体、好中球 | マクロファージの活性化 | IgE産生、好酸球と肥満細胞活性化 | 細胞障害 | 抗体の結合 |
アレルギー疾患の例 | 気管支喘息 アレルギー性鼻炎 花粉症 喘息 蕁麻疹 アトピー性皮膚炎 ラテックスアレルギー |
ABO不適合輸血 新生児溶血性貧血 グッドパスチャー症候群 自己免疫性溶血貧血 AIHA 特発性血小板減少性紫斑病 ITP 橋本病 超急性移植片拒絶反応 |
アルツス反応 アニサキス症 トリ飼い病 農夫肺 血清病 急性糸球体腎炎 ループス腎炎(SLE) 関節リウマチ 過敏性肺臓炎 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 |
接触性皮膚炎 ツベルクリン反応 慢性肉芽腫症 |
慢性喘息 慢性アレルギー鼻炎 |
移植片拒絶 | 慢性蕁麻疹 バセドー病 重症筋無力症 |
検査方法 | RAST法 RIST法 皮内反応 プリックテスト スクラッチテスト 負荷試験 |
免疫組織染色 凝集反応(完全抗体) 凝集反応(不完全抗体, クームステスト) |
皮内反応 |
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