- 62歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。20歳ころに微熱が続き、抗菌薬治療を受けたことがある。心尖部領域に雑音を聴取する。心エコー図(別冊No.12A、B)を別に示す。
- 心音聴診で聴取されるのはどれか。2つ選べ。
- a opening snap
- b 収縮中期クリック
- c 収縮用駆出性雑音
- d 拡張早期高調性雑音
- e 拡張中期低調性雑音
[正答]
※国試ナビ4※ [104E055]←[国試_104]→[104E057]
★リンクテーブル★
[★]
- 62歳の女性。回転性めまいを主訴に来院した。3日前に美容院で洗髪のため仰臥位で懸垂頭位になった時に突然、回転性めまいが出現した。回転性めまいは十数秒で消失した。難聴や耳鳴りはなく、嘔気もなかった。その後、就寝時の寝返りで同様の回転性めまいが生じた。意識は清明。体温36.0℃。脈拍80/分、整。血圧136/82mmHg。純音聴力検査で異常を認めない。頭部単純MRIで異常を認めない。頭位眼振、頭位変換眼振所見(別冊No.11)を別に示す。
- 治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E054]←[国試_104]→[104E056]
[★]
- 63歳の女性。膝関節痛を主訴に来院した。10年前から歩行時に膝の痛みを感じるようになり、徐々に増悪している。下肢の写真(別冊No.13A)と膝関節エックス線写真(別冊No.13B)とを別に示す。
- 一次性病変があるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E056]←[国試_104]→[104E058]
[★]
[★]
- MS
- 英
- mitral stenosis, MS, mitral valve stenosis
- 関
- 僧帽弁狭窄、弁膜症
- distolic murmur at mitral area.
- opening snap at mitral area
疫学
- 女性に多い。男女比1:3。
- 50%が20歳代。20-40歳に多い。
- 既往にリウマチ熱がある事が多い。
病因
- 先天的な僧帽弁尖の狭窄
- 高齢者の前尖の石灰化
- 心内膜炎で弁尖に疣贅ができて弁口を閉塞
- 僧帽弁の弁口:MSでは2cm^2、健常人では4-6cm^2
病態
- 拡張期に左心房の血液を左室に駆出する抵抗が大きくなり、左心房に圧負荷がかかる!!
- 心房細動の合併で重症化する。
合併症
感染性心内膜炎:僧帽弁閉鎖不全症は感染性心内膜炎を来しやすい疾患であると認識してよいが,僧帽弁狭窄症の感染性心内膜炎は比較的少ない。よって僧帽弁狭窄症をハイリスクとすべきかどうかは議論が分かれる。(ガイドライン1より抜粋)
検査
- I音の亢進
- 僧帽弁開放音 (open snap)
- 心尖部拡張中期雑音:低音(low-pitched)、ランブル(rumbling)
- 前収縮期雑音:(洞調律の時に聴取され、心房細動では消失)
- 重症例 → グラハム・スティール雑音(肺高血圧を来した場合にPRを来し、拡張期に2-3LSBで聴取される。
- 経胸心エコー:
- 経食道心エコー:左房内血栓の描出に適する。
治療
- NYHA I度、かつ軽度僧帽弁狭窄症
- NYHA II度以上、かつ中等度以上僧帽弁狭窄症
手術療法の適応
- ガイドライン2
- 次の1.~2.が適応を判断するのに重要である。ガイドライン2ではOMC, MVRの推奨基準やNYHA別のフローチャートが示されている。
- 1. PTMCはNYHA II度以上の臨床症状出現 ← 僧帽弁弁口面積≦1.5cm2で左房から左室への血液流入障害が生じる。弁口面積≦1.0cm2では安静時にも左室への血液流入が障害されると肺うっ血・肺高血圧、心房細動が固定化、TRによる右心不全もきたす。
- 2. 心房臓細動の出現
- 3. 血栓塞栓症状の出現
- QB. C-444
- PTMCはNYHA II度以上、OMC,MVRはNYHA III度以上
- 弁口面積1.5cm2以下で臨床症状を有する
- NYHA I度であっても塞栓の既往や左房内血栓が疑われる場合 ← 経食道エコーで確認
- 左房平均圧15mmHg以上
- 出典不明
- 症状と治療法の選択
- 無症状例:保存的療法。心不全と血栓を予防。
- 症状有り:経皮経静脈的僧帽弁交連裂開術、僧帽弁置換術
ガイドライン
- 1. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_miyatake_h.pdf
- 2. 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_matsuda_h.pdf
国試