ブチルスコポラミン
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Japanese Journal
- 大腸3D-CT検査で良好な腸管拡張を得るために鎮痙剤は必要か?
- 永田 浩一,伊山 篤,花塚 文治,加藤 博之,山田 理恵子
- 日本大腸肛門病学会雑誌 63(3), 127-133, 2010-03-01
- … 目的:ブチルスコポラミン臭化物注射剤(ブスコパン®注)が大腸3D-CT検査における腸管拡張程度の改善に寄与するか検討した.対象・方法:大腸3D-CT検査を受けた150例を対象として,75例はブスコパン未使用群,75例をブスコパン使用群の2群に分けた.大腸を6区分に分類して合計1,800の大腸区分の腸管拡張程度を評価者3名が互いに独立して4段階の腸管拡張スコア(4点:十分に …
- NAID 10026313864
- 藤田 奈央,佐藤 哲大,中井 朝子,久原 重英,岡田 知久,富樫 かおり,湊 小太郎
- 電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 109(407), 259-264, 2010-01-21
- … 子宮蠕動の評価がなされているが,その変化は微細であることから,従来の評価は主観によるところが大きい.本報告では,子宮筋層の低輝度部の厚みを反映する時空間マップの情報を用いて,画像から蠕動領域を抽出し,その蠕動領域および領域内の輝度値より,蠕動の範囲と強度を算出した結果について述べる.抗コリン作用を持つ薬剤(ブスコパン(R))静注前後の画像を用い,解析結果を放射線医師の目視による評価と比較した. …
- NAID 110007866434
Related Links
- ブスコパンとは?ブチルスコポラミンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
- 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社のブスコパン錠10mg(末梢神経系用剤)、 一般名ブチルスコポラミン臭化物(Scopolamine butylbromide) の効果と副作用、写真 、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
*ブスコパン注20mg
組成
成分・含量
- 1管(1mL)中ブチルスコポラミン臭化物 20mg
添加物
禁忌
出血性大腸炎の患者
- [腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
緑内障の患者
前立腺肥大による排尿障害のある患者
重篤な心疾患のある患者
- [心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
麻痺性イレウスの患者
- [消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進
- 胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胃・胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、器具挿入による尿道・膀胱痙攣、月経困難症、分娩時の子宮下部痙攣
消化管のX線及び内視鏡検査の前処置
- 通常成人には1回1/2〜1管(ブチルスコポラミン臭化物として10〜20mg)を静脈内又は皮下、筋肉内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
前立腺肥大のある患者
うっ血性心不全のある患者
- [心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
不整脈のある患者
- [心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
潰瘍性大腸炎の患者
甲状腺機能亢進症の患者
- [心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
高温環境にある患者
- [汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(悪心・嘔吐、悪寒、皮膚蒼白、血圧低下、呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
鎮痙作用
- 摘出腸管におけるピロカルピン誘発痙攣をアトロピンとほぼ同量で抑制する(モルモット1))。
消化管運動抑制作用
- 静脈内投与により空腸の自動運動をアトロピンと同等に抑制することが、バルーン法を用いて認められている(イヌ1))。
胃液分泌抑制作用
- 皮下及び静脈内投与により、基礎及び刺激時の胃液分泌量、酸分泌量、ペプシン分泌量を抑制する(ラット2))。
膀胱内圧上昇抑制作用
- 静脈内投与により、カルバミルコリンによる膀胱内圧の上昇を抑制し、緊張を低下させる(ウサギ3))。
臨床薬理
消化管運動抑制作用
- 健康成人に胃、十二指腸及び直腸内投与すると胃、小腸における自動運動及びメトクロプラミド投与による運動亢進を抑制することが、バルーン法を用いて認められている。4〜6)
胃液分泌抑制作用
- ヒトに皮下及び静脈内投与すると、基礎及び刺激時の胃液分泌量、酸分泌量、ペプシン分泌量を抑制することが認められている。7)
胆のう収縮抑制作用
- 健康成人に静脈内投与すると、卵黄反射による胆のう収縮を抑制することがX線撮影により認められている。8,9)
膀胱内圧上昇抑制作用
- 健康成人に静脈内投与すると、カルバミルコリンによる膀胱内圧の上昇を抑制し、緊張を低下させる。3)
子宮収縮抑制作用
- ヒトに静脈内投与すると、妊娠子宮及び産褥子宮の頸部の収縮を抑制するが、体部については、ほとんど影響を及ぼさない。10)
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
性状
- ・白色の結晶又は結晶性の粉末である。
・水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
・本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは5.5〜6.5である。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- HELLP syndrome hemolysis, elevated liver enzymes, low platelets
- 同
- ヘルプ症候群
概念
- 溶血、肝臓酵素上昇、血小板減少を伴う。(NGY.399)
- 本疾患の溶血は微小血管障害性に起因する(参考6)ものであり、これで肝臓酵素上昇、血小板減少が説明できると思われる。
- 放置するとDICを発症する。(NGY.399)
- 妊娠高血圧症候群に伴うことが多い(NGY.399)。しかし15-20%の本疾患の患者では発症前に高血圧や蛋白尿を示していないため、妊娠高血圧腎症とは別の疾患概念と考える専門家もいる。(参考6)
疫学
- 発生頻度:0.021%、妊娠高血圧症候群の約2%(NGY.399)
臨床所見
- 右上腹部圧痛 80%
- 浮腫を伴う体重増加 60%
- 高血圧(重症 50%, 軽症 30%, なし 20%)
症状(NGY.399)
- 上腹部痛・心窩部痛(90%)、疲労感・倦怠感(90%)、嘔気・嘔吐(50%)
合併症
- DIC 20%
- 常位胎盤早期剥離 16%
- 腎不全 7%
- 肝破裂
- (子癇発作を起こしやすい)
診断
- 参考5
- 1. 肝機能:血清AST(GOT)値70U/l 以上、血清LDH 値600U/l 以上
- 2. 溶 血:血清間接ビリルビン値1.2mg/dl 以上、血清LDH 値600U/l 以上。病的赤血球の出現
- 3. 血小板数減少:血小板数10 万/μ l 以下
- 2)Sibai の基準を全て満たさなくても以下のような基準をひとつでも満たす場合には、HELLP 症候群発症を警戒し、注意を喚起する(妊娠中毒症学会HELLP 症候群検討小委員会)
- 1. 肝機能:血清AST(GOT)値、血清LDH 値が各施設の正常域を越えて高値の場合
- 2. 溶 血:血清間接ビリルビン値、血清LDH 値が各施設の正常域を越えて高値の場合
- 3. 血小板数減少:血小板数15 万/μ l 以下の場合
- 4. その他:血中アンチトロンビン活性が正常値の80% 未満の低下を示した場合やハプトグロビン値の低下した場合
鑑別疾患
治療
- 参考6
- 初期治療の方針:母体の安定化と胎児の評価を行い、急速遂娩の必要性を評価
- 1. termination:最良の治療法
- 以下に当てはまれば急速遂娩の適応:(1)妊娠34週以降である、(2)胎児の状態がnon-assureing statusである、(3)重篤な母体状態(多臓器不全、DIC、肝梗塞、肝出血、腎不全、早期胎盤剥離)である。
治療の禁忌
- 参考5
- 病態に交感神経活性化があるために、β受容体拮抗薬(リトドリン)、副交感神経遮断薬(ブスコパン)は血管攣縮を助長するため禁 ← 前者はα受容体の相対的活性化、後者は交感神経優位となるため、と思う。
予後
資料
- 1. HELLP, TTP, HUS の診断およびその管理
- http://www.jsog.or.jp/PDF/51/5102-31.pdf
- 2. 妊娠高血圧症候群 - 日本産科婦人科学会 - 日産婦誌58巻5号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5805-061.pdf
- 3. 2)妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群) HELLP 症候群 - 日本産科婦人科学会
- http://www.jsog.or.jp/PDF/57/5709-257.pdf
- 4. HELLP症候群の診断と対応(児娩出後の悪化への対応) - 日本産科婦人科学会 - 日産婦誌62巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/62/6209-273.pdf
- 5. C.産科疾患の診断・治療・管理 6.異常分娩の管理と処置 - 日産婦誌56巻6号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5606-107.pdf
- 6. [charged] HELLP syndrome - uptodate [1]
[★]
- 関
- 鎮痙薬。骨格筋弛緩剤
商品
- アフロクアロン:脊髄から上位の中枢にかけての広範囲の部位に作用して、筋緊張亢進状態を緩解させる。
- エペリゾン:脊髄において単及び多シナプス反射を抑制すると共に、γ-運動ニューロンの自発発射を減少させ、筋紡錘の感度を低下させることで、メフェネシンよりも強力な骨格筋弛緩作用を発揮する。また、中脳毛様体及び後部視床下部を介する脳波覚醒反応を抑制する作用や、血管平滑筋のCa2+チャネル遮断や交感神経活動の抑制を介して、皮膚・筋や脳への血流量を増大させる作用もある。脊髄レベルにおける鎮痛作用も有する。3)
- バクロフェン:γ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、脊髄の単シナプス及び多シナプス反射の両方を抑制し、γ-運動ニューロンの活性を低下させる抗痙縮剤
- クロルゾキサゾン:
[★]
- 関
- 薬理学、膵炎、急性膵炎、慢性膵炎
急性膵炎
- 種々の原因による膵臓から分泌される酵素により、膵臓自体が自己融解
- 膵トリプシン↑→phospholipase A2↑、esterase↑→浮腫、出血、壊死
- →進行すると多臓器へも波及、SIRS(全身性炎症反応症候群)、播種性血管内凝固(DIC)、多臓器不全(multiple organ failure, MOF)をきたす。
- 急性膵炎の治療としては、膵外分泌の抑制、鎮痛、酵素抑制が必要となる (SPC.313)
-
- ヒスタミンH2受容体遮断薬、抗コリン薬(ブスコパン)
- 十二指腸pH4.5↓→セクレチン分泌↑→膵液分泌↑ ←これを抑制するため
[★]
- 英
- scopolamine
- ラ
- scopolaminum
- 同
- Transderm Scop
- 化
- 臭化水素酸スコポラミン scopolamine methylbromidum、臭化ブチルスコポラミン
- 商
- オピスコ、スコルパン、スパスモパン、スポラミン、ダイピン、ハイスコ、パンスコ、ブスコパン、ブスコム、ブスフォリロン、ブスポン、ブチブロン、ブチルミン、リラダン、ロートエキス、弱オピスコ、弱パンスコ
- 関
- メチル硫酸N-メチルスコポラミン
[★]
- 英
- butylscopolamine、scopolamine butylbromide、butylscopolammonium bromide
- 化
- ブチルスコポラミン臭化物 scopolamine butylbromide、臭化ブチルスコポラミン butylscopolamine bromide、ヒヨスチン-N-ブチルブロミド hyoscine-N-butylbromide
- 商
- スコルパン、スパスモパン、スポラミン、ブスコパン、ブスコム、ブスフォリロン、ブスポン、ブチブロン、ブチルミン、リラダン
- 関
- ムスカリン性受容体