- 英
- traveller's diarrhea
- 同
- 旅行者下痢
- 関
- 急性腸炎、毒素原性大腸菌
病原性微生物
予防
HIM.818
- 好ましい:暖かい食べ物、調理後すぐの食べ物。飲料水は沸騰あるいは消毒された水
- 避ける:生野菜、サラダ、皮を剥いていない野菜、氷
- 次サリチル酸ビスマスは安価な旅行者下痢症予防薬。レジメンは2錠(525mg)を一日4回服用する。効果は有用であるらしく、3週間まで安全である。
- 予防的に抗菌薬は推奨されない。免疫力が低下している者(immusuppressed)、あるいは腸管感染症を来しやすい基礎疾患を有する者には推奨される。最近、非吸収性の抗菌薬、リファキシミンが出てきており、予防薬として選択肢の一つとなっている
-海外旅行者下痢症
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/31 10:24:41」(JST)
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旅行者下痢(りょこうしゃげり)は、渡航者下痢とも呼ばれ、主に国外旅行者が滞在先で遭遇する激しい下痢症状を指す。高齢者よりも若者がなる例が多いという。俗にいう食あたり、水あたりを発症したことをさす。
水分を摂ってホテルなどで安静にしていれば快復するケースが多いが、感染症が原因の場合は治療が必要である。
目次
- 1 原因
- 1.1 病原体
- 1.2 水質によるもの
- 1.3 慣れない食材
- 1.4 ストレスによる体調不良
- 2 予防
- 3 治療
- 4 関連項目
原因
主に外国の飲食物の摂取によるものとみられる(手洗いを徹底しないなど、接触のケースもありうるだろうが)。俗に外国の水や食物が「あわない」と言うが、これは外国の細菌や微生物への耐性や免疫が低かったり、外国特有の食材・物質・成分の処理能力が欠如していたりすることである。また、外国ならではの多量な使用量や、成分濃度に対して処理しきれないということもある。
病原体
細菌・ウイルス、寄生虫、毒素など。
約2割が該当し、体調不良による抵抗力低下が引き金になりがちである。一般細菌による食中毒、腸炎ビブリオ、ナグビブリオ菌、サルモネラ菌、ウェルシュ菌、クリプトスポリジウム、キャンピロバクターなどの事例が多いとされる。この他、病原性大腸菌、セレウス菌、A型肝炎、アメーバ赤痢、赤痢、腸チフス、コレラ、貝毒などによる症例もある。伝染病に該当する場合は現地の医療機関で診察・治療を受け、帰国後は検疫所で申告する必要がある。
水質によるもの
生水(加熱処理していない水道水)の衛生が問題な時は、上記の病原体に感染するリスクがある。
その他に原因と考えられるものに水の硬度がある。日本国内の水は世界的に見て超軟水であるため、主にヨーロッパなどの硬水による下痢が多い。また、地元では馴染みの衛生的な食材でも、食べ慣れない者には胃が受け付けないことがある。
慣れない食材
調理油、香辛料ほか、普段は摂取しない食材などによる一過性の胃腸障害もある。
発酵食品など複雑な成分をもつものは、加熱後であっても多量に摂ることは避けるべきである。油や香辛料は酸化による変性が原因となりがちである。早ければ3~4日で快復するが、10日以上あるいは帰国するまで長引く場合もある。
ストレスによる体調不良
旅行のスケジュールにより疲労が蓄積したり、ストレスをきたしたがために、胃腸炎をおこし、下痢の症状がでることもあろうが、こうしたタイプのストレスは、別に外国旅行の条件下でなくとも本人の健康管理などの問題次第でおこりうるので、果たしてわざわざ「旅行者下痢」と称するべきか疑問である。
渡航中のエコノミークラス症候群や船酔いに起因したり、飛行機による時差ぼけが尾を引いたりするせいで下痢気味になるのも、滞在先で受けるものではないので、本来の旅行者下痢の延長線上とみるべきであろう。もちろん、症状が出たときは何が原因か必ずしもはっきりするものではないので、これらは正しい診断を受けた場合の結果論である。
旅行前からすでに不調を感じていることも多く、出発前後の無理なスケジュールや、不潔・不安感を刺激される滞在先環境などにより引き起こされる。多くの場合は次第に慣れることなどで、ほどなく改善する傾向にある。
予防
- 体調管理
- 体調不良そのもの、あるいは感染症に見舞われる引き金となることから、出発前の体調管理は重要な予防策となる。基本的に食中毒に対する注意が有効で、生ものを避け、手洗いうがいを心がける。ただし、一部の病原体は加熱調理でも防げない。
- 予防接種
- 特定の感染症が流行している地域へ向かう場合、その感染症のワクチンが接種可能ならば予防策となりうる。そのほか腸管毒素原性大腸菌(ETEC)に対するワクチンが旅行者下痢専用として開発されている。但し、リスクのない予防接種は存在しない事を十分理解して行う必要がある。
治療
もし帰国後も症状が続くようなら、早急に医師の診察を受ける。以下に現地での応急処置に関する情報を記す。
- 水分補給
- 下痢で危険なのは、水分と電解質の損失による脱水症状である。従って、コレラなどの重大な感染症でも適切な水分補給で脱水症状を防げば、高い確率で重症化を回避することが出来る。下痢の治療のための水分補給では、単なる水では効果が期待できず、糖分と塩類濃度の溶液を摂る必要がある。これを経口補液療法(Oral rehydration therapy)といい、排泄物と同じ量の電解質溶液をとり続けて回復を待つ。WHO推奨レシピは、水1リットルに食塩3.5g、塩化カリウム1.5g、重曹2.5g、ブドウ糖20g、である。薬局で手にはいるが、無ければ粉末タイプのスポーツドリンクを2倍に薄く作ったものが最も好適で、その他ヤシ果汁や適当な菓子類を塩水で溶いたもの、あるいは薄めた海水等が利用可能である。
- ただし、水分を補いながら半日程度安静にしていても回復しなければ、または患者が小児だったり、ひどい腹痛や高熱を伴う、排泄物に多量の血液が見られる、などの場合は早急に予定を変更し、医療機関を頼るべきである。
- 治療薬
- 抗生物質や下痢止めの使用は要注意。これらは往々にして症状を悪化させる。
- かつて病原性大腸菌の患者に下痢止めを処方して重態化を招いてしまった様に、激しい下痢症状には下痢止めを控え、排泄を促すべきとされる。下痢止めが治療効果を発揮するのは、脱水症状の防止や下痢による体力消耗を防ぐ目的で使用する場合に限られる。抗生物質はさらに適切な使用が難しく、少なくとも不用意な服用は避けるべきである。
関連項目
- コレラ
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
- 下痢
- 脱水症状
- 経口補水塩
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Japanese Journal
- 症例報告 TCBS寒天培地に発育不良な非典型的なVibrio cholerae O139の1例
- 日本臨床微生物学雑誌 = The journal of the Japanese Society for Clinical Microbiology 26(2), 119-123, 2016
- NAID 40020827642
- 自治医科大学医動物学部門で4年間(2011-2014)に経験した寄生虫・衛生動物関連症例の検討
- 旅行者下痢症 (特集 実地医家のための渡航医療) -- (帰国後診療)
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★リンクテーブル★
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[正答]
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- 英
- afferent infection disease, imported infectious disease
- 同
- 旅行者感染症?、輸入伝染病 imported communicable disease
- 関
定義
- 日本に存在しない伝染病が旅行者や輸入食品などによって国内に持ち込まれたもの
↓拡張
- 過去に日本で存在したが激減した急性伝染病、性感染症を含む。
疫学
- 旅行者下痢症(30-80%)、マラリア、急性呼吸感染症、消化器感染症、性感染症
輸入感染症
- テーブルが載っている
[★]
- 英
- imported enteric infection?
定義
- 参考1
- 海外旅行者が以下の感染症、あるいは食中毒菌に感染し、日本国内に持ち込む旅行者下痢症のこと
2.検出された病原菌
- 参考1
- 1995年から1999年までの5年間に調査した4,777人のうち1,622人から病原菌が検出され、海外旅行下痢症の34.0%から病原菌が分離されたことになります。
- 最も多く検出された病原菌はプレジオモナスであり、次いで赤痢菌、腸炎ビブリオ、エロモナス、毒素原性大腸菌、サルモネラの順で、この6菌種で94.2%を占めていました。
- また複数の病原菌が検出された混合感染例が257症例(15.8%)もみられ、プレジオモナスと他の病原菌の組み合わせが多くみられました。
多い病原菌
参考
- http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol17/17-2.html
[★]
- 英
- giardiasis
- 同
- ランブル鞭毛虫症
- 関
- 旅行者下痢症、ランブル鞭毛虫 = Giardia lamblia
特徴
病原体
疫学
- 先進国での有病率は2-4%、発展途上国の小児では15%以上。
潜伏期間
感染経路
- 経口感染:汚染された飲食物からの嚢子(シスト)の摂取
- 性感染:男性瞳孔愛車間の感染
経過
- 発症後、数週間で自然に治癒することが多いが、一部は長期にわたって持続する。
症状
- 消化器症状(下痢(軟便、水様便から悪臭泡沫状の泥状便)、腹痛、鼓腸、倦怠感、悪心、食欲不振など)。
- 時に胆嚢炎。
検査
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診断
治療
予防
- 水道水、井戸水のそのままの摂取や不衛生な食品の摂取を避ける。十分な加熱によりシストを死滅させることが重要。
国試
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- 英
- diarrhea
- 関
- 下痢症(症候としての下痢)
概念
- 24時間の糞便重量150-200g以上 or 24時間の糞便中の水分量が150-200ml以上のもの
病態
漢方医学
[show details]
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- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- travel、travel
- 関
- 移行、移動、伝える
[★]
- 英
- traveler、traveller
- 関
- トラベラー