- 英
- Cushing syndrome, Cushing's syndrome
- 同
- (国試)Cushing症候群
- 関
- アジソン病、糖質コルチコイド、発症前クッシング症候群
- first aid step1 2006 p.253,259,296
糖質ステロイドの分泌過剰 ⇔ アジソン病
概念
- 糖質コルチコイドの分泌が過剰であるために引き起こされる症候群
- 副腎皮質の腺腫・癌、原発性副腎皮質結節性過形成、異所性ACTH産生腫瘍、下垂体過形成、下垂体腺腫(クッシング病)に分類される。
疫学
- 成人女性に多い(男:女=1:3-4。30-50歳代)
- 平成9年度の全国調査では年間発生数は 100-160例程度
- 副腎皮質腺腫: 47.1%
- 異所性ACTH産生腫瘍:3.6%
病因
鑑別診断
LAB.713改変
IMD.956
病態生理
- 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
- 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化。また、急激な肥満により皮膚の成長が追いつかず皮膚が引き延ばされるため?
- 3. 浮腫
- 4. 皮膚の菲薄化 、創傷治癒の遅延、皮膚の易感染性
- 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化
- グルココルチコイドのミネラルコルチコイド作用や血管への直接作用
- 肝臓における蛋白の異化亢進→アミノ酸からの糖新生亢進→血糖上昇。末梢組織でのインスリン抵抗性が上昇。
- コルチゾールの過剰による骨形成の抑制・骨吸収の促進・腸管からのCa吸収抑制、尿中Ca排泄促進(尿路結石の原因になることがあるらしい)
- 11. 精神症状
- 12. 成長障害(成長遅延)
- 13. 免疫抑制
症状
- 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
- 2. 皮膚線条、皮下出血、ざ瘡、多毛、浮腫、皮膚の菲薄化
- 3. 高血圧
- 4. 耐糖能低下、糖尿病
- 5. (近位筋の)筋力低下
- 6. 月経異常(無月経)
- 7. 骨折や骨粗鬆症
- 8. 精神症状:うつ、lethargy
- 9. 成長障害
- 10. 免疫抑制
- 11. 成長遅延
- 12. 多毛、挫創
鑑別に有用な小児におけるクッシング症候群の症状
診断
検査
血液検査
白血球
|
↑
|
白血球増多症
|
好中球
|
↑
|
|
好酸球
|
↓
|
|
リンパ球
|
↓
|
|
Na
|
↑
|
|
K
|
↓
|
3.5mEq/L以下 ← 低カリウム血症
|
血糖
|
高値
|
← 耐糖能異常
|
血漿ACTH
|
高値
|
(Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍)、それ以外は低値
|
血清コルチゾール
|
増加
|
日中の変動無し
|
総コレステロール
|
↑
|
高コレステロール血症
|
- 電解質異常:低カリウム血症 → アルカローシス (低カリウム血症により尿細管からのH+が増加(QB.D-357)???)
尿検査
治療
- 下垂体腺腫:腺腫:摘除
- 副腎腺腫・癌:
- 異所性ACTH産生腫瘍:腫瘍摘除
- 手術不能例・俯瞰全摘出例・再発例では放射線療法,薬物療法
択する.
予後
予防
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/05 00:40:48」(JST)
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クッシング症候群 |
分類及び外部参照情報 |
コルチゾール
|
ICD-10 |
E24 |
ICD-9 |
255.0 |
DiseasesDB |
3242 |
MedlinePlus |
000410 |
eMedicine |
med/485 |
Patient UK |
クッシング症候群 |
MeSH |
D003480 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
クッシング症候群(クッシングしょうこうぐん、Cushing's syndrome)は、慢性の糖質コルチコイド過剰による症候群。なお、下垂体腺腫が原因で起こるクッシング症候群を特にクッシング病(Cushing's disease)と呼ぶ。
目次
- 1 歴史
- 2 疫学
- 3 分類
- 4 病態
- 5 原因
- 6 臨床像
- 7 検査
- 8 治療
- 9 予後
- 10 脚注
- 11 関連事項
- 12 外部リンク
歴史
アメリカの脳神経外科医ハーヴェイ・ウィリアムス・クッシングによって「クッシング病」が初めて報告された。
疫学
原因は副腎腺腫が約50%、クッシング病が約35%である。他の腫瘍から来るものもある。女性に多い。
分類
- 下垂体腺腫(クッシング病)
- 副腎疾患
- 副腎腺腫、副腎癌、ACTH非依存性大結節性副腎過形成(AIMAH)、原発性副腎皮質小結節性異形成(PPNAD)など
- 異所性ACTH産生腫瘍
- 小細胞肺癌、気管支カルチノイド、胸腺腫、甲状腺髄様癌、膵癌、卵巣癌など
病態
種々の原因により糖質コルチコイドが増加していることによって、引き起こされる。ACTH産生性の腫瘍であるかどうかで、ACTH依存性、ACTH非依存性に分けられる。
原因
異所性ACTH産生腫瘍の原因には肺腫瘍、膵腫瘍、等が含まれる。
臨床像
主症状は
- 中心性肥満
- 満月様顔貌(ムーンフェイス)
- 高血圧
- 糖質コルチコイドが持つ鉱質コルチコイド作用によってナトリウムの再吸収が亢進し、ナトリウムによる浸透圧で水の再吸収が亢進し、循環血漿量が増加することで高血圧になる。
- 一般糖尿病症状
- 糖質コルチコイドは血糖値を上昇させるホルモンであるため。
- 赤紫皮膚線条
- 中心性肥満により、皮膚が病的に裂ける為に起こる。
- 筋力低下
- 糖質コルチコイドが持つ鉱質コルチコイド作用によってナトリウムの再吸収が亢進し、逆にカリウム利尿が亢進して低カリウム血症が起こるため。
- 骨粗鬆症
- 等。
検査
- 尿中、血中コルチゾール検査:コルチゾール値の増加が見られる。また、通常朝高く夜低くなる日内変動の消失が見られる。
- ACTH:ACTHの減少→副腎腫瘍、ACTHの増加→下垂体腫瘍・異所性ACTH産生腫瘍と鑑別される。
- 尿中17-KS、17-OHCS:ステロイドの代謝物。1日の尿中排泄量で評価する。クッシング症候群で増加する。
- DHEA-S:コルチゾールが高く、DHEA-Sも高いときは、ACTH依存性クッシング症候群の他に副腎癌も考慮すべきである。
- 下垂体MRI:クッシング病の場合、腫瘍を認める。
- 腹部CT/MRI:コルチゾール産生腺腫では腫瘍を認め、対側副腎は萎縮傾向。
- 胸部CT:異所性ACTH症候群の場合、肺や胸腺の病変を疑う必要あり。
- 副腎シンチグラフィー:コルチゾール産生腺腫では腫瘍側の集積亢進と対側の抑制。ACTH依存性クッシング症候群では両側の集積亢進。
- 白血球数増加、好酸球減少
- 基礎代謝率上昇
- デキサメサゾン抑制試験
- デキサメサゾン抑制試験(できさめさぞんよくせいしけん)は、糖質コルチコイドのアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して血中糖質コルチコイドを測定する試験。
- 迅速法 : ニュージェント法、オーバーナイト法
- デキサメサゾン抑制試験迅速法は、糖質コルチコイド受容体のアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して血中糖質コルチコイドを測定する試験。採血で済むので外来で行える。
- 目的
- クッシング症候群のスクリーニング。
- 原理
- 正常では、糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってデキサメサゾンの投与によって糖質コルチコイドが過剰だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制する。抑制されない場合はフィードバック経路のどこかに異常があると考えられる。
- 方法
- 検査前夜11時に1mgのデキサメサゾンを経口投与して翌朝8時に血中糖質コルチコイドを測定する。予めデキサメサゾンを貰っておけば一回の外来で済む。
- 判定
血中糖質コルチコイド(μg/dL) |
判定 |
理由 |
5以上~ |
クッシング症候群 |
フィードバック経路のどこかに異常がある |
3以上~5未満 |
プレクリニカルクッシング症候群(前臨床的クッシング症候群) |
フィードバック経路のどこかに異常があるかもしれない |
~3未満 |
正常(単純性肥満) |
正常では抑制される |
-
- 標準法 : リドル原法
- デキサメサゾン抑制試験標準法は、糖質コルチコイドのアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して尿中17-OHCS(にょうちゅうじゅうななおーはーしーえす)を測定する検査。24時間蓄尿をするので入院を要する。
- 目的
- 迅速法で判明したクッシング症候群の病型分類。
- 原理
- 正常では糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってデキサメサゾンの投与によって糖質コルチコイドが過剰だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して、糖質コルチコイドの合成は抑制されて、その代謝産物である尿中17-OHCSも減る。
- 方法
- 基準値
- 入院1日目に何も投与せずに24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定して、基準値とする。
- 2mg投与
- 入院第2日目と第3日目に0.5mgのデキサメサゾンを6時間毎に1錠、一日4錠(2mg/日、計8錠)経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。
- 8mg投与
- 2mgで低下しない場合はさらに、入院第4日目と第5日目に2mgのデキサメサゾンを6時間毎に1錠、一日4錠(8mg/日、計8錠)経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。ここで低下したら判定によりクッシング病と分かる。
- 判定
- 尿中17-OHCSが低下するのにどれだけのデキサメサゾンを要したかで行う。
デキサメサゾン(mg/日) |
17-OHCS低下の意味 |
判定 |
理由 |
2 |
正常量で低下した |
正常(単純性肥満) |
正常ならば反応するはず |
8 |
大量投与で低下した |
クッシング病 |
下垂体腺腫は多少反応性が保たれている |
(∞) |
低下せず |
副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 |
副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻している |
- メチラポン試験
- メチラポン試験(めちらぽんしけん)は、11βヒドロキシラーゼ(11β-HOlase)阻害薬メチラポン(商品名メトピロン)を投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を刺激して尿中17-OHCS(にょうちゅうじゅうななおーはーしーえす)を測定する検査。
- 目的
- デキサメサゾン抑制試験8gm投与と同じ。
- 意義
- 副腎皮質刺激ホルモン刺激試験。
- 原理
- 正常では糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってメチラポンの投与によって糖質コルチコイドが不足だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を増強する。その結果、11βヒドロキシラーゼの基質である11デオキシコルチゾールの産成が増強され、その代謝産物である尿中17-OHCSも増える。
- なお、H21年より17-OHCSの測定はできなくなったため、17-KGSを測定するとよい。また現在は、下記標準法よりは、1回の内服で血中のACTHと11-デオキシコルチゾール、コルチゾールを測定する方法(迅速法、オーバーナイト法)を行うことが多い。
-
- 方法(標準法)
- 0.5mgのメチラポンを一日六回、計3gを経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。
- 判定
- 尿中17-OHCSが増加したかどうかで行う。
尿中17-OHCS |
判定 |
理由 |
増加 |
クッシング病(又は正常) |
下垂体腺腫は多少反応性が保たれている |
増加せず |
副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 |
副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻していて、フィードバックが強くかかっている。 |
-
- 特異度
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験に劣る。この為同一目的・意義である副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験に取って代わられつつある。
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験(ふくじんひしつしげきほるもんほうしゅつほるもんしけん)は、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを投与して血中副腎皮質刺激ホルモン及び血中糖質コルチコイドを測定する試験。
- 目的
- デキサメサゾン抑制試験8gm投与に加え、副腎腫瘍と異所性ACTH産生腫瘍の鑑別を行うこと。
- 意義
- 副腎皮質刺激ホルモン刺激試験を迅速に行える。
- 原理
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが副腎皮質刺激ホルモンを刺激し、これが糖質コルチコイド産成を刺激する事。
- 方法
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを静脈注射して、30分後と60分後の血中の副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドを測定する。
- 判定
- 血中の副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドの多寡で行う。
検査値 |
判定 |
理由 |
過剰反応 |
クッシング病 |
下垂体腺腫は反応性が保たれている |
反応せず |
副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 |
副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻していて、フィードバックが強くかかっている。 |
治療
- クッシング病の治療
- 手術療法:経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術。かつては下垂体腫瘍を残したまま両側副腎の摘出術を行っていたこともあり、ネルソン症候群を発生させる原因となった。
- 放射線療法:ガンマナイフ。
- 薬物療法:副腎皮質ステロイド合成阻害薬。
- 異所性ACTH症候群の治療
- 原因腫瘍の摘出や化学療法を行う。手術不能例では副腎摘出を行う。
- 副腎腫瘍
- 副腎腫瘍の摘出。副腎の萎縮が見られるため、摘出後はグルココルチコイドの補充を行う。手術不能例、癌再発例や転移例にはステロイド合成阻害薬(ミトタン、トリロスタン、メチラポンなど)を投与する。
腫瘍の除去を第一として、手術・放射線治療・薬物による治療を行う。
予後
クッシング病や副腎腺腫は腫瘍摘出術によって大半が治癒する。一方、異所性ACTH症候群や副腎癌は予後不良である。
脚注
関連事項
偽性クッシング症候群
外部リンク
- 糖尿病・代謝 -清涼飲料水ケトーシスを契機に診断されたCushing病の一例- 日本内分泌学会雑誌 Vol.85 (2009) No.Supplement-1 特集号 第19回臨床内分泌代謝Update Proceeding p. 152-172
|
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Japanese Journal
- 歯性感染症を契機に診断されたクッシング症候群の1例
- 原発性色素性小結節性副腎異形成に対して両側副腎摘除術を施行した一例
- 赤塚 正幸,堀田 記世彦,和田 典男,藤澤 孝志,佐藤 択矢,村橋 範浩,高田 徳容,望月 端吾,平野 哲夫,原田 浩,深澤 雄一郎,関 利盛,富樫 正樹
- 2011-03-31
- … 原発性色素性小結節性副腎異形成(PPNAD)はACTH非依存性大結節性副腎過形成(AIM AH)とともに両側副腎性のクッシング症候群を呈する疾患である。 … 以上より副腎性のクッシング症候群が疑われた。 …
- NAID 120003145496
- OP-060 クッシング症候群患者の副腎腫瘍切除後に生じる副腎皮質機能不全に対する高気圧酸素治療(副腎・後腹膜・上部尿路通過障害,一般演題口演,第99回日本泌尿器科学会総会)
- 中田 瑛浩,吉田 泰行,中島 康代,松本 浩一,中田 浩子,久保田 洋子,五十嵐 辰男,伊藤 晴夫
- 日本泌尿器科學會雜誌 102(2), 350, 2011-03-20
- NAID 110008612096
- 医道白寿6-2-3 副腎疾患(主に原発性アルドステロン症, プレクリニカルクッシング症候群)の診断(副腎・内分泌疾患:最新動向と将来の展望,第2部:ワークショップ,6.副腎・内分泌疾患,医道白寿企画,第99回日本泌尿器科学会総会)
Related Links
- クッシング症候群(クッシングしょうこうぐん、Cushing症候群)は、慢性の糖質 コルチコイド過剰による症候群。尚、下垂体腺腫が原因で起こるクッシング症候群を 特別にクッシング病(Cushing病)と呼ぶ。
- クッシング症候群. Cushing病, クッシング症候群 ⇒コルチゾールの分泌過剰による 病態をCushing症候群といい、このうち下垂体ACTH産生腫瘍によるものをCushing病 といいます。 クッシング症候群では中心性肥満(central obesity)といって、顔面・頚部・ 体 ...
- 副腎皮質ステロイドホルモンの1つであるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌され 、特徴的な身体所見を示す病気をクッシング症候群といいます。このコルチゾールは 生きて行くのに不可欠なホルモンで、下垂体から出てくるACTHというホルモンの命令を ...
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※国試ナビ4※ [095B058]←[国試_095]→[095B060]
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- 英
- dyslipidemia
- 同
- 高脂血症 hyperlipidemia、脂質代謝異常 lipoprotein disorders
- 関
- 高脂血症治療薬、リポ蛋白
定義
- 血清:
Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
病型
分類
原発性高脂血症のWHO分類
原発性高脂血症の型分類 (臨床検査法提要第32版 p.533)
|
I型
|
II型
|
III型
|
IV型
|
V型
|
IIa型
|
IIb型
|
高カイロミクロン血症
|
高コレステロール血症
|
複合型高脂血症
|
異常βリポ蛋白血症
|
高トリグリセリド血症
|
複合型高トリグリセリド血症
|
増加リポ蛋白
|
CM
|
++
|
|
|
|
|
+
|
VLDL
|
|
|
+
|
|
+
|
+
|
IDL
|
|
|
|
+
|
|
|
LDL
|
|
+
|
+
|
|
|
|
血漿脂質
|
TC
|
+
|
+++
|
++
|
++
|
/+
|
+
|
TG
|
+++
|
|
++
|
++
|
++
|
+++
|
TC/TG
|
<0.2
|
>1.6
|
不定
|
≒
|
0.6-1.6
|
<0.6
|
病因
|
・LPL欠損 ・アポCII欠損 (外因性高脂血症)
|
LDL受容体異常
|
不明
|
アポE異常 (E2/E2など)
|
不明 (内因性高脂血症)
|
LPL欠損へテロ(一部) (外因性高脂血症 and (内因性混合型高脂血症)
|
臨床所見
|
発症時期
|
小児期
|
小児期~成人
|
成人
|
成人
|
小児期~成人
|
肝脾肥大
|
+++
|
-
|
+
|
+++ 脾のみ
|
+++
|
腹痛
|
+
|
|
|
+
|
+
|
膵炎
|
+
|
|
|
|
+
|
網膜脂血症
|
+
|
|
|
|
+
|
肥満
|
|
|
|
+
|
+
|
角膜輪
|
|
+
|
+
|
|
|
冠動脈疾患
|
まれ
|
最も高率
|
高率
|
中程度
|
比較的まれ
|
黄色腫
|
発疹状
|
黄色板状 結節状 腱黄色腫
|
手掌線 結節状 発疹状
|
|
発疹状
|
耐糖能
|
正常
|
正常
|
正常
|
異常多い
|
異常多い
|
高尿酸血症
|
なし
|
なし
|
少ない
|
多い
|
多い
|
遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
不明
|
頻度
|
まれ
|
多い 500人中 1人(ヘテロ) 100万人中 1人(ホモ)
|
多い 200人中 1人
|
少ない 1万人中 2-3人
|
最も多い
|
まれ
|
血清静置試験
|
上層:乳濁
|
透明
|
わずかに混濁
|
混濁、 時にミルク状
|
混濁
|
上層:乳濁
|
下層:透明
|
下層:混濁
|
特徴
|
|
|
small dense LDL の存在
|
broad β
|
|
|
- 頻度:IIa > IIb > IV
- 遺伝(AR)I, III (AD)その他
- 症状
- 動脈硬化:IIa,IIb,III
- 膵炎:TG多い:I,IV,V
- TC優位に多いのがIIa, TG優位に多いのがIV
- リポ蛋白のパターンは、IIa + IV = IIb で IIIはその中間(IDL)。I + IV = V
|
治療方針の原則
|
カテゴリー
|
脂質管理目標値(mg/dL)
|
リスク群
|
LDL-C以外の主要危険因子
|
LDL-C
|
HDL-C
|
TG
|
一次予防
|
まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する
|
I
|
低リスク群
|
0
|
<160
|
≧40
|
<150
|
II
|
中リスク群
|
1~2
|
<140
|
III
|
高リスク群
|
3以上
|
<120
|
二次予防
|
生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する
|
冠動脈疾患の既往
|
<100
|
- 加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40mg/dL)
- 糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併はカテゴリーIIIとする。
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- diabetes mellitus (SP), DM
- 関
- 糖尿病治療薬
- first aid step1 2006 p.first aid step1 2006 p.256,423
定義
- インスリンの不足
病型
- インスリン分泌の低下
- 血中インスリン濃度:低
- 遺伝や生活習慣病に関係なく発症。治療はインスリンの注射
- インスリン受容体や細胞内情報伝達系の質的・量的変化
- 一般に血中インスリン濃度:高
- 肥満、喫煙、運増などが関連
- 中高年に多い
- 運動療法と食事療法
参考1
- NIDDM:インスリン不要
- NIDDM:高血糖是正にインスリン必要
- IDDM:ケトーシス防止や生存にインスリン必要
症状
-
- 血糖値が170-180mg/dl以上で尿糖陽性となる。
- 血糖150mg/dlでも尿糖陽性であれば腎性尿糖が疑われる
- 口渇、多飲、多尿
- ケトーシス、アシドーシス体重減少
合併症
- 多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)
- 単神経障害
- 栄養血管の閉塞による脳神経障害
- 外眼筋(動眼神経、滑車神経、外転神経)麻痺、顔面神経麻痺
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表5 糖尿病患者にみられる筋骨格系症状を呈する疾患と臨床的特徴
糖尿病との関係
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疾患
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臨床的特徴
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糖尿病が直接病因に関与する疾患
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糖尿病性手関節症(diabetic cheiroarthropathy)
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コントロール不良の糖尿病に多い。原因不明の皮膚硬化が徐々に進行し、手指の屈曲拘縮を来し手全体に及び、強皮症と誤診される。手指を合わせることができない(Prayer徴候)。
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シャルコー関節
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頻度は低い(1%)が、長期糖尿病コントロール不良患者に多い。通常、足根中足関節などの中足部が多く、足底表面、前足部、中足部に潰瘍形成の合併を認めることがあり、骨髄炎との鑑別が困難な例あり。
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糖尿病性骨溶解(diabetic osteolysis)
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原因不明の足趾の末節骨や基節骨の骨吸収が起こリ、足痛の原因となる。X線ではickedcandy変形を呈し、骨髄炎との鑑別が困難。
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糖尿病性筋梗塞
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外傷、感染、腫瘍がなく大腿部などに急激に増大する疼痛を伴う腫瘤を認める。生検は出血の危険があるため行わない。通常1~2カ月で自然寛解する
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糖尿病性筋萎縮症(diabetic amyotrophy)
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糖尿病性末梢神経障害の一型。大腿前部の痛みで、時に脱力や萎縮が非対称性に起きる。CPKの上昇はなく、脳脊髄液で軽度蛋白上昇以外の有意な所見はない。神経伝導速度.筋電図では神経原性変化を認め、筋生検では炎症細胞浸潤を伴わない筋線経の萎縮あり。
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直接の関係は不明だが糖尿病患者に頻度が高い疾患
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癒着性関節包炎(凍結肩または五十肩)
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糖尿病患者の10-33%にみられる。長期2型糖尿病を有する女性に多く、肩の痛みと可動域障害を呈する。約半数が両側性だが非利き手側で症状が強い。炎症反応やX線異常を認めず、数週~数カ月で自然寛解する。
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複合性局所疼痛症候群1型(complex regional pain syndrome CRPS)
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四肢の疼痛、皮膚色変化、皮膚温の変化、浮腫、可動域制限などの症候を呈するまれな症候群。
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手掌屈筋鍵炎
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糖尿病患者の5-33%に認められる。長期に罹患した女性に多く、利き手側の母指に頻度(75%)が高いが、どの指にもみられる。
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Dupuytren拘縮
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手掌筋膜の短縮と肥厚(有痛性結節)を生じ、第4、5指の屈曲拘縮を呈する。1型糖尿病で長期に罹患した患者に多いが、血糖コントロールとの関係はない。
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手根管症候群
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手根管症候群の全患者の最大15%に糖尿病を認める。
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広汎性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis DISH)
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2型糖尿病患者の約20%にみられ、50才以上の肥満患者に多い。頭部、腰部のこわばリ、関節の可動域制限を呈する。全身の腱付着部痛を呈することもある。
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その他
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感染性関節炎や骨髄炎
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血糖上昇による免疫力低下が感染症リスクを上昇させることによる
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診断
血糖値検査による分類
正常 糖尿病型
空腹時血糖値 <110mg/dL ≧126mg/dL
and or
75g OGTT2時間値 <140mg/dL ≧200mg/dL
- 正常型であっても、食後1時間値が180mg/dL(10.0mmol/l)以上の場合には、180mg/dl未満のものに比べて糖尿病に進展する可能性が高いので、境界型に準じた取り扱い(経過観察)を行う(参考1)。
診断基準
- 参考2-4
- 1) 初回検査で、①空腹時血糖値≧126mg/dl、②75gOGTT2時間値≧200mg/dl、③随時血糖値≧200mg/dl、④HbA1c(国際標準値)≧ 6.5%のうちいずれかを認めた場合は、「糖尿病型」と判定する。別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断する。但し、HbA1cのみの反復検査による診断は不可とする。また、血糖値とHbA1cが同一採血で糖尿病型を示すこと(①~③のいずれかと④)が確認されれば、初回検査だけでも糖尿病と診断してよい。
- 2)血糖値が糖尿病型(①~③のいずれか)を示し、かつ次のいずれかの条件がみたされた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。
- 糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
- 確実な糖尿病網膜症の存在
- 3)過去において、上記1)ないしは2)の条件がみたされていたことが確認できる場合には、現在の検査値が上記の条件に合致しなくても、糖尿病と診断するか、糖尿病の疑いを持って対応する必要がある。
- 4)上記1)~ 3)によっても糖尿病の判定が困難な場合には、糖尿病の疑いをもって患者を追跡し、時期をおいて再検査する。
- 5)初回検査と再検査における判定方法の選択には、以下に留意する。
- 初回検査の判定にHbA1cを用いた場合、再検査ではそれ以外の判定方法を含めることが診断に必須である。検査においては、原則として血糖値とHbA1cの双方を測定するものとする。
- 初回検査の判定が随時血糖値≧200mg/dlで行われた場合、再検査は他の検査方法によることが望ましい。
- HbA1cが見かけ上低値になり得る疾患・状況の場合には、必ず血糖値による診断を行う。
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- 以前の記事
- 1. 以下のいずれかの検査を行い、基準値を超えていれば糖尿病型と判定
- (1)空腹時血糖値 :≧126mg/dl
- (2)75g OGTT2時間値:≧200mg/dl
- (3)随時血糖値 :≧200mg/dl
- 2. 1.で2回続けて(別の日に行う。異なる検査項目が好ましい)糖尿病型と判定されるか、1.で1回糖尿病型と判定されかつ、以下の条件を満たすとき、「糖尿病」と診断する
- a. 糖尿病の典型的症状が存在すること
- b. HbA1c≧6.5%
- c. 糖尿病性網膜症が存在すること
- d. 過去に糖尿病型を示した資料(検査データ)がある場合
予後
- 糖尿病の死因の一位は心筋梗塞(Q book p.259)。
USMLE
高血圧と糖尿病を合併する病態
参考
- http://www.uemura-clinic.com/dmlecture/newcriteria.htm
- http://d.hatena.ne.jp/bonbokorin/20100608/p1
- 3. 糖尿病の新しい診断基準を7月に施行 日本糖尿病学会-糖尿病NET-資料室
- http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/010167.php
- 4. 委員会報告 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告 2010
- http://www.jds.or.jp/jds_or_jp0/uploads/photos/635.pdf
[★]
- 英
- osteoporosis
- 同
- 骨多孔症、オステオポローシス
- 関
- 骨軟化症、くる病、老人性骨粗鬆症、若年性特発性骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症。骨粗鬆症治療薬
- 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう。
- 骨はたえず吸収、形成されているものであり、したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる。
概念
- 骨量の減少(≒骨密度の減少)と骨組織の微細構造の破錠(骨質の劣化)により骨強度が低下して、骨折をきたしやすくなった疾患
定義
- WHO(1994)、骨量測定法,女性の骨粗鬆症:若年健常女性の平均骨量値から2.5SD以上減少したもの ⇔ 骨量減少:2.5<T-score<-1
- 日本:骨量が30%以上減少したもの
リスクファクター
- YN.D-156
- ガイドライン2
- 高齢、既存骨折(リスク1.9-4倍)、喫煙(リスク1.3-1.8倍)、飲酒(1日2単位以上でリスク1.2-1.7倍)、ステロイド使用(1日5mg以上の経口摂取でリスク2-4倍)、骨折家族歴(親の骨折でリスク1.2-2.3倍)、運動不足(大腿頚部骨折リスク1.3-1.7倍)、易転倒性
- 以下のリスクファクターを有する65歳未満か、65歳以上の女性は骨量測定によるスクリーニングの対象となる。
- 高齢、低体重、骨折既往、骨粗鬆症による骨折の家族歴、白人・アジア人、アルコール(1日2杯以上)、カフェイン、喫煙、運動不足、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨粗鬆症を起こす薬剤
原因による分類
内分泌性
栄養性
- 壊血病
- その他(蛋白質欠乏、ビタミンA過剰、ビタミンD過剰)
- 別ソース
遺伝性
薬物性
- 別ソース
不動性
- 全身性:長期臥床、宇宙飛行、対麻痺
- 局所性:骨折後
先天性
その他
- 別ソース
小児の骨粗鬆症
- Dent CE:Osteoporosis in childhood.Postgrad Med J 53:450-456,1977
男性の骨粗鬆症
原因
- 多:クッシング症候群、アルコール多飲、ステロイド使用(5mg, 3ヶ月以上)、性腺機能低下、カルシウム摂取量減少、ビタミンD欠乏、喫煙、家族の中で骨折しやすい人がいる、男性ホルモン異常
- 希:BMI<20, 運動不足、抗てんかん薬、甲状腺中毒症、副甲状腺機能亢進、慢性肝障害、慢性腎障害、吸収不良症候群、高カルシウム血症、リウマチ、脊椎関節炎、糖尿病、多発性骨髄腫、HIV、臓器移植、免疫抑制剤
病理
検査
-
- 躯幹骨DXA、末梢骨DXA、RA/MD、QUSなどで測定可能
- 椎体DXAと大腿近位部DXAの両方を評価することが望ましい。できなければ橈骨DXAで代替する。
- 椎体の骨折/変形、退行性変化、骨粗鬆症に類維持した疾患(腰背部痛、円背や低骨量を呈する疾患)の鑑別に必要
治療
薬物治療
薬物治療開始基準
- ガイドライン2
- 1. 脆弱性既存骨折有り
- 2. 脆弱性既存骨折無し
- 1) 骨密度が若年成人平均値の70%未満
- 2) 骨密度が若年成人平均値の70-80%で、かつ閉経後女性/50歳以上男性であって、次のいずれかを有する。
- a) 過度のアルコール摂取:1日2単位以上
- b) 現在の喫煙
- c) 大腿骨頚部骨折の家族歴
治療開始のトリガー
- 別ソース
- 骨粗鬆症による大腿骨骨折、椎骨骨折の既往
- Tスコアが-2.5以下
- Tスコアが-1~-2.5 FRAX
- FRAXにて10年後の大腿骨折リスクが3%、主要な骨粗鬆症性骨折リスクが15-20%を超えるなら治療。
腎機能障害がある場合の治療の選択肢
- https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/150359-1-15.pdf
慎重投与となっており、禁忌ではないから
肝臓や腎臓で代謝されないから
検診
スクリーニング
- USPSTF
- 65歳以上の女性、64歳以下で骨折リスクが高い女性(脆弱骨折の既往、ステロイド内服など)
- 男性ではエビデンスがない
スクリーニング間隔
- DEXA:1.0~-1.5→15年
- DEXA:-1.5~-2.0→5年
- DEXA:-2.0~-2.5→1年
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_GL.html
- 2. <amazon mode="text" text="骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年版) ダイジェスト版">4897752329</amazon>
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参考
- http://www.richbone.com/kotsusoshosho/basic_shindan/tonyo.htm
[★]
- 英
- glucocorticoid (Z), glucocorticoids
- 関
- グルココルチコイド
- 関
- 副腎皮質、副腎皮質ホルモン
- 以下、内的に合成される糖質コルチコイドについて述べる
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
1. エネルギー代謝
- 糖新生においてグルコースの前駆体となるアミノ酸を肝臓に供給すべく動員する作用 (SP.894)
a. 糖代謝作用
- 糖新生の亢進
- 血糖上昇
- 肝細胞以外のグルコースの取り込みを抑制 (SP.894) ← 末梢でインスリンの作用に拮抗
- グルコース-6-ホスファターゼの活性亢進 (SP.894)
- グリコーゲンの合成亢進
- 血糖値の上昇に伴い、肝臓などでグルコースからグリコーゲンが作られる (SP.894)
b. タンパク質代謝作用
- 肝臓での糖新生の基質を末梢から供給する作用
- 肝細胞以外でのアミノ酸取り込み阻害 (SP.894)
- 特定のアミノ酸合成を阻害 (SP.894)
- 生理的範囲:(肝臓)同化作用が起こる、(肝臓以外)異化作用が起こる
- ステロイド大量投与時:ほとんど異化作用が起こる→副作用につながる
c. 脂質代謝作用
- 脂肪細胞に対して、インスリンの拮抗作用を持つが、一方で糖質コルチコイドにより血糖値が上昇する
-
- 脂肪細胞に対してグルコースの取り込みを抑制し、中性脂肪の生合成を抑制し、さらに大量の遊離脂肪酸とグリセロールを放出させる。肝臓でグリセロールからグルコースが合成される。 (SP.894)
- 血糖値の上昇によりインスリンが分泌され、脂肪細胞で脂肪の合成が促進される (SP.894)
- (1)、(2)のいずれの反応が起こるかは体の部位によって異なり、脂肪分布の変化が生じる。
- 中心性肥満、満月様顔貌、バッファローハンプ
2. 電解質代謝作用
- 糖質コルチコイドの電解質コルチコイド様作用。
- Na+再吸収↑、K+排泄↑
- コルチゾールの電解質作用はアルドステロンの約1/400
- コルチゾールの量 はアルドステロンの約 200倍
- ゆえに、電解質コルチコイドの1/2の作用力を持つ
3. 水代謝作用
- GFR↑、ADHに拮抗、細胞内への水移動の抑制→水利尿作用を有する。 尿崩症 + 副腎不全 → 多尿がいくらか改善されると考えて良いと思われる。仮面尿崩症
4. 骨・軟骨に対する作用
- a. ビタミンDと拮抗して腸管からのCa吸収阻害 (SP.894)
- b. 腎尿細管におけるCa再吸収阻害 (SP.894)
- c. 骨芽細胞の分化・増殖を抑制 (SP.894)
- 糖質コルチコイドの大量投与→軟骨↓骨成長↓(活性型ビタミンD3に拮抗・尿細管Ca再吸収↓→PTH↑、骨芽細胞の分化抑制、タンパク質の異化作用↑)→骨粗鬆症、骨壊死 or 骨端線閉鎖を促進(←?要調査)
- b.の機序で尿に排泄されるカルシウムが増加 → 高カルシウム尿症 → 尿路結石
5. 抗炎症作用
- 胸腺やリンパ組織を萎縮させる → 炎症反応や免疫反応を抑制
- リンパ球数の減少、白血球の遊走抑制、抗体産生低下、ヒスタミン放出抑制(局所の毛細血管拡張抑制) (SP.894)
- 末梢好中球数は増加する(YN.F-78) → 白血球増多症
SPC.330
- a) 核内受容体を介してlipocortinを発現させ、これがphospholipase A2を阻害する。これにより、アラキドン酸の産生が抑制され、炎症を促進するロイコトリエンの産生も抑制される。
- b) 末梢血Tリンパ球、単球、好酸球、好塩基球:骨髄からの放出減少と再分配(?)のため末梢血中では減少する。
- c) 末梢血好中球:炎症部位への集合が抑制され(血管外への遊走が抑制される(GOO.1600))、末梢血中では増加する。
- d) Bリンパ球はヘルパーT細胞が抑制されるために抗体産生能が減少する。
- e) リンパ球などの細胞表面の立体構造を換えて抗体や補体の結合を抑制する。
- f) 毛細血管(毛細管)の収縮により、血管の透過性は低下する。
6. 循環器
- カテコールアミン・アンジオテンシンIIによる血管収縮作用の許容作用 → 糖質コルチコイドなしではその作用を十分に及ぼし得ない
- 欠乏症では血管のカテコールアミン・アンジオテンシンIIに対する感受性低下
7. 中枢神経系
8. 成長発達
- 胎児期の消化酵素・リン脂質(肺胞表面の張力に関与)の合成に関与 (SP.895)
- 小児期で骨や熱強訴域に直接作用して身長の伸びを抑制する (SP.895)
作用機序
免疫抑制(GOO. 657,674,1600)
- 糖質コルチコイドはリポコルチンを産生→リポコルチンはホスホリパーゼA2の活性を修飾→アラキドン酸産生↓
分泌調節
- 1. 概日リズム
- 2. フィードバック制御
- 3. ストレス反応
臨床関連
用量
- Low-to-moderate doses — Doses of 1 mg/kg per day of prednisone in children or 40 mg per day in adults may be considered an approximate threshold at which significant toxicities begin to appear with extended use in most individuals.
副作用
- 副腎皮質ホルモン剤
- Patients receiving a glucocorticoid dose equivalent to ≥20 mg of prednisone daily for one month or longer who also have another cause of immunocompromise (eg, certain hematologic malignancies or a second immunosuppressive drug)
- https://www.uptodate.com/contents/treatment-and-prevention-of-pneumocystis-pneumonia-in-hiv-uninfected-patients?
- 0.5mg/kg以上のプレドニゾロン(PSL)を3週間以上投与され、かつST予防投与されていない間質性肺炎74例中7例(9.5%)でPCPを発症(榎本達治,他.ステロイド療法中の間質性肺炎患者に発症したニューモシスチス肺炎の臨床的検討.日呼吸会誌 2005: 43: 725-30)