出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/28 22:11:28」(JST)
リケッチア | ||||||||||||||||||
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宿主細胞中で増殖するR. rickettsii
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Rickettsia da Rocha-Lima 1916 |
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下位分類(種) | ||||||||||||||||||
他に19種(2011年現在) |
リケッチア (Rickettsia、リケッツィア、リケッチャ、リッケットシアとも表記。) は、Rickettsia属の微生物の総称。2011年現在、26種を含む。ダニ等の節足動物を媒介とし、ヒトに発疹チフスあるいは各種リケッチア症を引き起こす。ウイルスと同じように細胞外で増殖できない。偏性細胞内寄生体とも呼ばれる。
Rickettsiaという名称は、発疹チフスの研究に従事し、結果的にそれが原因で亡くなったHoward Taylor Rickettsの名に因んでいる。
リケッチアは非運動性でグラム染色で陰性である。1-4μmの球状または桿体、あるいは連鎖状、繊維状の形状を示す。ウイルス、クラミジア、ファイトプラズマ等と同じく単独で増殖が出来ない(偏性細胞内寄生性)。 増殖は宿主の血管内皮系の細胞内で行われ、宿主細胞の代謝低下時に最もよい増殖を示す。宿主細胞から取り出し単独におくと急速に死滅する。感染した血管には血栓が生じ、血管破裂、壊死を引き起こす。これが体のどこで起こるかは種により異なり、これが症状の差違を引き起こす。
自然界ではネズミなど小型哺乳類、ダニ等が保因しており、シラミ、ダニ、ツツガムシ(恙虫)等特定の節足動物を媒介しヒトに感染する。
クエン酸回路を構成する全ての遺伝子を持ち、DNA解析によりミトコンドリアとの近縁性が指摘されている。
種類 | 疾病 | 分布 | |
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紅斑熱群 | R. rickettsii | ロッキー山紅斑熱 | 西半球 |
R. akari | リケッチア痘 | アメリカ、旧ソ連 | |
R. conorii | ボタン熱 | 地中海沿岸、アフリカ、南西アジア、インド | |
R. sibirica | シベリアチックチフス | シベリアから中国北部 | |
R. australis | オーストラリアチックチフス | オーストラリア | |
R. japonica | 日本紅斑熱 | 日本 | |
発疹熱群 | R. prowazekii | 発疹チフス | 世界 |
R. typhi | 発疹熱 | 世界 | |
つつが虫病 | Orientia tsutsugamushi (旧名 “R. tsutsugamushi” ) |
ツツガムシ病 | 南西アジア、オーストラリア北部、太平洋の島 |
テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クロラムフェニコール等の代謝・DNA合成を阻害する機序の抗生物質を投与する。ペニシリンなど、臨床的に頻用されるβ-ラクタム系の細胞壁のペプチドグリカンを合成阻害する抗生物質が全く効かないことに注意が必要である。
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科 | 寄生性 | 大きさ | グラム染色性 | 細胞壁 | LPS | ペプチド グリカン |
封入体 | 免疫原性 | 感染経路 | 無効抗菌薬 |
マイコプラズマ科 | 直径0.3μm | なし | なし | なし | なし | 飛沫感染 | βラクタム薬 | |||
リケッチア科 | 偏性細胞寄生性 | (0.3-0.5)x(0.8-2.0)μm | 陰性 | あり | あり | あり | なし | 媒介動物 | βラクタム薬 | |
クラミジア科 | 偏性細胞寄生性 | 陰性 | あり | あり | なし | あり | なし | 飛沫感染/接触感染/性行為 | βラクタム薬、アミノ配糖体系 |
科 | 属 | 病原体名 | 疾患名 | 潜伏期 | 感染経路 | 診断 | 症状 | 治療 | |
マイコプラズマ科 | マイコプラズマ属 | Mycoplasma pneumoniae | 肺炎マイコプラズマ | マイコプラズマ肺炎 | 飛沫感染 | マクロライド系・テトラサイクリン系 | |||
リケッチア科 | オリエンチア属 | Orientia tsutsugamushi | ツツガムシ病 | 4-18日 | ツツガムシ | Weil-Felix反応/蛍光抗体法/免疫ペルオキシダーゼ法/ペア血清 | テトラサイクリン系 ニューロキノロン系 | ||
リケッチア科 | リケッチア属 | Rickettsia japonica | 日本紅斑熱 | 2-8日 | マダニ | Weil-Felix反応 | |||
リケッチア科 | エールリキア属 | Ehrlichia sennetsu | 腺熱 | 10-17日 | 不明 | ||||
リケッチア科 | コクシエラ属 | Coxiella burnetii | Q熱 | 14-26日 | 経気道的、経口的、経皮的。人獣共通感染症 | テトラサイクリン系・ニューキノロン系・リファンピシン併用 | |||
リケッチア科 | バルトネラ属 | Bartonella henselae | Bartonella henselae感染症 (ネコひっかき病/細菌性血管腫症) |
マクロライド系・テトラサイクリン系 | |||||
クラミジア科 | クラミジア属 | Chlamydia psittaci | オウム病クラミジア | 7-10日 | テトラサイクリン系、マクロライド系。 βラクタム、アミノ配糖体無効。 基本小体に作用しない | ||||
クラミジア科 | クラミジア属 | Chlamydia trachomatis | トラコーマクラミジア | 1-5週 | 性行為 | ||||
クラミジア科 | クラミドフィラ属 | Chlamydophila pneumoniae | 肺炎クラミジア | 3-4週 |
構成高分子 | グラム陽性菌 | グラム陰性菌 |
外膜 | なし | あり |
ペリプラズム | なし | あり |
蛋白質の分泌場所 | 細胞外 | ペリプラズムないし細胞外 |
ペプチドグリカン | 多重層 | 単層ないし薄層 |
タイコ酸 | あり | なし |
リポ多糖 | なし | あり(外膜) |
リポタンパク質 | まれにしかない | 多くの場合存在する |
リン脂質 | なし | あり |
細胞内寄生菌 | 細胞外寄生菌 | |
生体防御反応 | 肉芽腫形成 | 膿瘍を形成 |
偏性細胞内寄生菌 | リケッチア、クラミジア、らい菌? |
通性細胞内寄生菌 | 結核菌, リステリア属菌, サルモネラ属菌(チフス菌、パラチフス菌、サルモネラ症を起こす菌), ブルセラ属菌, 梅毒トレポネーマ, レジオネラ属菌 |
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