アジスロマイシン
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アジスロマイシン
|
識別 |
ATCコード |
J01FA10 S01AA26 |
KEGG |
D07486 |
化学的データ |
化学式 |
C38H72N2O12 |
分子量 |
749.00 g·mol−1 |
アジスロマイシン(azithromycin)は、ファイザー株式会社が製造・販売している15員環マクロライド系抗生物質である。分子量は785.02。日本での商品名は「ジスロマック」日本での略号は「AZM」。
2009年現在15員環マクロライド系抗生物質はアジスロマイシンのみである。
特徴
長時間体内に留まる特徴がある。これは15員環に窒素原子が入っているという構造に由来し、血中濃度より10~100倍の組織、細胞内濃度を得ることができるため半減期が68.1時間(500 mg投与時)ときわめて長い。また、クラリスロマイシンなどでみられる薬物相互作用はほとんど無い。
成人において呼吸器感染症、リンパ管・節感染症、副鼻腔炎などでは基本的に1日1回500 mg服用を3日間続けることによって1週間効果が持続する。性器クラミジア感染では500mg 4錠を同時に服用する事が多い。
2009年日本においても上市された「ジスロマックSR」は2 gの1回投与のみで1週間効果が持続し、従来の3日間投与と同等以上の効果が得られるとされる。
HIV/AIDS患者の非結核性抗酸菌症 (NTM) 予防・治療のために600 mg錠が上市されている。
その他
- 他のマクロライド系抗生物質でもみられるQT延長症候群[1]について、アジスロマイシンに対しても米国のFDAは2013年3月12日に警告を強化した。
- 軽症の呼吸器感染症に関しては米国にて500 mg×3日間が有効という研究があるが、クラミジア肺炎やレジオネラ肺炎ではより長期の投与が必要ではとの意見もある。
- 小児においての安全性が期待されており、2007年11月米国で小児においての治験が開始されることとなった。また日本ではアジスロマイシンの小児用細粒が2000年4月より上市されている。
- 尿路生殖期系のクラミジアトラコマティス感染に対して、アジスロマイシンは97%に有効であり、ドキシサイクリンは100%に有効であった[2]。
脚注
- ^ Ray WA, Murray KT, Hall K, Arbogast PG, Stein CM (2012). “Azithromycin and the risk of cardiovascular death”. N. Engl. J. Med. 366 (20): 1881-1890. doi:10.1056/NEJMoa1003833. PMC 3374857. PMID 22591294. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3374857.
- ^ Geisler WM, et al. Azithromycin versus Doxycycline for Urogenital Chlamydia trachomatis Infection. N Engl J Med 2015; 373: 2512-2521. DOI: 10.1056/NEJMoa1502599.
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Japanese Journal
- 経口抗菌薬 (新薬展望2010) -- (治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉--新薬の広場)
- 新薬レビュー ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g
- 15員環マクロライド系抗生物質製剤 アジスロマイシン水和物ジスロマックSR^【○!R】成人用ドライシロップ2g
Related Links
- ファイザー株式会社のジスロマック錠250mg(抗生物質製剤)、一般名アジスロマイシン水和物(Azithromycin hydrate) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことが ...
- ジスロマックはファイザーが製造販売するアジスロマイシン水和物です。効果効能は[クラリスロマイシンの適応症]表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症/外傷・熱傷・手術創などの二次感染 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ジスロマックカプセル小児用100mg
組成
1カプセル中:
有効成分
- 日局 アジスロマイシン水和物 104.8mg
(アジスロマイシンとして100mg(力価))
添加物
- 無水乳糖、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム
(カプセル本体)酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、黄色三二酸化鉄、黄色5号
禁忌
効能または効果
適応菌種
- アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、マイコプラズマ属
適応症
- 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、中耳炎
- 小児には、体重1kgあたり10mg(力価)を1日1回、3日間経口投与する。
ただし、1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする。
- 体重換算による服用量の概算は、次表のとおりである。
体重 |
15〜25kg |
26〜35kg |
36〜45kg |
46kg〜 |
1日あたりの服用量 (カプセル数) |
200mg(力価) (2カプセル) |
300mg(力価) (3カプセル) |
400mg(力価) (4カプセル) |
500mg(力価) (5カプセル) |
- 15kg未満の患児にはジスロマック細粒小児用を投与すること。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。
- 外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与期間は3日間とする。
- 4日目以降においても臨床症状が不変もしくは悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更すること(「相互作用」(3)の項参照)。
慎重投与
- 他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高度な肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させるおそれがあるので、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。]
- 心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)をおこすことがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。
肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全(頻度不明)
- 肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明)
- 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎(頻度不明)
- 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等があらわれた場合にはただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、好酸球性肺炎(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)
- QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。
白血球減少、顆粒球減少、血小板減少(頻度不明)
- 白血球減少、顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
薬効薬理
抗菌作用
- In vitroにおいて、ブドウ球菌属、レンサ球菌属等のグラム陽性菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌等の一部グラム陰性菌、ペプトストレプトコッカス属、マイコプラズマ属、クラミジア属に抗菌作用を示し、その作用は他のマクロライド系抗生物質と同程度であった31〜35)。
- 黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等の各種細菌を用いた感染症モデルにおいて、本剤の良好な組織移行性を反映し、従来のマクロライド系抗生物質よりも強い防御効果及び治療効果を示した34〜38)。
- 黄色ブドウ球菌及びインフルエンザ菌に対して、1MIC以上の薬剤濃度で殺菌的な作用を示した31)。
作用機序
- 細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する39)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アジスロマイシン水和物(Azithromycin Hydrate)
化学名
- (2R,3S,4S,5R,6R,8R,11R,12R,13S,14R)-5-(3,4,6-Trideoxy-3-dimethylamino-β-D-xylo-hexopyranosyloxy)-3-(2,6-dideoxy-3-C-methyl-3-O-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyloxy)-10-aza-6,12,13-trihydroxy-2,4,6,8,10,11,13-heptamethylhexadecan-14-olide dihydrate
略号
分子式
分子量
力価
- アジスロマイシン水和物の力価は、アジスロマイシン(C38H72N2O12:748.98)としての量を質量(力価)で示す。
性状
- アジスロマイシン水和物は、白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- azithromycin, AZM
- 化
- アジスロマイシン水和物 azithromycin hydrate
- 商
- ジスロマック
- 関
- マクロライド系抗菌薬。抗菌薬
適応菌種
- ジスロマック点滴静注用500mg
適応症
- ジスロマック点滴静注用500mg
肺炎、骨盤内炎症性疾患
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商品
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