フロセミド
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フロセミド
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|
IUPAC命名法による物質名 |
5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]安息香酸 |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
43-69% |
代謝 |
肝臓と腎臓 |
半減期 |
最大100分 |
排泄 |
肝臓66%, 胆液33% |
識別 |
CAS番号 |
54-31-9 |
ATCコード |
C03CA01 |
PubChem |
CID 162482 |
DrugBank |
APRD00608 |
化学的データ |
化学式 |
C12H11ClN2O5S |
分子量 |
330.745 g/mol |
SMILES
- NS(=O)(=O)c1cc(C(O)=O)c(NCc2occc2)cc1Cl
|
フロセミド (Furosemide, C12H11ClN2O5S)は、ループ利尿薬のひとつ。CAS登録番号54-31-9。性状は白色結晶性の粉末であり、水にはほとんど溶けない。経口投与でも筋注でも速やかに吸収され、血漿蛋白との結合率が高く、肝臓や腎臓以外の組織にはほとんど分布しない。ヘンレのループの太い上行脚の管腔側の膜のNa+・K+・2Cl-共輸送担体(NKCC2)を抑制することにより、NaCl、K+の再吸収を抑制し、速効性かつ強力な利尿作用を示すが、作用時間も短い。降圧を目的とした処方も行われる。強心配糖体と併用すると低カリウム血症を示す恐れがある。そのため、ジギタリスなどの強心配糖体と併用するときはスピロノラクトンやグルコン酸カリウムを用いる。
代表的な商品名はラシックス錠・細粒・注(サノフィ・アベンティス社)。後発品は、ロープストン、プロメデス、フルバミド、アンフラマイドなど多数(メーカ、剤形は略)。
副作用
カリウムの再吸収も抑制することから低カリウム血症を起こしうる。 またフロセミドはサイアザイド系利尿薬と同様、高尿酸血症を誘発することが知られているが、これは尿酸排出を担っているMRP4がフロセミドやヒドロクロロチアジドのような利尿薬の排出と競合するためであると考えられている[1]。
出典
- ^ A A K El-Sheikh, J J M W van den Heuvel, J B Koenderink, and F G M Russel. Effect of hypouricaemic and hyperuricaemic drugs on the renal urate efflux transporter, multidrug resistance protein 4. Br J Pharmacol. 2008 December; 155(7): 1066–1075. PMID 18724382
- 吐山豊秋著 『新編家畜薬理学 改訂版』 養賢堂 1994年 ISBN 4842594047
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラシックス錠10mg
組成
有効成分
添加物
- 結晶セルロース、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、三二酸化鉄
効能または効果
- 高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、末梢血管障害による浮腫、尿路結石排出促進
ラシックス錠10mg、ラシックス錠20mg、ラシックス錠40mg
- 通常、成人にはフロセミドとして1日1回40?80mgを連日又は隔日経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある。ただし、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。
ラシックス細粒4%
- 通常、成人にはフロセミドとして1日1回40?80mg(本剤1?2g)を連日又は隔日経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある。ただし、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。
慎重投与
- 進行した肝硬変症のある患者[肝性昏睡を誘発することがある。]
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[排泄遅延により血中濃度が上昇する。]
- 肝疾患・肝機能障害のある患者[肝性昏睡を誘発することがある。]
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[痛風発作を起こすおそれがある。糖尿病を悪化するおそれがある。]
- 下痢、嘔吐のある患者[電解質失調を起こすおそれがある。]
- 手術前の患者[1)昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることがある。2)ツボクラリン等の麻痺作用を増強することがある。「3.相互作用」の項参照]
- ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH又はグリチルリチン製剤の投与を受けている患者[「3.相互作用」の項参照]
- 減塩療法時の患者[低ナトリウム血症を起こすおそれがある。]
- 高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
- 小児等[「7.小児等への投与」の項参照]
(1)?(11)項は「4.副作用」の項の「(2)その他の副作用」の項参照
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、赤芽球癆
- 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、赤芽球癆があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
水疱性類天疱瘡
- 水疱性類天疱瘡があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
難聴
- 難聴をきたすことがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、多形紅斑
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心室性不整脈(Torsades de pointes)
- 低カリウム血症を伴う心室性不整脈があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性腎炎
- 間質性腎炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
利尿作用
- 本剤の利尿効果は、健康成人に経口投与した場合、経口投与後1時間以内に発現し、約6時間持続する4,5,6)。また、24時間後には本剤の尿中排泄はなくなり、蓄積作用は認められない7)。
- 本剤は腎血流量、糸球体ろ過値を上昇させる作用を持ち6)、腎機能が低下(慢性腎不全患者)している場合(GFRが20mL/min以下)でも利尿効果が期待できる8)。
- 本剤の利尿効果をラットの尿中Na排泄量でみると、その最大Na排泄量はチアジド系薬剤の約3倍を示し、最小有効量10mg/kgから最大有効量100mg/kgと幅広い薬用量を持つ5)。
降圧作用9)
- 本剤の降圧効果は、高血圧患者に投与した場合徐々に発現し、その作用機序は、利尿による循環血漿量の減少、血管壁のナトリウム含量の減少によると考えられている。
作用機序10)
- 本剤の利尿作用は、イヌを用いた実験で腎尿細管全域(近位、遠位尿細管及びヘンレ係蹄)におけるNa、Clの再吸収抑制作用に基づくことが認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 4‐Chloro‐2‐[(furan‐2‐ylmethyl)amino]‐5‐sulfamoylbenzoic acid
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品は、N,N‐ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリル又は酢酸(100)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
本品は光によって徐々に着色する。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- rhabdomyolysis
- 関
- 横紋筋
原因
- also see 研修医直御法度第5版 157
-
病態
- 筋から逸脱したミオグロビンが糸球体で濾過され尿細管へ → 原尿が酸性の条件下でミオグロビンは尿細管上皮を障害 → 急性尿細管壊死 → 腎性腎不全 (ICU.608)
症状
検査所見
- 筋逸脱酵素の上昇(ミオグロビン、クレアチニンキナーゼ、AST、LDH)
- 正常の5倍以上あるいは1,000U/LのCKは臨床研究では横紋筋融解を示唆するとされてきた。CK 15,000 U/Lを上回る場合胃、重要の横紋筋融解症とミオグロビン尿性腎不全のリスク上昇を示唆する。(ICU.608)
治療
- 原発疾患の治療
- 輸液:積極的な輸液がミオグロビン尿性腎不全の予防や進展抑制に繋がる(ICU.609)
- 重炭酸:尿のアルカリ化による尿細管障害の軽減効果は臨床的に証明されていない。
- ループ利尿薬・マニトール:有用性は証明されていない。
- 血液浄化療法:重症例で。腎障害の進展を防ぐために透析によりヘモグロビン、ミオグロビン、尿酸を透析に除去する目的での透析の使用は証明されていない。(参考2)
- 研修医直御法度症例帳 145
- 研修医直御法度第5版 157
- 1. 生理食塩水 200ml/hr 点滴静注 ← 尿量は4ml/kg/hr目指す
- 2. 炭酸水素ナトリウム 100mEq 点滴静注 ← まぜるの禁止 (メイロン)
- 3. ラシックス 40mg 静注 ← 十分に輸液した後
- 4. マンニトール 25g 点滴静注 ← 十分に輸液した後
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations, diagnosis, and causes of rhabdomyolysis - uptodate [1]
- 2. [charged] Prevention and treatment of heme pigment-induced acute kidney injury (acute renal failure) - uptodate [2]
[★]
- 英
- diuretic、diuretic drug
- 関
- 利尿、利尿薬
商品
[★]
- 英
- furosemide
- 商
- オイテンシン、プロメデス、ラシックス Lasix、ラドンナ、ロープストン
- 関
- 利尿薬
- first aid step1 2006 p.389,390
作用機序
薬理作用
- 体液量の低下により抗高血圧作用を示す (SPC.253)
[★]
- 英
- Lasix renography
- 関
- フロセミド負荷腎レノグラフィ