- 英
- creatine kinase CK
- 同
- クレアチンホスホキナーゼ creatine phosphokinase CPK, phosphokinase
- 関
- クレアチン
基準値
測定原理
- Oliver-Rosalki法
- クレアチンキナーゼの逆反応により生じたATPをNADPHの340nmにおける吸光度増加として測定する初速度測定法 (臨床検査法提要第32版 p.605)
- ATP + glucose ←(ヘキソキナーゼ)→glucose-6-phosphate + ADP
- glucose-6-phosphate + NADP+ ←(G-6-PD)→ 6-phosphogluconate + NADPH + H+
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/21 06:55:40」(JST)
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クレアチンキナーゼ(Creatine Kinase、CK)、CPK(クレアチンホスホキナーゼ、Creatine PhosphoKinase)は、動物が持つ酵素で、筋肉の収縮の際にエネルギー代謝に関与している。EC番号2.7.3.2。
働きは、クレアチンとATPからクレアチンリン酸とADPが生成する反応の媒介である。 骨格筋や心筋など、興奮性を持つ細胞に分布している。
臨床検査
CKは骨格筋・心筋が障害を受けた際に血液中へ流出する逸脱酵素として臨床上重要である。 心筋梗塞、筋炎、筋ジストロフィーなど心筋障害・筋疾患で血中濃度が上昇する。 ただし、激しい運動などでも筋線維が壊れるためCKの上昇がみられることがある。
単位はIU(国際単位)/l。正常値は男性の方が高く(筋肉量の違いによる)、男性で30~190 IU/l、女性で20~150 IU/l程度とされている。
アイソザイム
CKは二つのサブユニットからなる二量体の蛋白質である。このサブユニットには2種類あり(B:脳型、M:筋型)、この組み合わせによって3種類のCK(MM、BB、MB)がアイソザイムとして存在する。 骨格筋にはMM型、心筋にはMB型が多いため、原因不明のCK上昇ではこのアイソザイム比率を分析することで有意義な所見を得られることがある。 また、急性心筋梗塞が疑われる際にはCK-MBの測定が診断の裏付け、および重症度の指標となる。
心筋梗塞の発症後、CK値が上昇するには若干のタイムラグがある(数時間後から上昇)。急性期の対応では、確定診断のためにはCK-MBよりも早く上昇し、やはり特異性の高いトロポニンT値が重視される。
CK-MBでも骨格筋由来が正常でも5%程度認められることが知られている。そのためCK上昇時には比率を調べる必要がある。また骨格筋からも筋再生時にはCK-MBが産出されることが知られている。この場合はトロボニンTなども同様に産出される。特に皮膚筋炎、多発性筋炎の活動期にはCKの25%がCK-MBとなることもある。上記疾患の合併症に心筋炎が認められることもあるため心臓超音波検査の併用が必要である。
マクロクレアチンキナーゼ血症
免疫グロブリンとクレアチンキナーゼが結合し、検査上高値となる症候があり、マクロクレアチンキナーゼ血症(マクロCK血症)と呼ばれる。ほとんどは疾患を意味するものではないが、時に悪性腫瘍や膠原病によるマクロCK血症もあり、注意を要する。
ホスホトランスフェラーゼ/キナーゼ (EC 2.7) |
|
2.7.1 - OH アクセプター |
ヘキソ- - グルコ- - フルクト- - ガラクト- - ホスホフルクト- - チミジン - NAD+- - グリセロール- - パントテン酸- - メバロン酸- - ピルビン酸- - デオキシシチジン- - PFP - ジアシルグリセロール- - ブルトンチロシン - ホスホイノシチド-3 - スフィンゴシン
|
|
2.7.2 - COOH アクセプター |
ホスホグリセリン酸 - アスパラギン酸
|
|
2.7.3 - N アクセプター |
クレアチン
|
|
2.7.4 - PO4 アクセプター |
ホスホメバロン酸 - アデニル酸 - ヌクレオシド二リン酸
|
|
2.7.6 - P2O7トランスフェラーゼ |
リボース-リン酸ジホスホキナーゼ - チアミンピロホスホキナーゼ
|
|
2.7.7 - ヌクレオチジル- |
インテグラーゼ - PNPアーゼ - ポリメラーゼ - RNアーゼ PH - UDP-グルコースピロホスホリラーゼ - ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ -ターミナルトランスフェラーゼ - RNAレプリカーゼ - リバーストランスクリプターゼ (テロメラーゼ) - トランスポザーゼ
|
|
2.7.8 - 他のリン酸基 |
N-アセチルグルコサミン-1-リン酸トランスフェラーゼ
|
|
2.7.10-11 - プロテイン |
チロシン - セリン/トレオニンプロテイン
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 抗ヒトMtCK活性阻害抗体を添加した新規CK-MB活性測定試薬における急性心筋梗塞のカットオフ値の設定
- 村上 麻里子,児玉 真由美,吉田 梨沙,浅田 高至,佐野 隆宏,佐野 道孝,鎌倉 史郎,野々木 宏
- 臨床病理 59(7), 649-655, 2011-07-25
- NAID 10029615294
- 厳格な食物除去によりクレアチンキナーゼ高値と低カルニチン血症を呈した食物アレルギーの1例
- 白崎 仁幸子,河北 亜希子,吉川 利英,安冨 素子,畑 郁江,重松 陽介,眞弓 光文,大嶋 勇成
- 日本小児アレルギー学会誌 = The Japanese journal of pediatric allergy and clinical immunology 25(2), 133-137, 2011-06-20
- NAID 10029556360
- 患者に答えられる臨床検査Q&A(6)クレアチンキナーゼに関する検査
Related Links
- クレアチンキナーゼとは、筋肉に多量に存在する酵素で、筋肉細胞の代謝に重要な役割を果たしています。急性心筋梗塞、筋ジストロフィーなどの筋肉の病気ではクレアチンキナーゼが大量に血液中に出現して高値になります。
- CK(クレアチンキナーゼ)検査は、骨格筋や心筋の崩壊を反映して上昇する酵素。急性心筋梗塞や多発性筋炎で上昇。 ... クレアチンキナーゼ(CK) CK(クレアチンキナーゼ)はCPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)とも呼ばれ ...
- クレアチンキナーゼとは、筋肉収縮の際のエネルギーの代謝に関する酵素成分です。血液検査では、逸脱酵素として血液中(血清中)に存在するクレアチンキナーゼの濃度を計測することにより心筋障害や筋疾患などの病状を分析 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 32歳の男性。激しい頭痛と意識障害のため救急車で搬入された。
- 現病歴:1週間前から咽頭痛と38℃台の発熱とを自覚していたが、市販薬を内服して様子をみていた。昨日から頭部全体の頭痛を訴えていたが、今朝になって呼びかけに対する反応が鈍くなったため家族が救急車を要請した。
- 既往歴:3年前に交通事故で下顎骨骨折。歯科治療中。
- 生活歴:喫煙は20本/日を12年間。飲酒はビール1,000mL/日を週5回程度で12年間。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:眼を閉じているが呼びかけると開眼する。簡単な質問には返答できるが内容が混乱している。手の挙上など簡単な命令には応じる。体温 40.1℃。心拍数 136/分、整。血圧 126/72mmHg。SpO2 98%(マスク5L/分酸素投与下)。項部硬直とKernig徴候を認める。その他の神経学的所見に異常を認めない。
- 脳脊髄液検査を行うこととした。鑑別診断のために脳脊髄液検査の結果と対比すべき血液検査の項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111C026]←[国試_111]→[111C028]
[★]
- 55歳の男性。下肢脱力発作を主訴に来院した。1か月前から時々朝起床時に両下肢に力が入らないことがあったが、数時間で回復していた。今朝も同様の脱力があり、昼を過ぎても回復しなかった。高血圧があり、他院でサイアザイド系降圧薬を3か月前から処方されている。神経学的には両下肢近位筋に筋力低下を認めるが、筋萎縮、深部腱反射消失および感覚障害はない。その他身体所見に異常はない。血液所見:赤血球530万、Ht50%、白血球6,700、血小板37万。血液生化学所見:尿素窒素32.0mg/dl、クレアチニン1.6mg/dl、AST40IU/l、ALT 35IU/l、Na148mEq/l、K2.2mEq/l、Cl115mEq/l、CK460IU/l(基準40~200)。
- 検査値の異常で症状と関係があるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G048]←[国試_102]→[102G050]
[★]
- 82歳の男性。右下肢のしびれと痛みのため救急車で搬入された。本日、夕方にテレビを見ていたときに突然右下肢のしびれと痛みを感じた。しばらく様子をみていたが徐々に痛みが増悪し、3時間経過しても改善しないため救急車を要請した。意識は清明。体温 36.4℃。心拍数 98/分、不整。血圧 160/96mmHg。呼吸数 14/分。SpO2 99%(マスク 5L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。右下腿は蒼白で冷感を認める。右大腿動脈、右膝窩動脈、右足背動脈の触診で動脈拍動を触知しない。下肢に浮腫は認めない。造影CTによる血栓の局在を確認した後、再灌流療法を行った。
- 治療後に認められる可能性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114B032]←[国試_114]→[114B034]
[★]
- 3歳9か月の女児。下肢の変形を主訴に来院した。母親の妊娠・出産歴に特記すべきことはない。
- 低身長や骨変形の家族歴はない。
- 生後3か月からアトピー性皮膚炎があり、生後12か月から母親の友人の勧めで、乳製品、卵、大豆および魚を摂取していない。
- 2歳半ころから下肢の変形と歩行の異常とに気付いていた。
- 身長87cm、体重13.4kg。下肢エックス線写真を以下に示す。
- 血清で高値が予想されるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103G055]←[国試_103]→[103G057]
[★]
- 65歳の男性。2週前から徐々に全身倦怠感と四肢脱力とが出現し、起立が困難になったので来院した。1か月前から心不全による両下肢の浮腫に対してループ利尿薬が処方され、毎日服用していた。意識は清明で、四肢近位筋優位の筋力低下を認めるが、感覚と深部腱反射とは正常である。甲状腺機能検査に異常を認めない。
- 異常が予測されるのはどれか。
- (1) 血清電解質
- (2) 血清クレアチンキナーゼ
- (3) 脳脊髄液
- (4) 頭部造影CT
- (5) 頚部単純MRI
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099F019]←[国試_099]→[099F021]
[★]
- 疾患と血清生化学所見の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D095]←[国試_099]→[099D097]
[★]
- 血液検査項目とその検査結果が低値となる状態の組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E018]←[国試_107]→[107E020]
[★]
- 検体が溶血を起こしたとき、検査値が大きく変化するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G012]←[国試_102]→[102G014]
[★]
- 食事摂取の影響を最も受ける血清生化学検査項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095E028]←[国試_095]→[095E030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B028]←[国試_100]→[100B030]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 末梢神経疾患と筋疾患の鑑別に役立つのはどれか。3つ
[★]
- amyotrophic
- 英
- amyotrophic lateral sclerosis, ALS
- 同
- シャルコー病 Charcot disease、ゲーリック病、Gehrig病 Gehrig's disease、ルー・ゲーリック病 Lou Gehrig病 Lou Gehrig's disease
- 関
- 運動ニューロン疾患
まとめ
- 上位運動ニューロンと下位ニューロンが障害される運動ニューロン疾患の一つである。多くが孤発性であるが、5-10%に家族性の発症が見られ、発症年齢は20歳と若いが、進行は緩徐である。通常は、40歳以降の発症、特に50歳代が多い。下位ニューロンの障害が先行する。一側上肢遠位の筋萎縮で始まり対側上肢、両下肢に筋萎縮が進行し、球麻痺の出現、呼吸筋萎縮に至る。下位ニューロンの障害により、舌の線維束性攣縮、四肢筋の脱力、萎縮、線維性攣縮(これらは上肢優位、遠位筋優位)、また腱反射消失が見られる。また、上位ニューロンの障害により構音障害、嚥下障害、舌運動障害が認められ、下顎反射亢進が認められる。四肢では痙縮が下肢優位にまた、腱反射の亢進と病的反射が認められる。自律神経、感覚神経、脳の高次機能は障害されないため、他覚的感覚障害、眼球運動障害、膀胱・直腸障害、小脳徴候、錐体外路徴候、認知症、褥瘡は認められない。根治療法はなく、リルゾールでの延命治療、対症療法として、嚥下障害に対して経管栄養、呼吸障害に対して人工呼吸器を用いる。(BET.440)
概念
- 軸索変性をきたす神経変性疾患
- 誘発筋電図上ではM波の振幅の減衰が見られる
- 上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが侵される。四肢、呼吸筋が侵される。ついには球麻痺をきたす。
- 自律神経、感覚神経、脳の高次機能は障害されない → (筋萎縮性側索硬化症の陰性症状) (1) 他覚的感覚障害、(2) 眼球運動障害、(3) 膀胱・直腸障害、(4) 小脳徴候、(5) 錐体外路徴候、(6) 認知症、(7) 褥瘡
疫学
- 有病率:4-6人/10万人
- 男女比=1.3:1 (YN.J-130)
- 発症年齢:中年以降。40歳以降でみられ、多くは50歳以降
- 日本では紀伊半島、米国ではグアムで多く見られる。
病因
病理
- Lwey body-like hyaline inclusions, Hirano bodies, ブニナ体, slein-like inclusions
症状
検査
- 軸索変性を来すので、神経伝導速度の低下は顕著ではない → 筋電図で神経原性変化を見る!!
鑑別診断
- 変形性頚椎症:知覚障害が出現するので鑑別されるが、症状が神経所見がはっきり分からず、診断に難渋することがある、らしい。
- 球麻痺・呼吸筋麻痺を呈する疾患
国試
[★]
- 英
- propofol infusion syndrome, PRIS
- 関
- プロポフォール
概念
- 集中治療分野における、長期間鎮静のためにプロポフォールが投与された患者の病態
- 集中治療における人工呼吸中の鎮静の目的でプロポフォール投与中に代謝性アシドーシス、横紋筋融解症、高カリウム血症、心不全が発現した症例が報告されており、このような病態をプロポフォール症候群と呼ぶ
- 4mg/kg•hr(60kgで24ml/hr)以上の高用量プロポフォールを48時間以上使用している患者で代謝性アシドーシス、徐脈を伴うショック(徐脈性不整脈)、横紋筋融解症、高脂血症、腫大肝・脂肪肝を呈する疾患
- 5mg/kg/hを48時間以上としている情報源あり
疫学
- 死亡率が高い
- 小児で多いが、成人でもまれならず
- PRISはまれではあるが、致死性合併症
診断基準
Brayによる小児PRISの診断基準
- 突発性もしくは比較的突発性に治療抵抗性の徐脈が発現し不全収縮(心静止)へ移行する
- 以下のうち少なくとも1項目を含む
- 脂質異常症の発現
- 肝腫大または剖検による肝臓の脂肪浸潤
- BE≦-10を呈する代謝性アシドーシス
- 横紋筋融解もしくはミオグロビン尿を伴う筋症状
リスク因子
PRIS発症に関する危険因子
- 高容量(>5mg/kg/h)、長時間(>48時間)のプロポフォール投与
- 乳幼児
- 上気道感染
- 多発外傷、頭部外傷
- 内因性ストレスの存在、カテコラミンやグルココルチコイドの投与
- 糖摂取の不足
PRIS発症時の所見
病態生理
検査
治療
予防
- プロポフォールを使用する際は4mg/kg•hrを越えないようにする
- 48時間以内でも除外しない。疑えば中止を考える。
- 使用中は心電図(徐脈に注意、ブルガダ変化も)、pH、CK、TGをモニタリング
- プロポフォールを漫然と長期投与しないように、鎮静レベルはRASSなどで評価
[★]
- 英
- myopathy, muscular disease, muscular disorder
- 同
- ミオパシー、ミオパチー、筋原性疾患、筋症
- 関
- 筋萎縮
筋疾患と神経疾患
筋疾患と末梢神経疾患の鑑別
|
神経原性
|
筋原性
|
下位運動ニューロン障害
|
筋萎縮
|
遠位筋中心
|
近位筋中心
|
線維束性攣縮
|
あり
|
なし
|
筋電図
|
高振幅
|
低振幅
|
long duration
|
short duration
|
giant spike
|
|
(代償的な筋線維の興奮)
|
|
筋逸脱酵素
|
ー
|
CK↑
|
筋生検
|
群性萎縮(小角化線維)
|
孤発性萎縮(筋線維の大小不同、中心核の増加)
|
疾患
|
ALS
|
筋ジストロフィー
|
SPMA
|
多発性筋炎
|
分類
検査
- SOR.356
- 筋電図:筋原性変化(低電位差、低振幅波、多相性)
- 筋生検:筋線維の大小不同、壊死繊維、再生像、細胞浸潤など
- MRI:T2で高信号の変化が見られるものがある(皮膚筋炎)
[★]
- 英
- creatine kinase-MB creatine kinase MB CK-MB
- 同
- クレアチンキナーゼ-MB
- 関
- クレアチンキナーゼ CK CPK、クレアチンキナーゼアイソザイム
上昇する原因
- LAB.608
- 心筋に特異性が高い。
- 上昇し始めるのは3-4時間
- 正常化するのは3-7日
- LAB.608
- 心筋梗塞発作後4-8時間で上昇開始。24時間で最大(CK-MB/CKの40%程度まで)、3日間上昇を認める。
測定誤差
- 免疫阻害によるCK-MBを測定する方法を用いた場合、抗CK-M抗体でマクロCKを阻害することができず、正誤差を生じる。CKと免疫グロブリンが結合したマクロCK(type1)、ミトコンドリア由来の高分子型のマクロCK(type2)の存在によりCK-MB/CKが大きく見積もられる。
[★]
- 英
- macro CK
- 関
- クレアチンキナーゼアイソザイム、クレアチンキナーゼ
- 高分子のCK。
- CK-MB/CKを測定するうえで誤差の原因となる
- 1型:CKと免疫グロブリンが結合したもの :同一無選択母集団でマススクリーニングした結果、0.46%にCK結合性免疫グロブリンが認められたという。(LAB.609)
- 2型:ミトコンドリア由来の高分子型のもの:ミトコンドリアまで破壊されるような重症の病態で出現。心筋梗塞など
[★]
- 英
- creatine kinase isozyme
- 同
- クレアチンキナーゼアイソエンザイム creatine kinase isoenzymes
- 関
- クレアチンキナーゼ CK、CK-MM、CK-MB、CK-BB
基準値
- CK-MM:88-96%(検査の本)、94-100%(LAB.608)
- CK-MB:1-4%(検査の本)、0-4%(LAB.608)
- CK-BB:1%未満(検査の本、0-2%(LAB.608)
[★]
- 英
- CK-MM isoform creatine kinase-MM isoform
- 関
- クレアチンキナーゼ
[★]
- 英
- creatine (K)
- 同
- メチルグリコシアミン methylglycocyamine
- 関
- クレアチニン、尿クレアチン
意義
- 肝臓で産生され、脳や筋肉内でATPのリザーバーとして機能する。組織中で再利用されており、不要となったものはクレアチニンに変換され末梢血に出現する。従ってクレアチンの尿中への排出はほとんどないが、筋疾患など存在する場合には、崩壊した筋からの(大量の?)クレアチンが尿中に排出される。よって、尿クレアチンは筋崩壊の指標となる、と思う。
検査
検体
[★]
- 英
- kinase
- 同
- カイネース、リン酸化酵素 phosphoenzyme phosphotransferase