バーター症候群
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バーター症候群 |
分類及び外部参照情報 |
Scheme of renal tubule and its vascular supply.
|
ICD-10 |
E26.8 |
ICD-9 |
255.13 |
OMIM |
601678 241200 607364 602522 |
DiseasesDB |
1254 |
eMedicine |
med/213 ped/210 |
MeSH |
D001477 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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バーター症候群(バーターしょうこうぐん、Bartter syndrome)は、ヘンレ係蹄の太い上行脚(TAL)の機能不全を特徴とする症候群[1]。
目次
- 1 疫学・病態
- 2 症状・所見
- 3 予後・治療
- 4 参考文献
- 5 関連項目
疫学・病態
本症候群は、フレデリック・バーターらによって提唱された疾患概念である。1960年に最初の報告がなされ、1962年にはより多くの症例に基づく報告がなされた[2][3][4][5]。
本症候群は、腎臓のTALの機能不全を主体とする続発性アルドステロン症の一つであり、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系の亢進にもかかわらず、血圧が正常ないし軽度高値程度に留まっていることが特徴である。機能不全はいずれも遺伝的素因によるものと考えられており、その機序に応じてI〜V型に分類される[6]。
- I型 - Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC2)の機能異常により、TALに障害を来たすもの。原因遺伝子は15q上のSLC12A1。
- II型 - TALの上皮細胞内から尿細管腔へK+を戻すチャンネル(ROMK)の機能異常により、TALおよび皮質集合管(CCD)に障害を来たすもの。原因遺伝子は11q24上のKCNJ1。
- III型 - TALの上皮細胞内から血管側へCl-を戻すチャンネル(ClC-Kb)の機能異常により、TALおよび遠位曲尿細管(DCT)に障害を来たすもの。原因遺伝子は1q36上のCLCNKB。
- IV型 - barttin蛋白の不活性型変異により、ClC-Kbとともにヘンレ係蹄の細い上行脚(tAL)の上皮細胞内から血管側へCl-を戻すチャンネル(ClC-Ka)にも機能異常を生じ、TAL、tAL、DCT、さらには蝸牛血管条辺縁細胞にも障害を来たすものである。蝸牛血管条辺縁細胞の障害により感音性難聴を生じることが特徴的である。原因遺伝子は1q31上のBSND。
- V型 - Ca2+感知受容体(CaSR)の活性型変異に伴いNKCC2やROMKの活性が抑制されることにより、TALに障害を来たすもの。原因遺伝子は3q上のCASR。
遠位尿細管の緻密斑では、原尿中のCl-の濃度が低いほど糸球体傍細胞でのレニン分泌を亢進させるように、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系を調節している。その際に、緻密斑細胞が原尿中のCl-の濃度を感知する上で、Na+-K+-2Cl-共輸送体が重要な役割をはたしていると考えられている。しかし、例えば本症候群I型によってNKCC2が機能不全に陥ると、原尿中のCl-の濃度を緻密斑が感知できなくなるため、原尿中のCl-の濃度が低いと誤認識を起こし、糸球体傍細胞でのレニン分泌が異常に亢進する。その結果、RAA系が過剰に賦活されアルドステロンの分泌を異常に促し、続発性アルドステロン症を起こす。
続発性アルドステロン症は低カリウム血症と代謝性アルカローシスを起こす。続発性アルドステロン症によって起こされた低カリウム血症は腎臓で合成されるプロスタグランジンの産成を異常に促進し、過剰に産成されたプロスタグランジンはRAA系を更に賦活すると言う悪循環ができる。一方、レニンの昇圧作用とプロスタグランジンの降圧作用が相殺されて、血圧は正常に保たれる。
症状・所見
本症においては、その機序からしても、ループ利尿薬の過剰投与時と同様の臨床症状・検査所見が認められる。
臨床症状
低カリウム血症による筋力低下、四肢麻痺、尿濃縮力低下による多尿等を来たし、腎不全に至る。
検査所見
- 基本身体検査
- 元々RAA系が亢進しているのでアンギオテンシンII負荷試験にて昇圧性が低下している。
- 血液検査
- 血清生化学検査
- 低カリウム血症、代謝性アルカローシス、等が認められる。
- 腎臓針生体検査
- レニンを異常分泌している傍糸球体装置が過剰に形成されて大きくなる。過剰に形成される事を過形成と言う。
- 心電図
- 低カリウム血症によるU波増高などを認める。
予後・治療
本症においては、乳児期から低カリウム血症を発症し、成人までに1/3が末期腎不全に至る。
先天異常なので対症療法を行う。低カリウム血症に対してはカリウムを補給する。低クロール血症に対してはKClの経口投与で補給する。アルドステロン症に対しては、アルドステロン受容体拮抗薬スピロノラクトンを投与する。プロスタグランジンの過剰産生に対しては、プロスタグランジン産成阻害薬のインドメサシン等を投与する。
参考文献
- ^ 林松彦 「Bartter症候群」『今日の診断指針 第6版』 医学書院、2010年。ISBN 978-4-260-00795-5。
- ^ Bartter FC, Pronove P, Gill JR Jr, MacCardle RC (1962). "Hyperplasia of the juxtaglomerular complex with hyperaldosteronism and hypokalemic alkalosis. A new syndrome". Am J Med 33 (6): 811–28. doi:10.1016/0002-9343(62)90214-0. PMID 13969763. Reproduced in Bartter FC, Pronove P, Gill JR, MacCardle RC (1998). "Hyperplasia of the juxtaglomerular complex with hyperaldosteronism and hypokalemic alkalosis. A new syndrome. 1962". J. Am. Soc. Nephrol. 9 (3): 516–28. PMID 9513916.
- ^ Proesmans W (2006). "Threading through the mizmaze of Bartter syndrome". Pediatr. Nephrol. 21 (7): 896–902. doi:10.1007/s00467-006-0113-7. PMID 16773399.
- ^ synd/2328 - Who Named It?
- ^ http://www.whonamedit.com/synd.cfm/2328.html
- ^ 藤田敏郎、安東克之 「2.遠位尿細管機能異常」『新臨床内科学 第9版』 医学書院、2009年。ISBN 978-4-260-00305-6。
関連項目
- 腎臓学
- ギテルマン症候群
- かつてバーター症候群と同一疾患だと思われていた疾患。バーター症候群と同様血圧の上昇を認めないアルドステロン症のひとつである。バーター症候群との違いは低マグネシウム血症、著明な低カルシウム血症を起こし、テタニーまで起こすことがあるということである。分子生物学的にはサイアザイド感受性の輸送体遺伝子の異常である。
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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膀胱結石
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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急性腎不全
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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肉眼解剖
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
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Japanese Journal
- 症例 15歳時に遺伝子解析により確定診断された乳児期発症の3型Bartter症候群の1例
- 野津 寛大
- The Japanese journal of nephrology 53(2), 163-168, 2011-03-25
- NAID 10029736462
Related Links
- 低カリウム血症と代謝性アルカローシスを呈する先天性尿細管機能障害をBartter症候群、これらに加えて低マグネシウム血症、低カルシウム尿症を呈する先天性尿細管機能障害をGitelman症候群という。
- MyMed(マイメド)は、究極の医療電子教科書の作成を通じて、利用者のニーズにあった理想的な医療情報サイトを ... 概要 Bartter症候群 1962年、Bartterらは成長障害のある黒人男性に高アルドステロン血症、低K血症と ...
- バーター症候群は水分,電解質,ホルモンに関する種々の異常の組み合わせであり,腎におけるK,Na,Clの喪失,低カリウム血症,高アルドステロン症,高レニン血症,正常な血圧に特徴づけられる。小児において発症し,電解質と ...
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★リンクテーブル★
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- 62歳の女性。蛋白尿と腎機能低下のため来院した。4か月前から肺癌のためシスプラチンを含む薬物療法を受けており、治療開始時の蛋白尿は陰性、血清クレアチニンは0.8mg/dLであった。昨日の外来検査で蛋白尿と腎機能低下が認められたため紹介されて受診した。意識は清明。身長 158cm、体重 54kg。脈拍 68/分、整。血圧 134/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:尿比重 1.014、蛋白1+、糖2+、潜血1+、沈渣は赤血球 5~9/HPF。1日尿量 1,200mL、1日尿蛋白 1.1g/日。尿中β2-マイクログロブリン 54,630μg/L(基準 200以下)。血液所見:赤血球 308万、Hb 10.8g/dL、Ht 32%、白血球 4,000、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、アルブミン 3.5g/dL、AST 16U/L、ALT 11U/L、ALP 489U/L(基準 115~359)、γ-GT 16U/L(基準 8~50)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 1.3mg/dL、尿酸 1.8mg/dL、血糖 84mg/dL、HbA1c 5.2%(基準 4.6~6.2)、Na 142mEq/L、K 3.3mEq/L、Cl 120mEq/L、Ca 7.8mg/dL、P 1.2mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.30、PaCO2 30Torr、PaO2 98Torr、HCO3- 15mEq/L。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D047]←[国試_114]→[114D049]
[★]
- 22歳の女性。脱力感と手のしびれとを主訴に来院した。意識は清明。身長160cm、体重38kg。体温36.5℃。脈拍76/分、整。血圧94/50mmHg。浮腫を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球390万、Hb13.2g/dl、Ht36%、白血球7,000、血小板30万。血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン4.5g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール160mg/dl、トリグリセライド90mg/dl、AST21単位、ALT18単位、γ-GTP30単位(基準8~50)、Na147mEq/l、K2.5mEq/l、Cl101mEq/l、Ca9.0mg/dl、P3.0mg/dl、Mg1.2mg/dl(基準1.6~2.6)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.48、PaO2 96Torr、PaCO2 47Torr、HC03- 34mEq/l。血漿レニン活性7ng/ml/時間(基準1.2~2.5)、アルドステロン50ng/dl(基準5~10)、尿中カルシウム・クレアチニン排泄比0.1以下(基準0.1~0.2)。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A035]←[国試_099]→[099A037]
[★]
- 105D026
- 26歳の女性。会社の定期健康診断で高血圧を指摘され来院した。脈拍72/分、整。血圧(右上肢)176/98mmHg。心音に異常を認めない。上腹部に血管性雑音を聴取する。血液所見:赤血球 450万、Hb 13.4g/dl、Ht 42%、白血球 4,200、血小板24万。血液生化学所見:尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 1.0mg/dl、総コレステロール 160mg/dL、Na 142mEq/l、K 3.0mEq/l、Cl 98mEq/l、アルドステロン 60ng/dl(基準5 -10)、血漿レニン活性(PRA) 16ng/ml/時間(基準1.2-2.5)。CRP 3.8mg/dl。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D025]←[国試_105]→[105D027]
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- 26歳の女性。脱力感を主訴に来院した。小児期の成長は正常。意識は清明。身長160cm、体重46kg。血圧96/60mmHg。血液生化学所見:Na 140mEq/l、K 2.4mEq/l、Cl 89mEq/l、血漿レニン活性<PRA>4.0ng/ml/時間(基準1.2~2.5)、アルドステロン25ng/dl(基準5~10)、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.51、PaO2 98Torr、PaCO2 44Torr、HCO3- 36mEq/l。
[正答]
CD
- 利尿薬
- バーター症候群では精神遅滞・成長障害をきたし幼小児時に診断される(Ca2+排泄があるため??)。
※国試ナビ4※ [103D024]←[国試_103]→[103D026]
[★]
- 26歳の女性。会社の定期健康診断で高血圧を指摘され来院した。脈拍72/分、整。血圧176/98mmHg。心雑音はない。上腹部に血管雑音を聴取する。血液所見:赤血球450万、Hb13.4g/dl、Ht42%、白血球4,200。血清生化学所見:尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総コレステロール160mg/dl、Na142mEq/l、K3.0mEq/l、Cl 98mEq/l、アルドステロン60ng/dl(基準5~10)、血漿レニン活性16ng/ml/時間(基準1.2~2.5)。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F052]←[国試_100]→[100F054]
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- 27歳の女性。朝起床しようとして、足に力が入らず歩行困難となったことを主訴に来院した。昨日までは普通に歩行していた。下痢と嘔吐とはみられない。血圧102/68mmHg。両下肢の筋力が同程度に低下している。血清生化学所見:Na139mEq/l、K1.7mEq/l、Cl 114mEq/l、クレアチニン0.9mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.26、PaO2 111Torr、PaCO2 24Torr、HCO3-16.1mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [100I033]←[国試_100]→[100I035]
[★]
- 21歳の男性。難聴を主訴に来院した。10歳頃から両側難聴があったが原因不明と言われていた。3年前から両側難聴が進行し、昨年から補聴器を装用している。時々、浮動性めまいを自覚している。また、家族性腎炎の診断で7歳から透析を受けている。オージオグラムを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A042]←[国試_102]→[102A044]
[★]
- 40歳の男性。四肢と頚部との筋力低下を主訴に来院した。以前から拡張期高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないため放置していた。血圧140/98 mmHg。血清生化学所見:Na142mEq/l、K2.3 mEq/l、Cl 102 mEq/l。血漿レニン活性(PRA)0.1ng/ml/時間以下(基準1.2~2.5)。この患者の診断で否定できるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D049]←[国試_096]→[096D051]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111I008]←[国試_111]→[111I010]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110B026]←[国試_110]→[110B028]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097G095]←[国試_097]→[097G097]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B021]←[国試_096]→[096B023]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H039]←[国試_096]→[096H041]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106A012]←[国試_106]→[106A014]
[★]
- 代謝性アシドーシスを伴う低カリウム血症をきたすのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099E064]←[国試_099]→[099E066]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H045]←[国試_098]→[098H047]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H043]←[国試_098]→[098H045]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B060]←[国試_095]→[095B062]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B043]←[国試_100]→[100B045]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096B037]←[国試_096]→[096B039]
[★]
- 英
- Bartter syndrome, Bartter's syndrome
- 同
- Bartter症候群
- 関
- ギテルマン症候群 Gitelman症候群
概念
- 常染色体劣性遺伝 AR
- RAA系の亢進 にもかかわらず 正常血圧、浮腫の欠如
- 低カリウム血症、代謝性アルカローシス
- 傍糸球体細胞の過形成
- 多飲、多尿 ← アルドステロンのエスケープ現象(尿濃縮脳の障害)。これにより血圧上昇がキャンセル?
- ヘンレループ太い上行脚にあるループ利尿薬の標的輸送体の機能異常 → 常にフロセミドが効いた状態と考えてみる。
病因
- 1つは、NKCC2をコードしているSLC12A1の遺伝子異常
原因遺伝子
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Location
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Phenotype
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Phenotype
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Gene/Locus
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Gene/Locus
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MIM number
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MIM number
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1
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15q21.1
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[[1]]
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Bartter syndrome, type 1
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601678
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[[2]]
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SLC12A1
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600839
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[[3]]
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2
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11q24.3
|
[[4]]
|
Bartter syndrome, type 2
|
241200
|
[[5]]
|
KCNJ1
|
600359
|
[[6]]
|
3
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1p36.13
|
[[7]]
|
Bartter syndrome, type 3
|
607364
|
[[8]]
|
CLCNKB
|
602023
|
[[9]]
|
4A
|
1p36.13
|
[[10]]
|
Bartter syndrome, type 4, digenic
|
602522
|
[[11]]
|
CLCNKB
|
1p32.3
|
[[12]]
|
Bartter syndrome, type 4a
|
BSND
|
606412
|
[[13]]
|
Sensorineural deafness with mild renal dysfunction
|
4B
|
1p36.13
|
[[14]]
|
Bartter syndrome, type 4b, digenic
|
613090
|
[[15]]
|
CLCNKA
|
602024
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[[16]]
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病態
- uptodate.1
- 尿希釈能低下:ヘンレループ上行脚と遠位曲尿細管の療法は尿希釈に重要な部位であり(ADHの作用がない条件下で、水の移動なしにNaClを再吸収できるので)、本疾患では尿希釈能の低下をきたす。
- 尿濃縮能低下:尿濃縮にはループヘンレの正常な働きととADHが必要 → 本疾患では尿濃縮能の低下をきたす ⇔ ギテルマン症候群ではnot substantially impaired
症候および検査異常
- uptodate.1
- しかし、出典不明の情報では、RAA系の亢進による血圧上昇がプロスタグランジンE2による血圧低下で相殺され、血圧正常とあるが、、、どうなの?出典はYNらしい。
- 発育遅滞、精神発達遅滞 ← 幼小児で発見されるきっかけ?
- 低カリウム血症
- 代謝性アルカローシス
- 多尿、多飲 ← 尿濃縮能低下
- 尿中カルシウム:正常~増加
- 血清マグネシウム:正常~軽度低下
- (時に)低リン酸血症 ← 二次性副甲状腺亢進症による
鑑別診断
- IMD.1003
バーター症候群とギテルマン症候群
- 出典不明
参考
uptodate
- 1. [charged] バーター症候群およびギテルマン症候群 - uptodate [17]
- 2. [charged] 原因不明の代謝性アルカローシスおよび低カリウム血症:嘔吐;利尿薬;ギテルマンまたはバーター症候群 - uptodate [18]
OMIM
- 1. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 1
- http://omim.org/entry/601678
- 2. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 2
- http://omim.org/entry/241200
- 3. BARTTER SYNDROME, TYPE 3
- http://omim.org/entry/607364
- 4. BARTTER SYNDROME, TYPE 4A
- http://omim.org/entry/602522
- 5. BARTTER SYNDROME, TYPE 4B
- http://omim.org/entry/613090
国試
[★]
- 英
- hypomagnesemia
- 関
- マグネシウム、高マグネシウム血症、電解質異常
定義
- 血清中のマグネシウム値低下による症状。
- 正常範囲以下(1.5mg/dl以下)となった病態 正常範囲は 1.5-2.3 mg/dl
病因
- 食事摂取量不足
- 消化管(腸管)からの吸収障害:飢餓状態、嘔吐、長期の胃腸液吸引、吸収不良症候群*、急性膵炎*、肝硬変
- 腎からの排泄増加
病態生理
症状
- 神経筋機能の異常:テタニー、振戦、てんかん発作、筋脱力、運動失行、眼振、めまい、感情鈍麻、うつ、易刺激性、譫妄(delirium)、精神症状 (HIM.2373)
- 心血管系:不整脈(洞性頻脈、上室性頻拍、心室性不整脈)、PR/QT延長、T波平坦化/陰性T波、ST straightening (HIM.2373)
- 電解質:低カルシウム血症、低カリウム血症 ← 個別に治療しても無駄。マグネシウムを補正する必要がある。1,25(OH)2Dの産生を阻害、細胞にPTHへの耐性をもたせ、さらに<1mg/dLではPTHの分泌を阻害する。 (HIM.2373) また、低マグネシウム血症では尿細管でのカリウム再吸収が低下するらしい。
- その他:ジギタリス毒性上昇(MgはATPaseの補酵素だからね)
低マグネシウム血症と高マグネシウム血症の比較
検査
心電図
- HIM.2373
合併症
[★]
- 英
- Gitelman's syndrome、Gitelman syndrome
- 同
- Gitelman症候群
- 関
- 利尿薬。バーター症候群、Bartter症候群
概念
- チアジド系利尿薬感受性Na-Cl co transporter(NCCT)の機能変異により、ナトリウム吸収が障害される疾患である。ナトリウムと塩素イオンの喪失によるhypovolemiaによりRAA系が亢進し、高アルドステロン血症を呈するが、高血圧とはならない。アルドステロンによるカリウム排泄の亢進と、集合管でのナトリウム再吸収亢進によりカリウムイオン・水素イオン排泄亢進により低カリウム血症、代謝性アルカローシスをきたす。バーター症候群と異なり、低マグネシウム血症をきたすのが特徴的である。
バーター症候群とギテルマン症候群
- 出典不明
参考
- 1. GITELMAN SYNDROME - OMIM
- http://omim.org/entry/263800
- 2. [charged] Bartter and Gitelman syndromes - uptodate [19]
- 3. [charged] Regulation of magnesium balance - uptodate [20]
[★]
- 同
- 低K性四肢麻痺、低K血症性周期性四肢麻痺
- 関
- 周期性四肢麻痺
[show details]
病型
- 1. 原発性低K性周期性四肢麻痺:AD
- 2. 続発性低K性周期性四肢麻痺
[★]
- 英
- hypokalemic myopathy
- 同
- 血清カリウム欠乏性ミオパチー potassium-depletion myopathy、低カリウム性ミオパチー
- 関
- 筋疾患、低カリウム血症、カリウム
基礎疾患
[★]
偽性バーター症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候