- 英
- calcium oxalate
- 関
- シュウ酸、尿路結石
- シュウ酸とカルシウムの溶解度積は2.6×10-9[M2](25℃)
- 尿路結石の内で最も頻度が高い(70-80%)
- X線:濃い陰影
- 形状:正八面体
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/20 11:31:16」(JST)
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シュウ酸カルシウム |
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
無水物
5794-28-5, 一水和物 25454-23-3, 無水物
5794-28-5, 一水和物 |
特性 |
化学式 |
CaC2O4 |
モル質量 |
128.097 g/mol, 無水物
146.112 g/mol, 一水和物 |
外観 |
無色固体 |
密度 |
2.2 g/cm3, 無水物
2.12 g/cm3, 一水和物 |
融点 |
分解
|
水への溶解度 |
0.00067 g/100 ml (20 ℃) |
構造 |
結晶構造 |
立方晶系, 無水物 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−1360.6 kJ mol−1, 無水物
−1674.86 kJ mol−1, 一水和物[1] |
標準モルエントロピー So |
156.5 J mol−1K−1, 一水和物 |
標準定圧モル比熱, Cpo |
152.80 J mol−1K−1, 一水和物 |
危険性 |
EU分類 |
有害 (Xn) |
Rフレーズ |
R21/22 |
Sフレーズ |
(S2), S24/25 |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
シュウ酸カルシウム(シュウさんカルシウム、Calcium oxalate)は、化学式が CaC2O4 または Ca(COO)2 と表されるカルシウムのシュウ酸塩で、針状の結晶である。無水物と一水和物、二水和物などが存在する。
日本の法令では毒物及び劇物取締法により劇物に指定される。
目次
- 1 製造法
- 2 性質
- 3 産出
- 4 摂取時の効果
- 5 対処法
- 6 脚注
- 7 関連項目
|
製造法
シュウ酸カルシウムはシュウ酸製造の中間生成物である。シュウ酸ナトリウムと水酸化カルシウムから、難溶性のシュウ酸カルシウムが得られ、そこからさらに硫酸によってシュウ酸が分離される。
性質
無色の結晶で水に難溶性であり、アルカリ土類金属のシュウ酸塩としては最も溶解度が小さく、シュウ酸カルシウムの沈殿はカルシウムイオンあるいはシュウ酸イオンの定量分析に用いられる。その溶解度積は18℃で以下の通りである[2]。
- CaC2O4 Ca2+(aq) + C2O42−(aq), Ksp = 1.78×10−9
塩酸および硝酸には溶解する。赤熱により分解し、炭酸カルシウムを残す。
- CaC2O4 → CaCO3 + CO
産出
シュウ酸カルシウムは、毒草のディフェンバキアに多く含まれる。また、ルバーブの葉やカタバミ、サトイモ、タロイモ、リュウゼツラン、未成熟のパイナップルなどにも見られ、量は少ないがホウレンソウにも含まれる。不溶性のシュウ酸カルシウムは、植物の茎、根、葉などに多く存在する。
ビールの醸造過程で使用される醸造槽などには、ビール石 (en:beerstone) と呼ばれる茶色の結晶が付着することがあり、この主成分がシュウ酸カルシウムである[3]。ビール石は、カルシウム塩・マグネシウム塩や様々な有機物からなり、醸造過程で沈着する。これは好ましくない微生物の増殖を促進し、槽内のビールの香を悪くしたり、だめにしたりする。
尿中のシュウ酸カルシウムの結晶は、一般的な尿路結石の主成分である。また、シュウ酸カルシウムの結晶生成は、エチレングリコール中毒の毒性効果の一つである。
シュウ酸カルシウムは、3つの形態で自然産出する。一水和物で、石炭層に含まれることがある en:whewellite、二水和物の en:weddellite、三水和物で、極めて稀産の caoxite である。
摂取時の効果
わずかな量のシュウ酸カルシウムを摂取しただけでも、口と喉にひどい灼熱感を持って腫れ、窒息をもたらす。量が多い場合は深刻な消化器障害と呼吸困難を引き起こし、量によっては、昏睡や死亡に至る。深刻なシュウ酸中毒からでも回復することはあるが、不可逆的な肝臓と腎臓障害が残る場合がある。パイナップルを食べた時に口内が荒れる原因として知られる。
ディフェンバキアによる症状はさらにひどく、茎が唇、舌、口内粘膜、結膜、皮膚などと接触すると、シュウ酸カルシウムの針状結晶が痛みと浮腫をもたらす。浮腫の原因は第一には生成する結晶であるが、補助的に他の植物毒素(ブラジキニンなど)も関与している。
対処法
摂取した場合は、直ちに医者の診察を受けるべきである。植物から摂取した場合は、被害の程度は種類にも依る。おだやかなもの(サトイモなど)もあるが、深刻なもの(テンナンショウなど)もあり、呼吸困難になることがある。テンナンショウは、種子の鞘を少しかじっただけでも、直ちに腫れ上がり灼熱感が起こる。腫れが引くまでには12時間程度はかかる。アナフィラキシー症状と間違われる場合があるので注意が必要である。
脚注
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ Johnson, Dana (1998年3月23日). “Removing Beerstone”. Modern Brewery Age. Birko Corporation R&D. 2007年8月6日閲覧。
関連項目
カルシウムの化合物 |
|
二元化合物 |
Ca3As2 · CaB6 · CaBr2 · CaC2 · CaCl · CaCl2 · CaF2 · CaH2 · CaI2 · Ca(N3)2 · Ca3N2 · CaO · CaO2 · CaP · Ca3P2 · CaS · CaSe · CaSi · CaSi2 · CaTe
|
|
三元化合物 |
Ca(AlO2)2 · Ca3(AsO4)2 · Ca3(BO3)2 · Ca(BrO3)2 · Ca(ClO)2 · Ca(ClO3)2 · Ca(ClO4)2 · CaCN2 · Ca(CN)2 · CaCO3 · CaC2O4 · CaCrO4 · CaCr2O7 · Ca(IO3)2 · Ca(MnO4)2 · Ca(NO2)2 · Ca(NO3)2 · Ca(OH)2 · Ca2P2O7 · Ca3(PO4)2 · CaSeO4 · CaSiO3 · CaSO3 · CaSO4 · CaTiO3
|
|
四元・五元化合物 |
Ca(CH3COO)2 · Ca(HCO3)2 · Ca(HCOO)2 · CaHPO4 · Ca(H2PO4)2 · Ca(HSO3)2 · Ca(HSO4)2 · Ca(OCN)2 · Ca(SCN)2 · CaCl(OH)2 ·
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- PP-660 高カルシウム尿を有する再発性シュウ酸カルシウム結石症患者に対するロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド配合剤の尿中諸物質に及ぼす影響の検討(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- PP-428 シュウ酸カルシウム結石形成におけるOrthosiphon grandiflorumの抑制効果について(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- 急速に進行し菌球様陰影を呈した肺Aspergillus niger症の1例
- 齋藤 雅俊,四宮 祥平,北楯 祥子,高原 豊,山谷 淳代,小島 好司,藤本 由貴,及川 卓,中川 研,土原 一真,井口 晶晴,長内 和弘,栂 博久
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 33(1), 33-37, 2011-01-25
- … 抗原が陽性であった.画像上は両側上葉に空洞形成と広範な浸潤影のほかに右上葉の菌球様陰影がみられた.気管支鏡検査を施行し右上葉洗浄液からAspergillus nigerが培養され,気管支生検(TBB)組織所見よりシュウ酸カルシウムの沈着を認めた.メロペネム三水和物とミカファンギンナトリウムによる治療を開始したが第7病日に永眠となった.結論.約2カ月の経過で両側上葉に空洞を形成し,右上葉の菌球様陰影を呈したAspergillus …
- NAID 110008460780
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★リンクテーブル★
[★]
- 51歳の男性。左の下腹部から側腹部にかけての痛みを主訴に来院した。昨日、仕事中に左背部に軽度の痛みが出現したが30分ほどで軽快した。本日午前8時ころ、出勤途中の電車の中で、突然、左の下腹部から側腹部にかけての強い痛みが出現したため受診した。来院の途中に悪心と嘔吐があった。意識は清明。体温 36.3℃。血圧 158/94mmHg。顔色は蒼白で冷汗を認める。腹部に反跳痛を認めない。左の肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球 15~30/1視野、白血球1~4/1視野。血液所見:赤血球 460万、Hb 14.6g/dL、Ht 46%、白血球 8,300、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.1g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、AST 35IU/L、ALT 32IU/L、LD 186IU/L(基準 176~353)、γ-GTP45 IU/L(基準8~50)、尿素窒素 23mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、尿酸 8.6mg/dL、血糖 92mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 109mEq/L、Ca 9.2mg/dL。CRP 1.2mg/dL。腹部超音波検査で左水腎症、左腎結石および左尿管結石を認める。腹部単純エックス線写真(別冊No. 11A)と腹部単純CT(別冊No. 11B)とを別に示す。
- この患者で予測される結石成分はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D034]←[国試_110]→[110D036]
[★]
- 84歳の男性。左膝の痛みと発熱とを主訴に来院した。一昨日に日帰りのバス旅行に参加した。昨日から左膝の痛みと39℃の発熱とが出現した。本日は痛みのため歩行が困難になり受診した。体温37.7℃。脈拍84/分、整。血圧148/82mmHg。呼吸数14/分。左膝に腫脹、熱感および圧痛を認める。血液所見:赤血球405万、Hb 13.0g/dl、Ht 41%、白血球9,200、血小板32万。血液生化学所見:尿素窒素19mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、尿酸5.5mg/dl、AST 28IU/l、ALT 26IU/l、LD 258IU/l(基準176~353)、Na 140mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 104mEq/l。CRP 8.7mg/dl。左膝関節エックス線写真(別冊No.22)を別に示す。
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[正答]
※国試ナビ4※ [107A050]←[国試_107]→[107A052]
[★]
- 右尿管結石症の腹部単純エックス線写真(別冊No.2)を別に示す。この結石の成分として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I015]←[国試_107]→[107I017]
[★]
- 英
- urinary sediment
- 関
- 尿沈渣検査 urinary sediment examination、尿沈液
概念
- 尿中に含まれる各種の細胞、円柱、結晶、微生物などの有形成分。
- 尿沈渣の検査は腎・尿路系疾患の診断、進行度、予後の推定を目的に行う。
検体
- 検体は早朝起床時尿(早朝第一尿)の中間尿約10mL。早朝第一尿では円柱がみられやすい
- 検体は採尿後1時間以内になるべく早く観察 → 室温2時間以上放置すると細菌が増殖し、アルカリ化が進む。尿路感染が分からなくなるうえ、円柱や細胞が崩壊して観察できない。
- 古い尿やアルカリ性尿では血球、円柱、上皮細胞の崩壊が強く正しい判定ができないことがある。
- 女性の場合、月経時における血液の混入、腟分泌物の混入(中間尿を採るようにしてもらう)
方法
- 1. 新鮮尿10mLを尿沈渣用試験管にとり500Gで5分間遠心する
- 2. 上清を捨て残液約0.2mLとする
- 3. そのまま、あるいは尿沈渣用染色液を加えて混和する
- 4. 1滴(15μl)をスライドガラスに載せカバーガラスをかけ鏡検する
観察方法
- LPF(low power field 、弱拡大、100倍):3.14 mm2、7.27ul
- HPF(high power field、強拡大、400倍):0.196 mm2、0.45ul
病的所見
- 赤血球と白血球はそれぞれ5/HPF以上、硝子円柱は1/HPF以上、上皮細胞性円柱、顆粒円柱、蝋様円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱の各種円柱類、異常結晶(ビリルビン、チロジン、ロイシン、コレステロール、シスチン、2,8-ジヒドロキシアデニンなど)、細菌、真菌、原虫、虫卵、腫瘍細胞の出現
判断基準
赤血球
|
≧5個/HPF
|
白血球
|
≧5個/HPF
|
上皮細胞(正常)
|
扁平上皮細胞をのぞく全て(移行上皮、尿細管上皮、円柱上皮)
|
上皮細胞(異常)
|
すべて(卵円系脂肪体、多核巨細胞、封入体細胞)
|
異型細胞
|
癌細胞
|
大食細胞
|
≧1個/HPF
|
円柱
|
<1個/HPFの硝子円柱をのぞく全て
|
粘液系
|
≧1+
|
結晶
|
病的結晶(シスチン、チロシン、ロイシン、ビリルビン、コレステロール、DHA結晶)。正常結晶(尿酸結晶)で≧2+の時
|
細菌
|
≧1+(>/HPFの桿菌)
|
真菌
|
すべて
|
原虫
|
すべて
|
寄生虫
|
すべて
|
OLM.53
尿沈渣成分の基準値
|
|
強拡大視野あたり(/HPF)
|
赤血球数
|
1/4-7≧
|
白血球数
|
1-2/4-7≧
|
上皮細胞数
|
1/10≧
|
円柱
|
1/20≧
|
結晶 (LAB.217)
- アルカリ性尿で見られる血症はウレアーゼ産生菌のプロテウスやクレブシエラなどによる尿路感染症でみられるが、正常尿でも見られうる。
病的意義のある結晶
急性腎不全を背景とする場合
円柱 (LAB.214)
- 硝子円柱は正常でも見られるので病的意義はない。尿量の少ないとき、運動後や利尿薬の使用時にみられる。
[★]
- 英
- urolithiasis
- 関
- 尿路結石症、尿管結石症 尿管結石
疫学
まとめ
- CBT QB vol2 p.382改
結石の種類
|
X線での描写
|
形成されやすい尿pH
|
酸解離定数
|
リン酸カルシウム
|
+
|
アルカリ性
|
pKa1=2.12 pKa2=7.21 pKa3=12.67
|
シュウ酸カルシウム
|
+
|
酸性
|
pKa1=1.27 pKa2=4.27
|
シスチン
|
-
|
酸性
|
pKCOOH<1 pKCOOH<2.1 pKNH3+=8.02 pKNH3+=8.71 pI=5.03
|
尿酸
|
-
|
酸性
|
pK1=5.8 pK2=10.3
|
キサンチン
|
-
|
酸性
|
|
成分による区分
組成
- 頻度を%で示す。
成因
尿の性状と結石形成
- c. 尿停滞と濃縮 ← 長期臥床・尿路通過障害・海綿腎
- ⇒閉経前の女性は男性より尿中クエン酸量が3倍ほど多い
その他の結石形成因子
大きさと排石
- 5-6mm程度の大きさの場合、自己での排石は不能らしい。
治療
予防
[★]
- 英
- [[]]
- 関
- リン酸、カルシウム
- 0.35x10-6[M2] (38℃)
- シュウ酸カルシウムよりオーダーが2つ大きい
- Ka1=2.12
- pKa2=7.21
- pKa3=12.67
- pH↓→H3PO3↑, H2PO3-↑, HPO42-↓, PO43-↓
- pH↑→H3PO3↓, H2PO3-↓, HPO42-↑, PO43-↑
[★]
シュウ酸カルシウム
[★]
- 英
- calcium oxalate stone, calcium oxalate calculus
- 関
- 尿路結石、シュウ酸カルシウム
[★]
- 英
- calcium
- 関
- カルシウムイオン、リン
- calcium channel blockers, calcium channels
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 8.6-10.2 mg/dL (QB) だいたい 9.4 ± 0.8
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
血液ガス
- 血液ガスでは (mEq/l)で出されるが 4倍すれば (mg/dl)に変換できる 原子量が約40ゆえ
溶解度積
リン酸カルシウム
|
366x10-6
|
(30℃)
|
リン酸カルシウム
|
0.35x10-6
|
(38℃)
|
炭酸カルシウム
|
0.0087x10-6
|
(25℃)
|
酒石酸カルシウム
|
0.0077x10-6
|
(25℃)
|
シュウ酸カルシウム
|
0.00257x10-6
|
(25℃)
|
オレイン酸カルシウム
|
0.000291x10-6
|
(25℃)
|
パルチミン酸カルシウム
|
0.000000161x10-6
|
(23℃)
|
カルシウムの吸収(SP.744)
- +健康成人の1日あたりの食物Ca摂取0.6g
- +消化管分泌物と脱落上皮細胞のCa 0.6g
- -吸収されるCa 0.7g
- -そのまま排泄 0.5g
- 正味吸収されるCa 0.1g
カルシウムの吸収部位
カルシウム代謝の調節機構
副甲状腺ホルモン
- 1. 破骨細胞に作用してCa,Pが血中へ。
- 2. 腎の遠位尿細管に作用してCa再吸収の亢進、近位尿細管でのP再吸収の抑制。
- 3. 近位尿細管に作用して酵素を活性化し、1,25水酸化ビタミンD3の産生亢進。
1,25(OH)2D3
- 1. 空腸からのCaとPの吸収。
- 2. 骨形成促進。
- 3. 遠位尿細管でのCaとPの再吸収促進。
- 4. 副甲状腺ホルモンの合成を抑制
尿細管における部位別カルシウム輸送
- 糸球体で濾過されるのはイオン化Caと陰イオン複合型Ca(蛋白結合型Caは濾過されない)
- 濾過されたカルシウムのうち95%が再吸収される。
- 近位尿細管:60-70%
- ヘンレループ:20-25%
- 遠位尿細管、集合管:10-15%
近位尿細管
- Na+依存的に再吸収。受動輸送80%、能動輸送20%
- 基底側のCa2+ ATPase, 3Na+-Ca2+逆輸送系
ヘンレループ
- 太いヘンレループ上行脚で
- 受動輸送:管腔内電位が正であるため
遠位尿細管~集合管
- 糸球体濾過量の10-15%が再吸収されている → 量としては少ないが能動的に吸収が行われる部位。
- 能動輸送:管腔内電位が負であるため。
- PTH、カルシトニンに調節されている
- チアジド系利尿薬により細胞内Na↓となるとCa再吸収↑となる!!!! ← ループ利尿薬と違う点。よって高カルシウム血症が起こることがある。
接合尿細管
- 管腔側:Ca2+チャネル/非選択的カチオンチャネル
- 基底側:Na+-K+ ATPase, 3Na+-Ca2+交換系
尿細管におけるカルシウムの輸送の調節 SP.796
- Ca2+の尿中排泄量はNa+の尿中排泄量と比例。循環血漿量が増加するとCa2+排泄も増加
- Ca2+の尿中排泄量は血漿Ca2+濃度と比例する。
血清カルシウム濃度
- 血液中でCa2+は調節を受けて一定に保たれるが、蛋白と結合しているCaはアルブミンの量によって増減する。
- 血清アルブミン濃度 4 g/dl、血清Ca濃度 9mg/dl。補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- 血清アルブミン濃度 2 g/dl、血清Ca濃度 7mg/dl。 → 大変!!低カルシウム血症!! → ホント? ってことになる。アルブミンの量が減ってAlb-Caが減っただけで生理的に重要なCa2+は保たれているのではないか。 → こんな時に補正Ca濃度を用いるのである
- →補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- つまり、低アルブミン血症ではCa2+は保たれているにもかかわらず、血清Caは低値となりそのままでは評価できないために補正を行う。
- 補正Ca濃度(mg/dl)=Ca実測値(mg/dl)+(4-血清アルブミン濃度(g/dl)) ・・・Payneの式
- アルブミンのpIは7より小さく、アシデミアでは負に帯電しているアルブミンが減少、アルカレミアでは負に帯電しているアルブミンが増加する。すなわち、pHが下がるとアルブミンとくっつなくなったCaが増加するので、血液pH0.1の低下につきfreeイオン化Ca(Ca2+)は0.12mg/dl増加する???????????
循環血液量
血清Ca濃度
- 血清Ca濃度↑→PTH↓
- 生理活性のあるのはイオン化Ca(Ca2+)のみ
- 血清Ca濃度=イオン化Ca(45%) + 蛋白結合型Ca(40%) + 陰イオン複合型Ca(15%)
- イオン化Caは一定に保たれる
pH
- アシドーシス :pHが小さくなると負電荷減少:蛋白のCa結合能↓、イオン化Ca↑
- アルカローシス:pHが大きくなると負電荷増加:蛋白Caの結合能↑、イオン化Ca↓→Ca欠乏(低カルシウム血症)
低蛋白血症
- 低蛋白血症の際、蛋白結合型Caは減少するが、イオン化Ca一定。
尿中カルシウム
血中カルシウムと尿中カルシウム
- 薬剤などの影響がなければ、血中カルシウムと尿中カルシウムは相関がありそうである → 副甲状腺ホルモン
血清カルシウムと心電図
元素
- 金属元素。周期表第2族アルカリ土類金属元素
- 原子番号:20
- 元素記号:Ca
- 原子量 40.078 g/mol
臨床関連
参考
- http://www.orth.or.jp/osteoporose/caseizai.html
[★]
- 英
- oxalic acid, oxalate
- 関
- シュウ酸塩、シュウ酸エステル
酸解離定数
wikipedia ja
- H2C2O4 + H2O → H3O+ + HC2O4- pK1=1.27
- HC2O4- + H2O → H3O+ + C2O42- pK2=4.27
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義