出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/21 23:03:02」(JST)
プロリン | |
---|---|
プロリンの双性イオン
|
|
IUPAC名
Proline |
|
系統名
Pyrrolidine-2-carboxylic acid[1]
|
|
識別情報 | |
CAS登録番号 | 609-36-9 , 344-25-2 (2R)-カルボン酸 , 147-85-3 (2S)-カルボン酸 |
PubChem | 614 8988 (2R)-カルボン酸 |
ChemSpider | 594 , 8640 (2R)-カルボン酸 , 128566 (2S)-カルボン酸 |
UNII | DCS9E77JPQ |
EINECS | 210-189-3 |
DrugBank | DB02853 |
KEGG | C16435 |
MeSH | Proline |
ChEBI | CHEBI:26271 |
ChEMBL | CHEMBL72275 |
RTECS番号 | TW3584000 |
バイルシュタイン | 80812 |
Gmelin参照 | 26927 |
SMILES
|
|
InChI
|
|
特性 | |
化学式 | C5H9NO2 |
モル質量 | 115.13 g mol−1 |
精密質量 | 115.063328537 g mol-1 |
外観 | 透明な結晶 |
融点 |
205-228 °C, 478-501 K, 401-442 °F (分解) |
log POW | -0.06 |
酸解離定数 pKa | 2.351 |
危険性 | |
Sフレーズ | S22, S24/25 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
プロリン(proline)はアミノ酸の一つ。
ピロリジン-2-カルボン酸のこと。スペルはprolineで、略号はProまたはP。環状アミノ酸で、タンパク質を構成する。糖原性を持つ。タンパク質を構成するアミノ酸は通常一級アミンであるが、唯一環状の二級アミンである。 表皮細胞増殖促進活性、コラーゲン合成促進活性、角質層保湿作用などの生理活性を示す。 一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸。体の結合組織、心筋の合成時の主な材料でもある。最近では、アルドール反応の安全かつ効果的な触媒として注目されつつある。
生体内では、主に肝臓と小腸で行われるが、それぞれ合成経路が少し異なる。肝臓では、尿素回路の中間体であるオルニチンより、オルニチン-オキソ酸アミノトランスフェラーゼ (EC 2.6.1.13) とピロリン-5-カルボン酸レダクターゼ (EC 1.5.1.2) の作用により合成される。ただし、両酵素の間に、非酵素的に進む側鎖の閉環反応が含まれている。
EC 2.6.1.13 L-ornithine + a 2-oxo acid = L-glutamate 5-semialdehyde + an L-amino acid
非酵素的 L-glutamate 5-semialdehyde = 1-pyrroline-5-carboxylate + H2O
EC 1.5.1.2 1-pyrroline-5-carboxylate + NAD(P)H + H+ = L-proline + NAD(P)+
小腸では、グルタミンまたはグルタミン酸からオルニチンが合成され、以降は肝臓と同じ経路による。
2000年、アルドール反応を触媒する酵素アルドラーゼの研究を進めていたリスト、バルバス、ラーナーらは、大きなタンパク質ではなくプロリン自身が高収率・高エナンチオ選択的なアルドール反応を触媒することを見出した。[要出典]プロリンの二級アミン部分がカルボニル化合物とエナミンを形成し、これがもう一分子のカルボニル化合物と反応することでアルドール反応を進行させると考えられている。
その後アルドール反応以外にもマイケル反応・マンニッヒ反応などにもプロリン触媒が適用できることが分かり、大いに研究が進展した。金属を持たない触媒(有機分子触媒)として近年大いに注目されている分野である。
|
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
ツインパル輸液(500mL)
・経口摂取不十分で、軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合
・手術前後
通常、成人には1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する。
投与速度は、通常、成人500mLあたり120分を基準とし、老人、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減するが、最大投与量は1日2500mLまでとする。
リンク元 | 「アミノ酸」「危険率」「プロリン水酸化酵素」「P」「高プロリン血症」 |
拡張検索 | 「ハイドロキシプロリン」「環・グルタミン酸-ビスチジン-プロリン・アミド」 |
関連記事 | 「リン」「プロ」 |
分類 | 極性 | 電荷 | 名前 | 1 | 3 | 糖原性 | ケトン原性 | 必須アミノ酸 | 分枝アミノ酸 | pK1 α-COOH |
pK2 α-NH2 |
pKR 側鎖 |
側鎖 | |
疎水性アミノ酸 | 無 | 無 | グリシン | G | Gly | 2.35 | 9.78 | ―H | ||||||
無 | 無 | アラニン | A | Ala | 2.35 | 9.87 | ―CH3 | |||||||
無 | 無 | バリン | V | Val | ○ | ○ | 2.29 | 9.74 | ―CH(CH3)2 | |||||
無 | 無 | フェニルアラニン | F | Phe | ○ | ○ | ○3 | 2.2 | 9.31 | ―○C6H5 | ||||
無 | 無 | プロリン | P | Pro | 1.95 | 10.64 | αCとNH2の間に ―CH2CH2CH2- | |||||||
無 | 無 | メチオニン | M | Met | ○2 | 2.13 | 9.28 | ―CH2CH2-S-CH3 | ||||||
無 | 無 | イソロイシン | I | Ile | ○ | ○ | ○ | ○ | 2.32 | 9.76 | ―CH(CH3)CH2CH3 | |||
無 | 無 | ロイシン | L | Leu | ○ | ○ | ○ | 2.33 | 9.74 | ―CH2CH(CH3)2 | ||||
荷電アミノ酸 | 有 | 酸性 | アスパラギン酸 | D | Asp | 1.99 | 9.9 | 3.9 β-COOH |
―CH2COOH | |||||
有 | 酸性 | グルタミン酸 | E | Glu | 2.1 | 9.47 | 4.07 γ-COOH |
―CH2CH2COOH | ||||||
有 | 塩基性 | リシン | K | Lys | ○ | ○ | 2.16 | 9.06 | 10.54 ε-NH2 |
側鎖のCH2は4つ ―-CH2CH2CH2CH2NH2 | ||||
有 | 塩基性 | アルギニン | R | Arg | ○1 | 1.82 | 8.99 | 12.48 グアニジウム基 |
側鎖のCH2は3つ ―CH2CH2CH2-NH-C-(NH2)NH | |||||
極性アミノ酸 | 有 | 無 | セリン | S | Ser | 2.19 | 9.21 | ―CH2OH | ||||||
有 | 無 | スレオニン | T | Thr | ○ | ○ | ○ | 2.09 | 9.1 | ―CH(CH3)OH | ||||
有 | 無 | チロシン | Y | Tyh | ○ | ○ | 2.2 | 9.21 | 10.46 フェノール |
―CH2-φ | ||||
有 | 塩基性 | ヒスチジン | H | His | ○ | 1.8 | 9.33 | 6.04 イミダゾール基 |
―CH2-C3H3N2 | |||||
有 | 無 | システイン | C | Cys | 1.92 | 10.7 | 8.37 -SH基 |
―CH2-SH | ||||||
有 | 無 | アスパラギン | N | Asn | 2.14 | 8.72 | ―CH2-CO-NH2 | |||||||
有 | 無 | グルタミン | Q | Gln | 2.17 | 9.13 | ―CH2-CH2-CO-NH2 | |||||||
無 | 無 | トリプトファン | W | Trp | ○ | ○ | ○ | 2.46 | 9.41 | ―Indol ring | ||||
1 人体で合成できるが、不十分。 | ||||||||||||||
2 Cysが足らなければ、Metから合成することになる。 |
名称 | 基となるアミノ酸 | ||
修飾されたアミノ酸 | シスチン | システイン | システイン2分子が酸化されて生成する。 |
ヒドロキシプロリン | プロリン | ゼラチン、コラーゲンに含まれる。 | |
ヒドロキシリジン | リジン | ||
チロキシン | チロシン | 甲状腺タンパク質に含まれる。 | |
O-ホスホセリン | カゼインなど、多くのリンタンパク質に含まれる。 | ||
デスモシン | |||
蛋白質の構成要素ではない | オルニチン | アルギニン | ミトコンドリア中でカルバモイルリン酸と反応 |
シトルリン | オルニチン、カルバモイルリン酸 | ||
クレアチン | アルギニン、グリシン | ||
γアミノ酪酸 | アルギニン |
準必須 | ア | アルギニン |
必須 | メ | メチオニン |
フ | フェニルアラニン | |
リ | リジン | |
バ | valine | |
ス | スレオニン | |
ト | トリプトファン | |
ロ | ロイシン | |
イ | イソロイシン | |
準必須 | ヒ | ヒスチジン |
近位尿細管 | 70% |
遠位尿細管 | 20% |
.