リバスチグミン
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Japanese Journal
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- 新規アルツハイマー型認知症治療剤リバスチグミンパッチ(リバスタッチ^【○!R】パッチ/イクセロン^【○!R】パッチ)の薬理学的特性および臨床試験成績
- 藤井 章史,品川 理佳,茶谷 祐司 [他],鳥山 和宏,白波瀬 徹,鈴木 和彦
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 139(1), 26-32, 2012-01-01
- リバスチグミンパッチはフェニルカルバメート系の化合物であるリバスチグミンを有効成分とし,アルツハイマー型認知症(以下,AD)治療薬では本邦において初めての経皮吸収型製剤である.本剤は「軽度および中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果として2011年7月より販売が開始された.リバスチグミンはアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼに対し可逆的かつ強 …
- NAID 10030456035
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- イクセロンパッチは、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症に用いられる医療用医薬品です。本サイトは、イクセロンパッチの適正使用を推進する目的で情報を提供しております。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
イクセロンパッチ4.5mg
組成
成分・含量
(1枚中の含有量)
添加物
- トコフェロール、ジメチルポリシロキサン、ポリエチレンテレフタレートフィルム その他3成分
禁忌
(次の患者には使用しないこと)
- 本剤の成分又はカルバメート系誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
- アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
- 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
- アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。
- 本剤の使用が適切であるか、以下に示す本剤の特性を十分に理解した上で慎重に判断すること。
- 国内臨床試験において、本剤の貼付により高頻度に適用部位の皮膚症状が認められている。(「副作用」の項参照)
- 本剤は維持量に到達するまで12週間以上を要する。
- 通常、成人にはリバスチグミンとして1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持量として1日1回18mgを貼付する。
本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。
- 1日18mg未満は有効用量ではなく、漸増又は一時的な減量を目的とした用量であるので、維持量である18mgまで増量すること。
- 本剤は、維持量に到達するまでは、1日量として18mgを超えない範囲で症状により適宜増減が可能である。消化器系障害(悪心、嘔吐等)がみられた場合は、減量するかこれらの症状が消失するまで休薬する。休薬期間が4日程度の場合は、休薬前と同じ用量又は休薬前より1段階低い用量で投与を再開する。それ以外の場合は本剤4.5mgを用いて投与を再開する。投与再開後は、再開時の用量を2週間以上投与し、忍容性が良好であることを確認した上で、減量前の用量までは2週間以上の間隔で増量する。
- 本剤の貼付による皮膚刺激を避けるため、貼付箇所を毎回変更すること。(「重要な基本的注意」及び「適用上の注意」の項参照)
- *原則として、1日1回につき1枚のみ貼付すること。
- 他のコリンエステラーゼ阻害作用を有する同効薬(ドネペジル等)と併用しないこと。
- 医療従事者又は介護者等の管理のもとで投与すること。
慎重投与
(次の患者には慎重に使用すること)
- 本剤のコリン作動性作用により以下に示す患者では、症状を誘発又は悪化させるおそれがあるため慎重に投与すること。
- 洞不全症候群又は伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック)等の心疾患のある患者〔迷走神経刺激作用により徐脈又は不整脈が起こるおそれがある。〕
- 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍のある患者、あるいはこれらの既往歴のある患者、非ステロイド性消炎鎮痛剤投与中の患者〔胃酸分泌量が増加し、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある。〕
- 尿路閉塞のある患者又はこれを起こしやすい患者〔排尿筋を収縮させ症状を誘発又は悪化させるおそれがある。〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させ痙攣発作を誘発させるおそれがある。〕
- 気管支喘息又は閉塞性肺疾患、あるいはこれらの既往歴のある患者〔気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状を悪化させるおそれがある。〕
- 錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者〔線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 重度の肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」及び【薬物動態】の項参照)
重大な副作用
狭心症(0.2%)、心筋梗塞(0.3%)、徐脈(0.8%)、心ブロック(0.1%)、洞不全症候群(頻度不明注))
- 狭心症、心筋梗塞、徐脈、心ブロック、洞不全症候群があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳血管発作(頻度不明注))、痙攣発作(0.2%)
- 脳血管発作、痙攣発作があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍(いずれも頻度不明注))、十二指腸潰瘍、胃腸出血(いずれも0.1%)
- 食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腸出血があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝炎(頻度不明注))
- 肝炎があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
失神(0.1%)
- 失神があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
幻覚(0.2%)、激越、せん妄、錯乱(いずれも頻度不明注))
- 幻覚、激越、せん妄、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
脱水(0.2%)
- 嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがあるので、このような場合には、補液の実施及び本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- リバスチグミンは、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経を賦活する。
脳内コリンエステラーゼ阻害作用及びアセチルコリン増加作用
- ラットの脳内アセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンレベルを増加させる。13)
学習記憶改善作用
- コリン作動性神経遮断モデル(スコポラミン処置ラット)やアルツハイマー病モデル(アミロイドβ脳内注入マウス及びAPP23マウス)の学習記憶障害を改善する。14〜16)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 3-[(1S)-1-(Dimethylamino)ethyl]phenyl N-ethyl-N-methylcarbamate
分子式
分子量
性状
- 無色〜黄色又は微褐色澄明の粘性の液である。水にやや溶けにくく、メタノール、エタノール(99.5)に極めて溶けやすい。
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 認知症、抗認知症薬一覧
抗認知症薬
比較
|
コリンエステラーゼ阻害薬
|
NMDA受容体拮抗薬
|
商品名
|
アリセプト
|
レミニール
|
リバスタッチ
|
メマリー
|
一般名
|
ドネペジル
|
ガランタミン
|
リバスチグミン
|
メマンチン
|
病期
|
全病期
|
軽度・中等度
|
軽度・中等度
|
中等度・高度
|
副作用
|
重大
|
洞不全症候群、房室伝導障害、気管支喘息・COPDの増悪、消化性潰瘍
|
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高頻度
|
食欲不振、嘔気・嘔吐、下痢・便秘、腹痛、興奮、不穏、不眠、眠気、徘徊、振戦、頭痛、顔面紅潮
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めまい、便秘、傾眠、頭痛
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皮膚かぶれ
|
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使い分け
-
- イクセロンパッチ:4.5mg, 9mg, 13.5mg, 18mg
[★]
- 英
- rivastigmine
- 化
- 酒石酸リバスチグミン rivastigmine tartrate
- 商
- イクセロン、リバスタッチ
- 関
- 抗認知症薬。その他の中枢神経系用薬
- アセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼ BuChEを両方共に阻害する。
- BuChEは海馬に多く存在。AChEは神経に多く存在、BuChEは神経細胞やグリア細胞、血管内皮細胞にも存在。(週刊 医学会新聞 2011/5/23)
- 副作用(消化器症状)が多いので、パッチ剤のみ存在。
- 維持量は18mg。4.5mgから開始して4週毎に4.5mgずつ増量する。18mg未満では薬効がないため、18mgに達するまで増量させる。それまでに悪心・嘔吐などの副作用が出現しないか慎重に経過をみる。
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商品