- 29歳の男性。意識障害、頭痛および発熱のため搬入された。4日前から、発熱、頭痛および嘔吐が出現した。翌日、頭が割れるように痛いと訴え、他院を受診した。体温39.6℃。項部硬直はなく、頭部CTで異常を指摘されなかった。セフェム系抗菌薬が投与されたが頭痛と発熱とが持続し、意識障害が出現した。搬入時、意識レベルはJCSIII-300。瞳孔はピンポイント。項部硬直を認める。血液所見:赤血球500万、Hb 14.6 g/dl、Ht 45%、白血球17,900、血小板29万。CRP 7.9 mg/dl。髄液は外見が白色、細胞数1,792 (単核球:多核球=332:1460) /μl(基準0~2)、糖15 mg/dl以下(基準50~75)。頭部単純MRIのT1強調像、T2強調像及び造影T1強調像を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I060]←[国試_103]→[103I062]
★リンクテーブル★
[★]
- 3歳の男児。2週前からの咳と鼻汁とを主訴に来院した。咳は次第に増悪し、夜間に多くみられた。息を吸う間もなく連続して咳き込み、その後、急速に息を吸い込む。顔面に点状出血を認める。三種混合ワクチンは接種していない。
- 診断に最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I061]←[国試_103]→[103I063]
[★]
- 56歳の男性。動悸を主訴に来院した。数年前から頻回に動悸を自覚していた。脈拍132/分、不整。血圧130/74mmHg。心雑音を認めない。心電図を以下に示す。治療として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I059]←[国試_103]→[103I061]
[★]
[★]
- 英
- brain abscess, cerebral abscess
- 同
- 頭蓋内膿瘍 intracranial abscess
- 関
概念
分類
病原体
- see IRE.452
- 細菌性脳膿瘍:連鎖球菌、嫌気性菌、グラム陰性桿菌、黄色ブドウ球菌。連鎖球菌(50-70%)、黄色ブドウ球菌(10-15%)
- 真菌性脳膿瘍:アスペルギルス感染、ムコール症、シュードアレッシェリア症
- 原虫性脳膿瘍:トキソプラズマ症
病期
- see SCN.350
病因
- 心疾患:心内膜炎、右左シャントを伴う心疾患()。血行性に中大脳動脈領域に発生。細菌塞栓による脳梗塞が起こると、細菌は容易に脳組織に移行 (SCN.350)
- 耳鼻科疾患:副鼻腔炎、中耳炎。好発部位は副鼻腔炎で前頭葉、中耳炎では側頭葉、小脳 (SCN.350)
- 開放性外傷:
YN.J-142
疫学
- 30歳代。先天性心疾患、副鼻腔炎、中耳炎の好発年齢と一致。 (SCN.350)
病態
症状
- 発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣で発症。 (SCN.350)
- 髄膜炎と異なり、片麻痺、精神症状、局所痙攣などの局所症状も呈する。 (SCN.350)
検査
血液検査
脳脊髄液
- 細胞数の軽度増加 (SCN.350)
- 所見に乏しく、診断にはあまり有用でない、らしい。
頭部CT
- 単純CT:白質>白質浮腫領域>病変>脳室
- 造影CT:リング上の増強。 ← 被膜形成期に造影剤により増強効果を示す(SCN.350) ← 生体の感染に対する防御反応
頭部MRI
- T1:low intensity
- T2:high intensity
[show details]
診断
鑑別診断
- CT画像上、グリオーマ、転移性脳腫瘍と鑑別。炎症所見が乏しいことが鑑別のカギ(SCN.350)
治療
- IRE.446-
-
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- 抗菌薬による治療期間は4-6週間(時に8週間) (IRE.449)
- ステロイド:脳圧亢進、脳ヘルニアの危険が迫っている場合に使用。
- 抗痙攣薬:ジアゼパム、フェニトイン
SCN.3550
- 病期のよって治療が変わる
- 脳炎の時期:抗菌薬(経験的に広域スペクトラムの第三世代セフェムを使用)+脳圧降下薬
- 皮膜形成期:ドレナージ
予後
参考
- http://www.masa.go.jp/nes/library/ba.html
国試