- 10歳の女児。咳と発熱とを主訴に来院した。7日前から咳嗽が出現し、次第に増強している。4日前から38℃台の熱が続き、市販の感冒薬を服用している。本日、躯幹に発疹が出てきた。咽頭は軽度の発赤を認める。口腔粘膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 病原体として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I062]←[国試_103]→[103I064]
★リンクテーブル★
[★]
- 3歳の男児。2週前からの咳と鼻汁とを主訴に来院した。咳は次第に増悪し、夜間に多くみられた。息を吸う間もなく連続して咳き込み、その後、急速に息を吸い込む。顔面に点状出血を認める。三種混合ワクチンは接種していない。
- 診断に最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I061]←[国試_103]→[103I063]
[★]
- 52歳の男性。上腹部の不快感を主訴に来院した。色素散布後の上部消化管内視鏡写真と生検組織のH-E染色標本とを以下に示す。治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I063]←[国試_103]→[103I065]
[★]
[★]
- 英
- mycoplasma pneumonia
- 同
- 寒冷凝集反応陽性肺炎 coldagglutinin-positive pneumonia、オリンピック病 Olympic disease、イートン因子肺炎
- 関
- マイコプラズマ、非定型肺炎。Mycoplasma pneumoniae
概念
- マイコプラズマは人工培地上で発育できる最小の微生物で、一般細菌と異なり細胞壁を欠く。
- Mycoplasma pneumoniaeによる肺炎
- 4年に1度オリンピックの開催年に多発する傾向がみられたためオリンピック病とも呼ばれたが、近年この傾向はあまりみられない。
- 若年者に多く、強い咳嗽と高熱が特徴である。
疫学
- 健康な小児や若年成人の肺炎でよく見られる。
- 好発年齢:5-25歳
潜伏期
感染経路
症状
- 初期には乾性咳嗽
- 発熱、激しい咳嗽、結膜充血、頭痛などを呈する。
- 喀痰が無いことが多い。
検査
- 白血球:増加することは少ない。80~90%の症例で10000/μL以下
- CRP:軽度上昇にとどまる。
- 血中寒冷凝集素価:陽性(256-512倍以上)。約50%の症例で上昇。
- 胸部XP:下肺野に陰影が多い。
- CT:非定型肺炎の陰影を呈する。間質性の炎症像を呈し網状影が主体で、次いで炎症が肺胞領域に及ぶと斑状影となり、いわゆる細葉性の陰影を示す。
診断
- CF法はIgGクラスの抗体を検出
- PA法はIgMクラスの抗体を検出
- たいていの迅速検査ではIgM抗体を検出している。
- 急性期と回復期(2~4週以降)のペア血清を用いて、特異抗体価が4倍以上の上昇を示す
治療
- テトラサイクリン、マクロライド系薬剤が有効。
- ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬、カルバペネム系抗菌薬は無効。
鑑別
国試