- 英
- total cholesterol TC Tc, T-CHO
- 関
- コレステロール
基準値
QB
HIM A-10
- 単位:mg/dL (mmol/L)
- desirable: <200 (<5.17)
- borderline high: 200?239 (5.17?6.18)
- high: ≧240 (≧6.21)
単位の変換
- 総コレステロールもLDLコレステロールもHDLコレステロールもmmol/Lをmg/dLに換算するには38.66535を掛ければ良い(参考1より)
測定への影響
参考
- http://rockymuku.sakura.ne.jp/naibunnpitunaika/koresutero-runotanninokannzann.pdf
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 本田 正志,茂木 瑞恵,高野 靖子,立川 恵美子,小宮 朋子,吉原 由貴,雨宮 照子,舟山 幸,黒島 淳子
- 東京女子医科大学雑誌 81(E2), E221-E225, 2011-03-31
- 妊娠糖尿病の病態解明を目的として糖代謝異常とインスリン抵抗性、脂質代謝との関連を検討した。対象:妊娠糖尿病(GDM)48例、軽度糖代謝異常(GIGT)95例、正常対照妊婦(C)201例、各群を肥満群(非妊娠時BMI≧24)、非肥満群に分けて検討した。(方法)妊娠中75gOGTTを実施し、インスリン分泌能(I.I.)、インスリン抵抗性、血中脂質を測定し、糖代謝異常別に比較検討した。結果:空腹時IRI …
- NAID 110008441471
- 森嶋 計,俵藤 正信,小泉 大,笹沼 英紀,仁平 芳人,藤原 岳人,佐久間 康成,太田 真,清水 敦,佐田 尚宏,安田 是和
- 肝臓 52(2), 126-130, 2011-02-25
- 症例は69歳,男性.CT,MRIで肝右葉に早期濃染される最大径15 cmの巨大腫瘍と外側区域と尾状葉に数個の小腫瘍を認め,PIVKAIIの高値と画像所見から肝細胞癌と診断した.総コレステロール855 mg/dl ,トリグリセリド753 mg/dl と著明な高脂血症も認めた.2年前の総コレステロールは250 mg/dl であった.胆汁うっ滞所見がなく,高脂血症の家族歴もなく,急激な上昇を認めているこ …
- NAID 10029285093
- 紫ニンジン色素抽出物の拘束ストレス負荷マウスに及ぼす効果
- 渡辺 満,六角 啓一,鮎瀬 淳
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 58(1), 7-15, 2011-01-15
- 生食可能な紫ニンジン(タキイ種苗,TCH-721)のアントシアニンおよびカロテノイド色素組成を明らかにし,調製した両色素抽出物を拘束ストレス負荷マウスに投与して生体内反応に及ぼす影響を調査した.(1) 紫ニンジンにはアントシアニンとして,いずれもシアニジンをアグリコンとする5つの化合物が含まれていた.またカロテノイドとして,β-およびα-カロテン,フィトエンが含まれていた.(2) 紫ニンジンから調 …
- NAID 10027703064
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- 贅沢したつもりはないんだけど、なんとなく調子が悪い。きっと大した事ないよ。そうやっ て独り言を言っている間に病状は進行します。総コレステロールを下げる方法を読んで しっかり健康維持を心がけましょう!
- 総コレステロール ... 以下に保ことが望ましい。 220mg/dl以上の場合は、 コレステロール値を下げるための対策が 必要です。 ... 高コレステロール血症には、原発 性(原因が明らかでないもの)と 続発性(何か病気があって高くなるもの)とがあります。 続発性の ...
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[★]
- 次の文を読み、 50-52の問いに答えよ。
- 76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。
- 現病歴 10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。
- 生活歴 飲酒は機会飲酒。
- 既往歴・家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識は清明。身長176cm、体重64kg。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧132/68mmHg。腹部は平坦で、心窩部に肝を1cm触知するが、圧痛を認めない。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 311万、Hb 10.9g/dl、Ht 32%、白血球 3,600。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dl、アルブミン 2.6g/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 84IU/l、ALT 68IU/l、ALP 220IU/l(基準115-359)。免疫学所見:HBs抗原陽性、HCV抗体陰性、AFP 140ng/ml(基準20以下)。食道内視鏡写真(別冊No.7)を別に示す。
- 血液検査所見で予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B049]←[国試_105]→[105B051]
[★]
- 32歳の女性。甲状腺の検査を希望して来院した。5か月前に第2子を出産した。妊娠前に受けた検査で抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)強陽性であったため、妊娠期間中にも定期的に甲状腺ホルモン検査を受けていたが、これまでに異常を指摘されたことはなく自覚症状もない。体温 36.7℃。脈拍 84/分、整。血圧 126/86mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。びまん性のやや硬い甲状腺腫を触れるが圧痛はない。胸腹部に異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(±)、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 420万、Hb 12.3g/dL、Ht 40%、白血球 6,700、血小板 21万。血液生化学所見:アルブミン 4.0g/dL、AST 13IU/L、ALT 15IU/L、クレアチニン 0.4mg/dL、血糖 146mg/dL、HbA1c 5.4%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 170mg/dL、トリグリセリド 90mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 102mEq/L、TSH 0.02μU/mL未満(基準 0.4~4.0)、FT4 2.0ng/dL(基準 0.8~1.8)。CRP 0.3mg/dL未満。
- この時点での方針として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D044]←[国試_109]→[109D046]
[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 62歳の女性。意識障害のため家族とともに来院した。
- 現病歴 : このところ忙しく便秘気味であった。昨夕から食事中に箸を落としたり、しばらくボーッとするなど、少し様子がおかしいことに家族が気付いた。
- 既往歴 : 30歳時分娩の際に大量出血をきたし輸血を受けた。病院に行くのが嫌いなため、その後血液検査を受けたことがない。
- 現症 : 意識はやや低下している。身長157cm、体重56kg。体温35.8℃。脈拍80/分、整。血圧146/82mmHg。眼球結膜に軽度の黄染を認める。胸部にくも状血管腫を認める。腹部は平坦、軟で、心窩部に肝を8cm触知する。脾は触知しないが、脾濁音界は拡大している。下肢に浮腫は認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [098F032]←[国試_098]→[098F034]
[★]
- 次の文を読み、43、44の問に答えよ。
- 56歳の男性。会社役員。1週前からの軽い頭痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前から毎年の健康診断で高血圧を指摘されていたが放置していた。
- 既往歴: 特記すべきことはない。
- 嗜 好: 喫煙歴なし。飲酒歴はビール1本/日を30年間。塩辛い食事を好む。
- 家族歴: 高血圧症なし。糖尿病なし。
- 現 症: 身長172cm、体重60kg。脈拍72/分、整。血圧182/120 mmHg。皮膚やや湿潤。腹部に異常なく、神経学的にも異常はない。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血清生化学所見:空腹時血糖102 mg/dl、総蛋白6.8 g/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、総コレステロール 220 mg/dl、トリグリセライド 180 mg/dl(基準50~130)、Na 142 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 104 mEq/l
- この患者に予想される胸部所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F042]←[国試_095]→[095F044]
[★]
- 62歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。18年前に慢性B型肝炎と診断されたが放置していた。意識は清明。身長170 cm、体重64 kg。脈拍72/分、整。血圧 128/66mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 426万、白血球 3,600、血小板 9.1万。血液生化学所見:アルブミン 3.6 g/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、総ビリルビン 1.1 mg/dl、直接ビリルビン 0.7 mg/dl、AST 32 IU/l、ALT 20 IU/l、ALP 230 IU/l(基準115~359)。HBs抗原陽性。腹部超音波写真を以下に示す。肝内に占拠性病変は認めない。
- 血液検査所見として考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D034]←[国試_103]→[103D036]
[★]
- 54歳の女性。顔と手足のむくみを主訴に来院した。10年前から疲れやすく便秘がちになったが、加齢によるものと思い、そのままにしていた。数か月前から指輪や靴がきつくて入らなくなったことを気にしていた。2日前、数年ぶりに帰省した娘から「顔が腫れている。声も以前はそんなにしわがれていなかった」と指摘され、心配になって受診した。身長156cm、体重58kg。体温35.0℃。呼吸数16/分。脈拍52/分、整。血圧124/90mmHg。皮膚は乾燥。下肢に指圧痕を残さない浮腫を認める。血液所見:赤血球 360万、Hb 12.6g/dl、Ht 39%、白血球 4,500、血小板 21万。血液生化学所見:空腹時血糖 96mg/dl、Na 142mEq/l、K 4.3mEq/l、Cl 103 mEq/l。
- この病態でみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I038]←[国試_105]→[105I040]
[★]
- 3歳の男児。10日間続く発熱を主訴に来院した。病初期に咳が強く、マイコプラズマ肺炎と診断されて治療を受けた。咳は少なくなり、胸部エックス線写真で所見はほぼ正常化したが、39℃前後の発熱が続いている。発疹はない。心雑音はない。肺野にラ音を聴取しない。右肋骨弓下に肝を2cm触知する。血液所見:赤血球330万、Hb11.8g/dl、白血球3,200、総鉄結合能(TIBC)380μg/dl(基準290~390)。血清生化学所見:AST238単位、ALT307単位、Fe75μg/dl。骨髄有核細胞数35,500/μl。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。この患児の血中で増加するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G033]←[国試_099]→[099G035]
[★]
- 24歳の女性。下痢と体重減少とを主訴に来院した。半年前から1日2,3回の下痢が始まり、体重が減少してきた。階段を昇るときに動悸を感じるようになった。身長162cm、体重48kg。体温37.2℃。脈拍112/分、整。血圧128/58mmHg。皮膚は湿潤。血液所見:赤血球 410万、白血球 3,500。血液生化学所見:空腹時血糖 98mg/dl、総コレステロール 128 mg/dl、ALP 410IU/dl(基準115-359)。内服治療開始後の臨床指標で重要なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D041]←[国試_104]→[104D043]
[★]
- 51歳の男性。特定健康診査の結果、薬物治療の要否について医師の判断を求める必要があると判定された。特定健康診査の結果を示す。
- 身長168cm、体重70kg、腹囲88cm。血圧156/82mmHg。
- 血液生化学所見‥空腹時血糖102mg/dl、トリグリセリド152mg/dl、HDLコレステロール45mg/dl、LDLコレステロール124mg/dl(基準65-139)。
- 医療機関受診を勧奨する根拠となった項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B041]←[国試_106]→[106B043]
[★]
- 52歳の女性。会社の健康診断で総コレステロール270mg/dLと血清CK400IU/L(基準30-140)とを指摘され来院した。自覚症状は特にない。生来健康であり、サプリメントを含め薬は服用していない。運動習慣はなく、転倒の既往もない。最近、便秘と乾燥肌とが気になっているという。
- 診断のためのスクリーニング検査項目として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106G043]←[国試_106]→[106G045]
[★]
- 血液検査項目とその検査結果が高値となる病態の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G015]←[国試_108]→[108G017]
[★]
- a. 血小板 8万
- b. ALT 80IU/l
- c. 総コレステロール 110mg/dl
- d. ウイルス遺伝子型 2型
- e. 肝線維化ステージ F4
[正答]
※国試ナビ4※ [101F032]←[国試_101]→[101F034]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B015]←[国試_096]→[096B017]
[★]
- 加齢に伴う卵巣機能低下によって血中濃度が上昇するのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B017]←[国試_096]→[096B019]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E036]←[国試_104]→[104E038]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100E024]←[国試_100]→[100E026]
[★]
- 慢性肝炎において肝炎活動性の指標となる血液検査項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108C008]←[国試_108]→[108C010]
[★]
- インスリンの作用により血中濃度が低下するのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114F033]←[国試_114]→[114F035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F033]←[国試_101]→[101F035]
[★]
- 英
- cirrhosis of liver (M), liver cirrhosis LC, cirrhosis
- 関
- 肝臓
定義
(アトラス肝臓病 金原出版 谷川久一、阿部弘彦 昭和62年1月30日 p.57)
- 1. 肝細胞死が原因で、びまん性の結合組織増生が肝臓全域に見られる
- 2. 肝実質の結節性再生と小葉構造の改築が認められるもの
概念
- 肝硬変はびまん性に線維化した肝病変の終末像であり、慢性肝炎とともにもっともしばしばみられる肝の病態である。臨床的には様々な程度の肝細胞機能不全状態と門脈圧亢進症による症状がみられる慢性疾患である。
疫学
- 人口10万人あたりの死亡率12.5人
- 45-59歳の男性では死亡順位第4位
- 西日本に多い
病因
病理
- 炎症による細胞の破壊と再生を繰り返す結果、再生した肝細胞と新たに形成された線維性の隔壁を有する結節が形成され(再生結節)、肝硬変となる。(BPT.647)
- ウイルス性肝炎の慢性化による肝硬変では、3mm以上の結節がみられる(macronodular cirrhosis)。
- アルコール性肝炎の慢性化による肝硬変では、平均3mmの結節がみられる(micronodular cirrhosis)。
病態生理
- 肝機能低下により(1)エストロゲンの肝臓における異化が低下、(2)アルブミン合成能が低下、(3)門脈圧亢進が起こる。(1)によるエストロゲンなどの血管拡張因子により血管が拡張し循環血漿量が減少する。(2)による膠質浸透圧の低下はサードスペースへの体液移動を引き起こしさらに循環血漿量を低下させる。これには(3)も相加的に作用すると思われる。循環血漿量の低下はRAA系の亢進をきたし、アルドステロンによるNa、水の貯留引き起こす。
- 非代償性肝硬変では、肝網内系(クッパー細胞など)の機能低下、白血球減少による易感染性を呈する。
症状
合併症
- 参考2
身体所見
[show details]
- 腹部:脾腫 ← 門脈圧と脾腫の程度は相関しない (QB.B-315)
検査
血算
-
- 血小板減少が門脈圧亢進の最初の徴候(HIM.1978)
- 白血球減少 ← 門脈圧亢進によるうっ血性の脾腫に伴う脾機能亢進。 骨髄での産生低下も原因らしい(出典不明)
血液生化学
-
- 総ビリルビン T-Bil:上昇
- アンモニア NH3:上昇
- Fischer比:低下
- 線維化マーカー (ヒアルロン酸、IV型コラ-ゲン):上昇
- 膠質反応(TTT,ZTT):上昇
- γグロブリン:上昇 ← 門脈血に含まれる細菌の抗原が肝臓をシャントしてリンパ組織に到達するためとされている(uptodate)
-
-
- 糖の処理障害により食後高血糖を来しやすく、糖尿病を発症しやすい。
- 低ナトリウム血症、血漿浸透圧低下 ← 血液中の水が間質に移動する結果、電解質も共に移動する。血液中には水が過剰となり、低ナトリウム血症、血症浸透圧低下となる。volume depletionに対してADHが主に作用するからか、あるいはH2Oが移動しやすいからなのかは不明。
免疫血清検査
- 多クローン性γグロブリン血症
- IgG:増加する傾向あり。 ← 門脈血が肝臓を通過せずにリンパ組織に流れ込む結果。著しく高値であったら自己免疫性肝炎。(参考1)
- IgM:高値であったら90-95%はPBCである。(参考1)
- 壊死、炎症が持続的に起きているから上がると解釈することもできる、みたい。
画像
- (US,CT, MRI,Angio,肝シンチ、上部消化管内視鏡)
腹腔鏡、肝生検
- 分枝鎖アミノ酸(branched chain amino acids, BCAA)と芳香族アミノ酸(aromatic amino acids; AAA)の分子比(モル比)
-
- 肝臓、末梢(筋肉など)でよく代謝される
- ほぼ肝臓で代謝される
診断
治療
- IMD 参考2 YN.B-47
- 治療のゴールは、(1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させること、(2)他の原因による肝臓障害を予防すること、(3)合併症の予防、(4)肝移植の時期を決定することである。
- 方針:原疾患の治療を行い、肝硬変の進展を抑えるように食事、生活療法を行う、非代償期には合併症の治療を行う。
- (1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させる:原疾患の治療を行う(自己免疫性肝炎であればステロイドや免疫抑制薬、アルコール性肝障害であれば禁酒、ウイルス性肝炎であれば病原体に応じた治療)。
- (2)他の原因による肝臓障害を予防する:肝臓に障害を与えないようにする(アルコール摂取、アセトアミノフェンの過剰服用)。予防接種を受ける(肝予備能がほとんど無ければA型肝炎、B型肝炎。肺炎球菌、インフルエンザウイルスに対する予防接種も考慮される。
- (3)合併症の予防:肝細胞癌、静脈瘤出血、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝性脳症、肝肺症候群
- (4)肝移植の時期を決定:
代償期
- 食後の安静、適切な熱量(25-30kcal/kg/日)で適切な蛋白質(1.2-1.5g/kg)の食事を摂取、ビタミンB、ビタミンK補充
- 肝庇護薬(ウルソデオキシコール酸、グリチルリチンなど)
非代償期
-
- 食塩制限(5-7g以下)。飲水制限(1L/day)(腹水貯留時)
- 蛋白質の補充:分枝鎖アミノ酸の多い食事、分枝鎖アミノ酸製剤の点滴。NH3が上昇するなど肝性脳症の危険があれば低蛋白食とする。
- 膠質浸透圧の維持:アルブミン製剤
- 早朝低血糖に対し、夜食を勧める(肝機能低下により糖新生↓のはず)。(出典不明)
- 利尿薬:抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)、トルバプタン、フロセミド、サイアザイド → 後2者はhypokalemiaからmetabolic alkalosisを惹起、アンモニアのNH4+ ⇔ NH3 + H+の平衡を左に移行させてアンモニアの排泄を阻害、高アンモニア血症を増悪しうる(非イオン化状態では尿細管で再吸収されやすいはず)(出典不明)。
- 腹水濃縮再注入法
- 肝内門脈大循環シャント、腹膜静脈短絡術
- 食道静脈瘤の治療:内視鏡的食道静脈瘤硬化術・結紮術、外科的治療
- 肝性脳症の治療:腹水の食事療法に準じるが、NH3再吸収につながる便秘の予防に気をつける。
- 肝移植
予後
- 死因:(1)肝性脳症、(2)静脈瘤破綻、(3)肝癌合併
- (1),(2)の治療が発達したことにより、(3)での死亡が増加している。
参考
- 1. [charged] Diagnostic approach to the patient with cirrhosis - uptodate [1]
- 2. [charged] Overview of the complications, prognosis, and management of cirrhosis - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- nephrotic syndrome, NS
- 同
- ネフロージス nephrosis
- 関
- 腎 ネフローゼ症候群、小児ネフローゼ症候群
- 蛋白分画
概念
- 高度の蛋白尿とそれに起因する低蛋白血症、浮腫および高脂血症を呈した臨床病態
- 臨床的な概念であり、尿中に多量の血清タンパク成分を喪失するときにみられる共通の病態
病型
- 原発性糸球体腎炎
- 続発性ネフローゼ症候群:先行する疾患(膠原病、糖尿病など)に続発する
疫学
成人(IMD)
ネフローゼ症候群の原因
- 微小変化群:大人,約20-30%. 子供,70-80%
- 膜性腎症:大人,約30%. 子供,5%
- 膜増殖性糸球体腎炎:大人,5-7%
病理
- 広範囲にわたる著明な糸球体臓側上皮細胞の障害が認められ、足突起が単純化(simplification; 足突起の突起が減少すること?))および消失している。(PRE.224)
ネフローゼ症候群に関わる3つの基本的な病型
- PRE.224
- 1. 糸球体上皮細胞の障害:微小鹸化群、原発性巣状硬化症 ← 単球から放出されたサイトカインが上皮細胞の障害に関わっている
- 2. 上皮下における免疫複合体の形成と補体の活性化により、沈着した免疫複合体の周りに基底膜マトリックスが沈着し、基底膜が肥厚する膜型病変を呈する
- 3. 糸球体壁に影響を及ぼす蓄積病変は、ALアミロイドーシスや軽鎖蓄積病、あるいは糖尿病性腎症がある。
検査
- IMD
血液検査
凝固系検査
- フィブリノゲン、第I因子、第VIII因子、第X因子など → 肝臓で産生される。肝臓機能の亢進を示唆
血液生化学検査
- アルブミン:低値
- γ-グロブリン:低値 → IgGが低値となる。これが易感染性と関連している。なぜこうなるかは分かっていない。 → 易感染性につながる
- α2-グロブリン高値
- β-グロブリン:高値
- コレステロール:高値
- 中性脂肪:増加(特にLDL、VLDL)
- 低カルシウム血症 ← アルブミン低値による(アルブミン1.0 g/dlの低下により血清カルシウム0.8mg/dlの低下)。
- フィブリノゲン:高値 → 肝機能の亢進による
α2グロブリンが高値になるメカニズム
ネフローゼの場合血中のタンパクはどんどん尿に漏出していく。そのためアルブミン、γグロブリンは割合が低下している。α2分画にはα2マクログロブリンが存在する。これは分子量が77万から82万という大きな分子であるので、ネフローゼで糸球体のサイズバリアが崩壊しているとしても尿中に排出されず残るため、相対的にα2分画が高くなる。
赤沈が亢進するメカニズム
赤沈は第1相で赤血球同士が連銭形成し、第2相で沈んでいき、第3相では沈んできた赤血球の密度が上昇して沈降速度が鈍ってくる。赤沈が亢進するには、凝集が促進されるか、沈降の抵抗が少ないかである。赤血球の膜は負に帯電しており、正に帯電しているフィブリノゲン、γグロブリンが増加すると負の電荷同士で集まり合い凝集が促進される。逆に負に帯電しているアルブミンの量が減少すると、負同士の反発が軽減し凝集が容易になる。また貧血であると第3相で密度が低くなり沈降が早くなる。以上より、ネフローゼの場合アルブミンが尿中に排泄され血清アルブミンの濃度が低下、また、β分画のフィブリノゲンが上昇しているため赤沈は亢進する。
尿検査
- 蛋白尿
- 顕微鏡的血尿
- 顆粒円柱、脂肪球、卵円脂肪体
診断基準(厚生省特定疾患 ネフローゼ症候群 調査研究班)
- 1.と2.が 成人ネフローゼ症候群の必須条件。
- また尿沈渣中多数の卵円形脂肪体、重屈折脂肪体は参考所見となる
- 高脂血症と浮腫は必須条件ではない。
合併症
- IMD
- 1.乏尿、急性腎不全(循環血液量の減少)
- 2.低栄養(アルブミンの低下)、感染症(リンパ球サブセット・サイトカインの変化、血漿γグロブリン減少)
- 3.胸水、腹水(アルブミンの低下、体液量の増加)
- 4.起立性低血圧(循環血液量の減少)
- 5.凝固能亢進・血栓症(凝固因子増加、線溶活性低下、循環血液量減少、血液濃縮、脂質代謝異常):静脈血栓症、腎静脈血栓症、肺梗塞(アンチトロンビンIII低下例に多い)
- 6.治療薬(糖質コルチコイド、シクロスポリン?)の副作用:易感染性、消化性潰瘍、精神症状、高血圧、白内障、多毛、肥満、免疫性低下、白血球減少、出血性膀胱炎
- 2+3. 特発性細菌性腹膜炎
予後
- 糸球体選択指数 selection index S.I.によって治療の予後が予測できるらしい。
- SI(selectivity index)=(尿中IgG/血清IgG)/(尿中Tf/血清Tf)。
- SIが小さいほどサイズバリアーが機能しているということ。
- 0.2以下:high selective :プレドニゾロンに反応しやすい
- 0.2以上:low selective :プレドニゾロンに反応しにくい
[★]
- 英
- laboratory data
- 関
- 臨床検査
変動要因
食事
- 影響ほとんどなし:総コレステロール( 肝臓で産生されるコレステロール >> 腸管から吸収されるコレステロール
- 影響有り
運動
体位
個体間の変動
- LAB.464
生活リズムによる変動
- LAB.464
[★]
- 英
- liver function test, LFT
[★]
- 英
- standing position, erect position
参考
- http://www.kitano-hp.or.jp/section/kensa/cl_comedfaq.html
- http://shinryomatrix.net/ReferenceData/yuragi.aspx
[★]
- 英
- cholesterol
- 同
- コレステリン cholesterin
- 関
- lipoprotein
分子式
吸収
- カイロミクロンに含まれる脂質は、血管内皮に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて脂肪酸を遊離し、コレステロールの比が高いカイロミクロンレムナントとなる。
生合成
- acetyl-CoA→hydroxymethyl-glutaryl coenzyme A(HMG-CoA)-(HMG-CoA reductase)→mebaronate→・・・→コレステロール
- →コレステロールの生合成
体内循環
- 血液循環中のVLDLの脂質は、、血管内皮に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて脂肪酸を遊離し、コレステロールの比が高いIDL、LDLとなる。
- 組織からはコレステロール比型が高いHDLが放出され、そのまま肝臓に取り込まれるか、IDLにコレステロールを渡すことでコレステロールの逆輸送を行っている(内因性の抗動脈硬化作用)。
- 肝臓は血液循環からHDL, IDL, VDLを受容体を介して取り込む
排泄
- 肝臓でコレステロールは胆汁酸に変換され、胆汁として排出される
- see HBC.236
Lipoprotein
|
Source
|
Diameter (nm)
|
Density (g/mL)
|
Composition
|
Main Lipid Components
|
Apolipoproteins
|
Protein
|
Lipid
|
(%)
|
(%)
|
Chylomicrons
|
Intestine
|
90~100
|
< 0.95
|
1~2
|
98.99
|
Triacylglycerol
|
A-I, A-II, A-IV,1 B-48, C-I, C-II, C-III, E
|
Chylomicron remnants
|
Chylomicrons
|
45~150
|
< 1.006
|
6~8
|
92.94
|
Triacylglycerol, phospholipids, cholesterol
|
B-48, E
|
VLDL
|
Liver (intestine)
|
30~90
|
0.95~1.006
|
7~10
|
90~93
|
Triacylglycerol
|
B-100, C-I, C-II, C-III
|
IDL
|
VLDL
|
25~35
|
1.006~1.019
|
11
|
89
|
Triacylglycerol, cholesterol
|
B-100, E
|
LDL
|
VLDL
|
20~25
|
1.019~1.063
|
21
|
79
|
Cholesterol
|
B-100
|
HDL1
|
Liver, intestine, VLDL, chylomicrons
|
20~25
|
1.019.1.063
|
32
|
68
|
Phospholipids, cholesterol
|
A-I, A-II, A-IV, C-I, C-II, C-III, D,2 E
|
HDL2
|
|
10~20
|
1.063~1.125
|
33
|
67
|
|
|
HDL3
|
|
5~10
|
1.125~1.210
|
57
|
43
|
|
|
Preβ-HDL3
|
|
< 5
|
> 1.210
|
|
|
|
A-I
|
Albumin/free fatty
|
Adipose acids tissue
|
|
> 1.281
|
99
|
1
|
Free fatty acids
|
|
基準値
- 脂質異常症→ 血清:Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
参考
- http://rockymuku.sakura.ne.jp/naibunnpitunaika/koresutero-runotanninokannzann.pdf
[★]
- 英
- total、common
- 関
- 共通、全、全体、総量、通常、普通、共通性
[★]
- 英
- sterol
- 同
- ステリン sterin
- 関