- 英
- catabolism
- 関
- 異化作用
WordNet
- breakdown in living organisms of more complex substances into simpler ones together with release of energy (同)katabolism, dissimilation, destructive metabolism
- a linguistic process by which one of two similar sounds in a word becomes less like the other; "the Old French MARBRE became the English MARBLE by dissimilation"
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- (動植物の)異化作用
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/24 10:25:58」(JST)
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この項目では、芸術理論としての異化について説明しています。生物学における異化については「異化 (生物学)」をご覧ください。 |
異化(いか、 ロシア語: Остранение[1])は、慣れ親しんだ日常的な事物を奇異で非日常的なものとして表現するための手法。知覚の「自動化」を避けるためのものである。ソ連の文学理論家であるヴィクトル・シクロフスキーによって概念化された。
これまでに「異常化」や「脱自動化」などの訳語が考えられてきた[2]。
目次
- 1 概要
- 2 ブレヒトと異化
- 3 批判
- 4 脚注
- 5 参考文献
概要
異化とは、日常的言語と詩的言語を区別し、(自動化状態にある)事物を「再認」するのではなく、「直視」することで「生の感覚」をとりもどす芸術の一手法だと要約できる。つまり、しばしば例に引かれるように「石ころを石ころらしくする」ためだ。いわば思考の節約を旨とする、理解のしやすさ、平易さが前提となった日常的言語とは異なり、芸術に求められる詩的言語は、その知覚を困難にし、認識の過程を長引かせることを第一義とする。「芸術にあっては知覚のプロセスそのものが目的 」であるからだ[3]。またそれによって「手法」(形式)を前景化させることが可能になる。
歴史
シクロフスキーが「異化」概念を成立させるべく著した2つの小論、「言葉の復活」(1914年)と「手法としての芸術」(1917年)は、内容ではなく形式(フォルム)を問うべきだとした文学運動、ロシア・フォルマリズムの嚆矢と一般には考えられている[4]。フォルム、つまり形式を問うということは文学の自律性を求めることであった。この流れそのものは、ソシュールの言語学の影響を受けたものとされている[5]。しかし「異化」という概念そのものは、未来派のザーウミ(意味の理解を前提としない超意味言語)を理論づけるために提起されたもので、ソシュールの影響は受けていないと考えられている[6]。
異化とは「文学を文学たらしめているもの」をこそ問う新たな潮流のもと生み出された概念であるが、たとえば演劇における「驚き」の意味を論じたアリストテレスにまで遡ることができるように、この「新しさ」を目指すことそのものはシクロフスキー、あるいは異化に特有なものではない[7]。佐藤千登勢の言葉を借りれば、それ自体はごく「シンプルな思考」である[8]。しかしまた同時にそれに「異化」という用語をつくり、その非常な重要性を説いた人間はシクロフスキー以前にはいなかった[8]。
「言葉の復活」ではまだ異化(ロシア語: Остранение)という言葉は使われていない。が、そこには明確な「異化」の概念化と「形式」の意識化への意思がみてとれる。それによれば、言葉とは本来「生気に溢れ」、「イメージ」に満ちて」いた。
“ |
たとえば、「月」(месяц メーシャツ)、この語の原義は「計測器」(меритель メリーチェリ)であった。「悲哀」(горе ゴーレ)、「悲しみ」(печаль ペチャーリ)の原義は、「じりじり燃えて(жжет ジジョート)、ひりひり焼ける痛み(парит パーリト)」。(…)
かつて語幹に宿っていながら現在では失われ擦り切れてしまったイメージにたどりつくとき、その美しさに僕らはしばしば驚嘆させられる。かつて在った、だがもはや失われてしまったその美しさに。
|
” |
しかし、見慣れてしまった言葉は、もはや日常では「目で見て」知覚されることはない。それは「再認」されるのである。それを打破するために形容辞が用いられることがある。しかしそれもすぐに慣用的に用いられ、「脂のろうそく」といったナンセンスな表現へと堕してしまう。いわば「化石化」してしまうのである。またここで彼は、詩的言語に求められるのは半ば理解可能な言葉であるということをはっきりと述べている[9]。
上述のように、この小論には「異化」という言葉、および日常的言語と詩的言語の対比という特徴は見出せない。3年後のシクロフスキーがそれを自身の理論に導入し、「手法としての芸術」を著したのは、同時代の言語学者レフ・ヤクビンスキーとの出会い(あるいは相互交流)が大きな影響を与えたことによるものだ。ヤクビンスキーは音声学の見地から、「日常的言語と詩的言語」・「異化と自動化」を対立させていたのである[10][11]。
たとえば「言葉の復活」のなかで、シクロフスキーは造語や不正確なアクセントづけなどを「異化」の一例として挙げているが、佐藤がいうように、けっきょく厳密な定義はなしえなかった[12]。とはいえ、たとえば彼自身が「手法としての芸術」のなかで引く、トルストイ「戦争と平和」の一場面が異化の典型としてあげられる。
“ |
舞台の中央には平らな板が張られ、その両脇には樹を描いた色塗りの背景が立てられており、奥手にはあま布が床板まで張られていた(…) |
” |
この文章に始まる劇場の描写では、その美的側面が捨象され、「初めてみたもののように描かれている」。シクロフスキーによれば、これはトルストイが常用する異化の手法である[13]。また大石雅彦は異化の手法として、ザーウミ、逸脱、撞着語法、イメージなどを挙げている[14]。
ブレヒトと異化
批判
シクロフスキー研究者の佐藤も認めるように、異化の理論はそのプリミティヴさのゆえにしばしば批判を浴びてきた。いわゆるフォルマリズム論争のなかで異化を徹底的に批判した人物の一人がバフチンである。
脚注
- ^ 提唱者のシクロフスキーは後にстранный(奇妙な)という言葉にすべきだったと述懐している。佐藤千登勢は、ロシア語にостранить(脇によける)という動詞があることを挙げ、異化には「奇妙なものにし、位置をずらす」という意味を読み込んでいる (佐藤 2006年) p.22
- ^ (佐藤 2006年) p.23
- ^ 松原明訳「手法としての芸術」『フォルマリズム : 詩的言語論』p.25
- ^ (桑野 1979年) p.426
- ^ ソシュールは実際に話されている言葉(パロール)でなくその体系(ラング)こそが言語学の扱う対象だとした
- ^ (佐藤 2006年) p.27
- ^ (大石 1988年) p.433
- ^ a b (佐藤 2006年) p.8
- ^ 坂倉千鶴訳「言葉の復活」『フォルマリズム : 詩的言語論』1988年、pp.13-19
- ^ (桑野 1979年) pp.97-100
- ^ (佐藤 2006年) pp.27-28
- ^ 一方で佐藤は、厳密な定義そのものが自動化をもたらすものであり、それは異化の思想と反するものだとも述べている (佐藤 2006年) p.33
- ^ 松原明訳「手法としての芸術」『フォルマリズム : 詩的言語論』1988年、p.26
- ^ (大石 1988年) p.432
参考文献
- 桑野隆「ソ連言語理論小史 : ボードアン・ド・クルトネからロシア・フォルマリズムへ」三一書房、1979年
- 佐藤千登勢「シクロフスキイ規範の破壊者」南雲堂フェニックス、2006年
- 桑野隆、大石雅彦編「フォルマリズム : 詩的言語論」国書刊行会、1988年
- 水野忠夫編「ロシア・フォルマリズム文学論集. 1」せりか書房、1971年
- 水野忠夫編「ロシア・フォルマリズム文学論集. 2」せりか書房、1982年
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Japanese Journal
- 方法としての「メタ現場」 : 福祉社会開発における研究と実践の協働空間
- 朴 兪美,平野 隆之,穂坂 光彦
- 日本福祉大学社会福祉論集 (125), 67-82, 2011-09-30
- … 対象地域の社会変化をある抽象度をもって写像する 「場」 において, 実践者も研究者もそれぞれ自己を 「異化」 し自己相対化しつつ, その場に 「同化」 すなわち内在的・文脈的・共感的に理解しあえる 1 アクターとなる. …
- NAID 110008692338
- 岩本 俊彦
- 東京情報大学研究論集 15(1), 26-48, 2011-09-30
- … 差異化政策はマーケティング計画の礎石であり、全社的対応である。 …
- NAID 110008670483
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- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 異化の用語解説 - 同一の,または共通点をもった,すなわち類似した2つの音素が,互いに隣接するか近い位置にある場合,その一方がより共通点の少い別の音素に変化する歴史的現象をさす。
- 外界から取り込んだ物質(食物)を分解し,より簡単な化合物に変えるとともにエネルギーを取り出す過程を異化という。同様に,生物体内にある複雑な物質(有機化合物)が,簡単な物質(無機化合物)に分解される過程も異化で ...
- ^提唱者のシクロフスキーは後に странный (奇妙な)という言葉にすべきだったと述懐している。佐藤千登勢は、ロシア語に остранить (脇によける)という動詞があることを挙げ、異化には「奇妙なものにし、位置をずらす」という ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- cirrhosis of liver (M), liver cirrhosis LC, cirrhosis
- 関
- 肝臓
定義
(アトラス肝臓病 金原出版 谷川久一、阿部弘彦 昭和62年1月30日 p.57)
- 1. 肝細胞死が原因で、びまん性の結合組織増生が肝臓全域に見られる
- 2. 肝実質の結節性再生と小葉構造の改築が認められるもの
概念
- 肝硬変はびまん性に線維化した肝病変の終末像であり、慢性肝炎とともにもっともしばしばみられる肝の病態である。臨床的には様々な程度の肝細胞機能不全状態と門脈圧亢進症による症状がみられる慢性疾患である。
疫学
- 人口10万人あたりの死亡率12.5人
- 45-59歳の男性では死亡順位第4位
- 西日本に多い
病因
病理
- 炎症による細胞の破壊と再生を繰り返す結果、再生した肝細胞と新たに形成された線維性の隔壁を有する結節が形成され(再生結節)、肝硬変となる。(BPT.647)
- ウイルス性肝炎の慢性化による肝硬変では、3mm以上の結節がみられる(macronodular cirrhosis)。
- アルコール性肝炎の慢性化による肝硬変では、平均3mmの結節がみられる(micronodular cirrhosis)。
病態生理
- 肝機能低下により(1)エストロゲンの肝臓における異化が低下、(2)アルブミン合成能が低下、(3)門脈圧亢進が起こる。(1)によるエストロゲンなどの血管拡張因子により血管が拡張し循環血漿量が減少する。(2)による膠質浸透圧の低下はサードスペースへの体液移動を引き起こしさらに循環血漿量を低下させる。これには(3)も相加的に作用すると思われる。循環血漿量の低下はRAA系の亢進をきたし、アルドステロンによるNa、水の貯留引き起こす。
- 非代償性肝硬変では、肝網内系(クッパー細胞など)の機能低下、白血球減少による易感染性を呈する。
症状
合併症
- 参考2
身体所見
[show details]
- 腹部:脾腫 ← 門脈圧と脾腫の程度は相関しない (QB.B-315)
検査
血算
-
- 血小板減少が門脈圧亢進の最初の徴候(HIM.1978)
- 白血球減少 ← 門脈圧亢進によるうっ血性の脾腫に伴う脾機能亢進。 骨髄での産生低下も原因らしい(出典不明)
血液生化学
-
- 総ビリルビン T-Bil:上昇
- アンモニア NH3:上昇
- Fischer比:低下
- 線維化マーカー (ヒアルロン酸、IV型コラ-ゲン):上昇
- 膠質反応(TTT,ZTT):上昇
- γグロブリン:上昇 ← 門脈血に含まれる細菌の抗原が肝臓をシャントしてリンパ組織に到達するためとされている(uptodate)
-
-
- 糖の処理障害により食後高血糖を来しやすく、糖尿病を発症しやすい。
- 低ナトリウム血症、血漿浸透圧低下 ← 血液中の水が間質に移動する結果、電解質も共に移動する。血液中には水が過剰となり、低ナトリウム血症、血症浸透圧低下となる。volume depletionに対してADHが主に作用するからか、あるいはH2Oが移動しやすいからなのかは不明。
免疫血清検査
- 多クローン性γグロブリン血症
- IgG:増加する傾向あり。 ← 門脈血が肝臓を通過せずにリンパ組織に流れ込む結果。著しく高値であったら自己免疫性肝炎。(参考1)
- IgM:高値であったら90-95%はPBCである。(参考1)
- 壊死、炎症が持続的に起きているから上がると解釈することもできる、みたい。
画像
- (US,CT, MRI,Angio,肝シンチ、上部消化管内視鏡)
腹腔鏡、肝生検
- 分枝鎖アミノ酸(branched chain amino acids, BCAA)と芳香族アミノ酸(aromatic amino acids; AAA)の分子比(モル比)
-
- 肝臓、末梢(筋肉など)でよく代謝される
- ほぼ肝臓で代謝される
診断
治療
- IMD 参考2 YN.B-47
- 治療のゴールは、(1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させること、(2)他の原因による肝臓障害を予防すること、(3)合併症の予防、(4)肝移植の時期を決定することである。
- 方針:原疾患の治療を行い、肝硬変の進展を抑えるように食事、生活療法を行う、非代償期には合併症の治療を行う。
- (1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させる:原疾患の治療を行う(自己免疫性肝炎であればステロイドや免疫抑制薬、アルコール性肝障害であれば禁酒、ウイルス性肝炎であれば病原体に応じた治療)。
- (2)他の原因による肝臓障害を予防する:肝臓に障害を与えないようにする(アルコール摂取、アセトアミノフェンの過剰服用)。予防接種を受ける(肝予備能がほとんど無ければA型肝炎、B型肝炎。肺炎球菌、インフルエンザウイルスに対する予防接種も考慮される。
- (3)合併症の予防:肝細胞癌、静脈瘤出血、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝性脳症、肝肺症候群
- (4)肝移植の時期を決定:
代償期
- 食後の安静、適切な熱量(25-30kcal/kg/日)で適切な蛋白質(1.2-1.5g/kg)の食事を摂取、ビタミンB、ビタミンK補充
- 肝庇護薬(ウルソデオキシコール酸、グリチルリチンなど)
非代償期
-
- 食塩制限(5-7g以下)。飲水制限(1L/day)(腹水貯留時)
- 蛋白質の補充:分枝鎖アミノ酸の多い食事、分枝鎖アミノ酸製剤の点滴。NH3が上昇するなど肝性脳症の危険があれば低蛋白食とする。
- 膠質浸透圧の維持:アルブミン製剤
- 早朝低血糖に対し、夜食を勧める(肝機能低下により糖新生↓のはず)。(出典不明)
- 利尿薬:抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)、トルバプタン、フロセミド、サイアザイド → 後2者はhypokalemiaからmetabolic alkalosisを惹起、アンモニアのNH4+ ⇔ NH3 + H+の平衡を左に移行させてアンモニアの排泄を阻害、高アンモニア血症を増悪しうる(非イオン化状態では尿細管で再吸収されやすいはず)(出典不明)。
- 腹水濃縮再注入法
- 肝内門脈大循環シャント、腹膜静脈短絡術
- 食道静脈瘤の治療:内視鏡的食道静脈瘤硬化術・結紮術、外科的治療
- 肝性脳症の治療:腹水の食事療法に準じるが、NH3再吸収につながる便秘の予防に気をつける。
- 肝移植
予後
- 死因:(1)肝性脳症、(2)静脈瘤破綻、(3)肝癌合併
- (1),(2)の治療が発達したことにより、(3)での死亡が増加している。
参考
- 1. [charged] Diagnostic approach to the patient with cirrhosis - uptodate [1]
- 2. [charged] Overview of the complications, prognosis, and management of cirrhosis - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- degradation、breakdown、decomposition、disintegration、disassembly、degrade、resolve、disassemble、crack、decompose、catabolize、disintegrate、catabolized
- 関
- 異化、解決、解重合、解体、回復、壊変、亀裂、クラック、故障、腐敗、分離、崩壊、構成不能、破綻、消散、ひび
[★]
- 関
- anabolism, catabolic, catabolic reaction, catabolize, catabolized, dissimilation, metabolic process, metabolism, metabonomics
[★]
- 関
- catabolic、catabolism、catabolize、catabolized
[★]
- 英
- catabolism、catabolic reaction
- 関
- 異化、異化作用
[★]
- 英
- catabolite
- 関
- カタボライト、分解産物、分解物
[★]
- 英
- specification
- 関
- 諸元、特定化、特定、規格
[★]
- 英
- photoisomerization、photoisomeric
[★]
- 英
- catabolism
- 同
- 異化