- 英
- triglyceride
- 関
- 中性脂肪、トリグリセリド
WordNet
- glyceride occurring naturally in animal and vegetable tissues; it consists of three individual fatty acids bound together in a single large molecule; an important energy source forming much of the fat stored by the body
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/23 22:36:48」(JST)
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トリアシルグリセロール分子種の例。緑色がグリセロール部で、3分子のパルミチン酸(パルミトイル基)がエステル結合している。
トリアシルグリセロール(英語: Triglyceride)とは、1分子のグリセロール(Glycerol、グリセリン、Glycerine、Glycerin)に3分子の脂肪酸がエステル結合したアシルグリセロール(Acylglycerol、グリセリド、Glyceride)で、単純脂質に属する中性脂肪の1つである。略称してTGまたはTAGと表し、別名をトリグリセリドともいう。
中性脂肪は動物の体内脂肪組織に蓄えられる脂肪や、食品中の油脂、植物油(種子)などを構成する脂質の8から9割を占めるが、その中ではトリアシルグリセロールが圧倒的に多く、特に動物の脂肪組織では95%を超える。このことから、単に「トリアシルグリセロール」というときは油脂のことを指し、グリセロールと3分子の脂肪酸が結合したひとつの分子を示すときは「トリアシルグリセロール分子種」ともいう。
目次
- 1 構造と物理化学的性質
- 2 健康への影響
- 3 脚注
- 4 関連項目
構造と物理化学的性質
グリセロール(グリセリン)に結合する脂肪酸の部分は、置換基としてはアシル基である。従って、トリ・アシル・グリセロール=3分子・脂肪酸・グリセロールという意味となる。アシル基となる脂肪酸の種類は極めて多いが、それらアシル基の組み合わせ、グリセロールへの結合位置によって様々なトリアシルグリセロール分子種が生ずる。脂肪酸がn種あるとすれば、理論的にはおよそn3種類のトリアシルグリセロール分子種が存在すると考えて良い。個々のトリアシルグリセロール分子種は以下の例の様に呼ばれて区別される。
- パルミチン酸が3分子結合した分子種
- トリパルミチン、CAS登録番号は555-44-2。パルミチン酸(Palmitic acid)は、略してPと表示できるので、簡単にPPPとも書く。
- パルミチン酸が1分子、オレイン酸が2分子結合した分子種
- グリセロールへの結合位置によって、1-パルミトイル-2,3-ジオレオイルグリセロール (POO)、1,3-ジオレオイル-2-パルミトイルグリセロール (OPO) などと表示する。オレイン酸 (Oleic acid) は略してOと示す。
- パルミトレイン酸、ステアリン酸、リノール酸がそれぞれ1分子ずつ結合した分子種
- 前述と同様に、1-パルミトオレオイル-2-ステアロイル-3-リノレオイルグリセロール (PoSL)、1-リノレオイル-2-パルミトオレオイル-3-ステアロイルグリセロールなどと表示する。パルミトレイン酸 (Palmitoleic acid)、ステアリン酸 (Stearic acid)、リノール酸 (Linoleic acid) はそれぞれPo、S、Lと略される。
トリアシルグリセロール分子種には立体位置異性体が存在し、2 や 3 の例のように、同じ脂肪酸で構成される分子種であっても POO - OPO - OOP、PoSL - PoLS - SPoL - SLPo - LPoS - LSPo はそれぞれ異なる分子種となる。結合位置が不明な場合(どの異性体か不明な場合)は、POO、PoSL というように脂肪酸の炭素数が小さい順に、二重結合の少ない順に表示することが多い。LPoS というようにアルファベット順に示す場合もある。
個々の脂肪酸は二重結合の有無(不飽和度)によって融点が異なるが、この不飽和度によってトリアシルグリセロールの性質が大きく異なる。不飽和脂肪酸の多いトリアシルグリセロールは室温 (25 °C) で油状の液体だが、飽和脂肪酸の多いトリアシルグリセロールは固体となる。オリーブ油やサフラワー油などは前者に、ココナッツ油やパーム核油は後者に当たる。またトリアシルグリセロールは一般に有機溶媒によく溶けるが、ステアリン酸のような長鎖の飽和脂肪酸が多くなると、アルコール、石油エーテル、ジエチルエーテルなどにも難溶になる。
健康への影響
トリアシルグリセロールが高値になると動脈硬化・膵臓炎になる。肝臓にトリアシルグリセロールが過剰に沈着すると、脂肪肝になる。
血液検査の参考基準値
トリアシルグリセロールについての血液検査の参考基準値は以下のとおりである。
項目 |
年齢 |
下限値 |
上限値 |
単位 |
最適範囲 |
トリアシルグリセロール |
10–39 歳 |
54[1] |
110[1] |
mg/dL |
< 100 mg/dL[2]
or 1.1[2] mmol/L |
0.61[3] |
1.2 [3] |
mmol/L |
40–59 歳 |
70[1] |
150[1] |
mg/dL |
0.77[3] |
1.7[3] |
mmol/L |
>60歳 |
80[1] |
150[1] |
mg/dL |
0.9[3] |
1.7[3] |
mmol/L |
脚注
- ^ a b c d e f Blood Test Results - Normal Ranges Bloodbook.Com
- ^ a b Adëeva Nutritionals Canada > Optimal blood test values Retrieved on July 9, 2009
- ^ a b c d e f Derived from values in mg/dl to mmol/l, by dividing by 89, according to faqs.org: What are mg/dl and mmol/l? How to convert? Glucose? Cholesterol? Last Update July 21, 2009. Retrieved on July 21, 2009
関連項目
- 高トリグリセリド血症
- 脂質降下薬
- 脂質
- 脂肪
- 脂肪酸
- 脂肪組織
- 油
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 高トリグリセライド血症 (特集 脂質異常症診療の新しい展開) -- (脂質異常症の病態と治療)
- トリグリセライド (特集 動脈硬化リスク因子のupdate)
Related Links
- 糖尿病に関する全般的な情報を提供するサイト。糖尿病の基礎知識、食事療法・運動療法、合併症の予防や血糖自己測定などについての情報、生活情報まで提供。医療関係者には最新の医療ニュース、学会やセミナーなどの開催案内など
- 中性脂肪(TG・トリグリセライド)検査 中性脂肪(TG・トリグリセライド)検査とは? 中性脂肪(TG・トリグリセライド)の検査は主に高脂血症を調べるために行われます。 中性脂肪は脂質の1つで、体内のエネルギー代謝に使用されます。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アグサール
組成
本品100ml中次の成分を含む。
- ベンゼトニウム塩化物 0.2g
(塩化ベンゼトニウム)
亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム 0.3g
(ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2g
(ポリオキシエチレンオキシステアリン酸トリグリセライド)
その他、安定剤等
効能または効果
- 消毒液の中に血液その他の有機物、クレゾール石けん、石けん等の混入を避けること。
- 本品を水で2倍に薄めた溶液に10分間浸漬する。
高度に汚染された器具の厳密な消毒を行なう場合は予め2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後本品の2倍希釈液で15分間煮沸する。
薬効薬理
抗菌スペクトラム
- 芽胞のない細菌、真菌類に広く抗菌力を持ち、グラム陽性菌には陰性菌より低濃度で効果を示す。一方、結核菌及び大部分のウイルスに対する殺菌力は期待できない。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- N-Benzyl-N,N-dimethyl-N-(2-{2-[4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl) phenoxy] ethoxy} ethyl) ammonium chloride[121-54-0]
分子式
分子量
性 状
- 本品は無色又は白色の結晶で、においはない。
本品はエタノール(95)に極めて溶けやすく、水に溶けやすく、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
本品の水溶液は振ると強く泡立つ。
★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、43、44の問に答えよ。
- 56歳の男性。会社役員。1週前からの軽い頭痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前から毎年の健康診断で高血圧を指摘されていたが放置していた。
- 既往歴: 特記すべきことはない。
- 嗜 好: 喫煙歴なし。飲酒歴はビール1本/日を30年間。塩辛い食事を好む。
- 家族歴: 高血圧症なし。糖尿病なし。
- 現 症: 身長172cm、体重60kg。脈拍72/分、整。血圧182/120 mmHg。皮膚やや湿潤。腹部に異常なく、神経学的にも異常はない。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血清生化学所見:空腹時血糖102 mg/dl、総蛋白6.8 g/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、総コレステロール 220 mg/dl、トリグリセライド 180 mg/dl(基準50~130)、Na 142 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 104 mEq/l
- この患者に予想される胸部所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F042]←[国試_095]→[095F044]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097A052]←[国試_097]→[097A054]
[★]
- 食事摂取の影響を最も受ける血清生化学検査項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095E028]←[国試_095]→[095E030]
[★]
高トリグリセリド血症
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