出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/06 06:41:18」(JST)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2013年3月) |
この記事の正確性に疑問が呈されています。問題箇所に信頼できる情報源を示して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2013年3月) |
ヒト白血球型抗原(ヒトはっけっきゅうがたこうげん、Human Leukocyte Antigen; HLA)とはヒトの主要組織適合遺伝子複合体のことである。白血球の血液型と言えるものであり、一般的に血液型というとA,O,AB,B型といった赤血球の型を指すが、HLA型は白血球の型を示している。ただし、白血球以外にもHLAは存在するため、現在ではヒト白血球型抗原の名称で呼ばれることはほとんどなく、HLAと略して呼ばれる。
ヒト白血球型抗原は、第6染色体短腕上に存在する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の産物である。 その型の種類は多く、まずA座のA1,A2,A210(2),A3…A80、B座のB5,B7,B703(7)…、C座の…、DR座の…と続き赤血球の型とは比較にならないほど膨大で、その組み合わせは数万通りといわれる。
クラスⅠ抗原の各α鎖遺伝子は主に6種の遺伝子(A~G)からなり、α1とα2ドメインをコードする遺伝子の第2エクソンと第3エクソン内に多型性を示す領域がある。
クラスⅡ抗原のDR抗原は複数の遺伝子から構成され、DRB1遺伝子がコードするβ鎖とDRA遺伝子がコードするα鎖のヘテロダイマーにより、血清学的特異性のDR1~18に対応する抗原が構成される。
また、DRB3、DRB4、DRB5遺伝子がコードするβ鎖とDRA遺伝子がコードするα鎖のヘテロダイマーにより、DR52、DR53、DR51に対応する抗原が構成される。
同様にDQ抗原もDQB1遺伝子がコードするβ鎖とDRA遺伝子がコードするα鎖のヘテロダイマーにより、DQ1~DQ9に対応する抗原が構成される。
またDP抗原もDPB1遺伝子がコードするβ鎖とDRA遺伝子がコードするα鎖のヘテロダイマーにより、DPw1~DPw6に対応する抗原が構成される。
クラスⅡ遺伝子の中で抗原ペプチド結合部に多形型を示すのはDRB1、DRB3、DRB4、DRB5、DQA1、DQB1、DPA1、DPB1であり、それぞれのβ1とα2ドメインをコードする遺伝子の第2エクソン内に塩基置換がみられる。
献血の際に献血者が登録(献血者登録制)することにより、HLA適合血小板を必要としている患者に対して、HLAが適合した輸血を行なうことができる。
クラスⅠa抗原(HLA-A、B、C)、クラスⅠb抗原(HLA-E、F、G)に分けられ、ほとんどの有核細胞や血小板、血漿中にある。
前者はキラーT細胞の誘導において拘束分子として機能する。HLA-A3、HLA-A11、HLA-Bw4、HLA-CがNK細胞レセプターのリガンドであり、NK活性を抑制する。
ウイルス感染細胞や癌細胞は免疫応答から逃れるために、自身のクラスⅠ抗原を消失させるが、逆にNK細胞はHLA抗原を失った細胞によって活性化される。
HLA-Gだけは胎盤トロホブラストに特異的に存在し(胎盤トロホブラストには他のクラスⅠ、Ⅱは無い)胎児保護のために母体のNK活性やキラーT細胞の抑制をしている。
また赤血球抗原のBga、Bgb、Bgc抗原はクラスⅠ抗原のHLA-B7、B17、A28抗原と同じである。
クラスⅠ抗原のL鎖はβ2-ミクログロブリンである。
マクロファージや単球等の抗原提示細胞やBリンパ球、活性化Tリンパ球などに分布している。 HLA-DR、HLA-DQ、HLA-DP抗原はそれぞれの遺伝子によってコードされ、ヘルパーT細胞やサプレッサーT細胞の誘導に拘束分子として機能する。
クラスⅡ抗原はα鎖β鎖へテロダイマーに関係があり、さらにCD4分子と親和性がある。
補体成分やTNF(腫瘍壊死因子)などを支配している。
HLA抗原と相関がある疾患は、インスリン依存性糖尿病やぶどう膜炎、先天性副腎皮質過形成症やベーチェット病、強直性脊椎炎など多数ある。
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「ヒト白血球抗原」 |
関連記事 | 「白血球」「血球」「抗原」「ヒト」「原」 |
強直性脊椎炎 | B27 |
関節リウマチ | DR4 |
重症筋無力症 | DR9,DQ3 |
尋常性天疱瘡 | A26,DR4 |
バセドウ病 | DR5 |
I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病) | B54,DR4,DR9,DR53,DQ4 |
グレーブス病 | DR5 |
ベーチェット病 | B51 |
原田病 | DR4,DR53 |
潰瘍性大腸炎 | B52,DR2 |
クローン病 | DR4,DQ3 |
高安病 | B52,DR2,DQ1 |
バージャー病 | B52,DR2,DQ1 |
ナルコレプシー | DR2 |
HLA-B27 | psoriasis, ankylosing spondylitis, inflammatory bowel disease, Reiter's syndrome. |
HLA-B8 | Graves' disease, celiac sprue. |
HLA-DR2 | multiple sclerosis, hay fever, SLE, Goodpasture's syndrome. |
HLA-DR3 | diabetes mellitus type 1. |
HLA-DR4 | rheumatoid arthritis, diabetes mellitus type 1. |
HLA-DR5 | pernicious anemia → B12 deficiency, Hashimoto's thyroiditis. |
HLA-DR7 | steroid-responsive nephrotic syndrome. |
07解 | 異メ | 流マ | HIM.A-1 | ||||
顆粒球 | 好中球 | 桿状核球 | 40~70 | 44~66 | 40~60 | 4~14 | 0~5 |
分葉核球 | 43~59 | 40~70 | |||||
好酸球 | 2~4 | 0~ 4 | 2~4 | 0~6 | |||
好塩基球 | 0~2 | 0~0.5 | 0~2 | 0~2 | |||
無顆粒球 | リンパ球 | 25~40 | 30~38 | 26~40 | 20~50 | ||
単球 | 3~6 | 0~ 5 | 3~6 | 4~8 |
(margination)
(rolling)
(adheresion & arrested)
(transmigration)
血管内皮細胞 | 白血球 | |
Rolling | ||
E-selectin | - | 糖鎖(SLex) |
P-selectin | - | 糖鎖 |
糖鎖(GlyCAM-1)(=CD34) | - | L-selectin |
Adhestion | ||
ICAM-1 | - | LFA-1 integlin(CD11a/CD18), Mac-1 integlin(CD11b/CD18) |
VCAM-1 | - | VLA-1 integlin |
transmigration | ||
PECAM-1(CD31) | - | PECAM-1(CD31) |
個数(/ul) | 個数(/ul) | 個数(%) | ||
赤血球 | 男:500万 女:450万 |
5000000 | 95.1 | |
白血球 |
5000-10000 | 7500 | 0.1 | |
血小板 |
15万-35万 | 250000 | 4.8 |
血球 | 直径(μm) |
前赤芽球 | 14~19 |
好塩基性赤芽球 | 12~17 |
多染性赤芽球 | 10~15 |
正染性赤芽球 | 8~12 |
赤血球 | 7~8.5 |
骨髄芽球 | 12~20 |
前骨髄球 | 16~23 |
骨髄球 | 12~20 |
後骨髄球 | 12~18 |
杆状核(好中球) | 10~18 |
分節核(好中球) | 10~16 |
分節核(好酸球) | 13~18 |
分節核(好塩基球) | 12~16 |
リンパ芽球 | 11~18 |
リンパ球 | 7~16 |
形質球 | 10~20 |
異形リンパ球 | 15~30 |
単球 | 13~21 |
巨核球(骨髄巨核球) | 35~160 |
血小板 | 2~4 |
赤血球 | 単球 | 好酸球 | 好中球 | 好塩基球 | リンパ球 | |
大きさ | 7~8μm | 12~20μm | 10~15μm | 10~13μm | 9~12μm | 7~15μm |
赤血球と比べた大きさ | ------ | かなり大きい | 2倍以上 | 約2倍 | 2倍弱 | 小リンパ球は同じ程度 |
細胞質 | アズール顆粒。 広く不規則な突起 |
橙赤色の粗大円形顆粒 | 暗紫色に染まる微細な顆粒 アズール顆粒 |
赤紫色の大小不同の顆粒 | 狭く淡い青色 | |
核 | くびれ有り | 2葉、眼鏡型 | 桿状好中球 分葉好中球 |
格の上にも顆粒あり | 球形 |
.